なんでもQ&Aお答えします 1981年8月号
月刊ボディビルディング1981年8月号
掲載日:2020.06.12
普通のダンベル・カールと、インクライン・ダンベル・カールの効果のちがい
Q ボディビルを始めてから2年になります。近くにボディビル・ジムがないので,自宅でトレーニングしています。僕はいま,腕の運動として,ツー・ハンズ・カールとダンベル・カール,それにインクライン・ボード(手製)に寄りかかって行うインクライン・ダンベル・カールを行なっています。
そこでお聞きしますが,立って行う普通のダンベル・カールと、インクライン・ダンベル・カールとでは,効果の面でどのようなちがいがあるのでしょうか。(山口県小川勇司高校生17歳)
そこでお聞きしますが,立って行う普通のダンベル・カールと、インクライン・ダンベル・カールとでは,効果の面でどのようなちがいがあるのでしょうか。(山口県小川勇司高校生17歳)
A 理解しやすいように,便宜上上腕二頭筋を上の部分(肩に近い部分),中央の部分(まん中の部分),下の部分(前腕に近い部分)の3つに分けて説明することにします。
普通のダンベル・カールは,上腕二頭筋全体に対して,まんべんなく効き有効度もかなり高い運動であるといえます。しかし,運動のやり方によっては,中央から上の部分にとくに強い刺激を与えることができます。
インクライン・ダンベル・カールは普通のダンベル・カールに比べて,上腕二頭筋の上の部分に対する有効度が低いといえます。しかし,中央部から下,わけても下の部分に関しては,この運動の方がかなり有効度が高いといえます。
したがって,上腕二頭筋の下方(前腕に近い方)の隆起をきわ立たせるためには,普通のダンベル・カールを行うよりも,このカールのほうが有効であるといえます。
普通のダンベル・カールは,上腕二頭筋全体に対して,まんべんなく効き有効度もかなり高い運動であるといえます。しかし,運動のやり方によっては,中央から上の部分にとくに強い刺激を与えることができます。
インクライン・ダンベル・カールは普通のダンベル・カールに比べて,上腕二頭筋の上の部分に対する有効度が低いといえます。しかし,中央部から下,わけても下の部分に関しては,この運動の方がかなり有効度が高いといえます。
したがって,上腕二頭筋の下方(前腕に近い方)の隆起をきわ立たせるためには,普通のダンベル・カールを行うよりも,このカールのほうが有効であるといえます。
[ダンベル・カール)
〔インクライン・ダンベル・カール〕
運動種目を増やして,2分割による分割法を採用したいが
Q 途中で2年ほど中断期間がありましたが,ボディビル歴は正味3年です。現在は再開してから約1年ですが,下記のスケジュールでトレーニングしています。
<トレーニング・スケジュール>
一隔日的,遇3日ー
<トレーニング・スケジュール>
一隔日的,遇3日ー
ところで,近頃からだの発達も伸び悩みの感じがします。そのようなわけで,新たに数種目の運動を加えて,分割法を採用しようかと考えています。しかし,どのように分割したらよいかわかりません。新たに加える種目は次の6種目ですが,参考までに,2分割による分割例をつくっていただきたいと思います。
<新たに加えたい種目>
〈現在の体位〉
A 新たな種目を加えると,採用種目が全部で16種目になります。あなたぐらいの段階で体力のある人ならば,16種目の運動を1日でやれないこともないと思いますが内容的に密度の濃いトレーニングを欲するのであれば,やはり,あなたが考えておられるとおり分割法を採用されるのがよいと思います。
では,分割法(スプリット・ルーティン)の分割例と,トレーニングの日取りについて述べることにします。
では,分割法(スプリット・ルーティン)の分割例と,トレーニングの日取りについて述べることにします。
<分割例>
<トレーニングの日取り>
分割法における日程の取り方には,おおむね次のような方法があります。
第2例と第3例(このあとBABとやって1日休み,ABをやり,また1日休んで,最初に戻る)は,完全休養の日が少ないので,部分的な疲労が全身的な疲労を誘発するおそれがあります。したがって,このような方法は,ボディビル以外のことで、あまり体力を消耗することがない専門的なビルダーでない限り,慎しむほうがよいかと思われます。ましてや,あなたの場合は,農業に従事しておられる関係上,肉体的な労働が多いとも思われますので,第1例の方法で行うのが無難であると考えられます。
肩幅を広くするトレーニング法は?
Q ボディビル歴は3年,分割法を採用して自宅でトレーニングしています。現在の体位は下記のとおりですが,肩幅の狭いのが悩みです。
<現在の体位>
<現在の体位>
そのようなわけで,6ヵ月ほど前から,肩幅を広くするための集中トレーニングを行なっています。しかし,一向に広くなってきません。肩幅を広くするためには,三角筋の横の部分を発達させればよいと考えてサイド・レイズを行なっていますが,三角筋にはあまり効かずに僧帽筋に効いてしまいます。これは,運動のやり方が悪いからでしょうか。
現在行なっている肩のメニューは次のとおりです。お気づきの点があったらアドバイスしていただきたいと思います。
現在行なっている肩のメニューは次のとおりです。お気づきの点があったらアドバイスしていただきたいと思います。
<肩のメニュー>
A 現在行なっている肩のメニューは、量的にいってそう無理なものとは思われません。したがって,もしも,効果が得られなかった原因がオーバー・ワークによるものとすれば,それは,全体のトレーニングに問題があったものと考えられます。しかし,その辺のことについてはあなたの手紙の文面ではうかがいようもないので,その問題に関しては,あなた自身で検討してみてください。
では,以上に述べた理由で,問題を肩のトレーニングのみに限定して質問にお答えすることにします。
現在,あなたが採用しておられる運動は,いずれも肩の横の部分の発達に効果がある運動であるといえます。それにもかかわらず,これといった効果が得られなかったのは運動のやり方に問題があったからだと思われます。
肩の運動だけでなく,全体的にいえることですが,運動というものは全て発達を意図する部分に的確に刺激を与えてこそ、その真価が発揮されるものです。したがって,ウェイトをただ漫然と上げ下げするのではなく,ポイントをとらえた動作で行うことが大切になります。
それでは,現在あなたが行なっておられる運動にいくつかの運動を新たに加え,それらのポイントについて述べることにしましょう。ただし、採用する種目の数は、従来どおり4種目くらいが妥当であると考えられます。
では,以上に述べた理由で,問題を肩のトレーニングのみに限定して質問にお答えすることにします。
現在,あなたが採用しておられる運動は,いずれも肩の横の部分の発達に効果がある運動であるといえます。それにもかかわらず,これといった効果が得られなかったのは運動のやり方に問題があったからだと思われます。
肩の運動だけでなく,全体的にいえることですが,運動というものは全て発達を意図する部分に的確に刺激を与えてこそ、その真価が発揮されるものです。したがって,ウェイトをただ漫然と上げ下げするのではなく,ポイントをとらえた動作で行うことが大切になります。
それでは,現在あなたが行なっておられる運動にいくつかの運動を新たに加え,それらのポイントについて述べることにしましょう。ただし、採用する種目の数は、従来どおり4種目くらいが妥当であると考えられます。
フロント・プレス
<ポイント>あなたは左右のグリップ間隔を肩幅より少し広いくらいにして運動を行なっておられますが、肩の横の部分に強く効かすには、思いきってもっと広くするほうが有効です。肩幅の2倍前後の間隔で行なってみてください。なお,目的の部分に十分な負荷を与えるためには,シャフトを強く握らずに手のひらで軽く保持するようにして運動を行うのがよいでしょう。
バック・プレス
この運動に関しては今のところ余り問題はないと思われます。
【オールターニット・プレス】
オールターニット・プレス
ダンベルを使用する運動を行うのでしたら,ワイド・グリップ・ダンベル・プレスのほうがよいと思います。その運動のやり方については後述します。(写真参照)
サイド・レイズ
<ポイント>この運動は、肩をすくめるようにして動作を行うと三角筋に与える効果が半減します。つまり,ダンベルをあげるときに,肩をすくめるようにしてあげると三角筋よりも僧帽筋の方に負荷が強くかかってしまいます。したがって,三角筋の横の部分に上手に効かすには、軽い目の重量を用い,できるだけ肩をすくめないように,かつ,左右の肩甲骨をなるたけ内側へ寄せないように留意して動作を行うのが有効です。
◆他の運動種目
ワイド・グリップ・ダンベル・プレス
<かまえ>ダンベルを左右の手にそれぞれ持ち、立った姿勢で、両肩の真横にかまえる。
く動作>両肘を真横に張り,双方の前腕が常に並行かつ垂直を保つように留意してダンベルを上げ下げする。
く動作>両肘を真横に張り,双方の前腕が常に並行かつ垂直を保つように留意してダンベルを上げ下げする。
【フロント・プレス/バック・プレス・コンビネーション】
フロント・プレス/バック・プレスコンビネイション(写真参照)
く動作>左右のグリップを肩幅の倍くらいにして,フロント・プレスとバック・プレスを交互に行う。つまりバーベルを肩の前側からプレスして首の後ろへおろし、次いで,後ろからプレスして前へおろす。この運動は肩の横の部分の運動としては非常に有効です。
トレーニング・スケジュールを変えたら効果があがらなくなってしまったが
Q ボディビル歴は1年、自宅で1人でトレーニングしています。年齢は29歳、高校時代は器械体操を3年間行ないました。しかし現在は,運動といえばボディビルの他にゴルフをたまに行なう程度です。
ところで,お伺いしたいことがあります。
私は,ボディビル開始時から約8か月間は、基礎的な運動を4~6種目採用し,それを2~3セットずつ週3日のペースで行なっていました。おかげで,その間,体位も順調に伸び,貧弱だった体も少しは見られるようになりました。
しかし、4ヵ月ほど前にトレーニング・スケジュールを現行の内容に変えたところ,効果がさっぱりあがらなくなり,最近では、かえって体位が小さくなっているような始末です。トレーニングは十分に行なっているつもりですが,これはいったいどうしたわけでしょうか。
いろいろ私なりに考えてみましたが原因が分かりません。開始時から現在までのトレーニング・スケジュールと体位の経過を記述しますので,問題の点があったらご指摘ください。
<トレーニング・スケジュール>
ところで,お伺いしたいことがあります。
私は,ボディビル開始時から約8か月間は、基礎的な運動を4~6種目採用し,それを2~3セットずつ週3日のペースで行なっていました。おかげで,その間,体位も順調に伸び,貧弱だった体も少しは見られるようになりました。
しかし、4ヵ月ほど前にトレーニング・スケジュールを現行の内容に変えたところ,効果がさっぱりあがらなくなり,最近では、かえって体位が小さくなっているような始末です。トレーニングは十分に行なっているつもりですが,これはいったいどうしたわけでしょうか。
いろいろ私なりに考えてみましたが原因が分かりません。開始時から現在までのトレーニング・スケジュールと体位の経過を記述しますので,問題の点があったらご指摘ください。
<トレーニング・スケジュール>
<体位の変化の経過>
A トレーニングを熱心に行なっているのに、かえって体位が小さくなるということは,あなたの場合だけでなく,よく見受けられることです。このようなことを実際に体験している人にとっては,間尺に合わないことでしょうが,めずらしいことではありません。
そして,いったんそのような状態に落ち入ってしまうと,トレーニングに励むだけではなかなか元に戻せなくなるものです。ときには,トレーニングを継続することが、さらにマイナスを大きくする場合もあるので注意しなければなりません。
したがって,体位の下降現象がある程度長期にわたって、はっきり認められるようになったら,その原因が判るまではトレーニングを中止するのが無難でしょう。
では,いったいどのようなことが原因となって体位の下降現象がひきおこされるのでしょうか。
体位の下降現象が引きおこされる原因としては、おおよそ次のことがらが考えられます。
①トレーニングの量が多すぎる
②運動の強度が強すぎる
③トレーニングの頻度が多すぎる
④栄養が不足している
⑤休養が足りない
⑥他のことでの体力的消耗が強い
⑦屈託がある
⑧疾病がある
ボディビルというものは,本来トレーニングを実施者の体力に応じて適度に行うことが原則であるといえます。また、ボディビルの効果というものは運動と栄養と休養の3つの条件が満たされることによって得られます。したがって,トレーニング度(量・強度・頻度)が運動生理学的な受容範囲を越えて過度になったり,あるいは、栄養や休養が不足したりすると思わしい効果が得られなくなります。そして,そのような適切さを欠いた傾向がさらに強くなると、体位の向上が望めなくなるというだけではなく,減退するという現象さえも生じます。
以上のことを言い変えれば,トレーニング度というものは、そのトレーニングによってもたらされる身体的な消耗を蓄積疲労とすることなく,正常なかたちで回復できる範囲にとどめなければならないということです。そして栄養と休養とは,トレーニングによって消耗した身体が十分かっ順調に回復するに足るものでなければならないということです。なお,ボディビル以外のことで体力を激しく消耗させるようなことがあれば、そのことをも考慮して,ボディビルのトレーニング度(量・強度・頻度)を定めるようにしなければなりません。
それでは,あなたの場合について考えてみるとしましょう。ただし,あなたの手紙の内容では資料不足なので,あくまでも推測であることをご了承ください。
あなたの場合,原因として考えられることは次のことがらです。
①トレーニング量が多すぎる
②トレーニングの頻度が多すぎる
③休養が足りない
しかし、だからといって,他のことがらが体位の下降現象に無関係であるということではありません。他のことがらを原因から除外したのは、先にもお断りしたようにあなたの手紙の内容では,それら他のことがらを原因として究明する手がかりがないからです。したがって,それらのことがらについてはご自分でよく考えて検討してみてください。
あなたは,4ヵ月前に現在のトレーニング・スケジュールに変えられたわけですが、その際にトレーニングの量を欲ばりすぎたようです。それ以前には採用種目が6種目であったのを,倍以上の13種目に増やしています。また,全種目の合計セット数も15セットからなんといっきょに47セットにもなっています。運動種目によって身体の消耗度は異
りますが,トレーニング量の増加を仮にセット数で算出すれば3倍強もの増加ということになります。
このようなことは,トレーニングのセオリーからすれば,常識はずれであるといえます。スプリット・ルーティーンによって日を違えて行うのであればまだしも,いちどきに,しかも,急激に行うようにするのは無謀としかいいようがありません。トレーニング量を増加するについては、消耗と回復との関係を十分考慮して,もっと慎重に行う必要があります。その意味からすれば,トレーニング量の増加は1割増からせいぜい3割増くらいにとどめるのが無難であるといえます。
ところであなたは,トレーニング量を増やされたのと同時に,トレーニングの頻度も増やされています。これはますますもって無謀であるとしかいいようがありません。
トレーニング量を急激に増やせば,当然、今まで以上の消耗がからだにもたらされます。あなたもこのことにいてよく考えてみれば、そのようなときにトレーニングの頻度を増やして休養期間を短縮するということが、いかにからだの回復を妨げるか容易に解ると思います。
前回のトレーニングによってもたらされた身体的な消耗を完全に回復させることなく、持ち越したまま、次回のトレーニングを重ねていくような運動のやり方は,効果が得られなくなるだけではなく,ときには体位の減退する現象さえ生じさせます。よって,今後は,トレーニングの頻度をいたずらに増やすことが、一歩まちがえれば休養不足,そして過労につながるということをよく自覚してスケジュールを作るようにしてください。
最後に,
一応、参考までにトレーニング・スケジュール例を書き添えておきますので,あなたなりに考えてみてください。
そして,いったんそのような状態に落ち入ってしまうと,トレーニングに励むだけではなかなか元に戻せなくなるものです。ときには,トレーニングを継続することが、さらにマイナスを大きくする場合もあるので注意しなければなりません。
したがって,体位の下降現象がある程度長期にわたって、はっきり認められるようになったら,その原因が判るまではトレーニングを中止するのが無難でしょう。
では,いったいどのようなことが原因となって体位の下降現象がひきおこされるのでしょうか。
体位の下降現象が引きおこされる原因としては、おおよそ次のことがらが考えられます。
①トレーニングの量が多すぎる
②運動の強度が強すぎる
③トレーニングの頻度が多すぎる
④栄養が不足している
⑤休養が足りない
⑥他のことでの体力的消耗が強い
⑦屈託がある
⑧疾病がある
ボディビルというものは,本来トレーニングを実施者の体力に応じて適度に行うことが原則であるといえます。また、ボディビルの効果というものは運動と栄養と休養の3つの条件が満たされることによって得られます。したがって,トレーニング度(量・強度・頻度)が運動生理学的な受容範囲を越えて過度になったり,あるいは、栄養や休養が不足したりすると思わしい効果が得られなくなります。そして,そのような適切さを欠いた傾向がさらに強くなると、体位の向上が望めなくなるというだけではなく,減退するという現象さえも生じます。
以上のことを言い変えれば,トレーニング度というものは、そのトレーニングによってもたらされる身体的な消耗を蓄積疲労とすることなく,正常なかたちで回復できる範囲にとどめなければならないということです。そして栄養と休養とは,トレーニングによって消耗した身体が十分かっ順調に回復するに足るものでなければならないということです。なお,ボディビル以外のことで体力を激しく消耗させるようなことがあれば、そのことをも考慮して,ボディビルのトレーニング度(量・強度・頻度)を定めるようにしなければなりません。
それでは,あなたの場合について考えてみるとしましょう。ただし,あなたの手紙の内容では資料不足なので,あくまでも推測であることをご了承ください。
あなたの場合,原因として考えられることは次のことがらです。
①トレーニング量が多すぎる
②トレーニングの頻度が多すぎる
③休養が足りない
しかし、だからといって,他のことがらが体位の下降現象に無関係であるということではありません。他のことがらを原因から除外したのは、先にもお断りしたようにあなたの手紙の内容では,それら他のことがらを原因として究明する手がかりがないからです。したがって,それらのことがらについてはご自分でよく考えて検討してみてください。
あなたは,4ヵ月前に現在のトレーニング・スケジュールに変えられたわけですが、その際にトレーニングの量を欲ばりすぎたようです。それ以前には採用種目が6種目であったのを,倍以上の13種目に増やしています。また,全種目の合計セット数も15セットからなんといっきょに47セットにもなっています。運動種目によって身体の消耗度は異
りますが,トレーニング量の増加を仮にセット数で算出すれば3倍強もの増加ということになります。
このようなことは,トレーニングのセオリーからすれば,常識はずれであるといえます。スプリット・ルーティーンによって日を違えて行うのであればまだしも,いちどきに,しかも,急激に行うようにするのは無謀としかいいようがありません。トレーニング量を増加するについては、消耗と回復との関係を十分考慮して,もっと慎重に行う必要があります。その意味からすれば,トレーニング量の増加は1割増からせいぜい3割増くらいにとどめるのが無難であるといえます。
ところであなたは,トレーニング量を増やされたのと同時に,トレーニングの頻度も増やされています。これはますますもって無謀であるとしかいいようがありません。
トレーニング量を急激に増やせば,当然、今まで以上の消耗がからだにもたらされます。あなたもこのことにいてよく考えてみれば、そのようなときにトレーニングの頻度を増やして休養期間を短縮するということが、いかにからだの回復を妨げるか容易に解ると思います。
前回のトレーニングによってもたらされた身体的な消耗を完全に回復させることなく、持ち越したまま、次回のトレーニングを重ねていくような運動のやり方は,効果が得られなくなるだけではなく,ときには体位の減退する現象さえ生じさせます。よって,今後は,トレーニングの頻度をいたずらに増やすことが、一歩まちがえれば休養不足,そして過労につながるということをよく自覚してスケジュールを作るようにしてください。
最後に,
一応、参考までにトレーニング・スケジュール例を書き添えておきますので,あなたなりに考えてみてください。
<トレーニング・スケジュール例1>
<トレーニング・スケジュール例2>
スプリット・ルーティーン。各コースを週2日ずつ行う。
[註]なお,新たなスケジュールを採用する前に,1~2週間の長期休養をとり,蓄積された疲労をとり除くようにしてください。[回答は1959年度ミスター日本,NE協会会長・竹内威先生]
月刊ボディビルディング1981年8月号
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