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☆ミスター・アルバタ・コンテスト観戦記☆

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月刊ボディビルディング1978年10月号
掲載日:2018.04.10
みんなで手をとり合って泣いた!!
弟,和夫のカナダでの優勝

~~河内山 洋三~~
 6月15日,私と母,それに栗原先生ご夫妻の4人は,赤羽トレーニング・ルームの重村会長に見送られて羽田空港を飛び発った。

 まずバンクーバーに着き,また飛行機に乗りついで約1時間,ようやく弟の住むカルガリに到着した。空港には弟夫婦が迎えに来てくれていた。弟はまっ黒に日焼けし,シャツがはち切れんばかりで,前に帰国したときよりひとまわり大きくなっているのがすぐに感じとれた。

 ミスター・アルバタ・コンテストはあす17日,このカルガリの劇場で行われる。日本でいえば県大会といったコンテストである。

 弟は私たちを家まで案内するや,挨拶もそこそこに,最後の調整のためにジムに行くというので,私も一緒についていってみた。

 ジムは1階と2階がトレーニング・ルームになっていて,それぞれ50坪くらいある。地下1階がシャワーとサウナ・ルーム,それにロッカー・ルームである。

 器具は広いスペースにダンベルやバーベルがゆったりと置いてある。ベンチ・プレスの台が5台,その他,いろいろの器具がそろっている。

 その中でまず目についたのがバーベル・シャフトである。目方が60ポンドだそうだから約27kg。にぎりの部分がかなり太い。とくにプレートをつける部分は直経約5cmくらいあり,重量あげのシャフトによく似ている。ジムのオーナーが特注して作らせたものだそうだ。

 弟は腹とカーフを重点的に約1時間練習し,シャワーを浴びて最後の調整を終る。


 いよいよ今日はミスター・アルバタの日である。弟は8時に起きて,2kmのランニングのあと朝食。予備審査が10時に開始されるので,すぐ仕度して出かける。私も一緒に会場についていった。

 出場者は全部で29名。予備審査は,まず全出場者を3組に分けて全般審査を行い,つづいて部分賞審査に移る。だいたい日本の裏審査と同じである。私の見た感じでは,弟とボブという選手の優勝争いになるのではないかと思われた。部分賞も脚は弟がとれそうで腹筋はボブがよく,他は甲乙つけがたいといったところである。

 1時ごろ予備審査が終る。本番は6時開始なので,いったん家に帰り,食事をして,みんなで会場に行く。かなり広い会場だが,すでに八分どおり観客席はうずまっていた。やっと空席を見つけてすわる。

 やがて幕があき,まず,最初に昨年度ミスター・カナダのヘンリー・クォーカーがゲスト・ポーズを披露した。さすがにカナダのNo.1だけあって,均斉のとれたいい体をしている。ポージングもうまい。とくに,両手を上げたバック・ポーズで,広背筋をグイッグイッと広げるポーズは珍しく,迫力もあった。

 いよいよ本番が始まり,1人ずつ2~3分間のフリー・ポーズを行う。このときびっくりしたのが観客の声援のものすごさである。いい選手や,ポーズが決ったときなど,拍手や口笛でそれこそ鼓膜が破れるのではないかと思われるほどである。これに比べて,日本のコンテストは,みんなお行儀がいいというのか,国民性の違いというのか,実に静かなものである。

 ひときは大きな声援に迎えられて弟のポージングが始まった。日本にいたときより体もいちだんと遅ましくなりポージングもうまくなっている。この調子では,私の予想どおり2位以内にくい込めそうである。

 弟のポージングは2分30秒くらいで終った。その間,いろいろのことが私の頭の中をよぎった。

 弟がボディビルを知ってから,何事にも自信がついて見違えるばかり積極的になったし,いい友人にもめぐり合うこともできた。ボディビルを知らなかったら,おそらくカナダに来るようなことにもならなかったであろう。1人で遠い外国に住むなんていう勇気は湧かなかったに違いないと,いつか弟と2人で話し合ったことなどを想い出した。

 やがて全選手のポージングが終り,すぐ部分賞から発表がはじまった。私の予想どおり,弟はベスト・レッグをとった。ボブという選手は,ベスト・アブドミナルとベスト・バック,それにモスト・マスキュラーをとった。弟とボブの優勝争いと思っていた私は,部分賞の結果を見て,弟の優勝が少し不安になってきた。

 いよいよ順位の発表が始まった。まず6位に弟のトレーニング・パートナーのリッグが入り,つづいて5位,4位,3位が発表された。残るは2位と1位だけである。弟とボブが残っている。先に弟の名前が呼ばれないように祈りながら発表を待った。

 もうこうなると観客の声援も最高潮に達し,アナウンナーの声もよく聞きとれない。しかし,アナウンサーはボブといったように私には聞こえた。ボブが一歩前に進み出て,観客に向って右手を上げた。やはり私の聞き違えではなかった。

 私は立ち上がって,母に「和が勝った!和が優勝した!」と大きな声で告げた。母はきょとんとして,まだ弟の優勝が信じられないような顔をしている。

 アナウンサーはいちだんと声をはり上げて「1978年度ミスター・アルバタ優勝,ジェースン河内山!!」と叫んでいる。弟はゆっくり前に出てきて,表彰台の中央にのぼり,両手を上げて観衆の声援にこたえた。母も弟の嫁さんも栗原先生も,ようやく弟が優勝したのがわかり,涙を流しながら手をとり合って喜んでいる。何かいっているがとても言葉にはならない。私も思わず目がしらが熱くなり「和,よくやった!よくやった!」と口走っていた。

 こうしてコンテストは弟の優勝で幕を閉じた。はるばるカナダまで母を連れてきて,母の目の前で優勝することができて,これほどの親孝行はないと思った。

 1人で見知らぬ土地に来て,立派に仕事をしながら,コツコツとトレーニングをつづけてきた弟もよくやったがそれにもまして,ボディビルに理解を示し,何かと気をくばってくれたお嫁さんのことも忘れてはならない。

 昨年,弟がこのコンテストで4位になったときに,もっと私が食事に気をつければよかったと,自分のせいにしていたというが,こんないいお嫁さんがいたからこそ,弟も優勝できたのだと思う。

 私たちは,このコンテスト優勝をお土産にして帰国したが,弟は8月26日のミスター・ウェスターン・カナダ・コンテストを目指して,翌日からさっそく最後の追い込みに入るといっていた。弟はこのコンテストでもきっと頑張ってくれるものと私は信じている。
◇河内山和夫選手◇高知県出身。1972年度ミスター高知2位。歯科技工士。現在カナダに在住。観戦記の著者,河内山洋三氏は,和夫選手のすぐ上のお兄さんで1972年度ミスター高知3位となり,この年,兄弟そろってミスター日本コンテストに出場した。

◇河内山和夫選手◇高知県出身。1972年度ミスター高知2位。歯科技工士。現在カナダに在住。観戦記の著者,河内山洋三氏は,和夫選手のすぐ上のお兄さんで1972年度ミスター高知3位となり,この年,兄弟そろってミスター日本コンテストに出場した。

[ミスター・アルバタ・コンテスト。中央が優勝した弟]

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月刊ボディビルディング1978年10月号

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