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  • JBBAボディビル・テキスト⑫ 指導者のためのからだづくりの科学 各論(解剖学的事項)――筋系3

JBBAボディビル・テキスト⑫
指導者のためのからだづくりの科学
各論(解剖学的事項)――筋系3

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月刊ボディビルディング1974年7月号
掲載日:2018.07.17
日本ボディビル協会
指導員審査会委員長
佐野誠之

<8>胸部の筋

胸郭の外側壁と前壁とにある筋群でこれらは浅胸筋群と深胸筋群(固有胸筋群)の2群に分けられている。
深胸筋群は肋骨を動かすもので、上肢とは関係がなく、浅胸筋群は胸部の表層にあって、浅背筋群と同様に上肢の運動に関する筋であり、両者は全く種類の異なった筋群である。
神経支配も全く違っている。(参考図B-36)
(参考図B-36)胸壁の水平断面

(参考図B-36)胸壁の水平断面

また、特殊な位置を占めている横隔膜についても便宜上ここで記すことにする。

A‐浅胸筋群

これは胸部の表層をなしており、先に述べた浅背筋と同様に上肢筋の内に入るべきもので上肢の運動を行う。
神経支配は腕神経叢の枝で、この筋群に属する筋は4種ある。

①大胸筋――鎖骨の内側、胸骨、肋軟骨、および腹直筋鞘の3部から起こり、胸郭の外側方に集まって上腕骨大結節稜についている。
上腕を内転内旋させる働きがあり、上腕を固定すると肋骨を引き上げる(すなわち呼吸運動の吸筋の働きもある)。

②小胸筋――大胸筋の下にあり、第3~第5肋骨から起こり、肩甲骨烏口突起につき、
肩甲骨の内転、鎖骨の引き下げ(すなわち、肩甲骨を下内方に引き肩をすぼめる)の働きがあり、肩甲骨を固定すると肋骨を引き上げる。(参考図B-37)
(参考図B-37)肩関節の運動にあずかる鑑筋(三角筋、大胸筋の一部を除去す)

(参考図B-37)肩関節の運動にあずかる鑑筋(三角筋、大胸筋の一部を除去す)

③前鋸筋(外側鋸筋)――胸郭の外側面で第1~第9肋骨から起こり、胸郭に沿って後上方にのび、肩甲骨の内側縁につく幅の広い筋で、その起始部が外腹斜筋の起始部とかみ合って鋸歯状をなしているので、その名がつけられたのであろう。
第1~第2肋骨より起こる上部が働けば肩甲骨を引き上げ、第3~第4肋骨より起こる中部が働けば肩甲骨を前方にずらす働きがあり、前記以下の肋骨より起こる下部が働くと肩甲骨の下端を前方に引く。

この上部·中部·下部の3部のうち、下部が最もよく発達している。
全体としては肩甲骨を前外方に引く(肩をすぼめる)ように働き、肩甲骨を固定すると肋骨を引き上げる。

④鎖骨下筋――第1肋骨から鎖骨下面につく小筋で、小胸筋と協同する。

B‐深胸筋群(固有胸筋群)

上肢とは関係なく肋骨の運動を司るもので、重要な呼吸筋をなす。神経支配は肋間神経である。

①外肋間筋――各肋骨間に肋骨の外側後上から斜めに前下へ向って張っている筋で、肋骨を引き上げ、吸気運動を行う。


②内肋間筋――外肋間筋の内面にあって、肋骨の内側に外肋間筋とは交又するように各肋骨間に張っている筋で、肋骨を引き下げ呼気運動を行う(参考図B-38)
(参考図B-38)胸部および上腕部の筋(三角筋と大胸筋を除き、肩甲骨、肋骨、および上腕の諸筋の関係を斜め前から見た図)

(参考図B-38)胸部および上腕部の筋(三角筋と大胸筋を除き、肩甲骨、肋骨、および上腕の諸筋の関係を斜め前から見た図)

また、内肋骨筋の後方(肋骨角より後ろ)にあって、第1~第2肋骨をこえて広くついている肋下筋という肋骨を引き下げる働きのある筋もある。
なお、最内肋間筋と称される筋もついている。

③上後鋸筋—――第6~第7頸椎、第1第2胸椎より第2~第5胸椎へ斜め下方に向ってつく。

④下後鋸筋――第11、第12胸椎および第1、第2腰椎より第9~第12胸椎に斜め上方に向ってつく。これは前号の背筋のところで述べたように、肋骨をそれぞれ引き上げたり引き下げたりする働きをしている。

⑤肋横筋――胸部前壁の内面にあり胸骨剣状突起の下部から出て斜め上、方に向かい第2~第6肋軟骨についている。上方はほとんど垂直に下方は横に張っている筋で、肋骨を引き下げる働きをする。

C‐横隔膜

胸腔と腹腔との境をなしている円蓋状の筋板で、横紋筋より出来ている。胸郭下縁の周囲全域から筋線維が出ており、上方かつ中心部に向って集まり腱中心という腱膜をつくっている。
横隔膜は上面は胸膜と心膜に、下面は腹膜におおわれている。神経は頸神経叢の枝である横隔神経により支配されている。

横隔膜が収縮すると胸腔を腹腔の方に向けて拡げるために、呼吸筋であると共に、腹部を圧迫して腹圧を加える役目をもっている。横隔膜は哺乳類に見られる特徴である。
以上の諸筋は、要するに胸郭を拡げあるいはせばめて呼吸運動に関与するものである。しかし、呼吸運動の主役をなす筋は内・外肋間筋である。

D――呼吸運動について

外肋間筋が肋骨を引き上げて胸郭を拡げ、吸気の作用をなし、内肋間筋が肋骨を引き下げて胸郭をせばめ、呼気の作用をする。
肋骨下筋(肋下筋)、肋横筋はともに肋骨間隙をせまくする働をし、胸腔を小さくする呼気の作用をなしている。

呼吸作用(呼吸運動)にはこの他に長・短横突筋(深背筋群)が外肋間筋を助けて肋骨を引き上げる働きをするまた、胸郭上部で頸筋に属する斜角筋や、背筋に属する上後鋸筋、
さらに、浅胸筋に属する前鋸筋、大胸筋、小胸筋、その他、広背筋、鎖骨下筋、胸鎖乳突筋、下後鋸筋等が補助的に働いている。
なお、胸郭の下部では横隔膜が上下に動き胸腔の体積を変化させている。

呼吸運動はどの筋が主役的働きをするかによって、胸式呼吸とか腹式呼吸とかに分けて考えることができる。
また肩でいきをするという動きも理解できるものである。

<9>上肢の筋

上肢の運動をつかさどる筋群で、その所在する部位によって、肩甲筋群、上腕筋群、前腕筋群、手筋群の4群に分けられている。(参考図B-39、B-40)
(参考図B-39)上肢の骨

(参考図B-39)上肢の骨

(参考図B-40)上肢筋の全景模型図

(参考図B-40)上肢筋の全景模型図

この他に前述の浅胸筋群(大胸筋小胸筋、鎖骨下筋、前鋸筋)、および浅背筋群(僧帽筋、肩甲挙筋、菱形筋広背筋)も、本来は上肢に属する働きをするものであるが、
その所在部位の関係から普通、胸筋および背筋としてとり扱われているもので、上肢の運動や呼吸の運動を営んでおり、上肢の運動に関与しない深層部の胸筋や背筋を固有胸筋とか固有背筋と呼んでいることは前述したとおりである。
上肢にいっている神経は多数あるがいずれも腕神経叢の枝である。上肢の全景をつかみ、その機能を理解するためには参考図B-40のような模型図によることが最も理解し易い。  

A‐肩甲筋群

上肢帯から起こって上腕骨につく筋群で、以下に述べる6個の筋を数え、これに肩甲挙筋、菱形筋を加えて、肩甲骨をとりまく筋群として理解されればわかり易い(参考図B-41、B-42)
(参考図B-41)肩甲骨に付く諸筋の模型図

(参考図B-41)肩甲骨に付く諸筋の模型図

(参考図B-42)肩甲骨を胸郭に固定する2つの筋を示す略図

(参考図B-42)肩甲骨を胸郭に固定する2つの筋を示す略図

肩甲骨については骨格系のところで述べたが、鎖骨と連結し、鎖骨が胸骨と関節連結しているので、肩甲骨自体は直接体幹とは連結していない。
胸郭の背面に、上端は第2肋骨、下端は第7肋骨のあたりにのっかっているにすぎない。

肩甲骨と背部とは、これをとりまくいくつかの筋によって連結しているのみである。
それ故に肩甲骨の運動は非常に自由で、その運動の範囲は広く、上腕を挙前、挙側したときに肩甲骨は外部から見てもよくわかるように大きく動く。(参考図B-43)
(参考図B-43)上肢帯の関節を示す略図

(参考図B-43)上肢帯の関節を示す略図

○上肢帯より起こり上腕骨につくもの

①三角筋――肩関節を外側から包んでいる筋線維系の三角形の大きな筋で前部・中部・後部の3部に分かれ、肩のまるみをつくっている。(参考図B-44)
(参考図B-44)三角筋とその作用

(参考図B-44)三角筋とその作用

後部は肩甲棘、中部肩峰、前部は鎖骨(外側1/3)を起始の底辺として、上腕骨体外側(三角粗面)についている。
中部は上腕を水平に引きあげ外転(側方挙上)させ、前部だけが働くと上腕を前方にあげる(前方挙上)。
また、後部だけが働くと上腕を後ろにあげる(後方挙上)。

②棘上筋③棘下筋――肩甲骨の棘上窩および棘下窩から起こり、上腕骨の大結節の上部・中部にそれぞれついている。
棘上筋は三角筋を助けて上腕を挙げ(外転)、棘下筋は上腕を外方にまわす。(参考図B-45、B-46)
(参考図B-45)棘上筋とその作用

(参考図B-45)棘上筋とその作用

(参考図B-46)棘下筋とその作用

(参考図B-46)棘下筋とその作用

④小円筋――肩甲骨の背面で、棘下筋の下、肩甲骨外側縁上部から起こり上腕骨大結節につき、上腕を外方にまわす。
すなわち、上腕を外旋するとともに外転する(参考図B-47)
(参考図B-47)小円筋とその作用

(参考図B-47)小円筋とその作用

⑤大円筋――肩甲骨下角から起こり、上腕骨の小結節およびその附近につき、上腕を後内方に引き、これを内方にまわす。
すなわち上腕を内旋するとともに内転する(参考図B-48)
(参考図B-48)大円筋とその作用

(参考図B-48)大円筋とその作用

⑥肩甲下筋――肩甲骨前面の筋で、肩甲骨の肋骨面肩甲下窩から起こり、上腕骨の小結節稜につく。
上腕を内旋し多少内転する(参考図B-49)
(参考図B-49)肩甲下筋とその作用

(参考図B-49)肩甲下筋とその作用

肩甲下筋、小円筋、棘上筋等は肩関節包を張っている。

⑦烏口腕筋――この筋を上腕筋群のところに入れて記す者もいるが、起始停止の点より見てここで述べる。
鳥口突起から起こり、上腕二頭筋の内側にそって走り、上腕骨の小結節稜の の下部につく円柱状の短筋である。上腕をあげ、また内転する。
大円筋、肩甲下筋の協同筋であり協同して上腕の前方挙上、内転に働くものである。
その起始は上腕二頭 筋の短頭とともに起こっている(参考図B-50)
(参考図B-50)烏口腕筋とその作用

(参考図B-50)烏口腕筋とその作用

B‐上腕筋群

上腕の前面(掌側)にある屈筋群と後面(背面)にある伸筋群とからなり肩甲骨から起こり、いずれも上腕骨をとりまき、上腕骨に停止せずに前腕骨についている。
そして前腕の運動(肘関節による屈伸)をつかさどる。筋系も屈筋群と伸筋群の2群にはっきりと分かれている(参考図B-51)
(参考図B-51)前腕骨に停止して前腕の運動に関与する筋を示す模型図

(参考図B-51)前腕骨に停止して前腕の運動に関与する筋を示す模型図

①屈筋群――上腕の前面(掌側)にあり、すべて筋皮神経の支配をうける(参考図B-52)
(参考図B-52)上腕屈筋群関係

(参考図B-52)上腕屈筋群関係

㋑上腕二頭筋――紡垂形で長短二頭をもっており、外側の長頭は肩甲骨の関節窩の上から、短頭は肩甲骨の烏口突起から起こり、結節間溝をとおり相合して共通の筋腹をつくり、撓骨上端橈骨結節(粗面)につく。
この筋が収縮すると俗に言われる「力こぶ」を生じる。前腕を曲げ、上腕を前方にあげ、また少し外方にまわす。(参考図B-53)
(参考図B-53)上腕二頭筋とその作用

(参考図B-53)上腕二頭筋とその作用

㋺上腕筋――上腕二頭筋の下にある扁平な広筋で、上腕骨体から起こり、尺骨粗面と鈎状突起につき、肘関節を屈曲する。
上腕を強く回内屈曲すると、上腕二頭筋の内側でわずかに区別しうるものである(参考図B-54)
(参考図B-54)上腕筋とその作用

(参考図B-54)上腕筋とその作用

その神経支配(筋皮神経)から烏口腕筋をこの項に入れて説明する分類もあるが、前述したとおりである。

②伸筋群――上腕の後面(背側)にある筋群で、上腕三頭筋と肘筋の2筋からなり、撓骨神経の支配を受ける(参考図B-55)
(参考図B-55)上腕伸筋関係図

(参考図B-55)上腕伸筋関係図

㋑上腕三頭筋――長頭は肩甲骨関節窩の下方隆起から(肩甲骨関節下結節)起こり、内側頭は上腕骨上部の後面内側部より、外側頭(橈側頭)は内側頭(尺側頭)の外側部より起こり、三者が合して共同の筋腹をつくり、尺骨の肘頭につく。
付着腱は幅が広く、肘を伸ばすとこの腱の部分が皮膚の上からでも凹んで見える。肘関節を伸展する働きがある(参考図B-56)
(参考図B-56)上腕三頭筋とその作用

(参考図B-56)上腕三頭筋とその作用

㋺肘筋――上腕三頭筋の内側頭の分束とも考えられる小さな筋で、上腕骨上頼から尺骨肘頭についている。肘関節の伸展をなす。

C‐前腕筋群

上腕筋群にくらべると小さい筋が多数集まってなっており、上腕筋群と同様に屈筋群と伸筋群に大別される。
機能的に見れば、手の屈伸のほかに前腕の回旋を行う筋が含まれている。(参考図B-57、B-58)
(参考図B-57)前腕にある屈筋群

(参考図B-57)前腕にある屈筋群

(参考図B-58)前腕における伸筋群(破線は前腕撓側筋を示す)

(参考図B-58)前腕における伸筋群(破線は前腕撓側筋を示す)

①屈筋群――前腕の掌側にある筋群で上腕骨下部および前腕骨の掌側から長い腱をもって起こり、主として手に至る。
神経はおもに正中神経、内側と深部が尺骨神経の支配を受ける(参考図B-59、B-60、B-61)
(参考図B-59)前腕屈筋(浅層)

(参考図B-59)前腕屈筋(浅層)

(参考図B-60)前腕屈筋(中間層)

(参考図B-60)前腕屈筋(中間層)

(参考図B-61)前腕屈筋(深層)

(参考図B-61)前腕屈筋(深層)

㋑円回内筋――尺骨頭(鉤状突起)と上腕骨頼(内側上顆)から起こる二頭筋で、佛骨体の回内筋粗面(橈骨の半ばよりやや上の外側と後面にかけて)につく。
前腕をまげ(肘関節の屈曲)に開与するとともに、前腕を回内する働きをもっている。正中神経の支配を受ける。(参考図B-62)
(参考図B-62)円回内筋とその作用

(参考図B-62)円回内筋とその作用

㋺長掌筋――尺側手根屈筋と橈側手根屈筋にはさまれて抹梢に向う最も浅い層の筋で、上腕骨の尺側上顆と前腕筋膜から起こり、細長い筋で、途中、長く細い腱となり、屈筋支帯の上を越える扇形の手掌の腱膜をつくっている。
手首、前腕を屈げる働きを助ける。なお、物を握るときの支えになっており、正中神経の支配を受ける。(参考図B-63)
(参考図B-63)長掌筋とその作用

(参考図B-63)長掌筋とその作用

㋩橈側手根屈筋――長掌筋と同様に上腕骨の尺側上顆と前腕筋模から起こり、筋腹は長円椎状をなし、前腕中央部で扁平な腱となり、手掌で大多角骨結節の内側をすぎて第2、第3中手骨の骨底につく。 
手関接の強い屈筋で、また、手根を橈側に外転する他に、前腕を回内する補助筋としての働きをする神経支配は正中神経である。(参考図B-64)
(参考図B-64)撓側手根屈筋とその作用

(参考図B-64)撓側手根屈筋とその作用

㊁尺側手根屈筋――上腕骨の尺側上顆と前腕筋膜から起こっている小さい頭と、尺骨上端の後面から起こっている細長い頭をもった二頭の半羽状筋で、両頭より発して合体し、
前腕前面の最も内側を走り前腕の中程より細長い腱となり、豆状骨とそのー部は有鈎骨と第5中手骨底につく。手根を届げ、あるいは尺側に内転する。また前腕を曲げる働き助けする。
尺骨神経の支配を受ける(参考図B-65)。
(参考図B-65)糖側手根屈筋とその作用

(参考図B-65)糖側手根屈筋とその作用

㋭浅指屈筋――前腕掌側の中間層をなす唯一の筋で、上腕の尺側上顆と、佛骨の上部前面とから起こる二頭の扁平な筋で、幅の広い筋膜になり、下にさがって細い円柱状の4本の腱に分かれ、第2~第5の基節骨底の掌側面につく。
前腕を曲げる働きを助けるほか、第2~第5の中節を屈げる働きをする(参考図B-66)
(参考図B-66)浅指屈筋とその作用

(参考図B-66)浅指屈筋とその作用

㋬長母指屈筋――撓骨の前面と骨間膜から起こり、腱となり手根管をとおって手掌に出、母指の末節骨底につく最も深層の筋で、本来は母指指節間の関節の屈筋であり、母指中手指節関節の屈曲にも関与する。(参考図B-67)
(参考図B-67)長母指屈筋とその作用

(参考図B-67)長母指屈筋とその作用

㋣深指屈筋――尺骨前面、骨間膜から起こる前腕における最も大きい 筋で、4つに分かれ、それぞれから長い腱を生じ、手根管をとおって手掌に至り、第2~第5指の末節骨底についている最も深層の筋である。
第2~第5の末節を曲げる遠位指節関節の屈筋で、外側半分は正中神経、内側は尺骨神経の支配を受ける。(参考図B-68)  
(参考図B-68)深指屈筋とその作用

(参考図B-68)深指屈筋とその作用

㋠方形回内筋――尺骨下端の前面から起こり、橈骨の下端の前面につく四角形の扁平の筋で、前腕を内方に回し、また、手を回内する働きがあり、正中神経の支配を受ける。(参考図B-69)
(参考図B-69)方形回内筋とその作用

(参考図B-69)方形回内筋とその作用

②伸筋群――前腕の背側にある筋群で上腕骨の下端と前腕骨の背側から起こり、手にいくもので、佛骨神経の 支配を受けている。(参考図B-70、B-71、B-72)
(参考図B-70)前腕伸筋(浅層)

(参考図B-70)前腕伸筋(浅層)

(参考図B-71)前腕伸筋(深層)

(参考図B-71)前腕伸筋(深層)

(参考図B-72)前腕伸筋起始部図示

(参考図B-72)前腕伸筋起始部図示

㋑腕橈骨筋――上腕骨の外側縁下部より起こり、外側部に弓形に隆起した筋腹を持ち、腱は前腕の外側をさがり扁平の長い腱となり、橈骨下部の茎状突起につく。
前腕をまげるとともに、少し外方へまわす。すなわち、前腕を屈曲時には手を回内し、伸展時には回外する(参考図B-73)
(参考図B-73)腕橈骨筋とその作用

(参考図B-73)腕橈骨筋とその作用

㋺長橈側手根伸筋――上腕骨橈側上 
顆の上部外側縁から起こり、長い腱は手首の所で長母指外転筋、短母指外転筋、長母指伸筋の腱の下をとおり、第2中手骨底につく。
手関節を伸ばすとともに、外転する働きをなす。すなわち、手関節の背屈と橈側屈に関与する。(参考図B-74)
(参考図B-74)長橈側手根伸筋とその作用

(参考図B-74)長橈側手根伸筋とその作用

㋩短橈側手根伸筋――長橈側手根伸筋の下側にあり、起始走向とも同様で、第3中手骨底の背側面についており、手首関節の背屈に関与する。(参考図B-75)
(参考図B-75)短穂側手根伸筋とその作用

(参考図B-75)短穂側手根伸筋とその作用

以上に述べた㋑㋺㋩の3つの筋にて、前腕橈側筋をつくっている。前腕の浅層筋である。

㊁尺側手根筋――伸筋群のうち最も尺側を走り、上腕頭(外側上顆)と尺骨頭(尺骨上部後面)の二頭をもち、腱となって第5中手骨底につく。
手関節を伸ばすとともに内転する働きをする。
すなわち、手関節の背屈と尺側屈に関与する神経支配は撓骨神経である。(参考図B-70、B-71)

㋭指伸筋(総指伸筋)――上腕骨の橈側上顆とその附近の前腕筋膜から起こり、橈側、尺側手根伸筋の間にあって第2~第5指の指背腱膜についている。
第2~第5指までを伸ばし手根を伸ばす。すなわち、中手指節関節の伸展と、近位遠位の指節関節の伸展をなす。
神経支配は撓骨神経である。(参考図B-76)
(参考図B-76)指伸筋とその作用

(参考図B-76)指伸筋とその作用

㋬小指伸筋――総指伸筋の下部から分かれた細い弱い筋で、この腱は総指伸筋の4つの膜の内側をさがり、第5指の指背腱膜につく。
第5指の中手指関節を伸ばす。(参考図B-77)
(参考図B-77)小指伸筋とその作用

(参考図B-77)小指伸筋とその作用

㊁㋭㋬は前腕尺側の浅層筋である。
次に前腕の深層筋について述べる。

㋣回外筋――上腕骨の橈側上顆、肘関節包の後面、佛骨輪状靭帯から起こり、前腕の後側を外下方に走り、橈骨の背面をまわり、尺骨回外筋稜から橈骨上端1/3外側面につき前腕を回外する(参考図B-78)
(参考図B-78)回外筋とその作用

(参考図B-78)回外筋とその作用

㋠長母指外転筋――尺骨の外側面と背面、橈骨および前腕骨間膜から起こり、二頭がならんで密接して下外方に走り、手根母指側に出て第1中手骨底につく。
母指中根中手関節における母指の外転およびその基節の伸展をする。(参考図B-79)
(参考図B-79)長母指外転筋とその作用

(参考図B-79)長母指外転筋とその作用

㋷短母指伸筋――長母指外転筋の起始よりやや遠位で、佛骨と骨間膜より起こり、手関節の橈側をとおって母指基節骨底につく。
母指中手指節関節の伸筋であり、手根中手関節の伸展にも働く。(参考図B-71)

㋦長母指伸筋――尺骨背面およびその附近の骨間膜から起こり、手関節部を斜めに横切り、母指末節骨底につく。
手関節背面で撓側寄りのところから斜走して母指背面に向う隆起として外見できる。
母指指節間関節の伸筋として、また中手指節関節と中根中手関節の伸展に働く。(参考図B-80)
(参考図B-80)長母指伸筋とその作用

(参考図B-80)長母指伸筋とその作用

㋸示指伸筋――前2者よりも遠位で尺骨およびその附近の骨間膜より起こり、その腱は手関節を横切って示指の指背に至り、指背腱膜を形成するも、指伸筋とは独立しているので、他の指が屈曲していても示指だけに伸展さすことができる。
示指の中手指節関節の伸筋である。

㋠㋷㋦㋸ともに橈骨神経の支配をうける。(参考図B-81)
(参考図B-81)示指伸筋とその作用

(参考図B-81)示指伸筋とその作用

D‐手筋

手の平の中にある多数の小筋で、背側には背側骨間筋があるのみで、前腕の筋・腿がたくさんきているだけである。
指の微妙な運動をつかさどるもので、大部分は指につき、神経は尺骨神経と正中神経の支配をうける。
手筋群はさらに母指筋群、小指筋群中手筋群に細分される。詳細は省略し参考図を示すだけにとどめておく(参考図B-82)。
(参考図B-82)手筋配列模型図

(参考図B-82)手筋配列模型図

E‐上肢の筋膜・腱鞘 

上肢に関する諸筋の筋膜・腱鞘および支帯は次のようである。
胸背部(浅胸筋群、浅背筋群に関して)では胸筋筋膜が大胸筋の上をおおい、上は浅頸筋膜に、下は浅腹筋膜に、
そして後ろは浅背筋膜に移行し、浅背筋の下では棘上・棘下・肩甲下筋等の筋膜がこれらの筋をおおって浅背筋膜や胸筋膜に続いている。腋窩では腋窩筋膜がある。
上腕には上腕筋膜があり、屈・伸の間、つまり掌側と背側の間に内・外側上腕筋間中隔となって骨についており両筋群を分けている。

前腕においては、前腕筋膜は手首の附近ではよく発達しており、背側では伸筋支帯となって手にいく伸筋群の腱をしめており、掌側では屈筋支帯となっている。
すなわち、手背ではうすい手背腱膜となり、手掌では皮膚との結合のつよいよく発達した手掌腱膜がある。
滑液包は肩関節と肘関節のあたりに見られ、手部にもあるが、上肢は運動性に富み、運動量も多いので、多くの腱鞘や滑液包が付属していることだけわかっていてほしい。

以上、上肢に関して述べたが、わかり易いように各方面からの参考図を多く入れたので、図により理解されたい。

(次号は下肢について記す)
月刊ボディビルディング1974年7月号

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