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腹をひっこめる食事法

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月刊ボディビルディング1974年10月号
掲載日:2018.07.07
明治製菓食品事業本部・栄養士

<スポーツマンに致命的>

 衣服をぬいで自分のお腹をながめてみよう。しげしげ見つめて、「かなりダブついているな」と感じた人はいないかな?とくに腹のサイドにご注意。ここはせっかくグラマーをほこった女優さんが、やがてスクリーンをおりてゆくころ、変にくずれたなと感じる場所なのだ。

 スポーツマンでも同じこと。記録が落ち、どうも練習に身が入らないという選手は、きまってこのサイドからへそにかけて、△△新島のように隆起がおこり始めている。「ま正面に立って胸から腹にかけて、たてに溝のみえなくなる体になったら、その選手の選手活動は終わりが近づいたと思え」これはある有名な水泳コーチの話だが、ことほどさように腹のまわりの脂肪は活動をにぶくさせる原因になる。とくにバスケットやバレー、テニス、それに剣道や空手、ボクシングなど、敏捷性を要求されるスポーツにおいては致命的である。

<早死にしたくないなら>

 子供の体はホルモンがまだ十分働かないのでポチャポチャふくれているが、13、4才から27、8才にかけて、余分な脂肪がなくなり、筋肉が発達し、もっともバイタリティに富んだ活動のできる年代になる。中年期に入るにつれ、体の機能が弱体化し、エネルギーを身体内に備蓄しようとする作用が盛んになり、だんだん腹が出っぱってくる。

 この世の中には、何と立派な腹を持った人が多いことか。「ベルトの穴が一つ広がるごとにあなたは5年ずつ命を短くしている」という有名なことわざがあるが、まさにそのとおり。自分で努力しないならば、どんどん腹が出て、それに比例して動脈硬化が増し、脳卒中や心臓病でポックリ死んでゆくことが多くの医者から報告されている。さてそれではいかに対処すればいいか?

<まちがった方法も多い>

 やせたい一心のあまり食事をとらない人がふえているが、これはナンセンス。先日厚生省の専門官と話をしたときに「若い女性で栄養失調にかかっている人が15~20%もあったのでビックリした」ときかされた。事実、朝のラッシュで気分が悪くなり貧血で倒れる人をまま見かけたり、献血できない人が1/3もあるという。なぜこの豊かな社会にこんなことがおこるのか不思議に思い、調査してみた。すると「やせる本」「○○法」といった本や女性週刊誌に、あまりにも無茶な方法が紹介され、あたかも効果絶大のようにうたわれている。
「5日間断食しなさい」「野菜サラダと果物でお腹をいっぱいにしなさい」「水をのみなさい」「肉・魚・卵は一切ダメです。海藻にしなさい」「カロリーは800カロリーが限度です」……。これを実行したある女子大生から手紙をもらったが、彼女は野菜サラダと水だけで生活する決心をし、3日目に風呂場でバッタリ倒れて、それ以来体の調子がよくなく苦しんでいるという。

<タンパク質は十分に>

 カロリーさえ減少すればいいと考えるとこんな結果になる。われわれの身体は24時間休むことなく、新しい組織が古い組織に入れ替わっている。アカやフケは老朽物のなれの果てだし、便や尿ではもっと多量の残がい物が処理されている。これらを補うのが毎日の食事、とりわけタンパク質だ。一日に体重1キロ当り1gすなわち約60gはどうしても必要なのに、これを忘れるから問題になる。卵・魚・納豆・チーズ・とうふなどをうまくとり入れることだ。プロティンパウダーなども74%以上のタンパク質を含むものなら、この目的にひじょうにいいものといえる。そして、胃袋は習慣により小さくなることが証明されているので、最初のうちは、食前にお茶や水、フルーツ、野菜サラダを食べ、食事の最後に必要なタンパク性の食品を食べるとよい。

 良質の油脂は腹もちさせることが報告されているので怖れることはない。

 またカロリーはその人にもよるが、スポーツをする人なら、少なくとも2500カロリーは確保したい。

 なお同時にトレーングすることが効果を早める。ボディビルやその他のトレーニングに、腹筋をきたえる方法がいくつもあるので、日常いつでもこれをおこなうと、意外に早く、スマートな体に復元していることに気がつくだろう。
月刊ボディビルディング1974年10月号

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