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なんでもQ&Aお答えします 1983年7月号

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月刊ボディビルディング1983年7月号
掲載日:2020.10.30

トレーニング開始から1年以上経過したが、体位がほとんど大きくならないが

Q ボディビル歴は1年2カ月。
ジムでトレーニングしています。体位をご覧いただけば判ると思いますが、この1年で、胸囲が大きくなっただけで、他の部分(とくに腕)は一向に大きくなりません。
1年2カ月もの間トレーニングを行なっているのですから、もう少し体位が増えてもよいのではないかと思います。食事のほうもしっかり食べているつもりです。

このまま継続してもあまり効果は期待できないような気がしてきました。アドバイスをお願いします。
また、体位が増えないのは体質のせいではないかとも考えていますが、もし、そうであればどのようにすればよいでしょうか。
実のところを申しあげれば、私は、腕以外は今の状態で満足しています。そのようなわけで、腕だけを大きくしたいと思っています。よろしくご指導ください。
(大阪府堺市 吉野弘毅19歳)

◆体位の経過(平常時に測定)
記事画像1
◆トレーニング・スケジュール
記事画像2
A 1年2カ月もの間トレーニングしているのに、胸囲以外は首囲りが1cm大きくなっただけというのは、たしかに効果が少なすぎます。
しかし、だからといって、そのようになった原因が、すべて体質的なものにあるとはいえません。

筋肉が発達しやすい人と、そうでない人がいるのは事実ですが、あなたの場合は、体質について云々するよりはトレーニングのやり方を検討することのほうが大切なように思われます。
というのは、あなたが現在実施しているトレーニング法にはかなり問題があるように思われるからです。

腹蔵のないところをいわせていただけば、いま行なっている程度のトレーニングであれば、なにも時間をかけてジムに通うこともないと思います。
自宅で間に合わせの道具を使っても同じくらいのトレーニングは行えます。せっかく時間と金をかけてジムに通うのでしたらもう少し内容のあるトレーニングを行うようにしてください。

では、トレーニングについていろいろ考えてみることにしましょう。
現在、あなたが行なっておられるトレーニングの内訳は、上腕部の運動が1種目と、前腕部の運動が1種目だけです。どのような考えでこのようなトレーニングをしているのか判りませんが、これでは、腕の発達だけを目的とするにしても不充分です。  

からだというものは、各部分が相互に関係を有しているので、腕だけを大きくしたいからといっても、腕の運動だけを行えばよいといったものではありません。肩・背・胸等、上体の他の部分が貧弱なからだに、太くて逞しい腕がつくはずがありません。
それというのは、太くて腕の機能が充分に発揮されるためには、からだの他の部分もそれ相応に発達していなければなりません。つまり、腕の発達というものは、腕に関連した他の部分の発達とある程度調和を保って発達していくものであるといえます。

したがって、このことから、腕の発達を促すにしても、ただ腕の運動を行えばよいといったものではないことが理解できるかと思います。今後は、あなたも、このところをよく考えてトレーニングを行うようにしてください。
それでは、次にトレーニング・スケジュール例を記述しておきますので参考にしてください。内容としては、あなたの要望にお答えするために、できるだけ腕の発達に重点を置いたものとします。
◆トレーニング・スケジュール例隔日的、週3日、または2~3日おき週2日。

◆トレーニング・スケジュール例隔日的、週3日、または2~3日おき週2日。

以上ですが、体力的に余裕が感じられるようであれば、種目によっては3セットを行うようにしてもよいでしょう。ただし、決して無理をしないようにしてください。

スクワットでしゃがんだときに、どうしても腰が湾曲してしまうが

Q ボディビルを始めてからまだ3ヵ月ほどしかなりません。開始以来、下記のスケジュールでトレーニングしています。
◆トレーニング・スケジュール(1~2日おき、週3回)

◆トレーニング・スケジュール(1~2日おき、週3回)

以上のように、採用種目は現在4種目ですが、まだ筋力も弱く、軽い重量でしか運動ができないので、当分の間はこれで通そうかと思っています。しかし、自分なりに体格もよくなってきているので、けっこう楽しくトレーニングしています。
ところで、私はスクワットがどうも上手にできません。他の運動はそのようなことはないのですが、スクワットのフォームだけがトレーニングを始めてから3ヵ月にもなるというのに、よくなってきません。
というのは、しゃがんだときに、どうしても腰が湾曲してしまうので、運動を行なっていても安定感がありません。

そのようなわけで、使用重量もあまり増やさないようにしています。自分では、その原因をからだが固いためと考えています。
そこで質問ですが、スクワットできちんとしゃがめるようにするにはどうすればよいでしょうか。また、そのために柔軟体操が必要とあれば、どのような運動を行えばよいかもお教えください。よろしくご指導ねがいます。
(富山県 浅野浩之 会社員23歳)
A 自分の体力に合わせて無理のないトレーニングを続けていくことは、ボディビルの原則にマッチして大変よいことです。
トレーニングに馴れてくると、えてして無理をしがちになるものですが、いまの態度を忘れないで、これからもマイペースで行うようにしてください。

スクワットできちんとしゃがめないということですが、このことは、大腿部の鍛練にさしさわりがあるばかりでなく、トレーニングの安全性の面からいっても問題があるといえます。
腰が湾曲した姿勢でスクワットを行うことが、腰の故障をひき起こす原因になりやすいことは、あなたも先刻ご承知であろうかと思います。

スクワットでしゃがんだときに腰が湾曲するのは、たいていの場合、腰が割れないからです。そして、その原因は、あなたも考えておられるように、からだのスジが固いためであるといえます。
したがって、そのような場合には、まず、からだのスジを柔軟体操によって軟らかくする必要があります。それも、スクワットでしゃがむときに直接関係のあるスジを伸ばしてやる必要があります。
つまり、しゃがんだときに十分に腰が割れるようにするために、ももの内側と後ろ側、それに殿部と腰の下部を柔軟にする必要があります。
それでは、それらのスジを軟らかくする簡単な体操を2つ紹介することにします。
[運動1]――図1

[運動1]――図1

<運動法>肩幅よりも少し広い間隔に両足を開いて立ち、上体を可能な範囲いっぱいに前倒する。

<要点>上体を前倒させる際に留意すべき点は、背と腰をいくぶん反らし加減にし、両脚を伸ばして、ぜったいに膝をまげないこと。
運動のコツとしては、殿部を後方へ突き出すようにして上体を前倒し、可能な範囲いっぱいに倒しながら、そこで適当に反動を使って、筋の伸張性を刺激するようにする。
[運動2]――図2

[運動2]――図2

<運動法>床に腰をおろし、両脚を前方へ伸ばし股を90度ぐらいに開く。その体勢から、両膝をまげないようにして、背ではなく、腰をまげることに重点を置いて上体を十分に前方に倒す。

<要点>背をあまり湾曲させないようにして、腰を前方へ押し出すような感じで上体を前倒させる。

<留意すべき事項>
①上記2つの運動とも、急激に深くまげることのないように、徐々にまげていくこと。

②常に正確なフォームを保ち、適度な反動を使いながら、リズミカルに行う。たとえ、からだがあまりまがらなくとも、正確なフォームで行うほうが、不正確なフォームで無理にまげるよりはずっと効果的である。
正確なフォームで行う場合には、前述した部分のスジに的確に負荷がかかるはずである。

③いちどにやりすぎないこと。やりすぎると、翌日、あるいは翌々日になって、筋が極度に痛くなったりすることがある。痛くてからだが十分にまげられなくなると、かえって柔軟体操に対する意欲がそがれることにもなるので注意する。

三角筋の横への発達を促すのにはどうしたらよいでしょうか?

Q ボディビル歴は1年8カ月です。胸・背・上腕等の発達に関しては、今の段階では一応満足しています。
しかし、三角筋の横への発達が弱いのが不満です。これまでにも、三角筋の横への発達を促すためにいろいろな運動を試みてはみましたが、これといって思わしい効果を得られたものはありませんでした。
現在は後述するメニューで肩のトレーニングを行なっていますが、4ヵ月を経過したのに、三角筋の横の部分に関してはほとんど変化がありません。

ただ、最近は僧帽筋の発達がよく、肩の運動を行なっても、肝心の肩の横の部分には効かずに僧帽筋にばかり効いてしまいます。
そこでお伺いします。三角筋の横への発達を促すための有効な運動はないでしょうか。あれば、その運動とやり方をご指導ください。
(水戸市本田広一学生20歳)
◆現在実施している肩のメニュー

◆現在実施している肩のメニュー

◆体位(胸囲と上腕部は拡張時)

◆体位(胸囲と上腕部は拡張時)

A 三角筋の横への発達を促す運動を紹介するのはやさしいことですが、その前にあなたが現在行なっておられる運動について考えてみたいと思います。
あなたはいまのメニューを4ヵ月間も実行しているのに効果が得られないといわれます。しかも、現在あなたが採用しておられる種目は、3種目とも三角筋の横の部分の発達には有効な運動であるといえます。

それにもかかわらず、効果が得られなかったというのは、いったいどうしたことなのでしょう。これはやはり運動のやり方に問題があると考えるのが妥当ではないかと思います。
そのようなわけで、新たな運動を紹介する前に、一応、念のために現在あなたが採用しておられる3種目の運動の動作上のポイントについて述べておくことにします。
もとより、三角筋の横への発達を促すことに主眼を置いて述べることにします。

◎スタンディング・フロント・プレス(写真参照)

[スタンディング・フロント・プレス]

[スタンディング・フロント・プレス]

<グリップの間隔>
●肩幅の倍くらいがよい。

<動作上の要点>
●バーベルをあまり低い位置からあげないようにする。バーベルを深くおろし、低い位置からプレスすることは、僧帽筋の発達には非常に有効といえるが、三角筋の横への発達を促す場合にはあまり効率のよい方法とはいえない。
低い位置から行う場合よりも、いくぶん重い重量を用いてアゴのすぐ下あたりからプレスするようにするのがよい。

●バーベルをプレスするときに、グリップに力を入れないようにする。グリップに力を入れ、シャフトを強く握ると、バーベルをプレスするときに腕力を強く使うようになるので、三角筋に与えられる運動負荷が弱められる。

●バーベルをプレスしたときに、重量挙げのフィッニシュのように、両肩をバーベルの下に入れないようにするのがよい。
いくぶん肩の前側で重量を支えるようにするのがよい。

●動作はおしなべて肘で重みを支える感じで行うのが効果的である。

◎スタンディング・ロー(写真参照)

[スタンディング・ロー]

[スタンディング・ロー]

<グリップの間隔>
●肩幅よりも左右半こぶしから、1こぶしほど狭くするのがよい。

<かまえの姿勢>
●バーベルを大腿部の前にぶらさげた状態で、背すじを伸ばし、胸を張り両肩をうしろへ引きつける。

<動作上の要点>
●上述したかまえの姿勢をできるだけくずさないようにして、バーベルを垂直に引きあげる。背や肩をまるめると、運動のポイントが僧帽筋に移ってしまうので留意する。

●バーベルを引きあげたときに、できるだけ肩を上へすくめないようにする。肩をすくめるようにすると、運動のポイントが僧帽筋の方に移ってしまうおそれがある。

●バーベルを引きあげたときに、肩を前に寄せないようにする。肩が前に寄ると、背と肩がまるくなるので注意。

●バーベルを引きあげたときに、手首を肘よりも高くあげないように留する。手首を肘よりも高くあげるとハイ・プルアップという運動のかたちになり、三角筋の運動というよりは、僧帽筋、菱形筋、棘下筋等、上背部の筋を鍛える運動になってしまうので注意する。

●バーベルをおろすときに、背と肩をまるめないようにする。この運動は肩甲骨を正常な位置におしとどめ、できるだけ動かさないようにして動作を行うようにするのがよい。運動中に肩甲骨を上下動させると三角筋に与えられる効果が半減する。

◎スタンディング・ラタラル・レイズ(写真参照)

[スタンディング・ラタラル・レイズ]

[スタンディング・ラタラル・レイズ]

<かまえの姿勢における要点>
●ダンベルを大腿部の横にかまえた状態で、胸を張り、両肩を後方へ引きつけ、できるだけ背中を広げるようにする。いくぶんワキを広げるようにすると背中も広げやすくなる。

<動作上の要点>
●背中を広げたままの状態で、両腕を左右横へ、できるだけ遠くへ伸ばすようにしてダンベルをあげる。感じとしては、手ではなく、肘を遠くへ伸ばすような感覚で行うとよい。

●運動中に掌を前に向けないようにする。なお、グリップにはできるだけ力を入れないようにする。

●ダンベルをあげるときも、また、おろすときも、肩甲骨を極力正常な位置にとどめ、できるだけ動かさないようにして運動を行う。運動中に肩を上下動させると、僧帽筋のほうに強く効くようになってしまうので注意する。

●この運動は、余裕のある重量を用いて、ていねいに行うことが大切である。クリス・ディカーソンにいわせれば「この運動で無理に重い重量を使うのは素人」とのことである。

では次に、あなたのご要望にお答えして、比較的に三角筋の横への発達に効果があると思われる運動を2種目ほど紹介することにします。

◎フロント・プレス/バック・プレス・コンビネイション

<動作>フロント・プレスとバック・プレスを1回ごとに交互に行う。つまり、バーベルを前からプレスして頭の後ろへおろし、つづいて、後ろからプレスして前へおろすといった要領で運動を行う。
おな、左右のグリップの間隔は、肩幅の倍くらいかあるいは、それよりもいくぶん広いくらいがよい。

◎サイド・ライイング・ワン・ハンド・ダンベル・レイズ・オン・インクライン・ベンチ(写真参照)

[サイド・ライイング・ワン・ハンド・ダンベル・レイズ・オン・インクライン・ベンチ]

[サイド・ライイング・ワン・ハンド・ダンベル・レイズ・オン・インクライン・ベンチ]

<かまえ>片手にダンベルを持ち、ダンベルを持っていないほうの体側を下にしてインクライン・ベンチに横向きに寝る。ダンベルは、手の甲を上にして大腿部の上に保持する。

<動作>横向きに寝た姿勢のまま、肘をあまりまげないようにして、ダンベルを大腿部の位置から上方にあげる。つまり、インクライン・ベンチに横向きに寝た状態で、片手のみのラタラル・レイズを行う。
ダンベルをあげるときに、肩をすくめないようにする。また、腕が垂直になるまでダンベルを高くあげる必要はない。高くあげすぎると三角筋の横の部分にかかる負荷が弱まってしまうので留意する。

筋力も強くなり、胸囲も3cm大きくなったが、他の部位のサイズに変化がないが

Q ボディビルを始めて4カ月ほどになります。開始当時と比べると、からだつきもだいぶしまった感じになり、筋肉の隆起も少しは見られるようになりました。
筋力も自分なりに著しい向上が見られ、胸囲も3cmほど大きくなりました。しかし、他の部分のサイズについてはほとんど変化が見られません。

開始当時と現在の各部分のサイズ、および、各種目の使用重量はつぎの通りですが、筋力が向上したにもかかわらず、体位の増加が見られないのはどうしてでしょうか。
お気づきの点があったらご指摘ください。

◆開始後4ヵ月の体位の変化
記事画像13
◆各種目の使用重量
1セット当りの反復回数は、各種目とも10回。また、セット数は、開始後2ヵ月間は2セットずつ、現在は3セットずつ行なっています。なお、トレーニングの頻度は、隔日的、週3回。
(武蔵野市 K生 店員23歳)
記事画像14
A 筋の組織に占める白筋と赤筋の割合をも考慮しなければなりませんが、筋の太さ(断面積)と筋力はほぼ比例するものと考えてよいでしょう。
したがって、筋力の向上が見られたということは、筋の肥大(発達)も当然、それにともなっているもの考えてよいでしょう。

しかし、筋の肥大(発達)が端的にサイズの増加や、その増加幅に結びつくかというと、必ずしもそうとはいえないところがあります。
というのは、たとえば上腕囲を測定するにしても、メジャーの目盛りに表われるサイズは、筋の太さだけによる数値ではなく、皮下脂肪の厚さをも含めた数値になるからです。
このことをいいかえれば、筋の太さが同じでも、皮下脂肪が厚ければ(または、厚くなれば)それだけメジャーに表われるサイズは大きくなり、その反対に皮下脂肪が薄ければ、その分だけサイズは小さくなります。

あなたの場合は、採用種目の全般にわたって筋力が向上したにもかかわらず、各部位のサイズがほとんど増えなかったということですが、先に述べたような理由により、筋の発達が得られかったということにはならないと思います。
つまり、各種目における筋力の向上にともなって、各部位の筋の肥大(発達)も当然得られたものと考えられます。ただ、それが直接、各部のサイズの増加に結びつかなかったということではないかと思います。

その理由として、開始時から現在にいたるまでの4ヵ月間に、皮下脂肪がかなり少なくなったということが考えられます。
皮下脂肪が減少したということについては、トレーニングの開始時に比べて現在のほうが腹囲が小さくなっており、また、からだつきが締った感じがするということからも容易に推察することができます。

先にも述べたように、メジャーの目盛りに表われるサイズは、筋の太さだけでなく、皮下脂肪をも含めたサイズになるので、その数値は皮下脂肪の厚さによって大きく左右されます。
したがって、トレーニングによって筋の肥大(発達)が得られたとしても皮下脂肪が減少して薄くなった場合には、体位の測定値にほとんど変化が見られないという結果が生じることもあるといえます。そしてあなたの場合はそのようなケースに符合するものと考えられます。
今後は、そのところをよく理解して、たんにサイズの面からだけでなく、実質的な成果(筋の発達)の有無について、トレーニングの結果を検討されるようにするのがよいと思います。
回答は1959年度ミスター日本、NE協会指導部長・竹内威先生
模範演技は平井トレーニング・センター会長・熊岡健夫先生
月刊ボディビルディング1983年7月号

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