なんでもQ&Aお答えします 1983年2月号
月刊ボディビルディング1982年2月号
掲載日:2020.08.26
ラグビーの補強運動としてのボディビルのやり方
Q.僕は現在、高校でラグビーをやっています。ボディビルは半年ほど前から、体格をよくするためと、パワーを強くするために週に一度の割で行なっています。しかしなかなか効果が現われてきません。トレーニングを始める前と比べて、体位もたいして変わらず、また力もあまり強くなっていません。これはトレーニング法に問題があるのでしょうか。アドバイスをお願いします。
なお、ラグビーの補強運動としてボディビルを行う場合、どのような運動に重点をおいて実施したらよいでしょうか。そのことについてもお答えください。
(神奈川県 N・O 高校生 16歳)
なお、ラグビーの補強運動としてボディビルを行う場合、どのような運動に重点をおいて実施したらよいでしょうか。そのことについてもお答えください。
(神奈川県 N・O 高校生 16歳)
A.トレーニングの効果が得られないのは、トレーニングのやり過ぎ、つまり、オーバー・ワークによる場合が意外と多いようです。しかし、あなたの場合は、トレーニング後の疲労感から判断して,効果の得られなかった原因がオーバー・ワークにあるとは考えられません。
むしろ、トレーニングを行う頻度が少ないことに原因があるのではないかと思われます。一度のトレーニングに関しては、今の段階では不足しているとは思われません。しかし、トレーングを行う頻度が週一度では少なすぎるようです。
ボディビルのような運動は、前回のトレーニング日と次回のトレーニング日との間隔が開きすぎると、その間にせっかく得られた効果が減退してしまいます。したがって、トレーニングの効果を自分のものとしていくには,前回のトレーニングによって得られたであろう効果が減退してしまわない間に次回のトレーニングを行うようにしなければなりません。しかし、とはいっても、トレーニングの間隔が短かすぎるのも問題があるので,トレーニングの頻度をむやみに多くするのも考えものです。
では、トレーニングの頻度はどのくらいがよいかというと、通常、週に2~3度くらいがよいとされています。つまり、2~3日おきに週2度か、あるいは、1~2日おきに週3度のペースでトレーニングを行うのが妥当であるといわれています。あなたも,をそのところをよく考えてトレーニングの頻度を増やすのがよいと思います。
しかし、ボディビルのトレーニング頻度を週2度にするか3度にするかについては、ラグビーによる体力的な消耗を十分に考慮して定めるようにしてください。また、トレーニングの頻度を増やした結果、もしも疲労が蓄積されていくようであれば,そのときには,1日に行うトレーニングの量を少なくするといった配慮も必要です。まずは、週2度の頻度で行うのが無難であろうと思います。
それでは、もうひとつの質問にお答えすることにします。
あなたの身体は、未だ基礎的な体力を強化する段階にあると考えられるので、ボディビルをラグビーの補強運動として行うにしても、あまり込み入ったトレーニングを行う必要はないと思います。したがって,さしあたり,下に記す運動を重視してトレーニングを行うようにすれば十分だと思います。
①シット・アップ(腹部の鍛練)
②フル・スクワット(脚・腰・背の鍛練)
③ハーフ・スクワット(腰・背・脚の鍛練)
④べンチ・プレス(胸を中心とした上体の鍛練)
⑤ハイ・クリーン(全身的なパワーの強化)
⑥レスラー・プリッジ(頸の鍛練)
以上の6種目のうち、ハーフ・スクワットとハイ・クリーンに関してはあまりなじみがないと思われますので、一応、念のためこの2種目の運動法を紹介しておくことにします。
むしろ、トレーニングを行う頻度が少ないことに原因があるのではないかと思われます。一度のトレーニングに関しては、今の段階では不足しているとは思われません。しかし、トレーングを行う頻度が週一度では少なすぎるようです。
ボディビルのような運動は、前回のトレーニング日と次回のトレーニング日との間隔が開きすぎると、その間にせっかく得られた効果が減退してしまいます。したがって、トレーニングの効果を自分のものとしていくには,前回のトレーニングによって得られたであろう効果が減退してしまわない間に次回のトレーニングを行うようにしなければなりません。しかし、とはいっても、トレーニングの間隔が短かすぎるのも問題があるので,トレーニングの頻度をむやみに多くするのも考えものです。
では、トレーニングの頻度はどのくらいがよいかというと、通常、週に2~3度くらいがよいとされています。つまり、2~3日おきに週2度か、あるいは、1~2日おきに週3度のペースでトレーニングを行うのが妥当であるといわれています。あなたも,をそのところをよく考えてトレーニングの頻度を増やすのがよいと思います。
しかし、ボディビルのトレーニング頻度を週2度にするか3度にするかについては、ラグビーによる体力的な消耗を十分に考慮して定めるようにしてください。また、トレーニングの頻度を増やした結果、もしも疲労が蓄積されていくようであれば,そのときには,1日に行うトレーニングの量を少なくするといった配慮も必要です。まずは、週2度の頻度で行うのが無難であろうと思います。
それでは、もうひとつの質問にお答えすることにします。
あなたの身体は、未だ基礎的な体力を強化する段階にあると考えられるので、ボディビルをラグビーの補強運動として行うにしても、あまり込み入ったトレーニングを行う必要はないと思います。したがって,さしあたり,下に記す運動を重視してトレーニングを行うようにすれば十分だと思います。
①シット・アップ(腹部の鍛練)
②フル・スクワット(脚・腰・背の鍛練)
③ハーフ・スクワット(腰・背・脚の鍛練)
④べンチ・プレス(胸を中心とした上体の鍛練)
⑤ハイ・クリーン(全身的なパワーの強化)
⑥レスラー・プリッジ(頸の鍛練)
以上の6種目のうち、ハーフ・スクワットとハイ・クリーンに関してはあまりなじみがないと思われますので、一応、念のためこの2種目の運動法を紹介しておくことにします。
◎ハーフ・スクワット〔写真参照〕
<かまえ>フル・スクワットと同様にバーベルを両肩にかついで立つ。
<動作>バーベルを両肩にかついだ状態で脚を屈していき、膝の角度が度くらいになるまで屈したなら立ちあがる。つまり、フル・スクワットの半分(ハーフ)程度の運動範囲でスクワットを行うようにする。
<動作>バーベルを両肩にかついだ状態で脚を屈していき、膝の角度が度くらいになるまで屈したなら立ちあがる。つまり、フル・スクワットの半分(ハーフ)程度の運動範囲でスクワットを行うようにする。
〔ハーフ・スクワット〕
◎ハイ・クリーン〔写真参照〕
<かまえ>床の上に置いたバーベルのシャフトの下に両足を差し入れるようにして立つ。両足の間隔は肩幅くらいか、または、それよりもやや狭いくらいがよい。
腰と両膝を屈して、肩幅よりも少し広い間隔でシャフトをオーバー・グリップの握り方で握る。このとき腰の位置が肩の高さよりも高くならないように注意する。また、背の下部と腰を反らすようにして、弯曲した状態にならないように留意する。
<動作>力が腕と肩に片寄らないように留意し、脚と背と腰の力をも十分に使ってバーベルを一気にアゴの下あたりまで引きあげる。引きあげたなら、腰を少しおとし、腕と手首を返してバーベルを肩の前で受けとめるようにする。
おろすときは、バーベルをいったん大腿部の前へおろし、次いで、落ち付いた動作で、上体を前傾させながら脚を屈して下までおろすようにする。
この運動は、バーベルをあげるときにも、また、おろすときにも、いずれの場合も背の下部と腰を弯曲させないように留意して動作を行うようにする。
腰と両膝を屈して、肩幅よりも少し広い間隔でシャフトをオーバー・グリップの握り方で握る。このとき腰の位置が肩の高さよりも高くならないように注意する。また、背の下部と腰を反らすようにして、弯曲した状態にならないように留意する。
<動作>力が腕と肩に片寄らないように留意し、脚と背と腰の力をも十分に使ってバーベルを一気にアゴの下あたりまで引きあげる。引きあげたなら、腰を少しおとし、腕と手首を返してバーベルを肩の前で受けとめるようにする。
おろすときは、バーベルをいったん大腿部の前へおろし、次いで、落ち付いた動作で、上体を前傾させながら脚を屈して下までおろすようにする。
この運動は、バーベルをあげるときにも、また、おろすときにも、いずれの場合も背の下部と腰を弯曲させないように留意して動作を行うようにする。
〔ハイ・クリーン〕
〔註〕第2段階のスケジュールに移るときは、急激にトレーニング量を増やさないで、少しずつ徐々に増やすようにする。
なお、あなたの場合、大腿のサイズから考えて、スクワットをもう少し重い重量で行なってもよいのではないかと思われます。無理な重量で行うのはもちろんよくありませんが遠慮しすぎるのも考えものです。所定の回数(たとえば10回)を正しいフォームで1~2回の余裕を残して行えるくらいの重量を使用するのがよいでしょう。あくまでもラグビーの補強運動であるということを念頭においてやってください。
なお、あなたの場合、大腿のサイズから考えて、スクワットをもう少し重い重量で行なってもよいのではないかと思われます。無理な重量で行うのはもちろんよくありませんが遠慮しすぎるのも考えものです。所定の回数(たとえば10回)を正しいフォームで1~2回の余裕を残して行えるくらいの重量を使用するのがよいでしょう。あくまでもラグビーの補強運動であるということを念頭においてやってください。
広背筋と上腕ニ頭筋に効かすチンニングのやり方
Q.ボディビル歴は4カ月です。現在は鉄アレーを用いた下記のスケジュールでトレーニングしています。しかし、鉄アレーの重量が7kgなので、運動種目によっては負荷が十分とはいえません。ことに、べント・オーバー・ローイングとカールの場合に負荷が軽すぎるので困っています。
そのようなわけで、広背筋と上腕二頭筋は近くにある公園の鉄棒を利用して鍛えようかと考えています。そこでチンニングについてお尋ねします。
チンニングという運動は、広背筋の運動として行う場合と、上腕二頭筋の運動として行う場合とでは、やり方が違うと聞いていますが、どのように違うのでしょうか。その点についてお答えください。(広島県 高橋正樹 会社員 23歳)
そのようなわけで、広背筋と上腕二頭筋は近くにある公園の鉄棒を利用して鍛えようかと考えています。そこでチンニングについてお尋ねします。
チンニングという運動は、広背筋の運動として行う場合と、上腕二頭筋の運動として行う場合とでは、やり方が違うと聞いていますが、どのように違うのでしょうか。その点についてお答えください。(広島県 高橋正樹 会社員 23歳)
A さっそく質問にお答えすることにします。まず、広背筋の発達を目的とした場合の運動の法について説明します。しかし、その場合にもいろいろな運動法がありますので、最も一般的と考えられる2種類の方法について述べることにします。
◎フロント・チンニング(普通のチンニング)
<かまえ>左右のグリップの間隔を肩幅よりも1~2こぶしくらい広くして,オーバー・グリップ(順手)の状態で鉄棒にぶらさがる。
<動作>両腕を屈して体を十分に引きあげる。この場合、脚と腰の反動をできるだけ使わないようにする。そのためには、下半身の力を抜くようにして運動を行うのがよい。
<呼吸>体を引きあげながら息を吸いおろしながら吐くようにする。
<動作>両腕を屈して体を十分に引きあげる。この場合、脚と腰の反動をできるだけ使わないようにする。そのためには、下半身の力を抜くようにして運動を行うのがよい。
<呼吸>体を引きあげながら息を吸いおろしながら吐くようにする。
◎チンニング・ビハインド・ネック
<かまえ>左右のグリップの間隔を肩幅よりも2~3こぶしくらい広くして,オーバー・グリップの握り方で鉄棒にぶらさがる。〔写真参照〕
<かまえ>両腕を屈して体を引きあげる。ただし、この場合は、先に説明した普通のチンニングとは違って、体を引きあげたときに鉄棒が頸の後ろにくるようにする。
<呼吸>普通のチンニングの場合と同じ。
<かまえ>両腕を屈して体を引きあげる。ただし、この場合は、先に説明した普通のチンニングとは違って、体を引きあげたときに鉄棒が頸の後ろにくるようにする。
<呼吸>普通のチンニングの場合と同じ。
〔チンニング・ビハインド・ネック〕
では、次ぎに、上腕二頭筋の発達を意図した場合の運動法について説明します。
◎リバース・チンニング・ウイズ・ナロウ・グリップ〔写真参照〕
<かまえ>左右のグリップの間隔を肩幅よりも思い切り狭くして,アンダー・グリップ(逆手)の握り方で鉄棒にぶらさがる。
<動作>腕を屈して体を引きあげる。体をおろすときの動作に関しても慎重に行うようにする。なお、この運動も先に説明したフロント・チンニングと同様、できるだけ反動を使わないように行うのがよい。しかし、腕力の弱い場合には次のような方法で行ってもよい。
<腕力の弱い場合>脚,および腰の反動を使って体を引きあげ、引きあげたなら、体の重みをこらえるようにして、できるだけゆっくり腕を伸ばしていくようにする。
<呼吸>体を引きあげながら息を吸い腕を伸ばしながら吐くようにする。
<動作>腕を屈して体を引きあげる。体をおろすときの動作に関しても慎重に行うようにする。なお、この運動も先に説明したフロント・チンニングと同様、できるだけ反動を使わないように行うのがよい。しかし、腕力の弱い場合には次のような方法で行ってもよい。
<腕力の弱い場合>脚,および腰の反動を使って体を引きあげ、引きあげたなら、体の重みをこらえるようにして、できるだけゆっくり腕を伸ばしていくようにする。
<呼吸>体を引きあげながら息を吸い腕を伸ばしながら吐くようにする。
〔リバース・チンニング・ウイズ・ナロウ・グリップ〕
中・高年者向きの準備運動の仕方
Q 私は商業を営む43歳の男性です。商店会のメンバーと同好会を作り、半年ほど前から健康法としてボディビルを行なっています。おかげで、からだの調子も近頃はすこぶる快調です。
同好会の仲間も初めは3人だったのが、今では14人に増えています。しかし、若い人はおらず、40代、50代の者ばかりです。
そこで、お尋ねしたいことがあります。私たちの仲間は、若い人たちとは違うので、本運動に入る前に準備体操を充分に行うようにしています。しかし、準備体操そのものにも不備な点があるとみえて、中には準備体操を行なっている時点で、頸スジや肩、腰などをおかしくしてしまう者がいます。そのようなわけで、40代、50代の者に合った準備体操の仕方を教えていただきたいと思います。 (長野市、中村兼昭 商業 43歳)
同好会の仲間も初めは3人だったのが、今では14人に増えています。しかし、若い人はおらず、40代、50代の者ばかりです。
そこで、お尋ねしたいことがあります。私たちの仲間は、若い人たちとは違うので、本運動に入る前に準備体操を充分に行うようにしています。しかし、準備体操そのものにも不備な点があるとみえて、中には準備体操を行なっている時点で、頸スジや肩、腰などをおかしくしてしまう者がいます。そのようなわけで、40代、50代の者に合った準備体操の仕方を教えていただきたいと思います。 (長野市、中村兼昭 商業 43歳)
A 寒い時は,準備運動によってことさら念入りにからだをウォーム・アップさせることが大切です。しかし、そのウォーム・アップの段階でからだを痛めてしまったのでは、なんのために準備運動を行うのか判らなくなります。
しかし現実に、40代、50代の人が準備体操でからだを痛めてしまうということは決して珍しいことではありません。そしてそのような事態は、多くの場合、適切な予備運動をまじえずに、いきなり若い人と同じような準備体操を行なったときに起こります。したがって,40代,50代のいわゆる中・高年者の場合は、子備的な運動をまじえて準備体操を行うようにしなければなりません。
では、中・高年者のための準備運動の実際的な方法例について述べることにしましよう。
しかし現実に、40代、50代の人が準備体操でからだを痛めてしまうということは決して珍しいことではありません。そしてそのような事態は、多くの場合、適切な予備運動をまじえずに、いきなり若い人と同じような準備体操を行なったときに起こります。したがって,40代,50代のいわゆる中・高年者の場合は、子備的な運動をまじえて準備体操を行うようにしなければなりません。
では、中・高年者のための準備運動の実際的な方法例について述べることにしましよう。
①準備運動の要点
●各運動における反復回数は、一律にしないで、各人の身体的な個別性とその時の必要性に応じて任意に実施する。
●各運動とも,初めはゆっくりとした動作で行う。
●各運動とも無理に動作を大きくしない。最初は小さく、徐々に大きく動かすようにするのがよい。
●各運動とも,初めはゆっくりとした動作で行う。
●各運動とも無理に動作を大きくしない。最初は小さく、徐々に大きく動かすようにするのがよい。
②手の開閉,および手指の屈伸
●手をつぼめたり,開いたりする。
●手指を任意に屈伸させる。
●手指を任意に屈伸させる。
③手首の屈伸,および回転
●手首を任意の方向へ屈伸させる。
●手を任意の方向へ向け,手首を回転させる。
●手を任意の方向へ向け,手首を回転させる。
④腕の屈伸
●任意の方向で,腕をちぢめたり伸ばしたりする。ただし、いきなり腕を肩よりも高くあげないようにする。
⑤腕の捻転
●軽くこぶしを握って、両腕を横、斜め下へ伸ばした状態で腕をねじる。
⑥組手による上肢の伸展
●左右の手指を胸の前で組み合わせ、手のひらを下から返すようにして前方へ向ける。その状態で、両腕を前方へ伸ばし、手指と腕のすじを十分に伸ばすようにする。
⑦肩の回転
●両腕を下へさげた状態で,両肩を前から上,後ろへと廻す。
●両腕を下にさげた状態で,両肩を後ろから上,前へと廻す。
〔註〕前からと、後ろからとの運動を1回ごとに繰り返すようにしないで、数回行なってから反転するようにする。
●両腕を下にさげた状態で,両肩を後ろから上,前へと廻す。
〔註〕前からと、後ろからとの運動を1回ごとに繰り返すようにしないで、数回行なってから反転するようにする。
⑧頸の屈伸と捻転,および頭部の回転
両手を腰に置き、両肩をすくめた状態と、肩を広げた状態との2とおりの体勢で、下記の運動を行う。
●頸を左右,横へ屈曲させる。
●頸を前後に屈伸させる。
●頸を左右へ交互に捻ねる。
●頭を前から左横,後ろ,右横といった順に転がすような感じで回転させる。同じような要領で逆の方向も行う。なお、この場合、数回ずつ実施してから次の運動に移るようにし、必ずしも1回ごとに方向を変えるようにしなくともよい。
●頸を左右,横へ屈曲させる。
●頸を前後に屈伸させる。
●頸を左右へ交互に捻ねる。
●頭を前から左横,後ろ,右横といった順に転がすような感じで回転させる。同じような要領で逆の方向も行う。なお、この場合、数回ずつ実施してから次の運動に移るようにし、必ずしも1回ごとに方向を変えるようにしなくともよい。
⑨足首の屈曲と伸展,および回転
●片方の足の踵を浮かし、足首を任意な方向に屈伸し、スジが動きになじんできたら、今度は足首を廻わすようにする。
⑩下腿三頭筋の伸展
●10~20cmくらいの間隔を空けて、両足を並行にかまえる。その状態で、からだを前傾させないように留意しながら、踵を床に着けたまま、両膝を前方向へ屈する。膝が深くまがらなくても別にかまわない。ふくらはぎとアキレス腱が伸びる感じがすればよい。
運動中に、上体を前傾させたり、あるいは臀部を後ろへ出っ張らしたりしないように留意する。
運動中に、上体を前傾させたり、あるいは臀部を後ろへ出っ張らしたりしないように留意する。
⑪踵の上げ下げ
●体が安定しやすい状態に両足を軽く開いて立ち、ツマ先を支点にして踵の上下運動を行う。
⑫前方向からの上肢の挙上
●肘を少しまげた状態で、両腕を前方向から上へあげる。その際、腕にあまりカを入れないようにして、肩の動きに意識を置いて行う。
⑬肩の位置からの腕の上下屈伸
●両手を肩の前あたりにかまえ、その状態から両腕を上下に屈伸させる。
⑭上肢の旋回
●両腕を前から上,後ろへと廻し、次いで、後ろから上、前へと逆に廻して戻す。腕をあげるときに両足の踵をあげ、肩のスジが動きになれるにしたがって、できるだけ伸びやかに動作を行うようにする。
⑮膝の屈伸と,上肢の振り上げ
●膝の軽い屈伸に合わせて
↓腕の振りあげ運動を行う。運動の順序は次のようにする。
㋑両腕を伸ばした状態で、下から前方へ水平になるまであげる。
㋺両膝を屈しながら、両腕を下へおろす。
㋩両膝を伸ばしながら、両腕を前方から上方へ振りあげる。踵をあげ足首も伸ばすようにして、全身をのびやかに上方へ伸ばすようにする。腕を振りあげたとき、あまり体を反らさないようにして、あくまでも上へ伸ばすようにする。
㊁両腕を下へおろして直立姿勢に戻る。
↓腕の振りあげ運動を行う。運動の順序は次のようにする。
㋑両腕を伸ばした状態で、下から前方へ水平になるまであげる。
㋺両膝を屈しながら、両腕を下へおろす。
㋩両膝を伸ばしながら、両腕を前方から上方へ振りあげる。踵をあげ足首も伸ばすようにして、全身をのびやかに上方へ伸ばすようにする。腕を振りあげたとき、あまり体を反らさないようにして、あくまでも上へ伸ばすようにする。
㊁両腕を下へおろして直立姿勢に戻る。
⑯上肢の左右への伸展
●直立姿勢から,両腕を伸ばしたまま前方に水平になるまであげたら、左右に拡げる。このとき、胸を前方へ押し出すようにして、胸のスジを伸ばすようにする。逆のコースで最初の姿勢に戻す。
⑰体の左右への捻転
●両足の間隔を肩幅よりも広くして立ち、腕の振りを加えながら、体を左右へねじる。体をねじったときに、後ろ足の踵を浮かせてもよい。
⑱体側の伸展
●両手を下にさげて立ち、片側ずつ、手でワキ腹をかきあげるようにして体側を伸ばす。左右交互に行う。
⑲体の左右への屈曲
●開脚して立ち、片腕を上方へ伸ばした状態で体を反対側へ屈曲させる。この運動は、腰に負荷をかけるのが目的ではなく、体側を伸ばすのが日的であるから、他方の手を脚の外側に当てて上体の重みを支えるようにする。腰に負荷をかけすぎると、腰を痛めるおそれがあるので注意。
⑳膝の交互引きあげ
●立った姿勢で、左右の膝を交互に上に引き上げる。
㉑下肢の不完全な屈伸
●両脚の膝頭を手で押さえて、大腿部が水平になるくらいまでの脚の屈伸を行う。手で膝頭を押さえて行うのは、外部から膝の靱帯を保護するためである。
㉒膝の回円
●膝頭を手で押さえ、脚を中途までまげた状態で、両膝を回円させる。左廻しと右廻しとを交互に行う。
㉓下肢の完全な屈伸
●膝頭を手で押えて、脚の完全な屈伸を行う。
㉔体の前方への屈曲,および,後方への伸展
●両脚を適当に開いて立ち、膝をまげないように注意して上体を前方へ屈曲させる。次いで、上体を起こし、腰に手を当てて体を後方へ伸展させる。体を後方へ伸展させるとき膝をまげてもよい。
●両脚を適当に開いて立ち,腰椎に当る部分を反らした状態で、上体を前方へ屈する。この運動は、大腿二頭筋を伸張させるためのものである。スジが固いと上体を深く屈することができないが、フォームをくずしてまで深く屈する必要はない。
●上述の体勢から上体を元へ戻し、両腕を上方へ差し上げ、その状態で背を後方へ反らす。脚は伸ばしたままで行う。
●両脚を適当に開いて立ち,腰椎に当る部分を反らした状態で、上体を前方へ屈する。この運動は、大腿二頭筋を伸張させるためのものである。スジが固いと上体を深く屈することができないが、フォームをくずしてまで深く屈する必要はない。
●上述の体勢から上体を元へ戻し、両腕を上方へ差し上げ、その状態で背を後方へ反らす。脚は伸ばしたままで行う。
㉕上体を前倒して左右への振動
●両足の間隔を適当に開いて立ち、脚を伸ばしたまま、体を前方に屈し、その体勢で、床を両手で掃くような感じで上体を左右へ交互に振り動かす。ももの裏側のスジが固い場合は多少、脚をまげて行なってもよい。
㉖上体の回転
●両足の間隔を適当に開いて立ち,上体を前倒(前屈)させた状態から、横、後ろ、反対側の横へとグルリと廻すようにする。両手を頭の先へ差し伸ばすようにして運動を行う。左廻しと右廻しを交互に行う。
なお、必ずしも脚を伸ばしたまま行わなければならないといったものではない。また、動作が側屈姿勢から後方への伸展姿勢に移行したときは、腰ではなく、背を中心にして体を反らすようにする。
なお、必ずしも脚を伸ばしたまま行わなければならないといったものではない。また、動作が側屈姿勢から後方への伸展姿勢に移行したときは、腰ではなく、背を中心にして体を反らすようにする。
㉗開脚による大腿の伸展
●大きく開脚し,両膝に手を置き、片脚のみをまげて体勢を落とし、伸ばした脚の方の大腿二頭筋(ももの裏側)のスジを伸ばす。このとき、伸ばした方の脚の踵を支点にして、ももの裏側が床に接するようなつもりで行う。左右交互に行う。
●上記の姿勢で,足の内側を支点にして、ももの内側が床に面するように配慮して同じような要領で運動を行う。
●上記の姿勢で,足の内側を支点にして、ももの内側が床に面するように配慮して同じような要領で運動を行う。
㉘前後開脚による大腿の伸展
●大きく前後開脚し,上体を垂直に保って腰を沈めるようにする。数回ずつ左右交互に行う。
㉙歩く歩調での足踏み
●歩く歩調で足踏みをする。。ツマ先に多少体重をかけるようにして、足首とふくらはぎに無理のない程度に負荷を与える。
㉚駆け足の歩調での足踏み
●駆け足の歩調で足踏みをする
㉛上方への軽い跳躍
●上方へ軽く跳びはねる。
㉜開脚による跳躍
●脚を左右へ開いた状態からのジャンプと、つぼめた状態でのジャンプとを1回ごとに交互に行う。つまり、脚をつぼめた状態から跳びあがったら、開脚して着地し、次いで開脚の状態で跳びあがって、脚をつぼめて着地するように行う。
㉝前後開脚による跳躍
●左右の足を1回ごとに交互に前後させるように、脚を開いてジャンプする。跳躍は軽く行う。脚を前後にあまり広く開きすぎると、足首とふくらはぎに強い負荷がかかるので足首と下腿のスジの弱い人は十分に注意すること。
㉞事後運動
●歩くときの歩調で軽い足踏みをしながら、身体の片寄った緊張感を解くようにする。
●胸を拡げるようにして深呼吸をしながら、本運動に対する意欲を高めるようにする。
以上、準備運動の方法例について述べてみました。しかし、上述した方法が、どのような実施者に対しても準備運動として完全なものであるとはいえません。
準備運動は、本来、実施者の身体的な個別性と必要性に応じて行うべきものであるといえます。したがって、準備運動をより完全なものとするに実施者各人の工夫によって足りない動きを満たしていくようにしなければなりません。そして,年輩の人が何人もそろって同じ内容の準備体操を行う場合には、各人が事前に、それぞれ自分に即した方法で準備体操の予備運動を行なっておくくらいの配慮が必要であるといえます。
〔回答は1959年度ミスター日本,NE協会指導部長・竹内 威先生 演技指導は平井ボディビル・センター会長・熊岡健夫先生〕
●胸を拡げるようにして深呼吸をしながら、本運動に対する意欲を高めるようにする。
以上、準備運動の方法例について述べてみました。しかし、上述した方法が、どのような実施者に対しても準備運動として完全なものであるとはいえません。
準備運動は、本来、実施者の身体的な個別性と必要性に応じて行うべきものであるといえます。したがって、準備運動をより完全なものとするに実施者各人の工夫によって足りない動きを満たしていくようにしなければなりません。そして,年輩の人が何人もそろって同じ内容の準備体操を行う場合には、各人が事前に、それぞれ自分に即した方法で準備体操の予備運動を行なっておくくらいの配慮が必要であるといえます。
〔回答は1959年度ミスター日本,NE協会指導部長・竹内 威先生 演技指導は平井ボディビル・センター会長・熊岡健夫先生〕
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