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なんでもQ&Aお答えします 1977年2月号

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月刊ボディビルディング1977年2月号
掲載日:2018.08.02

上腕三頭筋のデフィニションをよくしたいのですが

Q.ボディビル歴は約4年です。今年はボディ・コンテストに出るつもりでトレーニングをしています。私のからだは、バルクはあるのですが、デフィニションがよくありません。そのようなわけで、昨年の暮頃から食事の内容を制限したり、ロード・ワークをトレーニングに採用したりして体脂肪を落とす努力をしています。そのかいがあって、このごろは腹のまわりのぜい肉も少なくなり、全体的にもかなり筋肉の鮮明さが増してきました。

しかし、体質かどうかわかりませんが、上腕三頭筋のデフィニションが他の部分に比べてどうもよくないようです。ナワ目のようなデフィニションにすることが念願です。上腕三頭筋をよくするのに、とくに有効な運動をお教えください。(東京都新宿区・村田)
A.デフィニションをよくするには、もちろん皮下脂肪を薄くしなければなりません。それには、いまさらいうまでもなく、全身的に体脂肪を落とすことが必要です。

そこで、あなたの場合ですが、腕の皮下脂肪が薄くなったのに、それでもなお上腕三頭筋のデフィニションがよくならないということでしようか。手紙の文面からはそのように受けとれますので、一応、そう断定して質問にお答えすることにします。ただし、あなたの上腕三頭筋が、筋自体のデフィニションを問題にするに相応した筋量を有するものと考えてお答えするわけですから、その点ご了承ください。

上腕三頭筋のデフィニションをよくするには、上腕三頭筋のための運動種目において、筋自体の長さが最も短い状態になるまで完全に筋を収縮させ、そして完全に伸展させるように運動を行わなければなりません。筋量を増すためには、必ずしも前腕を完全に伸展させなくてはならないということもありませんが、デフィニションをよくするには、肘がまっすぐになるまで、腕を完全に伸展させることが大切です。その上、肘をまっすぐに伸ばした状態で、運動負荷が最も強くかかる体勢で運動を行うのが有効といえます。

したがって、フレンチ・プレス・スタンディングやフレンチ・プレス・ライイングのような運動は、肘をまっすぐに伸ばした状態では上腕三頭筋にかかる運動負荷が軽減するので、筋量を増すには有効であってもデフィニションをよくするという点では後述する運動に劣るようです。

では、上腕三頭筋のデフィニションをよくするのに有効と思われる運動種目を紹介しましょう。ただ、デフィニションをよくするのに有効な運動種目は、概して筋量を増加するという点では有効度が低くなるので、一応そのことを念頭においてください。そして、筋量を減退させないための種目を並行して行うようにするのがよいと思います。

◎トライセプス・プッシュ・アウエイ

ダンベルを片手にもち、上体を床面と平行になるまで前倒し、その体勢で肘をワキ腹の高さに保ち、前腕を垂直に下へさげた状態から後方へ肘を支点にして伸展する。つまり、肘をわき腹のあたりに固定した状態で下にぶらさげたダンベルを、腕を後方へ伸ばして、うしろへ持ちあげる運動。

◎ベント・オーバー・バーベル・バック・レイズ

上体を床面と平行になるまで前倒し腕をななめ下、後方へ伸ばした状態で、バーベルを脚の後ろ側で後ろ手に保持する。その状態から、腕を伸ばしたまま、バーベルを臀部の後方へ持ちあげる。

◎ベント・オーバー・バーベル・トライセプス・イクステンション

上体を床面と平行になるまで前倒しバーベルを両膝のうしろ側でうしろ手に保持する。この場合、両膝はほぼ90度に屈し、左右の上腕は体側に沿って水平に保つ。その状態から、肘を支点にして左右の前腕を後方へ伸ばしてバーベルを臀部の後方へ持ちあげる。[写真1参照]
〔写真1〕

〔写真1〕

◎ベント・オーバー・ダンベル・バック・レイズ

片手にダンベルを持ち、上体が床面と平行になるまで前倒し、腕を下へ垂直に伸ばす。その状態から、肘を曲げないようにして、ダンベルを後方へあげる。[写真2参照]
〔写真2〕

〔写真2〕

ΧΧΧ

以上であるが、前腕を伸展させる運動の場合は、完全に肘が伸びるまで動作を行い、腕を伸ばしたままの状態で行う運動の場合は、肘を完全に伸ばし途中でゆるめたりしないように留意すること。

エキスパンダーによる筋肉づくり

Q.勤めの関係上、ジムへ通うことができませんので、ひとりでトレーニングしています。といっても、ボディビルの用具がないのでエキスパンダーを使用し、毎日、時間をきめて行なっています。

そこで次のことがらについてお尋ねします。

①エキスパンダーだけの運動で、バーベルやダンベル等のウェイトを使用した場合と同じような刺激を筋に与えることができるでしょうか。

②エキスパンダーだけでからだを逞しくし、ボディビルダーの体形にすることが可能でしょうか。可能とすれば何年ぐらいかかるでしょうか。

③エキスパンダーの運動種目を、からだの部分ごとに分類してご紹介ください。(大阪市旭区・永井治夫)
A.①の質問からお答えします。バーベルやダンベル等のウェイトを使用する場合と同じような刺激を、エキスパンダーによって筋に与えることができるか、ということですが、これは「イエス」とも「ノー」ともいいかねます。

というのは、ある場合には同じような刺激を筋に与えることが可能であっても、運動の全般にわたって、バーベルやダンベル等の重量物を使用する場合と同じような刺激を筋に与えることは不可能であるからです。

運動器具というものは、それぞれ器具としての長所と短所をもっているものです。このことはエキスパンダーに限ったことではなく、バーベルやダンベル、その他のあらゆる器具についてもいえることです。つまり、エキスパンダーにはエキスパンダーなりの器具としての長所もあれば短所もあり、バーベルやダンベルにはそれなりの長所と短所があるということです。

しかし、エキスパンダーとバーベルまたはダンベルを比較して、身体を綜合的に鍛練するための器具としての見地から優劣を評価すれば、どちらかといえば後者の方が前者よりも優れいるということがいえます。

エキスパンダーでなければできない運動といったものもありますが、バーベルまたはダンベルによる運動種目とを全般にわたって比較する場合は、やはりバーベルやダンベルの方が利用価値が大きいといえます。

エキスパンダーは、肩や上部背面、および上肢の筋の発達に関してはかなり有効な器具だといえます。しかし、大胸筋および広背筋の強化発達に関しては効用度が低く、また、下半身の強化鍛練に関してはほとんど利用価値が認められません。したがって、からだの部分によっては、バーベルやダンベルを使用する場合と同じように刺激を与えることが可能であっても、からだ全般にわたっては不足といえます。

つぎに②の質問にお答えします。

エキスパンダーの運動だけでも、そのトレーニング法と運動のやり方が正しければ、からだをかなり発達させることはできます。しかし、ビルダー的な体形にすることができるか、ということになると、エキスパンダーの運動だけでは難しいとお答えするほうが妥当といえます。

その理由については、①の質問に対する解答でも述べたように、エキスパンダーの効用度がからだの部分によって異り、また、用途が部分的に限定されるということによります。したがって、エキスパンダーでは発達させにくい部分、または鍛練しにくい部分をなんらかの方法で鍛えない限り、ビルダー的な体形にすることは難しいといえます。だからといって、必ずしもバーベルやダンベルを使用しなければ絶対にビルダー的な体形にはならないということではありません。その点、誤解しないでください。

もちろん、コンテスト・ビルダーとしての一流の体形を造るにはバーベルやダンベルを使用しなければ不可能ですが、一応、ビルダーらしい体形を造ることなら、エキスパンダーによる運動と、それを補足する「器具なしでできる運動」によって、かなり可能性があるといえます。

つまり、エキスパンダーでは発達させにくい大胸筋や広背筋、それに鍛練することができない下半身を「器具なしトレーニング」によって鍛えていけば、一応ビルダーらしい体形をつくることができるということです。「器具なしトレーニング」については後述しますのでエキスパンダーの運動と並行して行なってください。

なお、②のもう1つの質問の「ビルダー的な体形にすることができるとしたら何年くらいかかるか」についてははっきり何年くらいとお答えすることはできません。同じような条件のもとで同じような練習をしても、その効果の得られる度合と早さに大きな個人差があるからです。

では③のエキスパンダーの運動種目を部分的に分類して紹介することにします。「器具なしでできる運動」も紹介しておきますので参考にしてください。

<エキスパンダーの運動種目>

(A)三角筋を主とした運動

①フロント・プレス
両肘を屈し、胸の前で水平に構えたエキスパンダーを、両腕を真横へ伸ばして押し拡げる。<効果>三角筋僧帽筋、上背諸筋、上腕三頭筋。

②ストレート・アーム・フロント・プル
両腕を前方に伸ばして肩の高さでエキスパンダーを水平に構え、その状態から両腕を左右横へ開くようにしてエキスパンダーを伸ばし拡げる。<効果>上背諸筋、三角筋、僧帽筋

③サイド・レイズ
両腕を伸ばして下にさげたエキスパンダーを大腿部のあたりで水平に構え、その位置から両腕を真横へあげるようにしてエキスパンダーを引き伸ばす。なお、運動中、左右のグリップを内向き(腕があがるにつれて下向きになる)に固定して行うほうが効果的と思われる。<効果>三角筋、僧帽筋、上背の諸筋。

④スタンディング・ロー
一方の把手に片足を差し入れ、柄を踏みつけるようにして固定し、他方の把手を下腹部のあたりで両手で握り、垂直にエキスパンダーをかまえる。その位置から両肘を横へ張るようにして上へあげ、エキスパンダーをアゴのあたりまで引き伸ばす。<効果>三角筋、僧帽筋、上腕二頭筋。〔写真3参照]
〔写真3〕

〔写真3〕

⑤ワン・アーム・バック・プレス
エキスパンダーを背中の方に廻し、片方のグリップを臀部のあたりに固定し、他方のグリップを肩のあたりから上方へ押しあげるようにしてエキスパンダーを伸ばす。

⑥ワン・アーム・フロント・プレス
一方のグリップを大腿部のあたりに固定し、他方のグリップを肩のあたりから上方へ差し上げるようにしてエキスパンダーを引き伸ばす。

⑦フロント・レイズ
片方のグリップを大腿部の横のあたりで固定し、他方の腕を前方へ押し伸ばしてエキスパンダーを構える。その状態から、前方へ伸ばした腕を曲げないようにして、上方へあげてエキスパンダーを引き拡げる。<効果>三角筋、僧帽筋、上背の諸筋。

(B)広背筋の運動

①ダウンワード・プル(オーバー・ヘッド・ダウンワード・プル)
エキスパンダーを頭上で水平に構えその位置から両腕を伸ばしたまま左右横、肩の高さまでおろすようにしてエキスパンダーを引き伸ばす。エキスパンダーを引き伸ばしたとき、スプリングがからだの前(胸の上あたり)へくるようにしても、またクビの後ろ側へゆくようにしても、どちらでもよい。

②ホリゾンタル・プル
まず、一方の把手を柱などにくくりつける。そのくくりつけた把手に面し適当な間隔を置い立ち、両膝を少し曲げ、上体をいくぶん前傾させた姿勢で、片方の腕をまっすぐ伸ばしてもう一方の把手を握る。その体勢で、前方へ伸ばした腕を、肘をワキ腹へ寄せる感じで曲げエキスパンダーを手前へ引き伸ばす。両手で把手を握り、腹部へ引き付けるように運動を行なってもよい。

③ストレート・アーム・プルダウン
ホリゾンタル・プルと同じような体勢から、腕を伸ばしたまま下方へ引きさげるようにしてエキスパンダーを引き伸ばす。上腕三頭筋、大胸筋にも効く。

(C)大胸筋の運動

①クロス・オーバー
一方の把手を柱などにくくりつけ、そのくくりつけられた把手に対し、適当な間隔を置いて横向きに立ち、片方の腕を横へ伸ばして、もう一方の把手を握る。その体勢から、横向きのまま、できるだけ肘をまげないようにして、エキスパンダーを引き伸ばす。

(D)上腕二頭筋の運動

①カール
一方の把手に片足を差し入れ、柄を踏みつけるようにしてエキスパンダーを固定する。もう一方の把手をエキスパンダーを固定している足と同じ側の手で掌を上にして握り、大腿部のあたりから巻きあげるようにしてエキスパンダーを引き伸ばす。[写真4參照〕
〔写真4〕

〔写真4〕

②ベント・フォワード・カール
カールの場合と同様にエキスパンダーの一端を足で固定し、他方のグリップを、上体を少し前傾させて両手で握る。両肘を腹部に当てがって固定させた状態で、把手を巻きあげるようにしてエキスパンダーを引き伸ばす。

(E)前腕の運動

①リバース・カール
把手をオーバー・グリップで握り、手の甲を上に向けて行うカール。

②リスト・カール
カールの中間動作の位置で腕の状態を固定させ、その状態で手首だけの屈曲運動を行う。運動をしている方の腕(手首)の下に、他方の手を添えて補助して行うとよい。主として前腕の屈筋に効く。

③リバース・リスト・カール
手の甲を上に向けて行うリスト・カール。主に前腕の伸筋に効く。

(F)上腕三頭筋の運動

①フレンチ・プレス
エキスパンダーを背の方に廻し、片方のグリップを臀部のあたりに固定し、他方のグリップを、上腕部を垂直に上に伸ばした状態で肘を屈してクビの後ろあたりに構える。その状態から、上腕部を動かさないようにして前腕だけを上方に伸展してエキスペンダーを引き伸ばす。上腕を動かして動作を行うと三頭筋に与える効果が半減するので注意。

②トライセプス・プレスダウン
一方のグリップを、腕を高く伸ばして頭上に固定し、他方のグリップをミゾオチのあたりに構える。その状態から、上方のグリップは固定したままで、もう一方のグリップを下方へ押しさげる。この場合、上腕部は胸のワキに固定し、前腕だけを下へ伸展してエキスパンダーを伸ばすようにする。[写真5参照]
〔写真5〕

〔写真5〕

ΧΧΧ

他にも運動種目はありますが、以上に紹介したものが一般に行われているエキスパンダーの種目です。

<トレーニング上の注意>

①バネは無理のない本数をセットし、動作は、伸ばすときも縮めるときも一定の速度でていねいに行う。

②バネの強さは10回以上反復できるものがよいと思われる。

③バネを水平の状態で伸ばす運動は、左右均衡のとれたフォームで行う。余裕のない強いバネで無理な動作を行うと、バネが水平の状態で伸ばせなくなり、胸郭をイビツにするおそれがある。使用筋を片方ずつ鍛練する運動の場合も、左右対称をなすフォームで行うよう留意する。

④エキスパンダーの運動で強化できるからだの部分は偏っているので、それを補足する「器具なしでできる運動」を併せて行うのがよい。

<器具なしでできる運動>

(A)腹の運動

①フロア・シット・アップ
床に両脚を伸ばして仰向きに寝、両足を固定しないで上体を起こす。運動中に両足が浮かないように注意し反動を使わずに、ゆっくりとした動作で行う。運動になれたら両脚を開いて行うようにするとよい。両足の間隔を広くするほど動作が困難となる。

②Vシット
床に仰臥し、臀部を支点にして上体と脚を同時にあげ、体でV字型をつくるように動作を行う。

(B)胸の運動

①プッシュ・アップ
腕立て伏せの運動。両手の間隔を拡げると大胸筋の外側に強く効くようになる。運動の負荷を重くするには足を台などの上にのせて高くして行うとよい。

②マニュアル・レジスタンス・チェスト・ワーク
両手を胸の前で力いっばい押し合わせたまま左右へ交互に移動させる。両手の位置を高くすれば大胸筋の上部に、低くすれば下部に強く効く。

(C)広背筋の運動

①チンニング
懸垂運動のこと。両手の間隔を肩幅より広くして行うのがよい。この運動は、ぶらさがれる物がなければ行えないので、他の運動と切りはなして公園などで行うようにするとよい。

②チンニング・ビハインド・ネック
懸垂運動でからだを引きあげたときに鉄棒がクビの後ろへくるように行うチンニング。

(D)腰の運動

①バック・イクステンション
床にうつ伏せに寝、両腕を前方へ伸ばし、その姿勢から、下腹部を支点にして上体と脚を同時にあげ、からだを弓なりに反らす運動。

②三点倒立で脚を上げ下げする運動
壁から20〜30cmの間隔を置いて頭を床につけ、両手をさらに手前に置いて倒立する。倒立した状態で腰を屈して脚を床の方へおろし、おろしたなら元の位置に戻す。必ずしも壁にからだを寄りかけて行わなければならないということはない。壁を背にして行うのはバランスがくずれた場合の用心のためである。

(E)大腿の運動

①ヒンズー・スクワット
しゃがんだ姿勢から立ちあがり、またしゃがんでは立ちあがる。両足の間隔をしゃがみ易い幅にとり、立ちあがるときに上体をあまり前傾させないようにする。

②シングル・レッグ・スクワット
片脚で行うスクワット。

<トレーニング・コース例>

(I)初心者用、各種目2セットずつ 隔日的、週3日
①Vシット
②プッシュ・アップ
③フロント・プレス
④チンニング(ぶらさがるものがないときは他の機会に行う)
⑤カール
⑥バック・イクステンション
⑦ヒンズー・スクワット

(Ⅱ)中級者以上用、分割法による

Aコース(週2日各種目2・3セット)
①Vシット
②プッシュ・アップ
③マニュアル・レジスタンス・チェスト・ワーク
④ストレート・アーム・フロント・プル
⑤フロント・レイズ
⑥ワン・アーム・バック・プレス
⑦フレンチ・プレス
⑧トライセプス・プレス・ダウン
⑨三点倒立で脚を上げ下げする運動

Bコース(週2日各種目2・3セット)
①フロア・シット・アップ
②チンニング
③チンニング・ビハインド・ネック
④カール
⑤ベント・フォワード・カール
⑥リバース・カール
⑦リスト・カール
⑧リバース・リスト・カール
⑨シングル・レッグ・スクワット

〔解答は1959年度ミスター日本、NE協会指導部長・竹内 威先生〕

下痢をすると栄養分は吸収されないか

Q.ボディビル経験4年です。蛋白質の摂取に努めていますが満腹のときや食欲のないときには、固形の食品はなかなかのどを通りません。その点、牛乳や豆乳はそんなときでも摂取しやすいと思います。しかし、牛乳を多量に飲むとしばしば下痢を起こします。下痢をすると栄養分は吸収されないで、腸を通過してしまうのでしようか。(中野区Y・M)
A.牛乳を飲み慣れていない人が牛乳を飲むと下痢をしやすいいようです。この対策としては、少量ずつ、口にふくめ睡液と混ぜ合わせるように温もらせ、オーバーにいうと牛乳をかんで食べるような気分で飲む方法をとるか、あるいは牛乳を温めてから飲む方法を用いるとよいでしょう。

わたし達は、一般に下病をすると、胃腸病、細菌性疾患ではないかと思いやすいのですが、実は運動不足によるもの、精神的影響によるもの、過労によるものなど、いろいろな原因があるといわれています。

牛乳を飲んで起こる下痢の原因はよく分かりませんが、多分、冷たい牛乳(多くは冷蔵庫に入れるから)を飲み胃腸の変調を引き起こすためではないでしょうか。

いずれにしても、下痢は、大腸での水分の吸収不足によって起こることなのですが、下痢をするとまったく養分が吸収されないか、というとそうではありません。傾向としては、大なり小なり栄養分の吸収は悪いといえますが1日に数回もトイレに駆け込むような状態ならとも角、1日1回、それが軟便程度の場合なら、そう心配する程栄養分の吸収は悪くないはずです。

内臓が弱くバルクがつかない

Q.私はバルクが欲しいのですが内臓が弱く、なかなかバルクがつきません。バルクが欲しいあまり、重い重量を使用したのですが今度は疲労が重なって、トレーニングをするのがとても負担になってきました。

食事は外食、仕事は泊まり明けの夜勤で、バルクをつけるのには、条件的にもあまりよくないようです。しかし何とかしてバルクをつけたいのです。とくに、どんな運動を重点的にしたらよいでしょうか。

現在の体格は、身長167cm、体重55kg。胸囲84cmです。デフィニションはよくでているほうだと思います。(名古屋 塩屋 良二)
A.ボディビル経験がどのくらいなのか記してありませんので恐らく、まだ数カ月以内の経験者ではないかと推測してお答え致します。

確かに、外食と夜勤では、バルクを増加させ、体重を増やすためには、条件的にあまり有利とはいえないでしょう。とはいえ、恒常的なものならば、慣れてしまえば、それらは決定的な障害とは限らなくなるといえます。問題は、夜勤が交替制の場合です。一週間ごとに夜勤と昼勤が交替したり、あるいは三部交替制であったりすると、思うように体調も、精神的安定も得られなくなってしまい、期待する程のトレーニング効果が実現しがたくなるからです。

とはいえ、意志の強固な人は、かなり不利な条件でも、それを克服し、目標を達成しますので、このような不利な条件は、ひとつ克服してやろう、そして、ついでに内臓の弱いのも治してしまおう、というくらいの心掛けが肝要です。

さて、あなたは内臓が弱いといっていますが、それは医師の診断による事実なのでしょうか。それとも、自分でそう思っているだけなのでしょうか。一般には、内臓が弱いと思っている人の多くは、内臓そのものが本来弱いという訳ではなく、仕事や人間関係などで、神経を使い、内臓の働きに制限を与えていることがしばしばあります。

どんな人の内臓であろうと、ことに心臓、胃腸などは、神経質過ぎると働きが不安定になります。内臓の働きを円滑にするには、食べ物、日常生活を適当な内容にすることが不可欠ですが精神をできるだけ安定させるようにすることも重要なことがらなのです。

内臓の働きは、運動をすることにより、血行がよくなり、必然的に向上する傾向があります。したがって、ボディビルを続けるうちに、いつの間にか内臓に自信を持てるようになるはずです。そうなれば、バルクをつけ、体重を増やすのも容易になります。

という訳で、今のあなたにとってはいく分か不利な生活条件を克服しようとする決意、弱いと思っている内臓の働きをよくすること、このあたりから出発すべきだと考えます。

トレーニングの根本的な注意点は、極端な無理はさけ疲労を蓄積させないことです。トレーニングの具体的な内容としては、ベンチ・プレス、スクワット、ベント・ロー、シット・アップの4種目程度を、各々容易に10〜15回できる重量を用い、2〜3セット程ずつ行なってみてはどうでしょうか。

このようなトレーニングをしばらく続け、内臓の働きがよくなり、それほど疲労感を憶えなくなったら、積極的に重量、セットを増加させてみるとよいのではないでしょうか。そして、しばらく様子をみて、次は運動種目を少しずつ増やすようにします。

他にも、いろいろ考え方はありますが、どのみち、仕事で疲れやすい状態のときに、過度のトレーニングを行なえば、より疲労を増進させるだけになりますので、そんな場合はことさらバルクをつけようとして、きついトレーニングをするのは賢明といえません。

今のところ、体調を整え、徐々に体力を蓄えることを目的に、トレーニングを実施するのが賢明です。あなたの場合は、このような段階を経てから、バルクを目的とするトレーニングに移る方が早道だと考えます。

なお、充分な内容(量と質)の食事と、睡眠および休養をとることも忘れてはなりません。
月刊ボディビルディング1977年2月号

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