部分的トレーニング法 脚のトレーニング法
月刊ボディビルディング1979年7月号
掲載日:2018.11.29
モデル●ダイナミック・ボディビル・センター=鷲見信彦
誌上コーチ 竹内威
誌上コーチ 竹内威
スクワット(W・ヒールズ)
スクワット(フィート・パラレル)
脚は大腿と下腿に分けられる。そしてさらに、大腿は前大腿部と後大腿部に、下腿は前下腿部と後下腿部とに分けることができる。
★大腿四頭筋の基礎的な運動
前大腿部における主な筋は大腿四頭筋である。大腿四頭筋は大腿の前面および側面を被う大きな筋で、名称の示すとおり四頭を有し、大腿部における伸筋でもある。したがってこの筋の強化は膝を伸ばす動作を有する運動によって可能である。
大腿四頭筋を鍛練するための最も主要な運動種目といえばスクワットであろう。
スクワットにはいろいろなフォームによる運動があるが、なかでもW・ヒールズと、フィート・パラレルによる方法がとりわけ基礎的な運動といえる。そして、W・ヒールズによる場合は、どちらかといえば外側広筋を中心とした発達を促し、フィート・パラレルによる場合は、大腿直筋により有効といえる。
大腿四頭筋を鍛練するための最も主要な運動種目といえばスクワットであろう。
スクワットにはいろいろなフォームによる運動があるが、なかでもW・ヒールズと、フィート・パラレルによる方法がとりわけ基礎的な運動といえる。そして、W・ヒールズによる場合は、どちらかといえば外側広筋を中心とした発達を促し、フィート・パラレルによる場合は、大腿直筋により有効といえる。
★W・ヒールズにおける要点
<かまえ> 両足の間隔を肩幅よりも少し狭くとり、左右のツマ先を90度くらいに開く。(注:しゃがんだときに腰が割れるように、適当な厚さの板を踵の下に敷くようにするとよい)
<動作> 膝をツマ先の方向へ屈するようにして脚をまげ、十分に腰が割れるまでしゃがんだなら立つ。立つときに膝を内側に絞らないようにする。運動中は、たえず膝がツマ先と同じ方向に向いているように留意する。
<動作> 膝をツマ先の方向へ屈するようにして脚をまげ、十分に腰が割れるまでしゃがんだなら立つ。立つときに膝を内側に絞らないようにする。運動中は、たえず膝がツマ先と同じ方向に向いているように留意する。
ハック・スクワット
コントロール・スクワット
フロント・スクワット
レッグ・エクステンション
ローマン・チェア・スクワット
★フィート・パラレルにおける要点
<かまえ> 両足の間隔を肩幅よりも狭くとり、左右の足を並行にして立つ。この運動はしゃがんだときに腰がおりにくいので、少し厚めの板を踵の下に敷くようにするのがよい。
<動作> 左右の大腿部が常に並行を保つように留意してスクワット運動を行う。大腿四頭筋に負荷を十分に与えるには、いくぶん踵に重心がかかるように意識して動作を行うのがよい。しゃがんだときに腰を湾曲させないように留意する。
<動作> 左右の大腿部が常に並行を保つように留意してスクワット運動を行う。大腿四頭筋に負荷を十分に与えるには、いくぶん踵に重心がかかるように意識して動作を行うのがよい。しゃがんだときに腰を湾曲させないように留意する。
★大腿四頭筋の準基礎的な運動
大腿四頭筋を強化するための準基礎的な運動にはおよそ次のようなものがある。
①レッグ・プレス
②ハーフ・スクワット
③コントロールド・スクワット
④ロー・ポジション・ハーフ・スクワット
⑤フロント・スクワット
大腿四頭筋の運動は、傾向として、運動時に膝を深くまげるほど筋のつけねに近い方に効くということがいえる。したがって、スクワットに類する運動で大腿四頭筋の上部の発達を促すには、しゃがんだときに腰をできるだけ深くおろすようにすることが肝要である。そのような意味で、フロント・スクワットは、腰を深くおろすことが容易なので、大腿四頭筋の上部にはより有効な運動であるといえる。また、ロー・ポジション・ハーフ・スクワットは、大腿四頭筋の上部を、より集中的に鍛錬できる運動であるということがいえる。
①レッグ・プレス
②ハーフ・スクワット
③コントロールド・スクワット
④ロー・ポジション・ハーフ・スクワット
⑤フロント・スクワット
大腿四頭筋の運動は、傾向として、運動時に膝を深くまげるほど筋のつけねに近い方に効くということがいえる。したがって、スクワットに類する運動で大腿四頭筋の上部の発達を促すには、しゃがんだときに腰をできるだけ深くおろすようにすることが肝要である。そのような意味で、フロント・スクワットは、腰を深くおろすことが容易なので、大腿四頭筋の上部にはより有効な運動であるといえる。また、ロー・ポジション・ハーフ・スクワットは、大腿四頭筋の上部を、より集中的に鍛錬できる運動であるということがいえる。
レッグ・プレス
ストラッドル・スクワット
レッグ・カール
★大腿四頭筋のカットの強化
ビルダーの大腿部は筋量のみならずカットの強弱によっても評価される。したがって、大腿四頭筋の鍛錬においては、筋量がある程度の域に達したなら、カットを強化することがひとつの課題になる。
次に示す運動は、比較的カットの強化に有効と考えられる種目である。
①レッグ・エクステンション・オン・レッグ・カール・マシーン
②ライイング・レッグ・エクステンション・ウィズ・アイアン・シューズ
③ハック・マシーン・スクワット
④ローマン・チェア・スクワット
⑤シッシー・スクワット
なお、この他では、後ろ向きのダッシュもわりに有効といえる。
次に示す運動は、比較的カットの強化に有効と考えられる種目である。
①レッグ・エクステンション・オン・レッグ・カール・マシーン
②ライイング・レッグ・エクステンション・ウィズ・アイアン・シューズ
③ハック・マシーン・スクワット
④ローマン・チェア・スクワット
⑤シッシー・スクワット
なお、この他では、後ろ向きのダッシュもわりに有効といえる。
★大腿二頭筋の運動
大腿二頭筋は後大腿部にある二頭を有する屈筋である。したがって、この筋の鍛錬は、主として膝を屈する動作を有する運動によって可能である。つまり、各種のレッグ・カールが有効であるといえる。
なお、大腿二頭筋を鍛錬するための運動種目で、レッグ・カールとは趣を異にする運動にベント・オーバー・ニー・ロッキングがある。この運動は、レッグ・カール・マシーンやアイアン・シューズを必要としないので、自宅でトレーニングする者には都合のよい運動といえる。
なお、大腿二頭筋を鍛錬するための運動種目で、レッグ・カールとは趣を異にする運動にベント・オーバー・ニー・ロッキングがある。この運動は、レッグ・カール・マシーンやアイアン・シューズを必要としないので、自宅でトレーニングする者には都合のよい運動といえる。
カーフ・レイズ・オン・レッグ・カール・マシーン
トウ・レイズ
ベント・オーバー・ニー・ロッキング
★ベント・オーバー・ニー・ロッキングの運動法
バーベルを背にかついで上体を床面とほぼ平行になるまで前倒し、その体勢で膝を前後に浅く屈伸させる。膝を伸ばすときは完全に伸ばすようにする。運動中は背と腰を湾曲させないように注意し、上体を起こさないように留意する。
★うちももの運動
うちももには内転筋群と薄筋がある。これらの筋は大腿を内転するのに作用する。したがって、うちももの発達を促すには、大腿部の横方向の開閉がともなう運動が適しているということがいえる。
スクワット種目ではW・ヒールズによる場合が有効といえるが、うちもものために行うのであれば、両足の間隔を思いきって広くすることがよい。
なお、ストラッドル・スクワットもうちももの発達に有効である。しゃがんだときに十分に腰を割り、また、運動中に背と腰を湾曲しないように行うことが肝心である。
その他、うちももを集中的に鍛錬する運動として、ライイング・レッグ・スプリットとサイド・ライ・ローワー・レッグ・レイズがある。
スクワット種目ではW・ヒールズによる場合が有効といえるが、うちもものために行うのであれば、両足の間隔を思いきって広くすることがよい。
なお、ストラッドル・スクワットもうちももの発達に有効である。しゃがんだときに十分に腰を割り、また、運動中に背と腰を湾曲しないように行うことが肝心である。
その他、うちももを集中的に鍛錬する運動として、ライイング・レッグ・スプリットとサイド・ライ・ローワー・レッグ・レイズがある。
★下腿部の運動
下腿部の筋で、外部から顕著にうかがうことのできる筋は下腿三頭筋と前脛骨筋である。下腿三頭筋は腓腹筋とヒラメ筋とからなり、足首を伸ばす運動によってその発達を促すことができる。また、前脛骨筋は脛骨から足根骨に付着する筋で、足首をスネの方向へ屈する運動によってその強化が可能である。したがって、下腿三頭筋の発達を促すには、各種のカーフ・レイズおよびトウ・プレスが有効であり、前脛骨筋の強化には、トウ・レイズが有効であるといえる。
なお、下腿三頭筋のうちの腓腹筋の隆起を顕著なものとするには、下腿三頭筋の瞬発力を要する運動を行う必要があるとも考えられる。そのような意味で、ナワ跳びの2重、3重跳びなどをトレーニングに採用するのもよい。
なお、下腿三頭筋のうちの腓腹筋の隆起を顕著なものとするには、下腿三頭筋の瞬発力を要する運動を行う必要があるとも考えられる。そのような意味で、ナワ跳びの2重、3重跳びなどをトレーニングに採用するのもよい。
フロント・キック
サイド・キック
トウ・レイズ
カーフ・レイズ
★脚のつけねの運動
大腿四頭筋や下腿三頭筋の強化にのみ熱中し、脚のつけねの強化を意に介さない人がいる。その人がもしコンテスト・ビルダーであれば、ポージング台に昇ったとき下半身の迫力を欠くこととなる。大腿四頭筋と下腿三頭筋がいかに発達していても、脚のつけねの発達が弱くては見る人に頼りない印象を与える。その反対に脚のつけねががっちりしていることは、全体的な安定感を増し、巧緻性に富んだ印象を脚にもたらす。
脚のつけねには、前面に腸腰筋、前面から側面にかけて大腿筋膜張筋がある。これからの筋の発達は、大腿を前または横へあげる運動によって可能である。腸腰筋には前へあげる運動(フロント・キック)が、そして大腿筋膜張筋には横へあげる運動(サイド・キック)が適している。
脚のつけねには、前面に腸腰筋、前面から側面にかけて大腿筋膜張筋がある。これからの筋の発達は、大腿を前または横へあげる運動によって可能である。腸腰筋には前へあげる運動(フロント・キック)が、そして大腿筋膜張筋には横へあげる運動(サイド・キック)が適している。
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