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ポーズ写真に強くなろう
ビルダー写真講座《11》

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月刊ボディビルディング1972年12月号
掲載日:2018.05.05
講師●平岡 丈
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 本講座の9回目で室内におけるコンテスト撮影について述べましたが、今回は、室内、屋外を問わず、コンテスト撮影の総括としてコンテスト撮影の応用編としましょう。

 コンテストにもいろいろあります。会場が満員で、どうしても選手に近よれない場合、背景にいろいろなものがあって見苦しい場合などコンテストによって千差万別
です。そのような悪条件下でいかにより良い写真を撮るか、実例を見ながら考えてみましょう。(実例写真はいずれも今年撮影したものです)
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 <実例写真>1(8月6日、ミスター神奈川コンテスト)

 この写真は、あまりに観客が多過ぎて選手に近づくことができなかった例です。105ミリの望遠レンズで撮影してありますが、それでもまだ選手がこんなに小さく写っ
ています。この位置で選手を画面いっばいに撮るためには、400ミリか500ミリぐらいの望遠レンズが必要になってきます。それに三脚も不可欠です。
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 <実例写真2> (10月8日、ミスター関東コンテスト)

 これはライティングが正面一方向からの、いわゆるベタ光ですが、このライティングだとデフィニションが消えてしまいます。それに撮影位置も2階で、200ミリの望遠レンズで撮ったものです。そこで、カメラ・アングルが光線とほぼ同角度になり、より迫力を欠いてしまいました。このような場合は、階下におりるなどして、光線の方向とできるだけ異なる位置から撮影することが望ましいでしょう。
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 <実例写真3> (8月20日、ミスター千葉コンテスト)

 実例2と違って自然光ですが、ライティングはほぼ同じです。この写真もかなりデフィニションが消えていますので、もっとサイドに回り半逆光ぐらいで撮影したなら、もっとデフィニションもあり、よい写真になっていたことでしょう。
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 <実例写真4> (8月27日、ミスター実業団コンテスト)

 この写真は、自然光には違いありませんが、頭上がビニールのドーム状になっているため、普通の自然光とは大分異なります。だいたい、この状態のライティングはどこにも影ができず、デフィニションも微妙に出て、大変好ましいライティングです。しかし、この写真は、ライティングはよいのですが、バックに人物や楽器等が入ってしまい、かんじんの選手を弱める原因となっています。このような場合には、ライティングはどこからでも変わりませんから、もうちょっと舞台のまわりを回ってみて、バックのスッキリした位置を見つける必要があります。最近のコンテストでは、ほとんどの選手が正面だけではなく、左、右と体の向きを変えてポーズをとりますので、必ずしも正面で撮影する必要はないといえます。
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<実例写真5> (7月23日、ミスター九州コンテスト)

 この写真は、バックも単純でライティングもよく、デフィニションもよく出ています。しかも、コンテストの舞台はポージング台を設けるため、とかく高くなりがちで、そのため低いアングルから撮影することが多くなり、足が切れてしまうことが多いが、この写真は足の先までよく撮れています。

 以上5つの例でおわかりのとおり、撮影条件はコンテストにより異なりますから、どんな悪条件に際しても、いろいろ応用をきかせて常によい写真を撮るよう心がけましょう。

 さて、本講座も早や11回目を迎え、次回はちょうど1年目となりますので、次回を本講座の最終回として、先頃来日したクリス・ディカーソンと会見し、ポージング写真等について話し合ったことを書いてみたいと思います。どうぞご期待ください。
月刊ボディビルディング1972年12月号

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