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部分的トレーニング法 肩のトレーニング法

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月刊ボディビルディング1979年6月号
掲載日:2018.11.24
モデル●ダイナミック・ボディビル・センター=鷲見信彦

竹内 威
 大きく立体感にあふれた肩峰部(三角筋)を有することは、ボディビルダーにとって1つの課題であろう。
 三角筋の作用は上腕の外転であるが、肩関節が球関節であるところから、その運動範囲は広く大きい。
したがって、三角筋のためのトレーニングは、初歩的な段階を経たならば、三角筋を前・横・後ろと、3つの部分に分けて、それぞれの部分に有効と考えられる種目を選んで行うのがよい。
 三角筋の初歩的なトレーニングにおいては、部分的にあまり細分しないで、フロント・プレス、バック・プレス、オールターニット・プレス等、プレス系統の種目を主に行い、まず挙上力を強化することに専念するのがよい。
 というのは、挙上力を強化することは、その過程において、運動によってもたらされる胸腔への圧迫に対する抵抗力を強め、他のいろいろな種目を正確に、かつ容易に行うことのできる体力が培われるからである。
 三角筋の基礎的な種目としては他にスタンディング・ローがある。
この運動は、プレス系統に属する運動種目ではないが、比較的初歩的な運動である。
したがって、体力的な余裕があればプレス系統の運動と併せて行うのもよい。
 三角筋の運動には、プレス系統とローイング系統の他に、フロント・レイズ、およびラタラル・レイズ(サイド・レイズ)系統の運動があるが、それらの運動は、運動時のフォームのちがいによって三角筋に与える効果も異なる。

◎フロント・レイズ系統の運動

 バーベルの握り幅を狭くするほどに三角筋の前の部分に効くようになり、広くすれば横の部分にも強く効くようになる。
 また、上体を前傾させた状態で行えば、筋の中腹部から上部(肩のつけねに近い部分)の有効度が増し、インクライン・ベンチに仰臥して行えば、筋の中腹部から下部の有効度が増す。

◎ラタラル・レイズ系統の運動

 上体を前傾するほどに三角筋の前の部分から横の部分へと有効な箇所が移行する。
さらに腰を90度近くまで曲げて行えば後部(および棘下筋)に効くようになる。
 なお、ラタラル・レイズは、前傾および前倒姿勢で行う場合は、手のひらを下を向けて行うのがよいようである。

◎三角筋の横の部分に有効な運動

①フロント・プレスとそのバリエーション(ナロウ・グリップによる方法、アームズ・パラレルによる方法、ホリゾンタル・プレス等)

②フロント・レイズとそのバリエーション(ダンベルを用いて行う方法、インクラインによる方法、ベント・フォワードおよびベント・オーバーによる方法、インクラインまたはフラット・ベンチに伏臥して行う方法、パラレル・グリップによる方法等)

◎三角筋の前の部分に有効な運動

①ワイド・グリップ・フロント・プレス
②バック・プレス
③フロント・プレス/バック・プレス・コンビネーション
④ラタラル・レイズとそのバリエーション(ワン・ハンドによる方法、ベント・フォワードによる方法、インクライン・ベンチに伏臥して行う方法、インクライン・ベンチに仰臥して手のひらを下へ向けて行う方法、サイド・ライイングによる方法等)

◎三角筋の後部に有効な運動

①ベント・オーバー・ラタラルレイズ
②プローン・レッグ・レイズ
バック・プレス

バック・プレス

サイド・プレス

サイド・プレス

オールスターニット・プレス

オールスターニット・プレス

ベント・フォワード・ラタラル・レイズ

ベント・フォワード・ラタラル・レイズ

スタンディング・ロー

スタンディング・ロー

ベント・オーバー・ラタラル・レイズ

ベント・オーバー・ラタラル・レイズ

フロント・レイズ

フロント・レイズ

月刊ボディビルディング1979年6月号

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