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なんでもQ&Aお答えします 1986年2月号

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月刊ボディビルディング1986年2月号
掲載日:2021.10.24

大胸筋の左右均等の発達と、現在実施している分割法の診断を

Qボディビルを始めて間もなく2年になります。体格はまだまだですが、胃腸が丈夫になり、効果は充分にあがったと思います。しかし、今以上に体格がよくなればと毎日がんばっています。そこで下記の2点についてお答えください。

(1)大胸筋の左右の発達が不均衡ですがこの矯正法について

――右に比べて左の方が大きく形もよいように感じています。右利きのため、右腕に負荷がかかりすぎているのでは?フォームが悪いのではないか?と私なりに考え、気をつけてトレーニングしておりますが、まったく変化がありません。ダンベル・ベンチ・プレスも少しやりましたが、トレーニング時間の関係で現在はやっておりません。
何か良い方法はないものでしょうか。

(2)トレーニング・スケジュールについて

――分割法を考えましたが、仕事(教員)の関係でトレーニング日数も時間も充分にとれず、1年前から下記のスケジュールでトレーニングしています。1日当りのトレーニング時間は約1時間15分、日曜日は完全休養、木曜日は予備として考えています。トレーニングによって次の日まで疲労が残るということはありません。どうか不備な点があったら教えてください。
記事画像1
[註]以上の他に、腹筋はトレーニングをする日には必ず行なっています。なお、1つの身体部位を1週間に2回トレーニングトレーニングするよう心掛けています。

<体位>
身長162cm、体重57kg、胸囲平常87cm、拡張時90cm、腹囲73cm、上腕囲右28.5cm(拡張時33cm)、左28.5cm(拡張時32.5cm)、大腿囲左右52.5cm。

(岐阜県R・C24歳教員)
Aボディビルを行うことによって胃腸の調子がよくなられて何よりです。ボディビルは身体の健康と、そして外見的にも逞しくなるという良さを持っています。

〈1〉大胸筋の左右アンバランスについて

人間は左右対称の体をしているのではなく、だれでも多少のアンバランスはあるものです。また、両手でバーベルをもち上げているときは、左右とも同じ力をだしているように思われがちですが、たいていの場合、左右どちらかがより強い力を出しているものです。それに日常生活においても利き手を多く使うので、アンバランスが生じがちです。

あなたの場合の矯正法は、まずベンチ・プレスを普通に行ない、続いてダンベル・フライを3セット行なうことによって矯正されると思います。この際、左手に少し重いダンベルを持って行なって下さい。なお、ベンチ・プレスのグリップには充分注意し、必ず左右等間隔で握るようにして下さい。左右の大胸筋のバランスがとれてきたら、同じ重量を用いて運動を行うようにして下さい。

〈2〉分割法のやり方について

 あなたは、仕事の関係で日数と時間が充分にとれないと思われていますが週5日、1日に1時間15分トレーニングできれば充分とまではいかなくてもある程度満足のいくトレーニングができるはずです。時間がないと感じるのは10セットもやる種目があるせいでしょう。1つの種目を普通は10セットも行う必要はありません。逆に言えば、1セット、1セット集中して行っていれば、10セットもできません。
 あなたの現在のトレーニング・スケジュールでは、週5日で分割しのしかたが変則的であることと、金曜日の種目の順番がよくありません。ベント・オーバー・ローイング・モーションより先に、ツー・ハンズ・カールを行っていますが、これでは上腕二頭筋が先に疲れてしまい、ベント・オーバー・ローイング・モーションの時に的確に広背筋に効かせにくくなります。

普通の分割法、つまり、2分割法で週4回行うか、3分割法で週6回行うようにした方がよいでしょう。
では、次に具体的な分割法の例を記します。

◎2分割法の場合
(1)Aコース(月曜日・木曜日)
胸・肩・上腕三頭筋

(2)Bコース(火曜日・金曜日)
背・上腕二頭筋・脚

◎3分割法
(1)Aコース(月曜日・木曜日
胸・上腕三頭筋

(2)Bコース(火曜日・金曜日)
背・上腕二頭筋・脚

(3)Cコース(水曜日・土曜日)
肩・脚

次に記す種目は、2分割法にも3分割法にも当てはまりるように、部分別に例を作成します。
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以上の種目を、インターバルを1分前後で行なってみて下さい。特に腕の種目では30~40秒でもかまいません。

陸上競技選手にウェイト・トレーニングは必要か?

Q私は、陸上競技歴3年の21歳の学生です。短距離を専門に走っていますが、記録が伸び悩みのため思いきってウェイト・トレーニングを取り入れようと考えています。ただ心配なのは、上半身に筋肉が付き過ぎてしまったり・大腿部があまりに太くなったりして、瞬発力の低下によって記録が落ちるのではないかと考え、迷っている状態です。

そこでお願いしたいのは、多少でも記録向上に役立つウェイト・トレーニングの種目と方法、スケジュール例を紹介して下さい。

《現在の体位》

記事画像3
[註]学校のトレーニング施設を利用するので器具は十分にそろっている。

(東京都渋谷徳夫21歳学生)
Aウェイト・トレーニングを行なうと、スピードや柔軟性がなくなるといった偏見や誤解はよくありますが、それらは全くの迷信であることが証明されています。ですからあなたも心配せずにウェイト・トレーニングを行なって下さい。

陸上競技の短距離などで使う筋肉は、下半身だけではなく、腕の振りなど、上半身も大切です。

ウェイト・トレーニングの実施日と時間については、専門の陸上競技の練習のあとなどに1時間程度、1日おき、週3回行なって下さい。

では、運動種目と方法を述べます。
〔ベント・オーバー・ローイング〕

〔ベント・オーバー・ローイング〕

〔バック・プレス〕

〔バック・プレス〕

(1)ベンチ・プレス
上半身の約50%の筋肉が鍛えられウェイト・トレーニングの基本種目。ベンチに仰臥した姿勢でバーベル
を胸上で上下させる運動。グリッは、スタンダード・グリップ(両腕を左右真横へ伸ばしたときの両肘の幅ぐらい)で握る。呼吸は、おろしながら息を吸い、挙げながら吐く。3セット行なう。大胸筋、三角筋に有効。

(2)ベント・オーバー・ローイングイング

ベンチ・プレスで押す方の筋肉を鍛え、この種目では、上半身の引く筋肉を鍛えます。上体を床面と平行になるぐらいに前倒し、その体勢で下にぶら下げたバーベルを腹部のあのたりへ引き上げる運動。左右のグリップの間隔は、肩幅より若干広くする方がよい。引き上げながら息を吸い、おろしながら吐く。3セット。
広背筋、上腕二頭筋に有効。〔写真参照〕

(3)バック・プレス

バーベルを首の後ろで、肩の上にバーベルの中央をおいてかまえる。両肘を伸ばして、バーベルを頭上へ押し上げたら、ゆっくりと元にもどす。両手の握り幅は肩幅の倍くらいがよい。3セット。三角筋、僧帽筋、上腕三頭筋に有効。〔写真参照〕

(4)バーベル・カール

バーベルをアンダー・グリップで肩幅ぐらいに握り、腰の前にぶら下げて立つ。反動をつけずにゆっくと肘を曲げ、バーベルを肩の前まで巻き上げたらゆっくりとおろす。3セット。上腕二頭筋、前腕諸筋(屈筋群)に有効。

(5)スクワット

ベンチ・プレス、ベント・オーバー・ローイングと共に3大基礎トレーニング種目の1つ。脚力を鍛えることができるので重要な種目。

バーベルを肩にかつぎ、両足を肩幅くらいに開き、背すじをのばしたまましゃがみ、大腿部上面が水平以下になったら、反動をつけずに立ち上がる。

注意点としては、しゃがんだ時に背と腰を湾曲させないことと、踵を浮かさないこと。また立ち上がる時に上体をしゃがんだ時以上に前傾させないようにすること。足首がかたい場合、踵の下に2~3cmの木片を敷くと動作がしやすい。5セット。大腿四頭筋、大臀筋、固有背筋に有効。

(6)レッグ・カール(オン・レッグ・カール・マシン)

レッグ・カール・マシンの台の上にうつ伏せに寝て両足をローラーの下に差し入れ、下腿を屈曲してマシンのウェイトを反転させる。3セット。大腿二頭筋に有効。なお、マシンがない場合は、次の種目で代用して下さい。

(7)ベント・オーバー・ニー・ロッキン

バーベルを肩にかつぎ、上体を床面と平行になるまで前倒し、その体勢で膝を浅く屈伸させる運動。背と腰を湾曲しないように注意し、また膝を伸ばす時は完全に伸ばすようにする。

(8)カーフ・レイズ(ウィズ・バーベル)

スクワットの時のようにバーベルをかつぎ、膝は伸ばしたままつま先立ちで踵を上下させる運動。つま先を高いブロックなどの上にのせてうと可動範囲が大きくなり効果的。
20回3セット。下腿三頭筋に有効。

(9)シット・アップ
いわゆる腹筋運動のこと。膝は少し曲げて行う。2セット。腹直筋に有効。

トレーニングの前後にはウォーム・アップ及びクール・ダウンとして、ストレッチングなどを行なって下さい。
瞬発力の養成のために、素速くバーベルを挙げるのはかまいませんが、おろす時は、力を抜いてしまわず、目的の筋肉を意識して、ゆっくりとおろして下さい。

使用重量は無理することなく(1)~(6)の運動では12回前後がやっと反復できるウェイトを用いて下さい。

2~3ヵ月して、体力的にも余裕が出て来たら、ベンチ・プレスとベント・オーバー・ローイングは1セットずつ増やして下さい。筋力がついたら重量を増やすことも忘れずに。目安としては、12回しか反復できなかったものが15回くらい反復できるようになったら2.5kg増やす、という感じで増量して下さい(スクワットの場合は5㎏増やしてもかまいません)。

カーフ、前腕が発達しないのは遺伝か

Qトレーニングを始めて3年になります。おかげさまで体のサイズも増え、ガッシリした体格になってきました。特に大腿囲、胸囲は始めた頃とは比較にならないほど進歩したと思っています。しかし、悩みのタネは、カーフと前腕です。かなり重点的にやってるつもりなのですが、サイズはほとんど変わりません。カーフも前腕も動けなくなるほどパンプアップするし、トレーニングが終ってかもジーンと痛みが残ります。カーフ、前腕が発達しないのは遺伝なのでしょうか。

私の現在のカーフと前腕のトレーニング法、及び体位を下記しますので、良い方法、アドバイスがあったらお教え願います。

《トレーニング内容》
ABCの3コースに分けてトレーニングしています。Aコースは大腿とカーフ、Bコースは胸と背中、Cコースは肩と腕、という組み合せです。

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《体位》

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(東京都M・T24歳会社員)
Aカーフや前腕は確かに発達させにくい部位といえます。しかし、あなたのトレーニングの方法にも全く問題がないわけではありません。具体的には次のような点が考えられます。

〈1〉トレーニング頻度の問題
〈2〉反復回数の問題

〈1〉トレーニング頻度の問題

カーフや前腕は、比較的、普段の日常生活でも使う筋肉でもあるので、運動で疲労しても回復が早いものです。ですから、トレーニング終了後には痛みが残っても、翌日になれば筋肉痛はなくなっていることが(他の筋肉に比べて)よくあります。

もちろん、長期間トレーニングを休んだ後には、カーフや前腕でも翌日や翌々日まで痛みは残りますが……。

カーフ、前腕とも刺激に慣れやすい筋肉といえます。従って、これらの部分(と腹筋)のトレーニングは毎日行なっても構いません。ご自分の疲労回復能力と相談してトレーニング頻度を決めて下さい。

〈2〉反復回数の問題

カーフや前腕(それに腹筋も)は、高速回数制が効果的です。筋肉を発達させるのに必要なトレーニングの量は、各筋肉により違います。1回の収縮で多くの筋線維を働かせることができる筋肉のトレーニング種目では、反復回数は少なくてもよいのですが、逆に1回の収縮で多くの筋線維が働かない筋肉のトレーニングでは、反復回数は多く必要です。
筋線維が動員される数は、運動単位が関与しています。脳のシグナルは運動神経を通して各筋線維に伝わりますが、1つの運動単位は、何本もの筋線維につながりこれを支配しています。これが運動単位または神経筋単位と呼ばれるものです。

例えば、複雑なコントロールができる外眼筋は、1本の神経がわずか3本の筋線維につながって1つの運動単位となっていますが、大腿部の運動単位では100本の筋線維となっています。カーフの筋肉(下腿三頭筋)では、1本の運動神経で2,000本もの筋線維を支配しています。

つまり、大腿部より下腿部の筋肉の方が1回で多くの筋線維を動員できないので、当然多くの反復が必要になります。

そのため、スクワットでは1セットあたり10回くらいでほとんどの筋線維に刺激を与えることができても、カーフのトレーニングでは、1セットあたり20回以上やらないと、この部分の筋線維すべてに刺激を与えることができないということです。

以上の点を考慮して、カーフと前腕のトレーニング・スケジュール例を作成しますので参考にして下さい。カーフ、前腕ともABC各コースで実施して下さい。

《カーフのトレーニング》

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[註]どちらの場合も、高さ5cm位のブロックなどに足先を乗せ、かかとが充分おりるようにして行うとさらに効果的です。〔写真参照〕
〔ワン・レッグ・カーフ・レイズ〕

〔ワン・レッグ・カーフ・レイズ〕

〔スタンディング・バーベル・リスト・カール〕

〔スタンディング・バーベル・リスト・カール〕

《前腕のトレーニング》

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◆種目説明

◎スタンディング・バーベル・リスト・カール

バーベルを肩幅くらいで、オーバーグリップで握り、大腿部の前にぶら下げて立つ。肘はのばしたまま、手首を屈曲し、バーベルを手前に巻き上げる。目一杯巻き上げたら、そこで少し止め、ゆっくりと戻す。この動作をくり返す。なお、バーベルを指先でひっかけるような状態から開始すると、より効果的。前腕屈筋群に有効〔写真参照〕

腕相撲強化のためのトレーニング法は?

Qウェイト・トレーニングを始めて約2年、現在は週3回レーニング・ジムに通って練習に励んでいます。私は、腕相撲に強くなりたい一心でトレーニングを始めたわけですが、確かに胸囲、腕囲等のサイズや、ベンチ・プレス等の使用重量は伸びているのですが、肝心の腕相撲になるとパワー不足で勝つことが出来ません。

そこで思いきって腕相撲専門のトレーニング・スケジュールを実施したいと考えています。腕相撲で特に使用される筋肉のトレーニング内容についてよきアドバイスをお願いします。また現在まで高回数制を採用してきたのですが、パワーの面ではやはり低回数制を採用した方が良いのでしょうか。

《体位の変化》

記事画像12
(岡山県山田睦宏20歳自営業)
A腕相撲だからといって、腕の筋肉だけが必要なわけではありません。しかし、特に必要な部位は、やはり上腕、前腕、肩などでしょう。ですから、全身を鍛える普通のトレーニングに、上腕、前腕、肩などを強化する種目を加えるとよいでしょう。あなたの体位を拝見しても、胸囲や上腕囲の増加の割に前腕囲の増加が少ないですね。

具体的な種目としては、サム・アップ・カール、ダンベル・カール(プロネイション)、リバース・カール、リスト・カール、フロント・プレスなどです。普通、ボディビルのトレーニングでは、上腕二頭筋のピークを出すために、ダンベル・カールなどではスパイネイションを用いますが、腕相撲の動作では逆にプロネイションが必要でです。

スパイネイションは、ダンベル・カールの際、ダンベルをまき上げながら小指側が上になるように手首を外側にひねる動作のことで、ダンベルが下にある時は手のひらは内側を向いています。プロネイションは、ダンベルが下にある時は手のひらが前を向き、ダンベルを巻き上げながら、スパイネイションとは反対に手首をひねりながら、親指側が上になるように巻き上げる動作です。

また、前腕部でも特に、腕橈骨筋が必要ですので、この部分にはサム・アップ・カールやリバース・カールが有効です。リバース・カールの場合、カーリング(EZ)バーを使うと、腕橈骨筋により効かせやすくなります。

負荷と回数の面では、やはり5~8回位の回数しかできない重量を用いた方がよいでしょう。ウェイトを下ろす時はゆっくりと行ないますが、挙上する時は反動をつけない範囲でスピーディーに行なった方が効果的です。

では次に全身をも含めたトレーニング・スケジュール例を作成します。

《トレーニング・スケジュール例》

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トレーニングをしてもいっこうに内臓が強くならないが

Qトレーニングを始めてもう3年にもなるのに内臓が強くならないのはなぜですか。私は内臓。特に胃を強くするためにトレーニングを始めました。ずっと以前から胃が弱くて、シクシク痛んだり、胸がむかついたりして悩んでいました。

ある時、何かの広告を見て「ウェイト・トレーニングは内臓を強くする効果がある」と書いてあったので、早速近くのジムへ通いだしました。
始めた時より、体重は4kg増加して多少は筋肉もついてきたのですが内臓は昔の弱いままです。
そこで、内臓強化に有効なトレーニング種目をアドバイスしてください。

(神奈川県川崎市川浦義行22才)
A内臓、特に胃腸などは、ストレスに非常に強い影響を受けます。トレーニングによりストレスが解消されたり、新陳代謝能力が高まったりして、内臓は強くなります。しかし、この場合のトレーニングは適量でなくてはいけません。やればやる程よいということはありませんので、トレーニング後に気持ちのよい疲労感が残り、充実した感じが持てるくらいのトレーニングの強度と量にして下さい。

あなたの場合、もしトレーニングをやりすぎたりしていないのにもかかわらず、良い結果が得られないのであれば、一度、専門の医師に内臓を検査してもらって下さい。もし病気でもあれば、これは専門の医師にまかせるべきです。特に病気などの問題がなく、単なる胃弱などであれば、ある程度トレーニングと食事法で改善できます(特に食事法のしめる割合が大きい)。

では、トレーニングに際しての具体的な方法を述べます。

(1)適度のトレーニングを行なう
適度に体を動かし、エネルギーを消耗すると、新陳代謝能力が高まって空腹状態になります。空腹のときは消化酵素や胃酸の分泌が高まるので、栄養素がよく利用されます。しかし、前にも述べたように、過度なトレーニングはかえって逆効果ですので、あくまでもマイ・ペースでトレーニングを行なって下さい。

(2)満服のときには無理に食べない
普通、食事と食事の間隔は6時間おくのがよいといわれています。運動する人はこの限りではありませんが、食べたくない時に無理に食べることは、効果がないだけでなく、かえって内臓に負担をかけます。

(3)よくかんで、ゆっくり食べる
口の中でよくかむことは、機械的な消化と同時に、唾液酵素のプチアリンが作用して化学的消化を助け、消化機能をカバーしてくれます。

(4)コーヒー、たばこ等をさける
説明するまでもなく、コーヒーに含まれているカフェインやたばこに含まれているニコチン、タールなどが胃の粘膜を刺激するので、できるだけやめた方がよいのです。

(5)良質のたんぱく質を摂る
胃壁自体もたんぱく質でできているので、胃をじょうぶにするには良質のたんぱく質の補給が大切です。食事として胃に入ってきたたんぱく質は、ガストリンの分泌をうながし胃の細胞をじょうぶに作ってくれます。

(6)精神的な余裕をもつ
胃や腸にとってストレスは大敵で胃腸を支配する神経は極めてデリケートです。悩みごとや苦しいことがあると、まっ先に胃が重くなりついには胃かいようや十二指腸かいようになります。

(7)日光浴・空気浴をする
肌を太陽で焼いたり、外気にさらすことは新陳代謝を促進し、栄養の吸収をよくします。

〔回答はトレーニングプラザ代々木・野沢秀雄先生、工藤悦弘先生〕
〔演技指導は平井トレーニング・センター会長・熊岡健夫先生〕
月刊ボディビルディング1986年2月号

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