パワーリフティング界に颯爽とデビューした若きチャンピオン
月刊ボディビルディング1978年9月号
掲載日:2018.07.10
'78JBBA全日本ライト・ヘビー級チャンピオン
河野賢二選手にきく
河野賢二選手にきく
去る5月28日、名古屋市・愛知県体育館で行われたJBBA全日本パワーリフティング選手権大会のライト・ヘビー級で、同じ神奈川県の桑原広美選手と競り合いの末、持ち前の根性で逆転優勝をなし遂げたのが、この河野賢二選手である。
なお、このときの河野選手の優勝記録は、ベンチ・プレス167.5kg、スクワット195.0kg、デッド・リフト240.0kg、トータル602.5kgである。
この日、私との待ち合わせ場所であり、彼の練習場所でもある川崎青少年会館にあらわれた河野選手は、終始ニコニコしながら、インタビューに応じてくれた。この川崎青少年会館には、ユニバーサル・マシーンをはじめ、かなり充実した器具が備えられており、その上、会費も格安なので、利用者が多い。
河野選手の先輩であり、アドバイザーにあたる元ミスター神奈川の吉田純久氏が横にいて、しきりに河野選手の素直な人間性を強調するのがよくわかる。童顔でふとっているところから、仲間から言われているアダ名はスーパー・パンダ、そして、ふだんは賢二を略してケンと呼ばれているそうだ。
まず、河野選手のプロフィルを簡単に紹介しよう。
なお、このときの河野選手の優勝記録は、ベンチ・プレス167.5kg、スクワット195.0kg、デッド・リフト240.0kg、トータル602.5kgである。
この日、私との待ち合わせ場所であり、彼の練習場所でもある川崎青少年会館にあらわれた河野選手は、終始ニコニコしながら、インタビューに応じてくれた。この川崎青少年会館には、ユニバーサル・マシーンをはじめ、かなり充実した器具が備えられており、その上、会費も格安なので、利用者が多い。
河野選手の先輩であり、アドバイザーにあたる元ミスター神奈川の吉田純久氏が横にいて、しきりに河野選手の素直な人間性を強調するのがよくわかる。童顔でふとっているところから、仲間から言われているアダ名はスーパー・パンダ、そして、ふだんは賢二を略してケンと呼ばれているそうだ。
まず、河野選手のプロフィルを簡単に紹介しよう。
河野賢二 年齢20歳
プレス工業川崎工場勤務
出身地 愛媛県越智郡宮窪町
出身校 愛媛県立今治工業高校
体位 身長165cm、体重80kg、胸囲120cm、上腕囲40cm、大腿囲65cm
プレス工業川崎工場勤務
出身地 愛媛県越智郡宮窪町
出身校 愛媛県立今治工業高校
体位 身長165cm、体重80kg、胸囲120cm、上腕囲40cm、大腿囲65cm
[ベンチ・プレスの前、精神統一をはかる河野選手]
― ボディビルをはじめたのはいつごろですか。そしてその動機は?
河野 高校時代です。柔道の補強トレーニングのつもりで、友人と2人で自宅でトレーニングしていました。16歳の時です。(柔道は初段で、県大会出場までしたそうである)
はじめた頃は、体重65kgで、ベンチ・プレス、スクワットとも60kgがやっとでしたが、1年後には、ベンチ・プレス120kg、スクワット130kgが出来るようになりました。そして高校卒業と同時に、プレス工業へ入社して、川崎青少年会館ウェイト・トレーニング・クラブへ入会しました。
― パワーリフティングのコンテスト歴は?
河野 ここで練習をはじめて1年後の昨年、神奈川県パワーリフティング大会に初出場しました。その時の記録は、ベンチ・プレス150kg、スクワット180、トータル330kgで、3位でした。
そして、今年4月23日の県大会ではベンチ・プレス160kg、スクワット195kg、デッド・リフト235kg、トータル590kgで2位になりました。この時は、スカイ・ジムの桑原選手が620kgで優勝しました。
― そして、全日本選手権では、逆転優勝したわけですね。
河野 ええ、そうです。桑原選手は全日本選手権のときはちょっと調子が悪かったようです。神奈川県大会のときよりトータルで20kgも下まわっていましたから。逆に僕はベンチ・プレスで6.7kg、デッド・リフトで5kg伸びました。デッド・リフトは去年の秋からはじめたんですが、そのときの記録が220kgですから、半年で20kg伸びました。僕は試合の方が調子が出るみたいです。
― 本格的にトレーニングをはじめて、わずか2年目で全日本で優勝したわけですが、先輩の目からみた河野選手は?
吉田氏 ケンは、とても努力家で、少しぐらい体の調子が悪くてもトレーニングを休むことはありません。それに年も若く、記録も目に見えて伸びているので、練習が面白くてしかたないんじゃあないですか。素直でテレ屋の反面、ものおじしないんです。だから、練習より、大会などで競り合うと力が出るんですね。将来は、パワー界の北ノ湖になってほしいと期待しています。
河野 高校時代です。柔道の補強トレーニングのつもりで、友人と2人で自宅でトレーニングしていました。16歳の時です。(柔道は初段で、県大会出場までしたそうである)
はじめた頃は、体重65kgで、ベンチ・プレス、スクワットとも60kgがやっとでしたが、1年後には、ベンチ・プレス120kg、スクワット130kgが出来るようになりました。そして高校卒業と同時に、プレス工業へ入社して、川崎青少年会館ウェイト・トレーニング・クラブへ入会しました。
― パワーリフティングのコンテスト歴は?
河野 ここで練習をはじめて1年後の昨年、神奈川県パワーリフティング大会に初出場しました。その時の記録は、ベンチ・プレス150kg、スクワット180、トータル330kgで、3位でした。
そして、今年4月23日の県大会ではベンチ・プレス160kg、スクワット195kg、デッド・リフト235kg、トータル590kgで2位になりました。この時は、スカイ・ジムの桑原選手が620kgで優勝しました。
― そして、全日本選手権では、逆転優勝したわけですね。
河野 ええ、そうです。桑原選手は全日本選手権のときはちょっと調子が悪かったようです。神奈川県大会のときよりトータルで20kgも下まわっていましたから。逆に僕はベンチ・プレスで6.7kg、デッド・リフトで5kg伸びました。デッド・リフトは去年の秋からはじめたんですが、そのときの記録が220kgですから、半年で20kg伸びました。僕は試合の方が調子が出るみたいです。
― 本格的にトレーニングをはじめて、わずか2年目で全日本で優勝したわけですが、先輩の目からみた河野選手は?
吉田氏 ケンは、とても努力家で、少しぐらい体の調子が悪くてもトレーニングを休むことはありません。それに年も若く、記録も目に見えて伸びているので、練習が面白くてしかたないんじゃあないですか。素直でテレ屋の反面、ものおじしないんです。だから、練習より、大会などで競り合うと力が出るんですね。将来は、パワー界の北ノ湖になってほしいと期待しています。
[河野選手のスクワットとデッド・リフト。全日本選手権大会にて]
― 現在のトレーニング・スケジュールを教えてください。
河野 ふつうは週5日、火曜日から土曜日まで、夕方の6時頃から約2時間半くらいやります。ほとんどパワーのためのトレーニングです。
トレーニング・コースはAコース(火曜・木曜・土曜)と、Bコース(水曜・金曜)の2コースで、各種目とも、5セット前後、1セットにつき1~5回です。もっと具体的にいえば次のようなものです。
河野 ふつうは週5日、火曜日から土曜日まで、夕方の6時頃から約2時間半くらいやります。ほとんどパワーのためのトレーニングです。
トレーニング・コースはAコース(火曜・木曜・土曜)と、Bコース(水曜・金曜)の2コースで、各種目とも、5セット前後、1セットにつき1~5回です。もっと具体的にいえば次のようなものです。
<トレーニング・コース>
<Aコース>
<Bコース>
― 日常の生活リズムとか食事については?
河野 毎朝6時に起きて、寮で朝食を食べます。食事のあと、牛乳にプロティンを溶かして飲んで、会社へ出かけます。8時から仕事が始まり、12時に昼食をとります。4時55分で作業が終り、会社の食堂で定食(本人は間食のつもり)を食べ、6時からさっきお話したトレーニングを開始します。
8時半頃、トレーニングを終えて仲間と雑談をしながら外食します。主に野菜と肉が中心ですが、焼肉がとくに好きです。寮に帰ってから、牛乳600ccにプロティンを溶かして飲みます。寝るのはだいたい11時頃です。
休みの日は、寮でブラブラして過ごします。トレーニングが趣味みたいなもので、いまのところ他に関心はありません。
― では最後に、これからの目標は?
河野 まだ若いですから、トレーニングを積んで、3年後ぐらいにはパワーの世界大会に出たいと思っています。具体的な目標としては、ライト・ヘビーでベンチ・プレス200kg、スクワット250kg、デッド・リフト300kg、トータル750kgは挙げたいと思っています。
――*―――――*―――――*――
童顔の河野選手を見ていると、どこにそんなパワーがひそんでいるのか、とても信じられないぐらい柔和な人柄が感じられる。クラブの吉田・富樫両先輩から指導をうけて、毎日、もくもくとトレーニングを続ける河野選手は将来きっと、すばらしいパワーリフターに成長するに違いない。
河野 毎朝6時に起きて、寮で朝食を食べます。食事のあと、牛乳にプロティンを溶かして飲んで、会社へ出かけます。8時から仕事が始まり、12時に昼食をとります。4時55分で作業が終り、会社の食堂で定食(本人は間食のつもり)を食べ、6時からさっきお話したトレーニングを開始します。
8時半頃、トレーニングを終えて仲間と雑談をしながら外食します。主に野菜と肉が中心ですが、焼肉がとくに好きです。寮に帰ってから、牛乳600ccにプロティンを溶かして飲みます。寝るのはだいたい11時頃です。
休みの日は、寮でブラブラして過ごします。トレーニングが趣味みたいなもので、いまのところ他に関心はありません。
― では最後に、これからの目標は?
河野 まだ若いですから、トレーニングを積んで、3年後ぐらいにはパワーの世界大会に出たいと思っています。具体的な目標としては、ライト・ヘビーでベンチ・プレス200kg、スクワット250kg、デッド・リフト300kg、トータル750kgは挙げたいと思っています。
――*―――――*―――――*――
童顔の河野選手を見ていると、どこにそんなパワーがひそんでいるのか、とても信じられないぐらい柔和な人柄が感じられる。クラブの吉田・富樫両先輩から指導をうけて、毎日、もくもくとトレーニングを続ける河野選手は将来きっと、すばらしいパワーリフターに成長するに違いない。
(インタビュー・取材=健康体力研究所・小畑隆彦)
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