日本ボディビル協会昭和54年度 公認指導員認定試験問題と解答
月刊ボディビルディング1979年12月号
掲載日:2018.09.24
日本ボディビル協会では、去る10月27日、28日の両日、東京において今年度の公認指導員講習会を実施した。以下は、そのときの試験問題と出題された窪田、野沢両先生による模範解答である。
◇トレーニングと栄養
----- 出題・解答=野沢秀雄
Ⅰ 次の文章で、正しいと思うものに○、まちがっていると思うものに×をつけなさい。
A.栄養量をもっとも多く必要とするのは、男性は18歳~20歳、女性は15歳~17歳の時期である。( )
B.減量をするときは、トレーニングをしながらおこなうと、比較的筋肉はおちないで、脂肪のみが効率よくおちることが知られている。( )
C.コレステロールを食べすぎると危険であるが、ある程度は食べてもかまわない。まして若い人で運動をする人なら、卵を1日に2~3個ずつ食べてもかまわない。( )
D.高たんぱく質の食事法は、高血圧・脳卒中・胃がんなどを予防するのに良いといわれている。( )
E.トレーニングを継続しておこなうと、コレステロール低下の効果があり、成人病予防によい。( )
----- 出題・解答=野沢秀雄
Ⅰ 次の文章で、正しいと思うものに○、まちがっていると思うものに×をつけなさい。
A.栄養量をもっとも多く必要とするのは、男性は18歳~20歳、女性は15歳~17歳の時期である。( )
B.減量をするときは、トレーニングをしながらおこなうと、比較的筋肉はおちないで、脂肪のみが効率よくおちることが知られている。( )
C.コレステロールを食べすぎると危険であるが、ある程度は食べてもかまわない。まして若い人で運動をする人なら、卵を1日に2~3個ずつ食べてもかまわない。( )
D.高たんぱく質の食事法は、高血圧・脳卒中・胃がんなどを予防するのに良いといわれている。( )
E.トレーニングを継続しておこなうと、コレステロール低下の効果があり、成人病予防によい。( )
[解答]A=× B=○ C=○ D=○ E=○
Ⅱ 次の図は成人病の相互関係を示したものです。空白部分のイ、ロ、ハ、ニに適当な言葉を入れてください。
[解答]イ=肥満 ロ=動脈硬化 ハ=腎臓病 ニ=脳卒中
◎出題に関する解説
ボディビル・ジムに入会する人の動機をきくと、「筋肉隆々の体になることも希望だが健康管理としてボディビルをやりたい」という人が多くなっている。実際に若い10代・20代の人たちだけでなく、30代やそれ以後の人たちがバーベル・トレーニングに取り組み、懸命に汗を流しているわけだが、これらの人々にとって、成人病に対する関心は並々ならぬものがある。
これらの状況をふまえて、トレーニング・栄養・病気(とくに成人病)の三者の相互関係を理解し、ごく基本的な項目をマスターすることが、今回の講義および試験出題の目的であった。
ボディビル・ジムに入会する人の動機をきくと、「筋肉隆々の体になることも希望だが健康管理としてボディビルをやりたい」という人が多くなっている。実際に若い10代・20代の人たちだけでなく、30代やそれ以後の人たちがバーベル・トレーニングに取り組み、懸命に汗を流しているわけだが、これらの人々にとって、成人病に対する関心は並々ならぬものがある。
これらの状況をふまえて、トレーニング・栄養・病気(とくに成人病)の三者の相互関係を理解し、ごく基本的な項目をマスターすることが、今回の講義および試験出題の目的であった。
<1> 栄養知識全般
A.栄養量をもっとも多く必要とするのは、男性は16歳~17歳で2700カロリー、女性は13歳~14歳で2300カロリーである。20代の男性は2500カロリー、30代の男性は2400カロリーと低くなってくる。
B.減量の際、たんに食事制限をするだけでは新陳代謝がスムーズにいかず、活力がなく、ときには身体を構成する組織まで消耗してしまうことがある。この点、運動を併用すると、脂肪の燃焼がスムーズにすすみ、筋肉はそれほどおとさず、効率的に減量できる。
C.「コレステロール」という言葉をきいただけで、即「危険物」と解釈されやすいが、コレステロールは、性ホルモンの原料や、胆汁成分の原料として役立つ物質でもある。人体内で合成される量は1日に1.0~1.5g、これは食品として摂取する量が0.2~0.5gなので、体内で合成される量の方が何倍も多いことになる。これほど重要なので、若い人でも運動をよくする人なら、卵2~3個くらいは食べてもかまわない。(ただし連日、数個以上ずつ食べるのはよくない)
D.高たんぱく質の食事法は、成人病予防の点で有効なことを本号の「須藤選手の食事法」で述べているので参照されたい。
E.サフラワー・オイルや米油,小麦胚芽油など、不飽和脂肪酸を多く含む油は血中コレステロール値を低下させるが、いったん動脈硬化をおこした血管を元に回復させるまでにはいかない。
F.コレステロール値は、ストレス、タバコ、アルコールの飲みすぎ等によって上昇するが、運動を継続しておこなっていると次第に低下することが知られている。
B.減量の際、たんに食事制限をするだけでは新陳代謝がスムーズにいかず、活力がなく、ときには身体を構成する組織まで消耗してしまうことがある。この点、運動を併用すると、脂肪の燃焼がスムーズにすすみ、筋肉はそれほどおとさず、効率的に減量できる。
C.「コレステロール」という言葉をきいただけで、即「危険物」と解釈されやすいが、コレステロールは、性ホルモンの原料や、胆汁成分の原料として役立つ物質でもある。人体内で合成される量は1日に1.0~1.5g、これは食品として摂取する量が0.2~0.5gなので、体内で合成される量の方が何倍も多いことになる。これほど重要なので、若い人でも運動をよくする人なら、卵2~3個くらいは食べてもかまわない。(ただし連日、数個以上ずつ食べるのはよくない)
D.高たんぱく質の食事法は、成人病予防の点で有効なことを本号の「須藤選手の食事法」で述べているので参照されたい。
E.サフラワー・オイルや米油,小麦胚芽油など、不飽和脂肪酸を多く含む油は血中コレステロール値を低下させるが、いったん動脈硬化をおこした血管を元に回復させるまでにはいかない。
F.コレステロール値は、ストレス、タバコ、アルコールの飲みすぎ等によって上昇するが、運動を継続しておこなっていると次第に低下することが知られている。
<2> 成人病相関図について
成人病にもいろいろあるが、それらは互いに密接な関連をもっている。最初のきっかけは「運動不足」「栄養のとりすぎ」である。肥満はたんに皮下に脂肪がたまるだけでなく、体の内部の血管・筋肉・内臓・腸間膜などに、みっちり脂肪がつく。これが危険な「動脈硬化」をおこす。腎臓の動脈におこれば腎硬変(腎不全の原因)、心臓の冠動脈におこれば狭心症や心筋梗塞となり、脳内細胞脈におこると脳出血や脳梗塞となる。
月刊ボディビルディング1979年12月号
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