なんでもQ&Aお答えします 1980年11月号
月刊ボディビルディング1980年11月号
掲載日:2019.11.29
各部位に必要な運動種目を3種目ずつあげてください
Q ボディビル歴は約1年半、自宅で雑誌などを見ながらトレーニングしています。そろそろ分割法を採用して肩・胸・上腕三頭筋・上腕二頭筋・背・腹・脚についてそれぞれ3種目ずつ行うようにしたいと考えています。
つきましては、未完成なメニューを書き添えておきますので、未定の部分を埋めていただきたいと思います。
<肩>
①スタンディング・プレス
②③未定
<胸>――決定
①ベレチ・プレス
②ダンベル・ベンチ・プレス
③ベント・アーム・プルオーバー
<上腕三頭筋>
①トライセプス・プレス・ライイング
②③未定
<上腕二頭筋>
①バーベル・カール
②ダンベル・カール
③未定
<背>
①ベント・オーバー・ローイング
②ワン・アーム・ローイング
③未定
<腹>
①シット・アップ
②③未定
<脚>
①スクワット
②③未定
なお、所有している器具はバーベルとダンベル、それにベンチ・プレス台とスクワット・スタンドです。これらの器具を使用してできる範囲でお答えください。
(岐阜市 今井東洋士 学生 17歳)
つきましては、未完成なメニューを書き添えておきますので、未定の部分を埋めていただきたいと思います。
<肩>
①スタンディング・プレス
②③未定
<胸>――決定
①ベレチ・プレス
②ダンベル・ベンチ・プレス
③ベント・アーム・プルオーバー
<上腕三頭筋>
①トライセプス・プレス・ライイング
②③未定
<上腕二頭筋>
①バーベル・カール
②ダンベル・カール
③未定
<背>
①ベント・オーバー・ローイング
②ワン・アーム・ローイング
③未定
<腹>
①シット・アップ
②③未定
<脚>
①スクワット
②③未定
なお、所有している器具はバーベルとダンベル、それにベンチ・プレス台とスクワット・スタンドです。これらの器具を使用してできる範囲でお答えください。
(岐阜市 今井東洋士 学生 17歳)
〔ニー・カール〕
〔サイド・ベンド〕
A あなたの現在の体位、および体力が不明なので、一応、運動としての内容を中級の中~上程度と仮定してお答えします。
<肩>
スタンディング・プレスは、どちらかといえば肩の前の部分を強化する運動種目なので、残りの2種目には、横とうしろの部分を強化できる運動を採用するのがよいでしょう。
①スタンディング・プレス
(前の部分)
②スタンディング・ロー
(横および前の部分)
③バック・プレス
(うしろの部分)
<胸>
採用種目が決定しており、妥当と思われるので次に移ります。
<上腕三頭筋>
上腕三頭筋の運動種目を大別すると、外側頭と、長頭および内側頭の運動に分けられます。外側頭はベンチ・プレスやスタンディング・プレスのような運動によっても、ある程度、付随的に強化されます。したがって、上腕三頭筋の運動は、どちらかといえば長頭および内側頭の強化に重点を置いて行うのがよいと考えられます。
①トライセプロス・プレイ・ライング
(長頭および内側頭)
②トライセプス・プレス・スタンディング
(長頭および内側頭)
③ナロウ・グリップ・ベンチ・プレス
(外側頭)
<上腕二頭筋>
普通のバーベル・カールとダンベル・カールは、どちらかといえば上腕二頭筋のバルクを増すための大まかな動作による運動であるともいえるので、残りの1種目には、コンセントレーションの状態で行う運動を採用するのがよいと思います。
①バーベル・カール
(基礎的な種目)
②ダンベル・カール
(基礎的な種目)
③ニー・カール〔写真参照〕
(上腕二頭筋に的確な刺激を与えるための補強種目)
<背>
ベント・オーバー・ローイングもワン・アーム・ローイングも、どちらかといえば広背筋を体側に沿って前後に伸縮させる運動であるといえるので、残りの1種目には、広背筋および大円筋を体幹の横方向で伸縮させる形式の運動を採用するのがよいと思います。
その意味では、ワイド・グリップによるチンニングを行うようにするのがよいのですが、鉄棒などがない場合は、柱などを利用してラット・セレイト・ストレッチングを横向きの状態で行うのもよいでしょう。
①ベント・オーバー・ローイング
(広背筋を体側に沿って前後に伸縮させる運動)
②ワン・アーム・ローイング
(広背筋を体側に沿って前後に伸縮させる運動)
③ラット・セレイト・ストレッチング
(広背筋を体幹の横方向で伸縮させる運動)
<腹>
シット・アップのほかの2種目には、レッグ・レイズと外腹斜筋のための運動を採用されるとよいと思います。
①シット・アップ
②レッグ・レイズ
③サイド・ベンド〔写真参照〕
(外腹斜筋のための運動)
<脚>
スクワットのバリエーションとしては、ハーフ・スクワット、クォーター・スクワット、ワイド・スタンス、ナロウ・スタンスによるスクワット、あるいはWヒールズによるスクワット等、いろいろな方法があります。したがって、その中から適当に2種目を選んで、都合3種類のスクワットを行うようにすればよいでしょう。
しかし、大腿部の発達具合がまだ不充分であるのなら、あえて3種類のスクワットを行う必要はありません。大腿部の発達が不充分の場合は最も基本的なスクワット運動によって、じっくりと鍛えていくことが必要だといえます。
<肩>
スタンディング・プレスは、どちらかといえば肩の前の部分を強化する運動種目なので、残りの2種目には、横とうしろの部分を強化できる運動を採用するのがよいでしょう。
①スタンディング・プレス
(前の部分)
②スタンディング・ロー
(横および前の部分)
③バック・プレス
(うしろの部分)
<胸>
採用種目が決定しており、妥当と思われるので次に移ります。
<上腕三頭筋>
上腕三頭筋の運動種目を大別すると、外側頭と、長頭および内側頭の運動に分けられます。外側頭はベンチ・プレスやスタンディング・プレスのような運動によっても、ある程度、付随的に強化されます。したがって、上腕三頭筋の運動は、どちらかといえば長頭および内側頭の強化に重点を置いて行うのがよいと考えられます。
①トライセプロス・プレイ・ライング
(長頭および内側頭)
②トライセプス・プレス・スタンディング
(長頭および内側頭)
③ナロウ・グリップ・ベンチ・プレス
(外側頭)
<上腕二頭筋>
普通のバーベル・カールとダンベル・カールは、どちらかといえば上腕二頭筋のバルクを増すための大まかな動作による運動であるともいえるので、残りの1種目には、コンセントレーションの状態で行う運動を採用するのがよいと思います。
①バーベル・カール
(基礎的な種目)
②ダンベル・カール
(基礎的な種目)
③ニー・カール〔写真参照〕
(上腕二頭筋に的確な刺激を与えるための補強種目)
<背>
ベント・オーバー・ローイングもワン・アーム・ローイングも、どちらかといえば広背筋を体側に沿って前後に伸縮させる運動であるといえるので、残りの1種目には、広背筋および大円筋を体幹の横方向で伸縮させる形式の運動を採用するのがよいと思います。
その意味では、ワイド・グリップによるチンニングを行うようにするのがよいのですが、鉄棒などがない場合は、柱などを利用してラット・セレイト・ストレッチングを横向きの状態で行うのもよいでしょう。
①ベント・オーバー・ローイング
(広背筋を体側に沿って前後に伸縮させる運動)
②ワン・アーム・ローイング
(広背筋を体側に沿って前後に伸縮させる運動)
③ラット・セレイト・ストレッチング
(広背筋を体幹の横方向で伸縮させる運動)
<腹>
シット・アップのほかの2種目には、レッグ・レイズと外腹斜筋のための運動を採用されるとよいと思います。
①シット・アップ
②レッグ・レイズ
③サイド・ベンド〔写真参照〕
(外腹斜筋のための運動)
<脚>
スクワットのバリエーションとしては、ハーフ・スクワット、クォーター・スクワット、ワイド・スタンス、ナロウ・スタンスによるスクワット、あるいはWヒールズによるスクワット等、いろいろな方法があります。したがって、その中から適当に2種目を選んで、都合3種類のスクワットを行うようにすればよいでしょう。
しかし、大腿部の発達具合がまだ不充分であるのなら、あえて3種類のスクワットを行う必要はありません。大腿部の発達が不充分の場合は最も基本的なスクワット運動によって、じっくりと鍛えていくことが必要だといえます。
体重も増えず筋力もアップしないが
Q ボディビルを始めてから約1年経ちます。しかし、からだつきはほとんどといっていいくらい変化していません。胸にも筋肉がつかず、脚も腕もあまり目だって太くなっていません。また、ベンチ・プレスやスクワットの使用重量も1年前と変っていません。
ボディビルの体験者の話を聞いてみると、ほとんどの人が10~15kgぐらい体重が増加しているみたいです。またベンチ・プレスの使用重量にしても20~30kgぐらいは増えているようです。それなのに僕の場合は、体重は全く増えず、また、ベンチ・プレスの使用重量も変らないのはどうしたことなのでしょうか。
僕はいくらボディビルを行なっても効果が得られない体質なのではないでしょうか。その点についてのご意見をおきかせください。
《トレーニング・スケジュール》
――隔日的・週3日――
ボディビルの体験者の話を聞いてみると、ほとんどの人が10~15kgぐらい体重が増加しているみたいです。またベンチ・プレスの使用重量にしても20~30kgぐらいは増えているようです。それなのに僕の場合は、体重は全く増えず、また、ベンチ・プレスの使用重量も変らないのはどうしたことなのでしょうか。
僕はいくらボディビルを行なっても効果が得られない体質なのではないでしょうか。その点についてのご意見をおきかせください。
《トレーニング・スケジュール》
――隔日的・週3日――
〔註〕トレーニング後の疲労感は、やや強く、その他の日もつねに疲れたという実感があります。
《体位の変化》
(名古屋市 大野春生 学生 19歳)
A ボディビルの効果が得られるかどうかは、たんなるトレーニングだけの問題ではなく、日常的な生活や食生活のあり方も関わりを有しているといえます。したがって、あなたの手紙の文面だけでは、効果の得られない原因を素質の有無や体質的な問題にまで発展させて論じるわけにはいきません。そのようなわけで体質的な問題は横に置いて、効果の得られなかった原因をトレーニング法の問題にしぼって考えてみることにします。
あなたのトレーニング・スケジュールを拝見して、まず感じたことはトレーニング量が多すぎるのでないかということです。ボディビルというものは、各人の身体的な個別性を重視して適度に行うのがよく、トレーニングの量を多くすれば効果が得られるといった単純なものではありません。はっきりいって、あなたの体格は水準以下であるといえるので、トレーニングを行うにしても、最初からいわゆる初心者コースを実施するのは問題があるのではないかと思われます。
したがって、この際、思いきってトレーニングの内容を改め、体力的にもっと余裕の感じられる範囲で運動を行うようにするのがよいのではないかと思います。あなたのような場合は、終了後にトレーニングを充分行なったと感じるよりは、むしろもの足りない感じがするくらいのほうがよいと考えられます。そのような意味で実際にもの足りない感じがするとは思いますが、次のようなトレーニングを試してみるのも必要かと考えられます。
《トレーニング・スケジュール》例
――隔日的 週3日――
①シット・アップ
正確に行える回数×2~3セット
②ベンチ・プレス
10回×2セット
③スクワット
10回×2セット
上記のようなトレーニング・スケジュールで果して効果が得られるのかという疑問を持たれたかもしれませんがものは試し、がまんしてやってみてください。あなたと同じようなケースで実際に効果が得られた例はたくさんあります。
要は、基礎的な運動の中でも最も基礎的といえる種目にトレーニングの内容をしぼり、それらの運動種目における筋力の向上に専心することです。こういっては失礼ですが、現在の段階では他の運動を行っても、その運動による効果はほとんど期待できないでしょう。それどころか、場合によってはトレーニング量が多くなるために、全体的に体力が消耗して、かえって、なんの効果も得られなくなることがあります。
バーベルを使用する運動をベンチ・プレスとスクワットの2種目にしぼり、それを実行することによって、体幹と下半身がしっかりしてくれば、おのずと肩や腕の筋も発達するようになります。したがって、当分の間は、体幹と下半身をしっかりさせることに専念してください。
あなたのトレーニング・スケジュールを拝見して、まず感じたことはトレーニング量が多すぎるのでないかということです。ボディビルというものは、各人の身体的な個別性を重視して適度に行うのがよく、トレーニングの量を多くすれば効果が得られるといった単純なものではありません。はっきりいって、あなたの体格は水準以下であるといえるので、トレーニングを行うにしても、最初からいわゆる初心者コースを実施するのは問題があるのではないかと思われます。
したがって、この際、思いきってトレーニングの内容を改め、体力的にもっと余裕の感じられる範囲で運動を行うようにするのがよいのではないかと思います。あなたのような場合は、終了後にトレーニングを充分行なったと感じるよりは、むしろもの足りない感じがするくらいのほうがよいと考えられます。そのような意味で実際にもの足りない感じがするとは思いますが、次のようなトレーニングを試してみるのも必要かと考えられます。
《トレーニング・スケジュール》例
――隔日的 週3日――
①シット・アップ
正確に行える回数×2~3セット
②ベンチ・プレス
10回×2セット
③スクワット
10回×2セット
上記のようなトレーニング・スケジュールで果して効果が得られるのかという疑問を持たれたかもしれませんがものは試し、がまんしてやってみてください。あなたと同じようなケースで実際に効果が得られた例はたくさんあります。
要は、基礎的な運動の中でも最も基礎的といえる種目にトレーニングの内容をしぼり、それらの運動種目における筋力の向上に専心することです。こういっては失礼ですが、現在の段階では他の運動を行っても、その運動による効果はほとんど期待できないでしょう。それどころか、場合によってはトレーニング量が多くなるために、全体的に体力が消耗して、かえって、なんの効果も得られなくなることがあります。
バーベルを使用する運動をベンチ・プレスとスクワットの2種目にしぼり、それを実行することによって、体幹と下半身がしっかりしてくれば、おのずと肩や腕の筋も発達するようになります。したがって、当分の間は、体幹と下半身をしっかりさせることに専念してください。
ハイパー・バック・イクステンションとサイドライイング・ワン・アーム・ダンベル・レイズの運動法とその効果
Q ボディビル歴は8ヵ月です。知人にもらった古いボディビルディング誌を読んでいたらハイパー・バック・イクステンションとサイドライイング・ワン・アーム・ダンベル・レイズという運動種目の名が出ていました。ところが、運動法についての写真もなく、詳しい説明もないので、どのような運動種目かよくわかりません。そのようなわけで、上記2種目の運動法とその効果についてご説明していただきたいと思います。
(新宿区 T・K 公務員 21歳)
(新宿区 T・K 公務員 21歳)
〔ハイパー・バック・イクステンション〕
〔サイドライイング・ワン・アーム・ダンベル・レイズ〕
A ハイパー・バック・イクステンションは、場合によっては初歩的な運動といえないこともありませんが、サイド・ライイング・ワン・アーム・ダンベル・レイズはかなり高級者向きの運動であるといえます。
したがって、前者はともかくとして後者は、現在のあなたにとって果して必要な運動種目であるかどうかわかりませんが、一応、2つの種目について説明することにします。
したがって、前者はともかくとして後者は、現在のあなたにとって果して必要な運動種目であるかどうかわかりませんが、一応、2つの種目について説明することにします。
◎ハイパー・バック・イクステンション〔写真参照〕
<かまえ>床、あるいはベンチの上にうつ伏せに寝て、両足首をパートナーに押えてもらうか、または、ヒモでベンチにくくりつけるかして、固定する。
<動作>両手を頭のうしろで組み,上体をできるだけ反らしてあげる。
ベンチの上で行う場合は,上半身をベンチの端から出し、上体を下へ折りまげ、床すれすれの位置から起こすようにするとよい。
<効果>固有背筋、大殿筋。
<動作>両手を頭のうしろで組み,上体をできるだけ反らしてあげる。
ベンチの上で行う場合は,上半身をベンチの端から出し、上体を下へ折りまげ、床すれすれの位置から起こすようにするとよい。
<効果>固有背筋、大殿筋。
◎サイドライイング・ワン・アーム・ダンベル・レイズ
<かまえ>片手のみにダンベルを持ち床、または、ベンチの上に横向きに寝る。
<動作>腕を伸ばしたまま、またはいくぶんまげた状態で、大腿部の位置からダンベルを上へあげる。上へあげたときに腕が垂直になるまであげないようにする。つまり、常に肩に負荷が十分にかかっている状態で腕の上下運動を行うようにする。
<効果>三角筋、とくに横の部分の発達を促す。
〔写真参照〕
<動作>腕を伸ばしたまま、またはいくぶんまげた状態で、大腿部の位置からダンベルを上へあげる。上へあげたときに腕が垂直になるまであげないようにする。つまり、常に肩に負荷が十分にかかっている状態で腕の上下運動を行うようにする。
<効果>三角筋、とくに横の部分の発達を促す。
〔写真参照〕
トレーニング・スケジュールと腹筋のカットをよくするには
Q ある武道の基礎トレーニングとしてボディビルを始めたのですが、現在では、その魅力にひかれて1日おきのトレーニングが待ち遠しいほどです。
その甲斐あってか、1年8ヵ月を経過した現在、逞しい体格になりつつあります。しかし、自宅で1人でトレーニングをしているために、いろいろと不安な点があります。次の3つについてアドバイスをお願いします。
①現在のトレーニング・スケジュールに問題な点はありますか。
②普通の状態で腹筋のカットがあまりありません。また、腹筋に力を入れても下腹部にカットがないのですが効率的なトレーニング法はありませんか。
③この先、トレーニング量を増加する場合、どのように変えていけばよいのでしょうか。
≪現在の体位≫
身長 172cm 上腕囲 33cm
体重 65㎏ 前腕囲 28cm
胸囲 103cm 大腿囲 50cm
腹囲 76cm
≪トレーニング・スケジュール≫
その甲斐あってか、1年8ヵ月を経過した現在、逞しい体格になりつつあります。しかし、自宅で1人でトレーニングをしているために、いろいろと不安な点があります。次の3つについてアドバイスをお願いします。
①現在のトレーニング・スケジュールに問題な点はありますか。
②普通の状態で腹筋のカットがあまりありません。また、腹筋に力を入れても下腹部にカットがないのですが効率的なトレーニング法はありませんか。
③この先、トレーニング量を増加する場合、どのように変えていけばよいのでしょうか。
≪現在の体位≫
身長 172cm 上腕囲 33cm
体重 65㎏ 前腕囲 28cm
胸囲 103cm 大腿囲 50cm
腹囲 76cm
≪トレーニング・スケジュール≫
〔註〕トレーニング終了後に2kmのランニングを行う。トレーニングの疲労感はかなりきつい。
(東村山市 M・O 会社員 26歳)
A 武道といってもたくさん種類があり、それによって補強トレーニングも違ってきます。あなたのやっておられる武道の種類がわかりませんが、ここでは一般的な基礎体力の養成ということについて説明していきます。
<1>トレーニング・スケジュールに対する問題点
全体的な種目の選択、および個々の運動種目のトレーニング内容などについては別に問題はないようです。また使用重量の面から考えても、あなたは個々の運動をかなり正確な動作で行なっているものと判断できるので、その点についても問題はないものと思われます。ただ、あなたのトレーニング・スケジュールについて問題と思われる点を強いては指摘するとすれば、それは㋑運動の順序,㋺トレーニング後の疲労度という点です。ではそのことについて意見を述べることにします。
㋑運動種目の順序について
運動種目の順序といったものは、各人の身体的な個別性、およびトレーニングに対する目的と見解を重視して定められるべきものなので、そのような点を配慮して定められるからには、どのように配列しても誤りということはないと思います。
したがって、あなたが、あなた自身の身体的な個別性を重視し、またトレーニングに対する目的と意図をきちんと持って、運動種目の順序を定めたのであれば別に問題はありません。しかし、そうでない場合は、種目の順序について再検討してみる必要があるかと思います。
というのは、あなたの運動種目の配列を客観的な立場で見ると多分に変則的な面がうかがえるからです。
ボディビルの常識的な考え方にそっていえば、サイド・ベンドは他の腹部の運動と関連させて行うようにするのがよいと思います。
また、ストレート・アーム・プルオーバーは、ベンチ・プレスの補助種目としてベンチ・プレスの次に行うようにするか、あるいは、胸郭の拡張を促するための補助運動としてスクワットとスーパー・セットとして行うのがよいように思われます。
㋺トレーニング後の疲労度について
あなたはトレーニング終了後の疲労感がかなりきついものであるといわれていますが、これはウェイト・トレーニングのみに関する感じでしょうか。それとも2kmのランニングを含めての感じでしょうか。
いずれにしても、トレーニング終了後1~2時間で疲労感が解消されるようなら問題はありませんが、翌日まで疲労が残るようであれば、ランニングを含めたトレーニングの内容について検討する必要があると思います。
その場合、ウェイト・トレーニングとランニングのどちらの方が身体的により負担になっているかを冷静に考えてみることも大切です。そしてその結果、どちらか一方がより負担になっていると判断されたなら、その方のトレーニング量と強度を無理のない程度に軽減するといった配慮も必要であると思います。
㋑運動種目の順序について
運動種目の順序といったものは、各人の身体的な個別性、およびトレーニングに対する目的と見解を重視して定められるべきものなので、そのような点を配慮して定められるからには、どのように配列しても誤りということはないと思います。
したがって、あなたが、あなた自身の身体的な個別性を重視し、またトレーニングに対する目的と意図をきちんと持って、運動種目の順序を定めたのであれば別に問題はありません。しかし、そうでない場合は、種目の順序について再検討してみる必要があるかと思います。
というのは、あなたの運動種目の配列を客観的な立場で見ると多分に変則的な面がうかがえるからです。
ボディビルの常識的な考え方にそっていえば、サイド・ベンドは他の腹部の運動と関連させて行うようにするのがよいと思います。
また、ストレート・アーム・プルオーバーは、ベンチ・プレスの補助種目としてベンチ・プレスの次に行うようにするか、あるいは、胸郭の拡張を促するための補助運動としてスクワットとスーパー・セットとして行うのがよいように思われます。
㋺トレーニング後の疲労度について
あなたはトレーニング終了後の疲労感がかなりきついものであるといわれていますが、これはウェイト・トレーニングのみに関する感じでしょうか。それとも2kmのランニングを含めての感じでしょうか。
いずれにしても、トレーニング終了後1~2時間で疲労感が解消されるようなら問題はありませんが、翌日まで疲労が残るようであれば、ランニングを含めたトレーニングの内容について検討する必要があると思います。
その場合、ウェイト・トレーニングとランニングのどちらの方が身体的により負担になっているかを冷静に考えてみることも大切です。そしてその結果、どちらか一方がより負担になっていると判断されたなら、その方のトレーニング量と強度を無理のない程度に軽減するといった配慮も必要であると思います。
<2>腹筋のカットを出すためには
ただたんにカットがないといわれても、お答えしようがありません。というのは、この場合、一番問題になるのは、あなたの腹部における体脂肪の厚さです。体脂肪が厚ければ、当然のことながら腱画ははっきりしなくなります。
しかし、体脂肪が厚い薄いにかかわらず、リラックスした状態では、腹筋の腱画ははっきりしないものです。また、腱画によって4層、ときには5層に仕切られた腹筋の最下層はカットがあまりないのが普通です。
ともかく、あなたの腹筋について具体的に意見を述べるには資料が足りません。このような質問の場合は、せめて写真の1枚なりとも添えていただきたいと思います。
しかし、体脂肪が厚い薄いにかかわらず、リラックスした状態では、腹筋の腱画ははっきりしないものです。また、腱画によって4層、ときには5層に仕切られた腹筋の最下層はカットがあまりないのが普通です。
ともかく、あなたの腹筋について具体的に意見を述べるには資料が足りません。このような質問の場合は、せめて写真の1枚なりとも添えていただきたいと思います。
<3>トレーニング量の増加について
トレーニング後にかなり疲労感を覚えるということなので、今後、ただちにトレーニング量を増やすのは、いささか問題があると思いますが、一応、将来トレーニング量を増やすときの参考に、その要領を述べておきます。
ⓐ身体を首・肩・胸・背・腕・腹・腰・脚といったように区分(場合によってはさらに各部位を細分)し、今後のトレーニングにおいて発達、または強化を促したい順に序列する。ただし、中級者程度の場合は、体力的な問題もあるので、全ての部位について順位をつけて配列する必要はないと考えられる。当初は2~3部位にとどめるのが無難といえる。
ⓑいま述べたⓐの序列にしたがい、最も重視した部位の運動を最優先に考える。そして、さらに採用する運動の種目と数について検討する。もちろん、この場合は、部分的なトレーニングとしてだけでなく、全体的なトレーニングの面からも考えて、負担にならない範囲にとどめることが大切である。
ⓒこうして最も重視した部位のトレーニング内容を決めた後(あるいは実際に行なってみたあと)で、なおかつ体力的に余裕があると判断されるなら、2番目に重視する部位のトレーニング内容についてどうするかを考えるようにする。もちろんこの場合は、最も重視する部位のトレーニング内容よりもひかえめであるように配慮する。
ⓓそれでもなお体力的に余裕があると判断されるなら、3番目に重視する部位のトレーニング内容について,ⓒの頃で説明したことがらに準じて考える。
ⓔ全体的なトレーニング法について考える。たとえば、分割法を採用するとか、筋肉優先法(発達をとくに希望する部位の運動を、他の部位の運動に優先して、全体的なトレーニング・コースの最初に行うようにするトレーニングのやり方。マッスル・プライオリティ・システム)を採用するとかの方法について考える。
ⓕ重視度のいかんにかかわらず、各部位における運動のセット数は、全体的なトレーニング・スケジュールの中で、体力的に過度な負担にならない範囲にとどめるようにする。
ⓐ身体を首・肩・胸・背・腕・腹・腰・脚といったように区分(場合によってはさらに各部位を細分)し、今後のトレーニングにおいて発達、または強化を促したい順に序列する。ただし、中級者程度の場合は、体力的な問題もあるので、全ての部位について順位をつけて配列する必要はないと考えられる。当初は2~3部位にとどめるのが無難といえる。
ⓑいま述べたⓐの序列にしたがい、最も重視した部位の運動を最優先に考える。そして、さらに採用する運動の種目と数について検討する。もちろん、この場合は、部分的なトレーニングとしてだけでなく、全体的なトレーニングの面からも考えて、負担にならない範囲にとどめることが大切である。
ⓒこうして最も重視した部位のトレーニング内容を決めた後(あるいは実際に行なってみたあと)で、なおかつ体力的に余裕があると判断されるなら、2番目に重視する部位のトレーニング内容についてどうするかを考えるようにする。もちろんこの場合は、最も重視する部位のトレーニング内容よりもひかえめであるように配慮する。
ⓓそれでもなお体力的に余裕があると判断されるなら、3番目に重視する部位のトレーニング内容について,ⓒの頃で説明したことがらに準じて考える。
ⓔ全体的なトレーニング法について考える。たとえば、分割法を採用するとか、筋肉優先法(発達をとくに希望する部位の運動を、他の部位の運動に優先して、全体的なトレーニング・コースの最初に行うようにするトレーニングのやり方。マッスル・プライオリティ・システム)を採用するとかの方法について考える。
ⓕ重視度のいかんにかかわらず、各部位における運動のセット数は、全体的なトレーニング・スケジュールの中で、体力的に過度な負担にならない範囲にとどめるようにする。
〔回答は1959年度ミスター日本、NE協会指導部長・竹内 威先生〕
月刊ボディビルディング1980年11月号
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