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なんでも Q&A お答えします 1981年4月号

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月刊ボディビルディング1981年4月号
掲載日:2020.05.14

上腕二頭筋のためのトレーニング法

Q ボディビル歴は約1年です。栄養のことも含めて、からだづくりに専念したおかげで、体格も1年前と比べると見違えるほどになりました。体重の増加はもとより各部位のサイズの伸びも順調で、とくに上腕のサイズは30cmから33cmになりました。
 しかし、残念なことには、腕を曲げたときの上腕二頭筋の隆起がさほどありません。そのようなわけで、腕、とくに上腕二頭筋を発達させるのに効果がある運動を教えていただきたいと思います。1、2年後には、なんとかコンテストにも出場したいと考えていますので、高度な種目を含めてご紹介ください。
(秋田県 南 和夫 自営業 25歳)
A 上腕二頭筋は、長頭と短頭の2頭からなり、その作用は、前腕の屈曲と回外(直立して腕を下へさげたときの状態で説明すると、手のひらが前方向から外側へ向くように前腕を回転させること)です。
 そして、カール運動のような上腕二頭筋に負荷をかけた運動の際には、フォームの違い、すなわち、前腕の回外の角度や、体側に対する肘の位置の違いなどによって、長頭と短頭にもたらされる緊張の度合がいくぶん異なってきます。したがって、上腕二頭筋のトレーニングは、そのような筋の働き方を考慮して運動を行うことが大切だといえます。
 あなたはトレーニングを始めてから1年ということでもあり、また、上腕のサイズが33cmということでもあるので、現段階では、いましばらくバルクを増すことに専念するのがよいと思います。そして、バルクを増すためのトレーニングとしては、比較的重い重量を使用して行うことのできる種目を選んで実施するのがよいと思います。
 参考までに、上腕二頭筋のバルクを増すのに有効と考えられる種目を次に示しますが、ある程度、バルクがつくまでは、他の種目を必要以上に行わないほうがよいでしょう。

≪バルクを増すための主要種目≫

①カール(スタンダート・グリップ)
②ダンベル・カール
③インクライン・ダンベル・カール

≪バルクを増すための補助的な種目≫

①シーテッド・カール
②ダンベル・コントラクション・カール
③スリー・パート・カール
④サーカムデュクション・カール
⑤カール(ワイド・グリップ)
⑥カール(ナロウ・グリップ)
⑦ベント・フォーワード・カール
⑧ライイング・カール

 以上の種目の選択数は、実施者の体力差によって異なってきますが、だいたい主要種目の中から1~2種目、補助的な種目の中から1~3種目を選び都合3~4種目を行うようにすればよいと思います。
 運動のやり方は、あえてストリクト・スタイルにこだわることはありませんが、できるだけていねいな動作で筋全体を広範囲に、かつ、充分刺激するように行うことが大切です。
 さて、上腕二頭筋のバルクが増してくると、その発達のしかたに個性的な傾向が見られるようになります。つまり、短頭の発達に比べて長頭の発達が弱いとか、あるいは、筋の頭頂部(ピーク)の盛りあがりが足りないといったような、不均衡な発達が目につくようになってきます。
 したがって、上腕二頭筋を一層きわだたせ、迫力あるものにするためにはさっき述べたような不均衡な発達を是正するためのトレーニングが必要になってきます。では、そのような段階におけるトレーニングのやり方について説明します。
 まず長頭ですが、この部分の発達を促すには、サム・アップ・カールやダンベル・インナー・カールが効果があります。そして短頭には、レバレッジバー・カールやツイスティング・カール(スパイネイション)などが有効であると考えられます。
 また、長頭と短頭の双方に効く種目としては、サーカムデュクション・カールが非常によいようです。
 上腕二頭筋の盛りあがりをよくし、ピークを高めるには、次に示す種目が有効といえますが、いずれの場合も筋を充分に収縮させるように動作を行うことが大切です。
 また、デフィニションをよくするには、ピークを高めるための種目を、筋に意識を集中(コンセントレート)して、ゆっくりとした動作で行うようにするのが有効です。

≪比較的長頭に効く種目≫

①カール(ワイド・グリップ)
②サム・アップ・カール
③ダンベル・インナー・カール
④ツイスティング・カール(プロネイション)
⑤サーカムデュクション・カール

≪比較的短頭に効く種目≫

①カール(ナロウ・グリップ)
②レバレッジバー・カール
③ツイスティング・カール(スパイネイション)
④サーカムデュクション・カール

≪盛りあがりをよくし、ピークを高める種目≫

①ベント・フォワード・カール
②プリーチャー・ベンチ・カール(スコット・カール)
③コントラクション・カール・オン・プリーチャー・ベンチ
④ベント・オーバー・カール
⑤ニー・カール

フロント・プレスのバリエーション

Q ボディビルを始めてから8ヵ月になります。おかげで少しは見られる体になりました。現在は下記のスケジュールでトレーニングしていますが、少し内容を変えたいと考えています。

≪トレーニング・スケジュール≫

記事画像1
 からだづくりとしては、まだ基礎的な段階にあることは自分でもよく分っていますが、これからは上記のスケジュールに2種目ほどの運動を加え、ある部分に多少重点を置いたトレーニングを実施してみたいと考えています。
 そのようなわけで、今後は、手始めとして肩の部分に重点を置いたトレーニングを行いたいと思っています。
 新たに加える種目としては、フロント・プレスを考えているのですが、フロント・プレスにもいろいろなやり方があるようなので、どれを採用していいか迷っています。フロント・プレスのバリエーションとして、3種類ほどの運動と、その効果について教えていただきたいと思います。
(横浜市 佐藤正夫 会社員 24歳)
A フロント・プレスのバリエーションとしては多数の運動がありますが、ご希望にこたえて、その中から3種類の運動法と、その効果について紹介します。

◎ワイド・グリップによる方法(ワイド・グリップ・プレス)

〈運動法〉左右のグリップの間隔を肩幅の倍くらいにしてフロント・プレスを行う。上体をできるだけ動かさないようにして動作を行うほうが三角筋によく効く。また、グリップに力を入れずに、シャフトを手のひらでやんわりと保持するようにし、重量を肘で押しあげるような感じで運動を行う。[写真参照]
〔ワイド・グリップによるフロント・プレス〕

〔ワイド・グリップによるフロント・プレス〕

〈効果〉肩の前と横の部分に効く。

◎ナロウ・グリップによる方法(ナロウ・グリップ・プレス)

〈運動法〉左右のグリップの間隔を肩幅よりも狭くしてフロント・プレスを行う。[写真参照]
〔ナロウ・グリップによるフロント・プレス〕

〔ナロウ・グリップによるフロント・プレス〕

く効果>両肘の間隔を狭くした状態で行えば、主として肩の前の部分に効き、また、両肘を左右横へ張るようにして行えば、肩の横の部分の筋腹と付け根に効くようになる。

◎アンダー・グリップによる方法(プレス・ウイズ・アンダー・グリップ)

〈運動法〉バーベルをアンダー・グリップで持ち、そのグリップのかたちでフロント・プレスを行う。
〈効果〉グリップの間隔を肩幅くらいにすれば肩の前の部分に強く効き、グリップ間隔をもっと広くすれば横の部分に効くようになる。

 以上、3種類の運動を紹介しましたが、肩に充分に効かすには、いずれの場合も、グリップにあまり力を入れないようにして、できるだけ上体を動かさないで運動を行うようにするのがコツです。グリップに必要以上に力が入ると、腕力で重量を押しあげるようになり、効果が減少します。

側腹部の脂肪をとり、すっきりとしまりのある腹部にしたいが

Q ボディビル歴は2年です。自分でいうのもなんですが、全体的にけっこう筋肉がついてきています。しかし、残念ながら、各部分の切れの方はまだまだといったところです。とくに横腹の部分のしまりがありません。
 ウエストのサイズそのものは、そう大きくはないのですが、横腹の脂肪がなかなか落ちません。なんとか脂肪を落そうと思い、ツイスティング・シット・アップとサイド・ベンドを週4日のトレーニング日に欠かさず行なっています。しかし、どうしても効果がありません。横腹の脂肪を落し、しまりのある腹部にするよい方法はないものでしょうか。
(東京都 相良省二 会社員 26歳)
A 体脂肪というものは、からだのうちでも比較的動きが少ない箇所に多くつくということがいえると思います。したがって、このようなことからすれば、腹や腰のまわりに脂肪がつきやすいのも至極当然なことであるといえます。
 しかし、だからといって、シット・アップやサイド・ベンドなどの運動で腹や腰を頻繁に動かすようにすれば、その部分の脂肪が問題なく落ちるかというと、なかなかそうはいかないようです。
 事実、それが証拠には、ボディビルの愛好者の中でも、人一倍熱心に腹筋運動をやっているにもかかわらず、依然として腹や腰のまわりに脂肪が厚くついている人がたくさんいます。あなたの場合も、それほどではないにしても、体質的にみて同じようなことがいえると思います。
 側腹部の脂肪を落とすために、あなたはツイスティング・シット・アップとサイド・ベンドを週に4回欠かさず実施しているのにもかかわらず、一向に効果があがらないということですがこのような例はよくあることです。腹筋運動を行いさえすれば、腹部の脂肪が僅かずつでも必ず落ちていくといった単純なものではありません。
 シット・アップやサイド・ベンドのような運動は、腹部の脂肪を落すための直接的な方法として、確かにそれなりの効果は期待できます。そして、それらの運動を行なったことによって、腹部の脂肪が落ちた人達がいることも事実です。しかし、その反面、一向に効果が得られず、腹部の脂肪が少しも取れなかったという人がいることも、これまた事実です。
 では、まず腹部の脂肪を効率よく落すにはどのようにしたらよいかを考えてみましょう。そして、その後で、あなたの質問の側腹部の脂肪を落すための直接的な方法(運動法)について述べることにします。
 腹部にかぎったことではありませんが、からだのある特定の部分の脂肪を落そうとする場合、その部分の脂肪だけを落そうとしても、そうそう効果があがるものではありません。たとえ部分的に脂肪を落すにしても、より効率よく脂肪を落すには、部分的にだけではなく、全身的にも体脂肪を落すように心掛けなければなりません。
 つまり、腹部の脂肪を落そうとするのであれば、シット・アップやレッグ・レイズ、あるいはサイド・ベンド等腹部の脂肪を落すための直接的な運動を行うと同時に、全身的に脂肪を落す手立てもこうじなければならないということです。
 では、全身的に脂肪を落すための手立てとはどのようなことなのか、そのことについて次に箇条書に列記してみましょう。

①腹部以外の運動種目も体力的に受容できる範囲で、できるだけ行うようする。
②ジョギングや歩行運動を積極的に取り入れるようにする。
③日常生活においても、できるだけからだを動かすように心がける。
④体脂肪と食事内容は深い関係があるので、この点にも充分配慮する。

 以上のことがらが、全身的に脂肪を落すための手立てですが、それらのことがらについてもう少し詳しく説明することにしましょう。

①腹部以外の運動もできるだけ行うようにする

 これは、トレーニングとしての全的な運動量を少しでも多くするという目的によります。つまり、全的な運動の量を増やすことによって、全身体な体脂肪を落とすようにし、そのことによって腹部の脂肪をさらに落すというのが狙いです。
 とはいうものの、ボディビルのような無酸素的な性質の運動では、1日に行う運動の量にも自ずから限度があります。翌日にあまり疲れが残らず、次回のトレーニング日までに正常疲労のかたちで体力が回復する範囲に運動の量をとどめるべきでしょう。

②ジョギングや歩行運動を積極的に取り入れるようにする

 先にも述べたように、ボディビルにおける運動は、その運動量を増やすにしても、運動としての性質上あまり多くするわけにはいきません。その点、ジョギングや歩行運動のような有酸素的な運動は、徐々にならしていきさえすれば、かなりの運動量をこなすことができます。
 したがって、体脂肪を全身的に落すということからすれば、ボディビルの運動を多くするよりは、ジョギングや歩行運動を多く行うほうが効果的であり、また、体力的にも無難であるといえます。
 長距離走を行うと、体脂肪だけでなく、筋肉まで落ちてしまうと考えている人がいますが、このように、脂肪が落ちるのと一緒に筋肉が細化する傾向があるのは、何も長距離走に限ったことではありません。どんな運動であっても、からだの脂肪が落ちていくのに反比例して、筋肉が発達していかないかぎり、体位が小さくなるのはあたりまえです。そして、全身的、部分的にかかわらず急激に脂肪を落していく場合には、全身的に筋肉が多少細化していくのは仕方がないことです。
 つまり、腹部の脂肪を除くことが目的であるにしても、腹部の脂肪をとるには、からだ全体の脂肪がさらに薄くならなければならず、また、そのことにともなって筋そのものの実質的な太さが全身的に細化するのは仕方がないということです。

③日常生活において積極的にからだを動かすように心がける

 仕事や家事等、日常生活においてに積極的にからだを動かすというのは体内における熱の消費量を少しでも高めようとすることにほかありません。つまり、身体の脂肪を消化するのを、ボディビルのような特別な運動だけに頼らず、1日の生活を通して行おうということです。
 さらに、体内における熱の消費量は、からだをゆっくりと動かす場合よりも、速く動かす場合のほうが高いといえるので、何をするにしてもできるだけキビキビとした動作で行うのがよいと思われます。

④体脂肪と食事内容の関係

 いくら運動を一生懸命に行なっても、その運動によって消費する以上のカロリーを、食事でとっていてはなんにもなりません。つまり、からだに脂肪がのるか、のらないかは、体内で消費する熱量と食物として摂取する熱量の多寡によることが多いので、好きなものを好きなだけ、無制限に食べていたのでは、からだについた脂肪を落すことはとてもできません。
 したがって、体脂肪を落すには、それなりに食事の内容を制限することが必要になります。しかし、制限をするにしても、日常生活とトレーニングにどうしても欠かすことのできないものは摂るようにしなければなりません。では次に、その要点について解りやすく述べておくことにします。

①1日当りの摂取熱量を現状よりも少なくする。ただし、運動の量を大幅に増やした場合は、いままで通りでもよい。摂取熱量を極端に減らすことは栄養失調になるおそれがあるので注意。
②食事の内容としては、油脂を多量に含むものと、炭水化物を多く含むものを制限する。
 ◇油脂を多量に含むもの
 落花生、クルミ等のナッツ類、魚や肉の脂の多い部分......等
 ◇炭水化物を多量に含むもの
 主食類、穀類を主原料とした菓子類、砂糖を多く含む食べ物、および飲み物............等
③油脂や炭水化物の摂取を制限しても蛋白質やビタミン、ミネラル等は不足しないように留意する。からだの脂肪を落そうとするからには「栄養成分表」または「栄養分析表」などを用意して、毎日の食事内容を検討するくらいの心がけが必要である。
 以上が全身体に脂肪を落すための手立てです。記述が少しくどくなったかの感がありますが、部分的に脂肪を落すには、まず全身的に脂肪を落す必要があるので、その点をよく了解してください。
 それでは次に、あなたの質問の側腹部の脂肪を落すための直接的な運動法を紹介することにします。

◎サイド・ベンド

 この運動は、すでに行なっておられるので説明を省きます。

◎シーテッド・サイド・ベンド

 これは腰かけて行うサイド・ベンドです。腰をかける物はベンチでも椅子でもよいですが、できればレッグ・カール・マシンの台のように少し高さのあるものに腰かけるほうが、運動においてワキ腹の伸縮幅が自然と大きくなるので効果的である。

◎サイド・キック

 直立した状態で、片方の脚を横へあげる。ただし、上体をできるだけ垂直に保った姿勢で行う。脚をあげたときに、上体を反対側へ倒しすぎると中殿筋には効いても、側腹部に与える効果は半減する。

 以上が側腹部のための運動です。しかし、側腹部の脂肪を落すには、後腹部の運動も併せて行うのがよいので、念のために後腹部の運動も2種目ばかり紹介しておくことにします。

◎ハン・ハンド・デッド・リフト

 片手で行うデッド・リフトですが、後腹部に十分に効かすためには、それなりに動作上の注意が必要です。
くかまえ>片手のみにダンベルを持ち両足の間隔を狭くしてWヒールズの状態にかまえる。(図参照)
ワン・ハンド・デッド・リフトにおけるダンベルの位置

ワン・ハンド・デッド・リフトにおけるダンベルの位置

く動作>脚を伸ばしたままの状態で、上体を前に倒し、ダンベルを図に示した位置から引き上げる。この運動で留意すべきことは、後腹部に負荷を充分にかけるために、前後というよりは斜め方向に上体を動かすようにすることである。右手にダンベルを持ったときは左側、左手にダンベルを持ったときは右側の後腹部に効く。したがって、ダンベルを引きあげたときは、反対側の後腹部を意識的に収縮させるように運動を行うのがよい。

◎バック・キック

 直立した状態で、片脚を斜め後方へあげる。ただし、脚をあげたときに上体をできるだけ前に傾けないように留意する。脚が高くあがらなくてもよいから、なるたけ上体を垂直に保って行うのがコツ。脚をあげたとき、上体を斜め後方へ反らすようにして、あげた脚と同じ側の後腹部を意識的に縮めるようにすると一層効果的である。しかし、これも過度、または過激に行うと腰を痛めるおそれがあるのでくれぐれも注意していただきたい。[写真参照]
[バック・キック]

[バック・キック]

睡眠のとり方とボディビルの効果

Q ぼくは現在、新聞配達をしながらボディビルを行なっています。ボディビルで効果をあげるためには、最低、1日に7時間は睡眠をとらなければならないと聞いています。
 ぼくは朝刊を配るのに午前4時に起きます。したがって、7時間の睡眠をとるためには、夜9時に寝なければなりません。でも、それでは早すぎて眠れません。それで、ぼくは夜11時から4時まで寝て、4時~6時まで仕事、そして6時から9時までまた寝るといった具合にしています。このような睡眠のとり方でもボディビルの効果には変りないでしょうか。
(兵庫県T・O)
A 栄養素が身体の組織に同化するには休養が必要です。そして、眠ることに優る休養はないといえます。そして、睡眠の効果というものは、睡眠の深さによっても異なってくるので、時間の長短だけでは論じられない面もあります。
 あなたの場合、睡眠時間が合計8時間ということで、一見問題はないように思われますが、果して床に入ってからすぐに寝つけるのかどうか、また、熟睡できるのかどうかが心配です。ことに2度目の、配達を終った直後の3時間が心配です。
 そのような点で別に不安がないというのでしたら、一応は今のような睡眠のとり方でもよいといえるでしょう。しかし、強いて申しあげれば、ボディビルのような筋の肥大と筋力の強化を目的とする場合には、なんといっても1回の睡眠で7~8時間を通して眠るのがよいといえます。つまり、時間的に帳尻が合えばよいということではありません。まして、あなたのように肉体的な労働を間にはさむ場合には、とくにそのようなことがいえると思います。というのは、睡眠時間はたとえ同じであっても、睡眠としての効率は明らかに低くなるからです。
 したがって、あなたがもしも、ビルダーとして大成することを目的としているのでしたら、この際、もっと早く寝るようにすることを勧めます。
 ボディビルダーの話ではありませんが、プロボクサーで、元ジュニア・フェザー級の世界チャンピオンだったロイヤル小林は、早朝のロード・ワークに備えて、夜の8時前に床に入ったとのことです。あなた自身の目的にそって、あとはご自分で考えて、最善と思う睡眠法を実施してください。
[回答は1959年度ミスター日本、NE協会指導部長・竹内威先生]
月刊ボディビルディング1981年4月号

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