JBBAボディビル・テキスト⑨
指導者のためのからだづくりの科学
月刊ボディビルディング1974年4月号
掲載日:2018.08.01
各論(解剖学的事項)一骨格系3
日本ボディビル協会指導員審査会委員長
佐野 誠之
日本ボディビル協会指導員審査会委員長
佐野 誠之
⑥自由肢の連結
(a)肩関節の連結一肩甲骨の関節窩と上腕骨頭の間にある球関節で,人体中もっとも可動性が大きい。関節窩の周囲に付いた結合組織性の関節唇で補われ,それをゆるやかな関節包が覆っている。関節窩が浅い辺のような形で,その周辺が関節唇で出来ているために,脱臼しやすい。
この関節を補強する靭帯は,烏口突起の尖端部の近くから関節包の上を覆って,上腕骨の大小結節に及んでいる烏口上腕靭帯と,関節唇のまわりから上腕解剖頸まで出ている唇腕靭帯である。うしろ側では棘上筋腱,棘下筋腱,小円筋腱等,また前側では肩甲下筋腱等,これをとりまく筋群の腱によって補強されている(参考図55)
この関節を補強する靭帯は,烏口突起の尖端部の近くから関節包の上を覆って,上腕骨の大小結節に及んでいる烏口上腕靭帯と,関節唇のまわりから上腕解剖頸まで出ている唇腕靭帯である。うしろ側では棘上筋腱,棘下筋腱,小円筋腱等,また前側では肩甲下筋腱等,これをとりまく筋群の腱によって補強されている(参考図55)
第55図 肩関節の断面
(b)肘関節の連結一上腕骨と橈骨,尺骨の間にある関節で,この関節の主部をなすものは上腕滑車と尺骨との間にある腕尺関節(螺旋関節)であり,肘を屈伸する運動の中心になる。
橈骨と上腕骨との間の関節は球関節で,ただ従属的にその屈伸に関与するだけである。ただし,この関節のために前腕が回外位や回内位のときでも共に肘の屈伸運動ができるようになっている。(参考図56)
橈骨と上腕骨との間の関節は球関節で,ただ従属的にその屈伸に関与するだけである。ただし,この関節のために前腕が回外位や回内位のときでも共に肘の屈伸運動ができるようになっている。(参考図56)
第56図 肘関節の内部構造
橈骨と尺骨との連結は近位橈尺関節といわれ,車軸関節である。橈骨輪状靭帯で補われており,下端は遠位橈尺関節と呼ばれ,関節包は大きくゆるい。近位,遠位とも必ず同時に動き,尺骨が軸となって前腕の回内,回外(回旋運勧)をする。
肘関節を補強する靭帯には次の3つがある。すなわち,尺側側副靭帯,橈惻惻副籾帯,橈骨輪状籾帯であるOまた,橈骨と尺骨とは橈尺靭帯という膜様のもので結ばれており,この靭帯は前腕骨間謨と呼ばれ,それぞれの骨稜を互いに結んでいる。また,前腕骨間膜より上に,尺骨より斜め外下方に伸びている斜索がある。(参考図57)
肘関節を補強する靭帯には次の3つがある。すなわち,尺側側副靭帯,橈惻惻副籾帯,橈骨輪状籾帯であるOまた,橈骨と尺骨とは橈尺靭帯という膜様のもので結ばれており,この靭帯は前腕骨間謨と呼ばれ,それぞれの骨稜を互いに結んでいる。また,前腕骨間膜より上に,尺骨より斜め外下方に伸びている斜索がある。(参考図57)
第57図 肘関節
以上が肘関節の連結であるが,要約すると,上腕骨の下端と橈骨上腕骨の下端と尺骨,橈骨と尺骨とのそれぞれの間につくられている3つの関節が1つの関節包に包まれているものである。
(c)手の関節一小さい骨が多いだけに,その相互の連結は多種にわたっているが,大別すると手根関節手根中手関節,手根中手指節関節および指関節である。そして,その各々がまた小さい関節の集まりである。
手根関節一橈骨手根関節,手很間関節,豆状骨関節の3つからなっている。俗に「手くびの関節」というのは橈骨手根関節で,橈骨下面と手根骨との間にある楕円関節である。尺骨は手根骨とは直接に関節をいとなまない。
手首では橈骨と尺骨は肘関節のときとは逆に橈骨が主役で,尺骨の下端は関節円板でへだてられ,直接関係していない。
手根間関節は遠位および近位の手根間にある複関節で,各部により異なり複雑である。手根間関節の運動は極めて制約され,多少弾性のある可動性の版のようになっている。この手根間関節と橈骨手根回節を併せて手関節ということもある。(参考図58)
(c)手の関節一小さい骨が多いだけに,その相互の連結は多種にわたっているが,大別すると手根関節手根中手関節,手根中手指節関節および指関節である。そして,その各々がまた小さい関節の集まりである。
手根関節一橈骨手根関節,手很間関節,豆状骨関節の3つからなっている。俗に「手くびの関節」というのは橈骨手根関節で,橈骨下面と手根骨との間にある楕円関節である。尺骨は手根骨とは直接に関節をいとなまない。
手首では橈骨と尺骨は肘関節のときとは逆に橈骨が主役で,尺骨の下端は関節円板でへだてられ,直接関係していない。
手根間関節は遠位および近位の手根間にある複関節で,各部により異なり複雑である。手根間関節の運動は極めて制約され,多少弾性のある可動性の版のようになっている。この手根間関節と橈骨手根回節を併せて手関節ということもある。(参考図58)
第58図 手関節
手根中手関節も,各中手骨と手根との間を結ぶ3つの関節結合である。ただ,拇指の第1手根中手関節は独立しており,その運動は他に比べて白山で,屈仲40度くらい,内転・外転ともに45度くらいから60度くらいに及ぶ。
中手指関節は球関節であるが,機能的には蝶番関節とあまり変わりなく,指の基節の屈伸と指間の稠閉がこの関節の働きである。屈呻は約90度くらい,指間の開閉は指によって異なり,第3指の中心線に対して45~60度くらいである指関節は蝶番関節で指の屈伸をなし,その運動範囲は大体90度ぐいである。なお,手は多種多はの靭帯によって捕われているが,詳細は省略する。
中手指関節は球関節であるが,機能的には蝶番関節とあまり変わりなく,指の基節の屈伸と指間の稠閉がこの関節の働きである。屈呻は約90度くらい,指間の開閉は指によって異なり,第3指の中心線に対して45~60度くらいである指関節は蝶番関節で指の屈伸をなし,その運動範囲は大体90度ぐいである。なお,手は多種多はの靭帯によって捕われているが,詳細は省略する。
第59図 胸鎖関節(右)の運動軸
⑦上肢の運動
(a)上肢帯骨の運動胸鎖関節(前号参考図53)は鞍関節であり,肩鎖関節(前号参考図54)は半関節であるが,いずれも機能的には球関節と考えられる動きをする。
実際には肩甲骨と鎖骨とはつねに一緒に動くものであって,胸鎖関節のみとか,肩鎖関節のみの動きはあり得ない。
胸鎖関節では第1前後軸(参考図59)を中心に上下の動きを,また,第2前後柚を中心として前後の動きが行われ,鎖骨の長軸を軸として旋回的な動きがなされる。しかし,これらの関節は胸郭により制限を受けている(参考図59)
(b)肩関節の運動一肩関節は代表的な球関節で,関節包もゆるく,きわめて大きい狛きができる。人体のうちでもっとも運動範囲の大きいところである。すなわち,上腕の前後,左右,上下の3軸の周りを大きい範囲で動く(参考図60)
実際には肩甲骨と鎖骨とはつねに一緒に動くものであって,胸鎖関節のみとか,肩鎖関節のみの動きはあり得ない。
胸鎖関節では第1前後軸(参考図59)を中心に上下の動きを,また,第2前後柚を中心として前後の動きが行われ,鎖骨の長軸を軸として旋回的な動きがなされる。しかし,これらの関節は胸郭により制限を受けている(参考図59)
(b)肩関節の運動一肩関節は代表的な球関節で,関節包もゆるく,きわめて大きい狛きができる。人体のうちでもっとも運動範囲の大きいところである。すなわち,上腕の前後,左右,上下の3軸の周りを大きい範囲で動く(参考図60)
第60図肩関節の運動軸
前後軸一上腕骨頭の中心をとおり関節窩の面に平行な軸
左右軸一上腕骨頭の中心をとおリ関節窩の面に垂直な軸
上下軸一上腕骨頭の中心をとおり節窩に対して鉛直な軸
上腕骨軸一上腕骨頭の中心をとお上腕の骨幹軸
前後軸を中心として内転(体軸に近づける)10~20度,外転(体軸より遠ざける)約90度。左右軸を中心として屈(前より挙上)約60度,伸(うしろに挙上)約45度,上腕骨軸を中心として内旋(回内)外旋(回外)ともに約90度,等々の範囲の運動が行われる。また,上述範囲内の旋回運動もできる。
上肢の運動は上肢帯が共に動くとき,さらに大きいものとなって屈伸180度にも及ぶものとなる。すなわち,肩関節の運動によって上肢帯も全体が著しく動き,その胸郭に対する位置も変化する。
(c)肘関節と前腕の運動一連結のところで述べたとおり,肘関節のうち,腕尺関節,腕橈関節は肘の屈伸を行い,近位橈尺関節と遠位橈尺関節とで前腕の回旋(回内・回外)運動を行う。
肘の運動は(掌がねぢれて上腕に対してどんな角度にあっても)約150度の範囲で屈伸できるとともに,肘の屈伸がいかなる位置にあっても前腕の回内,回外は自由である。
掌を前方に向けた位置(解剖学的姿勢という)では,橈骨と尺骨は平行(橈骨が外側,すなわち,拇指側に,尺骨は内側にある状態で)に並んでいる。橈尺関節の回旋運動を行うと,橈竹が回旋して尺骨の前に出て×字型に交又し,掌は後方に向く(掌が正中面に対し,向き合って体側にある姿勢が一般的な基本的姿勢の掌の位置である。解剖学的姿勢と混同しないよう注意されたい)。これは,前腕を回して回内運動をしたことで,橈骨が再び尺骨と平行に並ぶように元の位置に戻す方向への回旋が回外運動である。
掌を床などにつけたまま,前腕の回旋を行うと,尺骨と共に上腕が回旋する。前腕の回内・回外は約120~140度くらいの範囲で行われ,上肢全体では肩関節の回旋も加えると,ほとんど360度の回転もできる。(参考図61)
左右軸一上腕骨頭の中心をとおリ関節窩の面に垂直な軸
上下軸一上腕骨頭の中心をとおり節窩に対して鉛直な軸
上腕骨軸一上腕骨頭の中心をとお上腕の骨幹軸
前後軸を中心として内転(体軸に近づける)10~20度,外転(体軸より遠ざける)約90度。左右軸を中心として屈(前より挙上)約60度,伸(うしろに挙上)約45度,上腕骨軸を中心として内旋(回内)外旋(回外)ともに約90度,等々の範囲の運動が行われる。また,上述範囲内の旋回運動もできる。
上肢の運動は上肢帯が共に動くとき,さらに大きいものとなって屈伸180度にも及ぶものとなる。すなわち,肩関節の運動によって上肢帯も全体が著しく動き,その胸郭に対する位置も変化する。
(c)肘関節と前腕の運動一連結のところで述べたとおり,肘関節のうち,腕尺関節,腕橈関節は肘の屈伸を行い,近位橈尺関節と遠位橈尺関節とで前腕の回旋(回内・回外)運動を行う。
肘の運動は(掌がねぢれて上腕に対してどんな角度にあっても)約150度の範囲で屈伸できるとともに,肘の屈伸がいかなる位置にあっても前腕の回内,回外は自由である。
掌を前方に向けた位置(解剖学的姿勢という)では,橈骨と尺骨は平行(橈骨が外側,すなわち,拇指側に,尺骨は内側にある状態で)に並んでいる。橈尺関節の回旋運動を行うと,橈竹が回旋して尺骨の前に出て×字型に交又し,掌は後方に向く(掌が正中面に対し,向き合って体側にある姿勢が一般的な基本的姿勢の掌の位置である。解剖学的姿勢と混同しないよう注意されたい)。これは,前腕を回して回内運動をしたことで,橈骨が再び尺骨と平行に並ぶように元の位置に戻す方向への回旋が回外運動である。
掌を床などにつけたまま,前腕の回旋を行うと,尺骨と共に上腕が回旋する。前腕の回内・回外は約120~140度くらいの範囲で行われ,上肢全体では肩関節の回旋も加えると,ほとんど360度の回転もできる。(参考図61)
第61図 上肢の回旋軸図
(d)手関節の運動一俗にいう手首の運動で,手関節の連結のときに述べた範囲の屈伸,内転,外転等,非常に器用に勣く。細かい説明は省略するが,指箙の動きと共に非常に巧緻な動きをする。
B一下肢
下肢の骨格は下肢帯と自由下肢との2部からなり,自由下肢はさらに,大腿,下腿,足の3部に分けられる。なお,下肢には上肢に見られない膝蓋骨があるo下肢帯は寛骨,大腿は1本の大腿骨,下腿は平行に並んだ脛骨と腓骨,足は足根骨,中足骨,指骨の3群の小骨からなっている。(参考図62)
第62図 下肢の骨格
①下肢帯の骨(寛骨)
下肢帯骨をつくる骨を総称して寛骨といい,大きくて扁平であり左右対性のものである。青春期のころまでは腸管,坐骨,恥骨の3骨からなり,互いに軟骨結合されているが,成人では軟骨部分が骨化して3骨は互いに癒着して1つの寛骨となっている。3骨が会合している部分の外側に深い半球形の関節窩があり,これを寛臼という。その下に坐骨と恥骨に囲まれた閉鎖膜孔と呼ばれる大孔がある(参考図63)
第63図 寛骨
腸骨は寛骨の上半部を占める扇平骨で,腸骨翼といい,その内面は浅く凹んでいて,腸骨窩というが,ここに腸骨筋がつき,外面には殿筋群がつく。また,上内側面は腹腔に向って腸を支えている。腸骨の上縁を腸骨稜といい内腹斜筋,外腹斜筋,腹横筋,広背筋がついている。腸骨稜の前端突出部を前腸骨棘といい,大腿膜張筋,縫工筋がつく。その下に下前腸骨棘があり大腿筋がつく。
坐骨は寛骨のうしろ下部をつくる骨で,その後下隅の肥厚部を坐骨結節といい大腿二頭筋長頭,半膜様筋,半腱様筋,大内転筋,大腿方形筋がっく。坐ると椅子の面と接ナる部分である。また,坐骨棘には尾棘筋がつく。
恥骨は寛骨の前下内側を占めている骨で,外陰部の場所にあり,左右の寛骨を連結していて,上下枝にわたって内転筋群がついている。寛臼という凹みは股関節の関節窩をなしていることは前に述べたとおりである。
寛骨は上肢帯の鎖骨と肩甲骨が体幹と可助結合しているのとは異なり,第5腰椎,仙骨,尾骨と共に骨盤を形成して体幹に固定され,下肢帯と白山肢との仲介をするとともに,体幹の下部を構成し,骨盤や内臓を保護し介柱を支えている。
坐骨は寛骨のうしろ下部をつくる骨で,その後下隅の肥厚部を坐骨結節といい大腿二頭筋長頭,半膜様筋,半腱様筋,大内転筋,大腿方形筋がっく。坐ると椅子の面と接ナる部分である。また,坐骨棘には尾棘筋がつく。
恥骨は寛骨の前下内側を占めている骨で,外陰部の場所にあり,左右の寛骨を連結していて,上下枝にわたって内転筋群がついている。寛臼という凹みは股関節の関節窩をなしていることは前に述べたとおりである。
寛骨は上肢帯の鎖骨と肩甲骨が体幹と可助結合しているのとは異なり,第5腰椎,仙骨,尾骨と共に骨盤を形成して体幹に固定され,下肢帯と白山肢との仲介をするとともに,体幹の下部を構成し,骨盤や内臓を保護し介柱を支えている。
②大腿骨一人体中最大の管状骨である。(参考図64)
上端部は股関節頭で,肥厚しており大腿骨頭と呼ばれ,大腿骨頭を介して大腿骨体につづいている。その基部の後面に大転子(中殿筋,小殿筋がつく)と,下内方に小転子(腸腰筋がつく)の2個の突起がある。
大腿骨の下端部は幅が広くなり,うしろ下方に向って内側顆および外側顆となっている。内側顆・外側顆の後面は顆間窩と呼ばれる深い凹みがあり,両顆の側面は高まっている。そして,内側には大内転飭と腓腹筋内側頭が,外側には膝窩筋と腓腹筋外側頭がついている。
大腿骨体は管状で,その後面に両転子より下方に伸びて両顆の上方にいたる粗線と吁ばれる隆起があり,これは全体として細長いX型をなしている。これが大腿骨稜と呼ばれるところで,大殿筋,内転筋群,内外側広筋等がついている。
大腿骨の下端部は幅が広くなり,うしろ下方に向って内側顆および外側顆となっている。内側顆・外側顆の後面は顆間窩と呼ばれる深い凹みがあり,両顆の側面は高まっている。そして,内側には大内転飭と腓腹筋内側頭が,外側には膝窩筋と腓腹筋外側頭がついている。
大腿骨体は管状で,その後面に両転子より下方に伸びて両顆の上方にいたる粗線と吁ばれる隆起があり,これは全体として細長いX型をなしている。これが大腿骨稜と呼ばれるところで,大殿筋,内転筋群,内外側広筋等がついている。
第64図大腿骨.脛骨,腓骨の図
③下腿の骨(参考図64)
(a)脛骨一下腿の内側にある三角柱状の長管骨で,人体の骨の中で大腿骨についで大きい骨である。前縁と内面は皮膚の下に触れることができ,俗にいう「むこうずね」とはこの骨のことで,非常に丈夫な骨である。
上端は左右に肥厚して内側顆と外側顆をつくり,この両顆の上面はわずかに凹んだ関節面をなし,大腿骨下端と比較的たいらな関節面をなしている。
上端の前面は脛骨粗面になっており,大腿四頭筋腱がついている下端は内果(くるぶし)となって内側に向ってふくれ出している。外側には腓骨との関節がある。
(b)腓骨一脛骨の外側にあって,これと並んでいる脛骨に比べて細長い管状骨で,腓骨体も脛骨と同様三角柱状をなしている。上端と下端とはやや肥厚して腓骨頭と外果(そとくるぶし)となっている。
腓骨体は全長ほとんど同じ太さで,腓骨の大部分は下腿の深部にあるが,腓骨頭と外来とは皮下に現われている。
(c)膝蓋骨一一膝藍骨は膝関節の全面にある栗実状(円蓋状)の骨で,本来は大腿四頭筋の謎の中に発達した種子骨である。腱で脛骨に連結されている。
上端は左右に肥厚して内側顆と外側顆をつくり,この両顆の上面はわずかに凹んだ関節面をなし,大腿骨下端と比較的たいらな関節面をなしている。
上端の前面は脛骨粗面になっており,大腿四頭筋腱がついている下端は内果(くるぶし)となって内側に向ってふくれ出している。外側には腓骨との関節がある。
(b)腓骨一脛骨の外側にあって,これと並んでいる脛骨に比べて細長い管状骨で,腓骨体も脛骨と同様三角柱状をなしている。上端と下端とはやや肥厚して腓骨頭と外果(そとくるぶし)となっている。
腓骨体は全長ほとんど同じ太さで,腓骨の大部分は下腿の深部にあるが,腓骨頭と外来とは皮下に現われている。
(c)膝蓋骨一一膝藍骨は膝関節の全面にある栗実状(円蓋状)の骨で,本来は大腿四頭筋の謎の中に発達した種子骨である。腱で脛骨に連結されている。
第65図 足の骨(足背面)
④足の骨一足の骨は足根骨,中足骨および足の指竹の3群に分けられる。
(a)足根骨一足くびの下の方から前の方に及んでいる7個の骨である一般には「かかと」をつくっている距骨と踵骨くらいを知っていれば充分である。
(b)中足骨一足根骨の前に並んでいる小管状の骨で,各指に対して1本ずつある。
(c)指の骨一一拇指は2個,他の指は3個の指節骨からなっている。(参考図65)
(b)中足骨一足根骨の前に並んでいる小管状の骨で,各指に対して1本ずつある。
(c)指の骨一一拇指は2個,他の指は3個の指節骨からなっている。(参考図65)
⑤下肢の連結(下肢帯について)
下肢の諸骨の大要を説明したが,これらの骨は以下に述べるような連結によって下肢の骨格を形成している。
(a)下肢帯と体幹の連結-これは仙腸関節といわれ,脊柱の一部である仙骨の耳状面と,寛骨の一部である腸骨の内側耳状面とがなす半関節である。関節面は凸凹が不平で靭帯が緊密に張っている。すなわち,前後および骨間の仙骨靭帯で堅く結aされており,可動性は極めて少なくほとんど勳かない。これが仙暘関節の特徴で,直立位をとる人体ではこの関節が釛きすぎるとかえって身体を支えるのに不利であるためと考えられる。
下肢帯は1つの寛骨を形成しているので,下肢帯同の連結は,幼児には軟骨結合であったものが,成長するにっれて骨化し,1つとなったものであるから,上肢と違って左右の恥骨が前面正中線上で恥骨結合という線維軟骨(軟骨板)による結介をしているだけである
(参考図66)
(a)下肢帯と体幹の連結-これは仙腸関節といわれ,脊柱の一部である仙骨の耳状面と,寛骨の一部である腸骨の内側耳状面とがなす半関節である。関節面は凸凹が不平で靭帯が緊密に張っている。すなわち,前後および骨間の仙骨靭帯で堅く結aされており,可動性は極めて少なくほとんど勳かない。これが仙暘関節の特徴で,直立位をとる人体ではこの関節が釛きすぎるとかえって身体を支えるのに不利であるためと考えられる。
下肢帯は1つの寛骨を形成しているので,下肢帯同の連結は,幼児には軟骨結合であったものが,成長するにっれて骨化し,1つとなったものであるから,上肢と違って左右の恥骨が前面正中線上で恥骨結合という線維軟骨(軟骨板)による結介をしているだけである
(参考図66)
第66図 第66図骨 盤
(b)骨盤一脊柱下端の第5腰椎,仙骨,尾骨,それに左右の寛骨とで構成された骨格部を骨盤といっている。「内臓をもる骨の鉢」という意味で骨盤と名づけられたもの
であろう。
直立時の肩関節の中心と,股関節の中心とはほとんど同一の垂直面上にあると考えられ,骨盤はこの面に対して円蓋をなし,体幹の重力を両下肢に伝えていると考えてなんら不合理ではない。この場合,円蓋の両端左右の寛骨臼は,前面は恥骨結合で,後方は仙坐骨結節靭帯,仙棘靭帯によって結合され,円蓋が重力によって圧迫され押し広げられるのを防いでいる。
また,内から押し広げられないように,大腿骨頭からの反作用を受けてつり合っている張力をもっている。これが骨盤を安全に保ち歩行・眺躍等のときに弾力的適応となって現われる。
坐位では岬(仙骨上緑第5腰椎と仙骨のつくる岬骨)と坐骨結節を含む面で円蓋をつくり,それを恥骨弓で支持結合している。片足で立つとき,そのほかいろいろの姿勢のときも同様な関係がある。
これは,体重負荷に対する抵抗形態として意味をもつもので,第5腰椎に課せられた体重の骨盤への伝達方向に沿う骨盤部分が,とりわけ肥厚を示す点に現われている。また,大腿骨頭を受け入れていわゆる股関節を成立さすための深い関節畆すなわち寛骨臼の存在も,種々の肢位と運動局面における安定性の確保という点に重要な意義をもっている。
骨盤は前述の岬から寛骨の内面を斜め前下方に向って恥骨上縁にいたる線(これを分界線という)によって上半を大骨盤,下半を小骨盤とに分けられる。一般に骨盤といえば小骨盤のことである。
骨盤は不完全な円筒状をなし,その下口は自然体では筋肉その他の軟部でふさがっている。詼部内臓の体外に開口するもの(男では直腸,尿道,女では直腸,尿道,膣)はすべてこの軟部を貫ぬくことになる。小骨盤は結腸末端,直腸,膀肪,卵巣,子宮,腟等を容れている骨盤腔を囲んでおり,骨盤上口にはじまり骨盤下口に終る。
寛骨と腰椎,仙骨とを結ぶ仙結節靭帯と仙棘靭帯とによって,坐骨切痕は大坐骨孔と小坐骨孔に分けられ,大坐骨孔には梨状筋の上部を上殿神経と血管がとおり,下部を下殿神経や血管,坐骨神経,陰部神経等がとおっている。また小坐骨孔には内鎖閉筋と陰部神経,血管がとおっている。
人体の骨格のうち,性差のもっとも著しい部分が骨盤である。性差による男女差はいろいろの点に表われているが,骨盤口が女子の方が男子より広く,出口も大きくほぼ円筒状であるが,男子では出口は漏斗状をしている点がもっとも著しく違っている。(参考図66)
であろう。
直立時の肩関節の中心と,股関節の中心とはほとんど同一の垂直面上にあると考えられ,骨盤はこの面に対して円蓋をなし,体幹の重力を両下肢に伝えていると考えてなんら不合理ではない。この場合,円蓋の両端左右の寛骨臼は,前面は恥骨結合で,後方は仙坐骨結節靭帯,仙棘靭帯によって結合され,円蓋が重力によって圧迫され押し広げられるのを防いでいる。
また,内から押し広げられないように,大腿骨頭からの反作用を受けてつり合っている張力をもっている。これが骨盤を安全に保ち歩行・眺躍等のときに弾力的適応となって現われる。
坐位では岬(仙骨上緑第5腰椎と仙骨のつくる岬骨)と坐骨結節を含む面で円蓋をつくり,それを恥骨弓で支持結合している。片足で立つとき,そのほかいろいろの姿勢のときも同様な関係がある。
これは,体重負荷に対する抵抗形態として意味をもつもので,第5腰椎に課せられた体重の骨盤への伝達方向に沿う骨盤部分が,とりわけ肥厚を示す点に現われている。また,大腿骨頭を受け入れていわゆる股関節を成立さすための深い関節畆すなわち寛骨臼の存在も,種々の肢位と運動局面における安定性の確保という点に重要な意義をもっている。
骨盤は前述の岬から寛骨の内面を斜め前下方に向って恥骨上縁にいたる線(これを分界線という)によって上半を大骨盤,下半を小骨盤とに分けられる。一般に骨盤といえば小骨盤のことである。
骨盤は不完全な円筒状をなし,その下口は自然体では筋肉その他の軟部でふさがっている。詼部内臓の体外に開口するもの(男では直腸,尿道,女では直腸,尿道,膣)はすべてこの軟部を貫ぬくことになる。小骨盤は結腸末端,直腸,膀肪,卵巣,子宮,腟等を容れている骨盤腔を囲んでおり,骨盤上口にはじまり骨盤下口に終る。
寛骨と腰椎,仙骨とを結ぶ仙結節靭帯と仙棘靭帯とによって,坐骨切痕は大坐骨孔と小坐骨孔に分けられ,大坐骨孔には梨状筋の上部を上殿神経と血管がとおり,下部を下殿神経や血管,坐骨神経,陰部神経等がとおっている。また小坐骨孔には内鎖閉筋と陰部神経,血管がとおっている。
人体の骨格のうち,性差のもっとも著しい部分が骨盤である。性差による男女差はいろいろの点に表われているが,骨盤口が女子の方が男子より広く,出口も大きくほぼ円筒状であるが,男子では出口は漏斗状をしている点がもっとも著しく違っている。(参考図66)
第67図 股関節の内部構造(前頭断面の半模型図)
⑥自由下肢の連結
(a)股関節一寛骨自と大腿骨頭との問の球関節で,上肢の肩関節に相当する。(参考図67)
関節唇をもった関節腔に半球状の関節頭が深く入っており,関節包も厚くて丈夫なので,肩関節のような脱臼をおこすことはほとんどないが,それだけ運動が制限されている。ただ,先天性脱臼といって,生まれながらにして脱臼していることがしばしば見られるので注意すべきである。
関節包は寛骨臼の周囲から大腿骨順についていて,寛骨目上縁から前面で大転子・小転子を結ぶ腸骨大腿靭帯が,寛骨臼下縁から転子窩にわたる坐骨大腿靭帯が後方および下面を,恥骨から小転子におよぶ恥骨大腿靭帯が前下面をそれぞれ補強している。
そのほか関節腔の中で大腿骨頭から寛骨臼の中央に走る大腿骨頭靭帯や,関節包の内面で大腿骨頚を輪状に巻く輪帯等があり,関節包を補強している。しかし,これらの靭帯によって運動は制限されている。(参考図68)
関節唇をもった関節腔に半球状の関節頭が深く入っており,関節包も厚くて丈夫なので,肩関節のような脱臼をおこすことはほとんどないが,それだけ運動が制限されている。ただ,先天性脱臼といって,生まれながらにして脱臼していることがしばしば見られるので注意すべきである。
関節包は寛骨臼の周囲から大腿骨順についていて,寛骨目上縁から前面で大転子・小転子を結ぶ腸骨大腿靭帯が,寛骨臼下縁から転子窩にわたる坐骨大腿靭帯が後方および下面を,恥骨から小転子におよぶ恥骨大腿靭帯が前下面をそれぞれ補強している。
そのほか関節腔の中で大腿骨頭から寛骨臼の中央に走る大腿骨頭靭帯や,関節包の内面で大腿骨頚を輪状に巻く輪帯等があり,関節包を補強している。しかし,これらの靭帯によって運動は制限されている。(参考図68)
第68図 股関節の靱帯
(b)膝関節一大腿骨と下腿との間の関節で,大腿骨と脛骨でできている蝶番関節である。その関節窩に当る脛骨上端面は凹みが浅くて平坦であるから,内外側の2つの関節半月および膝蓋骨が関節窩を補っている。(参考図69)
第69図 膝関節の内部構造(矢状断面の半模型図)
関節包は大腿骨下端の周縁から脛骨上端につき,内,外側側副靱帯によって補強されている。関節内には脛骨と大腿骨の顆間窩の間に十文字に交って連結する前後十字靭帯(前後交又靭帯)や,膝蓋靭帯等により連結されている。(参考図70)
第70図 膝関節
(c)脛骨と腓骨との連結一脛骨と腓骨とは上端では関節で,下端では靭帯結今によって結ばれ,両骨の体は膜状になった靭帯(下腿骨間膜)で連結されており,両骨間にはほとんど可動性はない。上端は脛骨小頭靭帯で補強され下端は前脛腓靭帯と後脛膃靭帯とによって固く結合されている。(参考図71)
第71図 脛骨・腓骨の連結
(d)足の連結
イ)下腿骨と足骨との問を連結するのは距腿関節で,脛骨・腓骨の下端と距骨との間の蝶番関節である。
ロ)足很骨は互いに和隣接する面によって関節を営むが,各関節間における可動性ははなはだ小さい。各骨の間には多数の靭帯があって結合を補強しているが,そのうち長足底靭帯が最も強大で,足底円蓋を保たせる重要な役目をなしている。この靭帯がゆるみ,足底円蓋が失われると扁平足になる。
ハ)各指節骨間の指節関節は蝶冊関節である。
二)足弓一足根骨と中足骨は距骨と中足骨頭を底とする強い縱足弓をつくっている。足弓は脛骨からの体重を支えており,反発性または弾性を示す働きをしている。内側の足弓は外側の足りよりも構成する骨の数も多く,多数の関節があり強い反発力を出す。内側の足弓は歩行時の身体の推進に,外側の足弓は身体の保持により多く関係している足底の靭帯と飭が主として足を支えている。足弓は幼児までは充分に発達していないので扁平足状である。(参考図72)
イ)下腿骨と足骨との問を連結するのは距腿関節で,脛骨・腓骨の下端と距骨との間の蝶番関節である。
ロ)足很骨は互いに和隣接する面によって関節を営むが,各関節間における可動性ははなはだ小さい。各骨の間には多数の靭帯があって結合を補強しているが,そのうち長足底靭帯が最も強大で,足底円蓋を保たせる重要な役目をなしている。この靭帯がゆるみ,足底円蓋が失われると扁平足になる。
ハ)各指節骨間の指節関節は蝶冊関節である。
二)足弓一足根骨と中足骨は距骨と中足骨頭を底とする強い縱足弓をつくっている。足弓は脛骨からの体重を支えており,反発性または弾性を示す働きをしている。内側の足弓は外側の足りよりも構成する骨の数も多く,多数の関節があり強い反発力を出す。内側の足弓は歩行時の身体の推進に,外側の足弓は身体の保持により多く関係している足底の靭帯と飭が主として足を支えている。足弓は幼児までは充分に発達していないので扁平足状である。(参考図72)
⑦下肢の運動
(a)股関節の運動-一一大腿骨頭の中心をとおる軸の回りに行われ,次の3種類の運動とこれらの複合綜合による旋回述動とがある。すなわち,①大腿骨頭の中心をとおる垂直線の回りの回内(約37度),回外(約130度)の範囲,②水平にとおる前後幅の回りの内旋および外旋それぞれ約90度の範囲,③水平にとおる左右軸の回りに屈(約120度),仰(約10~15皮)の範囲。(参考図73.74)
(b)膝関節の運動一下腿の屈伸で,これを伸ばす時は少し外側に回旋し,屈する時は少し内側に回旋する。屈仰の範囲は約170度で,充分に曲げたときに脛骨の長軸と大腿骨の長軸とのなす角度は約10度である。(参考図74)
(c)足関節の運動一足の関節のうち距腿関節では,屈伸はそれぞれ約30度くらいである。足先を下げる動きを駄面屈あるいは後屈といい足先を上げる勁さを背面屈あるいは背川という。その軸は第2中足骨の延長線と直角をなす左右軸である。ただし,これは膝関節の左右軸とは約30度の違いがある。(参考図74)
また,足関節の可動範囲を角度で表わす場合,その基線を足の長軸(普通直立時)からの角度で表わす方法と,人によっては脛骨線(または下肢の回転軸)と足の長軸とのなす角度で表わ卞方法とがあるので注意を要す。
足根骨間の関節の運動は,主として距腿関節,距舟関節,踵立方関節の間の動きである。これらの関節が複合的に働き,旋回,内旋(内転),外旋(外転)等の運動が単独または同時に行われる。なお,回内・回外は約35度である。
(b)膝関節の運動一下腿の屈伸で,これを伸ばす時は少し外側に回旋し,屈する時は少し内側に回旋する。屈仰の範囲は約170度で,充分に曲げたときに脛骨の長軸と大腿骨の長軸とのなす角度は約10度である。(参考図74)
(c)足関節の運動一足の関節のうち距腿関節では,屈伸はそれぞれ約30度くらいである。足先を下げる動きを駄面屈あるいは後屈といい足先を上げる勁さを背面屈あるいは背川という。その軸は第2中足骨の延長線と直角をなす左右軸である。ただし,これは膝関節の左右軸とは約30度の違いがある。(参考図74)
また,足関節の可動範囲を角度で表わす場合,その基線を足の長軸(普通直立時)からの角度で表わす方法と,人によっては脛骨線(または下肢の回転軸)と足の長軸とのなす角度で表わ卞方法とがあるので注意を要す。
足根骨間の関節の運動は,主として距腿関節,距舟関節,踵立方関節の間の動きである。これらの関節が複合的に働き,旋回,内旋(内転),外旋(外転)等の運動が単独または同時に行われる。なお,回内・回外は約35度である。
第72図 足骨および足関節の矢状断面
第73図 股関節(右)の運動軸と運動領域
第74図 下肢骨の運動蚰
C一上肢と下肢の比較
上肢と下肢とは本来同じ形態,あるいは使用目的をもっていたものであろう。両者の各骨は構造もほぼ同じで,互いに対応している。すなわち,上肢帯一下肢帯,上腕骨一大腿骨,前腕骨一下腿骨,手根管一足根管,中手骨一中足骨,手の指竹一足の指骨等がそれぞれ対応している。
しかし,人類は直立位をとり,下腿のみによって体を支え,またこれを移動させる用をなし,上肢は主として手仕事その他の諸用をなし,巧緻性の運勁を行うため上肢と下肢の間には大きな相違が生じてきている。具体的には
①全体として下肢は上肢より大きい。
②上肢の連結は下肢の連結よりゆるやかで,各骨間の可動性が大きい。
③上肢では橈骨と尺骨とはだいたい対等の関係であり,両骨間に可動性があるが,下肢では脛骨が主であって腓骨は縦属的で両骨間に可動性がほとんどない。
④上肢では手根骨が小さく指の骨が長いが,下肢では足根骨は大きく,指の骨は短い。そして,その配列も違っている。
以上のようであるが,これまでに示した上肢と下肢の参考図を対比して観察するとその相似点や相違点がよくわかる。
(以上で骨格系を終わる。次回より筋系に入る)
しかし,人類は直立位をとり,下腿のみによって体を支え,またこれを移動させる用をなし,上肢は主として手仕事その他の諸用をなし,巧緻性の運勁を行うため上肢と下肢の間には大きな相違が生じてきている。具体的には
①全体として下肢は上肢より大きい。
②上肢の連結は下肢の連結よりゆるやかで,各骨間の可動性が大きい。
③上肢では橈骨と尺骨とはだいたい対等の関係であり,両骨間に可動性があるが,下肢では脛骨が主であって腓骨は縦属的で両骨間に可動性がほとんどない。
④上肢では手根骨が小さく指の骨が長いが,下肢では足根骨は大きく,指の骨は短い。そして,その配列も違っている。
以上のようであるが,これまでに示した上肢と下肢の参考図を対比して観察するとその相似点や相違点がよくわかる。
(以上で骨格系を終わる。次回より筋系に入る)
月刊ボディビルディング1974年4月号
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