なんでもQ&Aお答えします 1976年10月号
月刊ボディビルディング1976年10月号
掲載日:2018.07.25
中臀筋、大臀筋の発達を促すには
Q ボディビルを始めて2年になる21才の学生です。ところで上半身にくらべて下半身があまりよくありません。ことに中臀筋と大臀筋の発達が見られません。これらの筋を発達させるのに有効な運動種目を教えてください。
現在の体位、およびトレーニング・コースは次のとおりです。
<体 位>
身 長 164cm 上腕囲 28cm
体 重 48kg 前腕囲 25. 5cm
胸 囲 84cm 大腿囲 45cm
腹 囲 74cm 下腿囲 31cm
腰 囲 84cm
<トレーニング・コース>
現在の体位、およびトレーニング・コースは次のとおりです。
<体 位>
身 長 164cm 上腕囲 28cm
体 重 48kg 前腕囲 25. 5cm
胸 囲 84cm 大腿囲 45cm
腹 囲 74cm 下腿囲 31cm
腰 囲 84cm
<トレーニング・コース>
以上ですが、これらのデータから不備な点に気がつかれましたらアドバイスしてください。(大阪府 T・T)
A 大臀筋と中臀筋は双方とも臀部の筋にちがいありませんが作用の仕方が異なります。大臀筋は、しゃがんだ姿勢から立ちあがるときや、脚を後方へあげるときに強く作用します。
中臀筋は大臀筋と同じように脚をうしろへあげるときにも作用することはしますが、主として脚を横にあげるときに強く作用します。
したがって、大臀筋および中臀筋の発達を促すには、いま述べた筋の作用の性質を上手にとらえてトレーニングを行えばよいわけです。
では、まず、大臀筋、中臀筋に有効な運動種目について述べることにします。
中臀筋は大臀筋と同じように脚をうしろへあげるときにも作用することはしますが、主として脚を横にあげるときに強く作用します。
したがって、大臀筋および中臀筋の発達を促すには、いま述べた筋の作用の性質を上手にとらえてトレーニングを行えばよいわけです。
では、まず、大臀筋、中臀筋に有効な運動種目について述べることにします。
<1>大臀筋の運動
①スクワット
スクワットは大臀筋を発達させるのに欠かすことのできない運動といえます。それも、ハーフ・スクワットやクォーター・スクワットではなくフル・スクワットを行うのが一番よいようです。腰を深くおろすことは、それだけ大臀筋が広範囲に、しかも強く作用するので、大臀筋の発達には効果的になります。
人によっては、スクワットで腰が深くおりにくいということもありますが、そのような場合には、両足の間隔を広げるか、またはツマ先の向きを開らくかすれば、割りに楽に腰が深くおりるようになります。踵を高くするのもフル・スクワットをやり易くするので板などを踵の下に敷いて運動するのもよいでしょう。
大臀筋の発達を促すのにスクワットでもう1つ注意しなければならないことは、しゃがんだ姿勢から立ちあがるまでの中間動作において、上体をしゃがんだときの傾き以上に前傾させないようにすることです。途中で前傾度を変えると、腰には強く効くようになりますが、脚はもちろんのこと、大臀筋に対する効果も半減してしまいます。つねに正確なフォームでフル・スクワットを行うように心掛けてください。
②バック・キック
バック・キックとは足を後方へ蹴りあげる運動です。ただし、大臀筋に効かすには、蹴りあげるというよりも、持ちあげるという感じで動作を行うほうが効果的です。
立った姿勢、またはベンチなどに手をついて上体を前傾させた姿勢で膝を伸ばしたまま、片脚を後方または後ろ上方へ持ちあげます。1回ごとに、あるいはセットごとに脚を変えて行なってください。
③プローン・レッグ・スプリット
この運動はヒップ・アップにも効果があります。まず、床にうつ伏せになり、両脚を伸ばしたまま床から浮かせます。そして、両脚を浮かしたままの状態で、左右横へ開き、十分に開いたらつぼめます。
人によっては、スクワットで腰が深くおりにくいということもありますが、そのような場合には、両足の間隔を広げるか、またはツマ先の向きを開らくかすれば、割りに楽に腰が深くおりるようになります。踵を高くするのもフル・スクワットをやり易くするので板などを踵の下に敷いて運動するのもよいでしょう。
大臀筋の発達を促すのにスクワットでもう1つ注意しなければならないことは、しゃがんだ姿勢から立ちあがるまでの中間動作において、上体をしゃがんだときの傾き以上に前傾させないようにすることです。途中で前傾度を変えると、腰には強く効くようになりますが、脚はもちろんのこと、大臀筋に対する効果も半減してしまいます。つねに正確なフォームでフル・スクワットを行うように心掛けてください。
②バック・キック
バック・キックとは足を後方へ蹴りあげる運動です。ただし、大臀筋に効かすには、蹴りあげるというよりも、持ちあげるという感じで動作を行うほうが効果的です。
立った姿勢、またはベンチなどに手をついて上体を前傾させた姿勢で膝を伸ばしたまま、片脚を後方または後ろ上方へ持ちあげます。1回ごとに、あるいはセットごとに脚を変えて行なってください。
③プローン・レッグ・スプリット
この運動はヒップ・アップにも効果があります。まず、床にうつ伏せになり、両脚を伸ばしたまま床から浮かせます。そして、両脚を浮かしたままの状態で、左右横へ開き、十分に開いたらつぼめます。
<中臀筋の運動>
①サイド・キック
直立姿勢から咀を横へ蹴りあげる運動です。この運動も、バック・キックの場合と同様に、蹴りあげるというよりは、持ちあげるという感じで動作を行うほうが有効です。バランスがとりにくいようなら、柱などにつかまってもかまいませんから動作は正確に行なってください。
この運動は、脚が高くあがりにくいので、動作の途中から加速を加えるように行うのが効果的です。つまり、あげはじめはゆっくりと、途中から動作を速くすることです。おろすときは、脚の重みを中臀筋に意識してゆっくりとおろすようにしてください。
②サイドライイング・レッグ・レイズ
床に横向きに寝て、上側になった方の脚を膝を伸ばしたまま上方(真上)へ高く持ちあげる運動です。運動中に腰が上向いたり下向いたりしないように留意すること。動作は中臀筋に脚の重みを意識してゆっくり行うようにしてください。
以上が大臀筋と中臀筋のための運動種目です。なお、大臀筋の項で紹介したバック・キックとプローン・レッグ・スプリットは、中臀筋の発達にも有効です。
反復回数はスクワットを除く他の種目、つまり重量を用いない運動については10~20回の間で決めるのかよいでしょう。種目によって運動の困難度がちがうので、どの種目も同じ反復回数というわけにはいかないと思います。
困難度の弱い種目は、運動の速度をゆっくりさせることで適度な回数に調節してください。なお、セット数は4種目とも2セットが適当と思います。トレーニング頻度は週に2回、または3回がよいでしょう。
次に、あなたのトレーニング・コースを見て、不適または不備と考えられる点について述べるとします。
まず、不適と考えられることは、ツー・ハンズ・スロー・カールの使用重量が、上腕囲、前腕囲のサイズから推察されるあなたの腕力に比べて重すぎはしないかということです。あなたの腕のサイズならこの運動の使用重量は15kgからせいぜい20kgで十分と思われます。それが26. 5 kgで運動を行なっているということは、運動のやり方が不正確であるとしか考えられません。
つまり、反動を利用したり、あるいは肘を後方へ引くようにして、中途までバーベルを引きあげてからカールしているのではないかということです。
したがって、いま述べたことがらに留意して、26.5kgのバーベルが正確に行えるかどうか試してみてください。
腰の反動はもちろんのこと、手首の反動(手首の返しを使うこと)も用いずに、また、肘を後ろへずらさないようにして行なってください。
次に不備と思われる点について述べます。
あなたなりの考えがあってかどうかわかりませんが、あなたのトレーニング・コースには広背筋を鍛える運動が欠けています。2年のキャリアからすれば広背筋の運動があってもよいのではないかと思います。ただ、そこで問題になるのは、運動を1種目増やすことが体力的に負担になるかどうかということです。もしも体力的に負担になるのであれば無理して運動を増やすのは慎しまなければなりません。
ここでついでにいっておきますが、現在のトレーニング量が体力的に限度であるなら、先に述べた大臀筋と中臀筋のための運動は、普通のトレーニングの間の日に行うようにしてもよいでしょう。
ともあれ、体力的に余裕があるなら気分を変える意味でも広背筋の運動を行なってみるのもよいでしょう。広背筋の基礎種目はベント・オーバー・口-イングですが、胸部と腕の鍛練を兼ねてベント・アーム・プルオーバーを行うのも一考です。私としては、どちらかといえば、ベント・アーム・プルオーバーをおすすめします。
なお、お手紙にはトレーニングの週間頻度が書いてありませんが、やはり1~2日おきに週3回行うのがよいでしょう。そして、栄養に十分心を配ばり、とくに蛋白質を多く摂るようにしてください。あなたの場合、1日に75gは摂りたいものです。
〔解答は1959年度ミスター日本、NE協会指導部長・竹内 威先生 〕
この運動は、脚が高くあがりにくいので、動作の途中から加速を加えるように行うのが効果的です。つまり、あげはじめはゆっくりと、途中から動作を速くすることです。おろすときは、脚の重みを中臀筋に意識してゆっくりとおろすようにしてください。
②サイドライイング・レッグ・レイズ
床に横向きに寝て、上側になった方の脚を膝を伸ばしたまま上方(真上)へ高く持ちあげる運動です。運動中に腰が上向いたり下向いたりしないように留意すること。動作は中臀筋に脚の重みを意識してゆっくり行うようにしてください。
以上が大臀筋と中臀筋のための運動種目です。なお、大臀筋の項で紹介したバック・キックとプローン・レッグ・スプリットは、中臀筋の発達にも有効です。
反復回数はスクワットを除く他の種目、つまり重量を用いない運動については10~20回の間で決めるのかよいでしょう。種目によって運動の困難度がちがうので、どの種目も同じ反復回数というわけにはいかないと思います。
困難度の弱い種目は、運動の速度をゆっくりさせることで適度な回数に調節してください。なお、セット数は4種目とも2セットが適当と思います。トレーニング頻度は週に2回、または3回がよいでしょう。
次に、あなたのトレーニング・コースを見て、不適または不備と考えられる点について述べるとします。
まず、不適と考えられることは、ツー・ハンズ・スロー・カールの使用重量が、上腕囲、前腕囲のサイズから推察されるあなたの腕力に比べて重すぎはしないかということです。あなたの腕のサイズならこの運動の使用重量は15kgからせいぜい20kgで十分と思われます。それが26. 5 kgで運動を行なっているということは、運動のやり方が不正確であるとしか考えられません。
つまり、反動を利用したり、あるいは肘を後方へ引くようにして、中途までバーベルを引きあげてからカールしているのではないかということです。
したがって、いま述べたことがらに留意して、26.5kgのバーベルが正確に行えるかどうか試してみてください。
腰の反動はもちろんのこと、手首の反動(手首の返しを使うこと)も用いずに、また、肘を後ろへずらさないようにして行なってください。
次に不備と思われる点について述べます。
あなたなりの考えがあってかどうかわかりませんが、あなたのトレーニング・コースには広背筋を鍛える運動が欠けています。2年のキャリアからすれば広背筋の運動があってもよいのではないかと思います。ただ、そこで問題になるのは、運動を1種目増やすことが体力的に負担になるかどうかということです。もしも体力的に負担になるのであれば無理して運動を増やすのは慎しまなければなりません。
ここでついでにいっておきますが、現在のトレーニング量が体力的に限度であるなら、先に述べた大臀筋と中臀筋のための運動は、普通のトレーニングの間の日に行うようにしてもよいでしょう。
ともあれ、体力的に余裕があるなら気分を変える意味でも広背筋の運動を行なってみるのもよいでしょう。広背筋の基礎種目はベント・オーバー・口-イングですが、胸部と腕の鍛練を兼ねてベント・アーム・プルオーバーを行うのも一考です。私としては、どちらかといえば、ベント・アーム・プルオーバーをおすすめします。
なお、お手紙にはトレーニングの週間頻度が書いてありませんが、やはり1~2日おきに週3回行うのがよいでしょう。そして、栄養に十分心を配ばり、とくに蛋白質を多く摂るようにしてください。あなたの場合、1日に75gは摂りたいものです。
〔解答は1959年度ミスター日本、NE協会指導部長・竹内 威先生 〕
月刊ボディビルディング1976年10月号
Recommend
-
-
- ベストボディ・ジャパンオフィシャルマガジン第二弾。2016年度の大会の様子を予選から日本大会まで全て掲載!
- BESTBODY JAPAN
- BESTBODY JAPAN Vol.2
- 金額: 1,527 円(税込)
-