フィジーク・オンライン

東大ボディビル部の躍進 痩せたソクラテスはもう古い

この記事をシェアする

0
月刊ボディビルディング1975年2月号
掲載日:2018.05.30
 昨年度の学生ボディビル界で話題をさらったのは東大の躍進である。まず、関東学生パワーで石井直方選手がヘビー級で春・秋連続優勝を果たし、続いて同選手は関東学生ボディ新人戦でも優勝を遂げている。

 関東学生ボディ選手権では団体3位、3人が決勝進出。東日本学生選手権では団体2位、3人が決勝進出。そして全日本学生選手権では石井選手が4位、藤谷選手が17位、江口選手が18位と、これまた3人が決勝に残った。

 この東大ボディビル部は正式には東京大学運動会ボディビル&ウェイトリフティング部(主将・藤谷晴海)といい、現在の部員数は37名である。昭和39年に発足してからすでに10年になるが、これまでは、東大の他の運動部と同様にあまりふるわなかったが、前記の石井、藤谷、江口といった有望な大型新人が育つに及んで注目を浴びるようになった。

 練習は週3日、月曜と水曜が4~6時、土曜日が2時~5時で、どちらかというと練習量は少ないほうである。コーチはおらず上級生が下級生の指導にあたり、ランニング、柔軟体操でウォーミング・アップののち、ベンチ・プレスやスクワットなどの基本種目を中心として各自が自由にスケジュールを立てて練習している。なお、土曜日にはサッカー、バスケットボールなどを取り入れてレクリエーション的な楽しさも加味している。

 東大といえば天下の秀才が集まるところ。そんなイメージとは反対に、この広い体育館には(取材日が冬休みに入っていたので練習していた部員は少なかった)筋肉隆々の学生たちが思い思いにトレーニングしたり、鏡の前でポージングの練習に余念がない。

 主将の藤谷君に今年の抱負を聞くと、まず関東学生パワーには3位入賞、関東、東日本学生ボディコンテストでは優勝を狙うという。

 ”優秀な頭脳に逞しいからだ”これからの東大のイメージもきっと大きく変わるにちがいない。
A●トレーニングの前後には必ずランニングを欠かさない

A●トレーニングの前後には必ずランニングを欠かさない

B●さすがに広いトレーニング場も、いつもはいっぱいになるが、この日はすでに冬休みに入っていたので閑散としていた

B●さすがに広いトレーニング場も、いつもはいっぱいになるが、この日はすでに冬休みに入っていたので閑散としていた

C●トレーニング場の中央には大鏡があり、ポージングの練習はいつもここでやる。

C●トレーニング場の中央には大鏡があり、ポージングの練習はいつもここでやる。

D●東大の誇る大型三羽鳥。左から藤谷、石井、江口

D●東大の誇る大型三羽鳥。左から藤谷、石井、江口

E●昭和49年度の最後の練習を終わって藤谷主将を中心に記念撮影

E●昭和49年度の最後の練習を終わって藤谷主将を中心に記念撮影

月刊ボディビルディング1975年2月号

Recommend