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★IFBBミスター・ユニバース・コンテストの前と後
私のトレーニング法

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月刊ボディビルディング1979年2月号
掲載日:2018.04.12
臼井オサム
ベント・ニー・シット・アップ

ベント・ニー・シット・アップ

ノーチラス・マシーンでのレッグ・イクステンション

ノーチラス・マシーンでのレッグ・イクステンション

私がボディビルを始めた動機は、いまから5年前、専修大学に入学して間もない頃、ふとしたことから先輩たちのやっていたボディビル・クラブの実態を見たのがキッカケです。
もちろん、それまでもボディビルという言葉は聞いていたし、ダンベルやバーベルを使って、筋肉隆々とした逆三角型の体をつくる運動だということぐらいは知っていました。そして、ポパイの漫画に出てくるブルートがまさに典型的なボディビルダーのイメージとして私の頭の中にありました。
しかし、実際にこの目で見た先輩たちのトレーニングは、そんな怪物人間をつくることではなく、汗くさい、苦しい、地味なスポーツでした。いや、スポーツというよりは、一種の修行のようにさえ感じたのです。どういうわけか、そんなところに魅せられた私は、これこそ自分にもっとも向いているスポーツだと直感した。それから今日まで、私の青春はボディビルなしでは語れないものになってしまいました。
当時、私の身長は178cmで、これは現在でも変わりませんが、70kgぐらいしかなかった体重は、昨年3月、大学を卒業するまでの4年間で90kgまで増えました。しかも、この体重は、その後もさらに増えつづけています。
過去4年数ヶ月間のトレーニングは、週6日、1日にこなすセット数が約50セット、所要時間はだいたい1時間というのが平均的なスケジュールでした。

コンテスト前のスケジュール

昨年の7月頃から11月のIFBBミスター・ユニバース・コンテストにそなえて行なったトレーニング・スケジュールは次のとおりです。この期間は、とくに胸と広背のバルク・アップに重点をおきました。

◎Aコース(水曜・土曜)

<上腕二頭筋>
①スコット・ベンチ・バーベル・カール
85~65kg 8~10回×2セット

②コンセントレーション・カール
35kg 6~8回×2セット

③リバース・カール
35kg 8~10回×1セット

<上腕三頭筋>
④トライセップス・イクステンション・ライイング
75~60kg 8~10回×2セット

⑤ナロー・ハンド・スペーシング・プッシュ・アップ
10~12回×2セット
(④と⑤はスーパー・セット)

⑥ワン・アーム・フレンチ・プレス
15kg 8~10回×1セット
インクライン・レッグ・レイズ

インクライン・レッグ・レイズ

◎Bコース(木曜・日曜)

<胸>
①ベント・アーム・ラタラル・レイズ・ライイング
27.5kg×2~22.5×2
8~10回×2セット

②パラレル・バー・ディップス
10~12回×2セット
(①と②はスーパー・セット)

③インクライン・ベンチ・プレス
80~75kg 8~10回×2セット

<背>
④ラット・マシーン・プルオーバー・スタンディング
50~45kg 10~12回×2セット

⑤ベント・オーバー・ローイング
100~95kg 10~12回×2セット
(④と⑤はスーパー・セット)

⑥ナロー・グリップ・ラット・マシーン・プルダウン
55~60kg 10~12回×2セット

◎Cコース(金曜・月曜)

<肩>
①シーテッド・サイド・レイズ
15kg×2~10kg×2
10~12回×2セット

②ユニバーサル・マシーンでのシーテッド・プレス
80~60kg 8~10回×2セット
(①と②はスーパー・セット)

③ベント・オーバー・サイド・レイズ
15kg×2~10kg×2
10~12回×1セット

<脚>
④ノーチラス・マシーンでのレッグ・イクステンション
10~12回×2セット

⑤ハック・スクワット
35~30kg 10~12回×2セット

⑥ヒンズー・スクワット
10~12回×2セット
(④⑤⑥はトライ・セット)

⑦ノーチラス・マシーンでのレッグ・カール
10回×2セット
[註]
①各種目ともポジティブ・ワークの階段のときに、パートナーに補助してもらい、ネガティブ・ワークの面に重点をおいてトレーニングした。
②セット間の休息はない。したがって20分間くらいでトレーニングを終了した。
③各スーパー・セットではプレス・イクゾースチョンの原則を取り入れた。
④腹筋はシット・アップで上体を後方に倒したままの位置でツイストを5セット、下腿は、カーフ・レイズを5セット、これを毎日行なった。
⑤毎日、サバの水煮缶詰を3缶、ゆで玉子5~6個、トマト(大)を3~4個食べ、ごはん、パンなどの炭水化物はほとんどとらないようにした。
ベント・アーム・プルオーバー

ベント・アーム・プルオーバー

ラット・マシーン・プレス・ダウン

ラット・マシーン・プレス・ダウン

ベント・オーバー・ローイング

ベント・オーバー・ローイング

オフ・シーズンのトレーニング法

昨年11月のIFBBミスター・ユニバース・コンテストが終ってからは、それまでの小セットでスーパー・セット中心のトレーニング法だったのをガラリと変え、セット法中心で、パートナーなしのトレーニング法に変えました。具体的には次のとおりです。

◎Aコース(火曜・金曜)

<胸>
①ベント・アーム・ラタラル・レイズ・ライイング
35kg×2~30kg×2
6回×6~8セット

②インクライン・ベンチ・プレス
75~65kg
6回×6~8セット

③パラレル・バー・ディップス
30kg~20kg
6回×6~8セット

④ストレート・アーム・プルオーバー
35~30kg
12回×4~5セット

<背>
⑤ベント・オーバー・ローイング
100~80kg
6回×6~8セット

⑥ナローグリップ・ラット・マシーン・プルダウン
90~60kg
6回×6~8セット

⑦オルターニット・ダンベル・ベント・オーバー・ローイング
30kg×2~27.5kg×2
8回×6~8セット

⑧ベント・アーム・プルオーバー
40kg~35kg
12回×4~5セット

<下腿>
⑨ワン・レッグド・カーフ・レイズ
60~40kg
15回×7~8セット

◎Bコース(水曜・土曜)

<肩>
①オルターニット・ダンベル・フロント・レイズ
15kg×2=12.5kg×2
8回×5~6セット

②ユニバーサル・マシーンのシーテッド・プレス
80~60kg
4回×6~8セット

③ベント・オーバー・サイド・レイズ
15kg×2
8回×5~6セット

<上腕二頭筋>
④バーベル・カール
70~50kg 6回×6セット

⑤インクライン・ダンベル・カール
17.5kg×2 12.5kg×2
6回×6セット

⑥ダンベル・リバース・カール
17.5kg×2~15kg×2
6~8回×5~6セット

<上腕三頭筋>
⑦ラット・マシーン・プレス・ダウン
60~40kg
6回×6セット

⑧トライセップス・イクステンション・ライイング
50~30kg
6回×6セット

⑨ワン・アーム・フレンチ・プレス
15~20kg
6回×5~6セット

◎Cコース(木曜・日曜)

<大腿>
①ハック・スクワット
45~35kg
6回×6~8セット

②ユニバーサル・マシーンでのレッグ・プレス
6回×6~8セット

③ノーチラス・マシーンでのレッグ・カール
8回×6~8セット

<腹>
④インクライン・レッグ・レイズ
20回×6~8セット

⑤ベント・ニー・シット・アップ
20回×6~8セット

<下腿>
⑥ワン・レッグド・カーフ・レイズ
60~40kg
15回×8~10セット

[註]
①チーティング・スタイルを多用し、動作は可動範囲全域にわたって行ない、ウェイトを下ろすとき(ネガティブ・ワーク)は、4~6秒くらいかけてゆっくり動作する。
②セット間の休息は1分~1分30秒ぐらいとり、トレーニング時間は約2時間である。
③そのときの体調により、トレーニングの分量は多少増減する。
④この期間は、ごはん、パン、麺類などの炭水化物、ならびに肉類、玉子などのタンパク質中心に、野菜や果物なども出来るだけたくさん食べるようにする。
コンセントレーション・カール

コンセントレーション・カール

スコット・ベンチ・バーベル・カール

スコット・ベンチ・バーベル・カール

パラレル・バー・ディップス

パラレル・バー・ディップス

月刊ボディビルディング1979年2月号

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