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★1980年度ミスター日本コンテストを目指しての
私の食事法とトレーニング法 内田義人

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月刊ボディビルディング1981年5月号
掲載日:2020.05.27
'80ミスター大阪2位 内田義人
年齢 39歳
トレーニング経験 12年

<体位>
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<パワーの記録>
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<トレーニング内容>

Aコース(月曜・木曜)、Bコース(火曜・金曜)、Cコース(水曜・土曜)の3コースを循環し、日曜日を休養日とする。
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<食事内容>

―ふだんの食事内容―

<朝食>―7時ごろ
鳥肉300g、ミソ汁1杯、ごはん1杯、ピーマン2個、プロテイン大さじ3杯と牛乳300ccをミックスして
<昼食>―12時ごろ
会社の食事
<夕食>―19時ごろ
魚300~400g、ごはん1杯、野菜サラダ、プロテイン大さじ3杯と牛乳300ccをミックスして
<間食>―10時と17時ごろ
チーズ(6P1箱)、プロテイン大さじ3杯とジュースをミックスして

―減量時の食事内容―

<朝食>―7時ごろ
鳥肉250~300g、ピーマン3個、果物、ジャームオイル3錠、プロテイン大さじ3杯と牛乳300ccをミックスして
<昼食>―12時ごろ
会社の食事、ジャームオイル3錠、リンゴ1個、プロテイン大さじ3杯
<夕食>―19時ごろ
魚または鳥肉300g、ジャームオイル3錠、リンゴ1個、プロテイン大さじ3杯
<間食>―10時と17時ごろ
プロテイン大さじ3杯とジュースをミックスして
記事画像4

内田選手の食事診断・・・野沢秀雄

 年齢39歳、トレーニング歴12年の長い努力を積みかさねて、昨年度ミスター大阪第2位のタイトルを獲得した内田選手。その喜びはさぞ大きかったろう。「若い人たちに負けない体力と気力でがんばる!」という様子が手にとるようにわかる好選手である。
 大会後も十三トレーニング・センターで、ペースを落さずにハード・トレーニングを続けている。
 海外でも30代・40代の選手が現役時代そのままに活躍しているが、日本でも選手の平均年齢は少しずつ高くなっている。それだけトレーニングに愛着を感じ、人生を生きる張り合いとしている人が多いわけだ。

1.ふつう時の食事内容

 朝7時・昼12時・夕食9時ごろの3回のほかに、午前10時・午後5時の2回、チーズとプロテインジュース(プロテイン大さじ3杯)をとっている。計1日5食で、総カロリー3300、たんぱく質270g(体重1kg当り3.5g)、脂肪120g、炭水化物220g(全体の36%)という構成になっている。
 ふだんから「高たんぱく・低炭水化物」という方針がよくゆきとどいている食事内容である。
 気づいた点をアドバイスすると次のとおりである。
①スポーツマンのトレーニング期におけるたんぱく質必要量は、一般に体重1kg当り2gである(体協スポーツ科学委員会等の報告)。この量を確保すれば激しい鍛錬に耐えられるわけだが、ボディビルダーの場合、アメリカの報告では2.7g程度まで増やせば効果が増し、2.7g以上になると、それ以上多くとっても効果は変らないとされている。
②この点、内田選手はじめ多くの選手たちは、3g以上になっている場合が多く、やや過剰である。
③鳥肉300g、魚300~400g、チーズ1箱(180g)といった食品がたんぱく質の供給源になっている。プロテインパウダーは合計大さじ12杯で約70gだから、比重はそれほど大きくない。
④たんぱく質をへらすとすれば、肉・魚・チーズなど動物性食品をもう半分くらいに減らしてもかまわない。
 動物性たんぱく質と植物性たんぱく質の比率は、若い人ほど動物性が多く(70%対30%)、中高年になるにつれて50%対50%くらいに目標をおいけばよいわけだ。
⑤その理由は、動物性食品に含まれる脂肪の量が成人病増加の原因になりやすいこと、および動物性食品は酸性を示し、体をバテやすくするためである。
⑥実際に内田選手の場合、チーズ1箱に含まれる脂肪が47g、魚からの脂肪が14g、牛乳中の脂肪が約20gというように、相当の比重を占めている。これを約半分に減らしてみるとかなり体の負担は減るはずである。
⑦ごはんを毎食適量食べていることやピーマン、野菜サラダ、みかんなどを欠かずも、意識してとっていることもよいことだ。アルファルファやレモンCなどの補助食品(サプルメントフーズ)をとっているが、これもプラスになっている。

2.減量時の食事内容

 減量は78kgから73kgへと、5kg減らして筋肉のカットが浮かびあがるように調整している。総カロリー2300、たんぱく質230g(体重1kg当り3.2g)、脂肪90g、炭水化物175g(全体の約34%)という構成になっている。
 ふつうの時と比較すると、1日につき900カロリー、たんぱく質40g、脂肪30g、炭水化物45gの減少になる。減量食について気づいたポイントを述べると次のとおりである。
①ごはん、麺類をカットしているのが注目される。果物や野菜、牛乳、果汁などに炭水化物が含まれるので、でんぷん類を除いてもある程度は体に利用されるが、極端に省きすぎないでもよい。
②内田選手のトレーニングに用いられるエネルギーが大きく、適度の炭水化物をとっても、即これが運動に消耗されてしまうので、脂肪に変る心配はあまりないためだ。
③糖質などが体内で脂肪に変るのは、あくまでも必要以上に多く、過剰に摂取された場合のみである。むしろ一定量の炭水化物をとったほうが、体に負担にならず楽である。
④逆にたんぱく質は体重1kg当り3.2gとなっていて過剰になっている。これだけとっていれば貧血になったり、筋肉のサイズがひどく落ちたりはしないだろうが、多くとりすぎたときはたんぱく質でも脂肪に変化して体にストックされることになる。あくまでも適量をとることが好ましい。
⑤また、本来すぐにエネルギー源になるべき炭水化物が少ないと、過剰にとっているたんぱく質が分解して、エネルギーに使われる。この工程はたいそう複雑であり、肝臓などに大きな負担を与えることになる。たんぱく質は大切に使うとよい。
⑥以上から減量時も、魚、肉、牛乳をもう少し減らして2/3くらいにしてもよい。プロテイン量はふつう時よりも多く約100gになっているので、よけいに他のものをへらしてもかまわない。
⑦プロテインは低カロリー、低糖質、低脂肪なので、減量時にはたいへん便利である。同時に、微量成分のビタミンやカルシウム、鉄などもとれるように配慮されているとなおよい。
⑧ピーマン、季節の果物、果汁などをとっていることは好ましい。
月刊ボディビルディング1981年5月号

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