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部分的トレーニング法
腹・腰のトレーニング法

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月刊ボディビルディング1979年7月号
掲載日:2018.11.28
モデル●NEトレーニング・センター=山室益祥

誌上コーチ 竹内威
デクライン・シット・アップ

デクライン・シット・アップ

ベント・ニー・シット・アップ

ベント・ニー・シット・アップ

ツイスティング・シット・アップ

ツイスティング・シット・アップ

<腹部のトレーニング法>

 腹における主な筋は、腹直筋と外腹腹斜筋である。腹直筋は前腹壁をつくる長い筋で、その作用は主に胴の前方屈曲である。外腹斜筋は、後腹壁から側腹壁を形成する筋で、作用は胴の横への屈曲と回転である。

★腹直筋の基礎的な種目

①デクライン・シット・アップ(インクライン・シット・アップと呼称されることもある)

②レッグ・レイズ

③V・シット

★腹直筋の準基礎的な種目、および強化種目と、その主な効果

①膝をまげた状態で行うシット・アップ(ベント・ニー・シット・アップ)

 <効果> とくに中腹部から下腹部。

②からだを捻りながら行うシット・アップ(ツイストィング・シット・アップ、シット・アップ・タッチング・ザ・オポズイット・ニーなど)

 <効果> 腹直筋の白線に接する部分と外郭。外腹斜筋にも効く。

③腹部の伸展範囲が大きいシット・アップ(クロス・ベンチ・シット・アップ、ローマン・チェア・シット・アップなど)

 <効果> 腱画をよくする。

④上腹部から中腹部を強く収縮させるシット・アップ(フロア・シット・アップ、フロア・シット・アップ・ウイズ・フィート・エレベイティッド、トルソー・テンション・1/4シット・アップなど)

 <効果> 中腹部から上腹部の腱画をよくする。

⑤レッグ・レイズ系統の腹筋運動(シーテッド・レッグ・レイズ、ハンギング・レッグ・レイズ、パラレル・バー・レッグ・レイズ、ニー・スラスト、ハンギング・ニー・レイズ、ボディ・リーバァなど)

 <効果> 脚を上げ下げする種類の腹筋運動は、脚を上げたときの腰の形で効果が変ってくる。腰が湾曲する場合は下腹部にも効くが、どちらかといえば、中腹部から上部にかけて強く効く。腰が湾曲しない場合は、傾向として下腹部から中腹部に強く効く。
ボディ・リーバァ

ボディ・リーバァ

ローマン・チェア・シット・アップ

ローマン・チェア・シット・アップ

フロアー・シット・アップ

フロアー・シット・アップ

サイド・ベンド

サイド・ベンド

★外腹斜筋の運動

 外腹斜筋の運動は、おおむね胴を横へ屈曲する種類の運動と、捻る種類の運動に分けられる。

◇屈曲する種類の運動

①サイド・ベンド・ウイズ・ダンベル

②サイド・ベンド・ウイズ・バーベル

③ハンギング・レッグ・サイド・レイズ

◇捻る種類の運動

①トランク・ツイスト

②ツイスティング・ベンド・オーバー

③インクライン・ツイスティング・レッグ・ダウン(レッグ・レイズで上にあげた脚を、腰を捻っておろす)

 なお、外腹斜筋の鍛錬にはサイド・キックも有効である。
デッド・リフト

デッド・リフト

ハンギング・レッグ・サイド・レイズ

ハンギング・レッグ・サイド・レイズ

レッグ・レイズ

レッグ・レイズ

ワン・ハンド・デッド・リフト

ワン・ハンド・デッド・リフト

★腹筋運動を行う場合の要点

 腹部のトレーニングは、筋の発達を意図して行うのか、あるいはデフィニションの良化のために行うのか、その目的を明らかにして運動を行うのがよい。

①筋の発達を促す場合は、負荷を重くして行う必要もある。つまり、腹筋台の傾斜を強めたり、ウェイトを保持して行なったりすることも必要である。

②筋の隆起をよくするには、腹部を十分に伸展させた状態から腹筋を収縮させるような種類の運動と、胴を完全に屈曲させる種類の運動をトレーニング・コースに加えるようにするのがよい。

③デフィニションをよくするには、一見、矛盾する2とおりの運動のやり方がある。(その理由について長くなるので別の機会にゆずる)

 ●反復回数をできるだけ多くして行う。

 ●極度に遅い動作(1回の反復が6~8秒くらい)で8~10回ぐらいの低回数で行う。

 なお、ウエストの形をスッキリさせるには、前腹部や側腹部と同様に、後腹部の脂肪も落とす必要がある。後腹部は、前腹部や側腹部に比べて脂肪が落ちにくいので、平素からバック・キックやワン・ハンド・デッド・リフトなどによって、できるだけつけないようにしておくことが肝要である。
ハイパー・バック・イクステンション

ハイパー・バック・イクステンション

プローン・レッグ・レイズ

プローン・レッグ・レイズ

ベンド・オーバー

ベンド・オーバー

ツイスティング・ベンド・オーバー

ツイスティング・ベンド・オーバー

<腰のトレーニング法>

 腰部を逞しく、かつ、シャープにすることは、ビルダーとしてのバックの印象をよくする。

 腰部には固有背筋と外腹斜筋がある。外腹斜筋の運動については腹部の項で述べたので、ここでは固有背筋の運動についてのみ解説することとする。

 固有背筋は、腰を伸ばしたり、そらしたりするときに主として作用する。したがって、次のような運動種目によって、その発達を促すことができる。

★固有背筋に有効な運動種目

①デッド・リフト

②ワン・ハンド・デッド・リフト

③オールターニット・タッチ・トウズ

④ベンド・オーバー

⑤ツイスティング・ベンド・オーバー

⑥スティッフ・レッグド・デッド・リフト

⑦スイング

⑧ハイパー・バック・エクステンション

⑨プローン・レッグ・レイズ

★固有背筋の運動の要点

 固有背筋の運動は腰をそらすほどに、上部から下部の方(仙骨部に近い部分)に強い刺激が及ぶ傾向がある。したがって、仙骨部に近い部分の発達をとくに促そうとする場合には、ハイパー・バック・エクステンションやプローン・レッグ・レイズで腰をできるだけそらすようにして運動を行うのがよい。
月刊ボディビルディング1979年7月号

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