新ボディビル講座 ボディビルディングの理論と実際<43> 第6章 トレーニング種目
◎下肢の筋肉運動
[下肢の筋]
1. 下肢帯の筋
ⓐ寛骨内筋
寛骨内筋には腸腰筋があり、腸骨および腰椎から起こって、大腿骨後面の小転子につき、大腿四頭筋と共に大腿を前に上げる運動を行う。
ⓑ寛骨外筋
寛骨外筋には、大殿筋、中殿筋、小殿筋を始めとして大小7つの筋肉があり、その中心となるのが大殿筋で、仙骨、尾骨、腸骨の腰椎側より起こり、殿部の後ろを通って大腿骨後面につき、大腿を後ろに引く運動を行う。大殿筋の特色は、形態的な美と強力な力で股関節を伸展させることにある。
中殿筋、小殿筋は、腸骨の一番上から起こり、殿部の側面を通って大腿骨の大転子に付着する。その作用は大腿の外転である。
2. 大腿の筋
ⓐ伸筋群
伸筋群には大腿四頭筋と縫工筋が属し、大腿の前面にある。大腿四頭筋は大腿直筋、外側広筋、中間広筋、内側広筋の四頭からなる強大な筋で、大腿骨上端と寛骨下端より起こって脛骨前面につき、膝関節を伸ばす作用をつかさどる。
縫工筋は、腸骨の前上から起こって、腸骨の上端内側につく細長い筋で、その作用は、股関節と膝関節を曲げるのに働く。
ⓑ屈筋群
大腿の後面にある筋群で、大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋がある。大腿二頭筋は坐骨と大腿骨の後面より起って腓骨の上端に、半腱様筋と半膜様筋は坐骨結節より起こり、脛骨上端についている。これらの筋は膝関節を曲げる作用をもつ。
ⓒ内転筋
内転筋は大腿部の内側にあって、長・短内転筋を始め大小6本の筋によって構成されている。すべての内転筋は寛骨より起こって大腿骨の内側に付着しており、その作用は大腿を内転(開いている股を閉じる作用)することである。
<1> バーベル、ダンベルによるスクワット運動
しかしながら、肩にバーベルをのせ、脚、腰を鍛えるフリー・ウェイト器具に勝るマシンはないであろう。フリーウェイト器具の特徴は、ただ重量をかつぎ、負荷をかけるだけでなく、バランスを保ちながら正しい姿勢をとることも要求されるところにある。
この必要性から学ぶトレーニングの原点をおざなりにして、使用しやすい安全性だけでトレーニングすることは、投げ技のない柔道であり、タックルのないラグビーと同じで、トレーニングに対する興味を半減させる。
何のスポーツでも同じであるが、難しいものや、危険な要素を持つもの、あるいは、重い重量を征服させてこそ、人間としての喜びがある。それがバーベルであり、トレーニングの原点であろう。そのため、まず一連のトレーニング・マシンで運動をおぼえたならば、積極的にバーベルやダンベルなどのフリー・ウェイトによる、脚・腰のトレーニングを行うようにしたい。
1. スクワット系の運動
そこで、スクワット運動の価値を考えてみると、人間の尊厳を示す二本脚による直立歩行という基本的運動姿勢に対して、現代社会はいかにして脚を使用しないで、生活を合理化するか、ということに変ってきている。このことは人間が動物としての運動本能に関して欠陥人間になろうとしているといってもいい。
このような時代にこそ、器具なしのヒンズー・スクワットから、ヘビー・ウェイトまで、幅広いバリエーションを採用し、人間としてのノーマルな健康体をつくり出すスクワットの価値は無限である。とくにスクワットは、下肢の重要な股関節、膝関節、足関節と40種に及ぶ大小筋肉を同時に鍛え上げると同時に、脊柱起立筋(固有背筋)と心肺機能の強化にも効果がある。
[図-A]スクワットのフォームの比較
2. スクワット運動の一般的注意事項
スクワット運動で最も注意しなければならないことは腰の障害問題である。これは大きな負荷と上体の前屈により、過度な圧迫が腰椎に加わることによって起こる。この場合[図-A]のようにA-Aラインが真っすぐであれば、脊椎が前傾していても、垂直でも、問題はない。問題になるのは、過度の前屈により、A-Aラインが曲線になることである。これを予防するためには、腹部を強く前方に突き出し、殿部は逆に後方に突き出し、背筋を反らせることによって正しい姿勢がつくれる。[図B参照]
ⓑ腰の下ろし方
腰を下ろすとき、初心者は膝から曲げだし、背をまるく曲げたがるので、膝の前方への突き出しをやめさせ、それよりも腰(殿部)を後方に突き出しながら、背筋を反らせるようにしゃがみ込ませることが大切である。つまり、膝関節からの曲げをやめさせ、股関節から下ろさせることがポイントとなる。
股関節を下ろしていきながら、次は膝を曲げるのであるが、このときの膝の方向は、開いたつま先方向に曲げ[図C、A-A]、前方からみてX脚やO脚にならないよう、下腿が垂直に立つようにする[図C、B-B]。
[図-B]スクワットのフォーム
立ち上がるとき、とかく初心者は腰から立とうとするが、腰が先に上がると背が曲がりやすくなり、腰を痛める原因となる。そのため、胸から上体を起こしていき、からだ全体で立ち上がるようにする。
立ち上がる瞬間に膝を内側に絞り込んで内転筋群の作用を高め、次いで膝関節角度が90度を越してスティッキング・ポイントを通過したところで、膝を外に開く。このように、立ち上がるときに膝の開閉を行えば、下肢筋群の動員も多くなり、トレーニング効果を多目的に高めることができる。
ⓓシャフトをかつぐ位置
シャフトをかつぐ位置は、①首のつけ根にのせる ②僧帽筋の上部にのせる ③三角筋後部にのせる、の3つがあるが、初心者の多くは①の首のつけ根にかつぎたがるが、基本的には、②の僧帽筋にのせるのが良く、ヘビー・ウェイトをかつぐ場合は、③の三角筋にのせるのが良い。なお、三角筋にのせた場合、シャフトがずれないように、肘を後方に上げておくこと。[図D参照]
[図-C]スクワットの基本
[図-D]シャフトの位置
3. ウエスト・ベルトの効用
ウエスト・ベルトは腰椎を保護すると共に、吸気によって起こる横隔膜や腹横膜の腹腔内圧を高める助けをする。この腹腔内圧が高まることによって、胴体の前屈を防止する。前屈が起るということは脊椎(腰椎)が曲がった状態で負荷を受けることになり、腰椎を損傷することになる。
これらの点から、最近のパワーリフティング・ベルトは腹側も幅広くしたものを使用するようになった。トレーニング実施上、事故防止を考えるのは当然のことであるが、ベルトの有効性を考慮して、必ず着用すること。
4. スクワット・ラックについて
ⓐ階段式スクワット・ラックのポイント
(イ)かつぐ高さが日本人に合った120cm~140cm程度の高さで、段の数は3~4段がよい。
(ロ)ラックの受け台は10cm程度のものがよい。長過ぎるとバーは受けやすいが、かついでからの歩く距離が長くなる。
(ハ)バーのストッパーは1~2cm程度でよい。ストッパーの役目はバーを止めることだけであるため、無用に高いものはバーがストッパーにひっかかり、スクワット・フォームのバランスを崩す。
(ニ)ラックの幅は110cm前後がよい。幅の狭い物は手をラックに挟みやすく、逆に広い物はプレートがラックに当る。
ⓑスタンド式ラックのポイント
(イ)スタンド式ラックの場合は、油圧式やギアー式のものは高低調節がスムーズにできるが、日本ではまだ一般的には出まわっていない。一般に出まわっているのはピン式であるが、これは高低調節が不便である。
(ロ)バーの受け台が溝状のものは使いにくいので、皿状のもので、バー当てが15cm以上あり、しかも手前のストッパーが1~2cmの高さで、バーをとりはずししやすい物がよい。
ⓒ安全ラックについて(階段式、スタンド式共通)
これは階段式ラック、スタンド式ラックに共通したことであるが、特に上級者がオールアウトまで反復トレーニングをする時や、初心者がバランスを崩した時などに不可欠なのが安全ラックである。安全フックは固定式ならば60~65cmのもの、高低調節式ならば60~90cm程度のものがよい。
ⓓアイソメトリック・ラックの利用
アイソメトリック・ラックを利用してスクワットを行えば、安全性も高く、静的筋力トレーニングとしての有効性もあるので、採用してみるとよい。[写真参照]
[アイソメトリック・ラックによるスクワット]
<かまえ>バーベルを肩にかついで両手で握り、足幅を腰幅よりやや広くし、真っすぐ立ってかまえる。
<動作>膝関節を支点とし、腰をゆっくり下ろし、大腿部が床面と平行程度となったところで立ち上がる。
<注意点>バーを僧帽筋にのせてかつぎ、ヘビー・ウェイトになるにしたがい三角筋にのせるようにする。
正しいフォームを保つためには、殿部を後方に突き出す感じで胸を張り出し、背筋を伸ばすようにする。背筋が曲がって、腰が和式トイレにしゃがんだようになるのは危険である。腰の下ろし加減にはくれぐれも注意すること。特に初心者は膝で坐りたがるので、どうしても背が曲がりやすくなる。
<作用筋>主働筋……大殿筋、大腿四頭筋、補助筋……固有背筋、内転筋群。
[図1]バーベル・スクワット
<かまえ>前項同様、バーベルを肩にかつぎ、足幅を腰幅より狭くしてかまえる。
<動作>膝をつま先方向に出しながら、腰をゆっくり下ろし、大腿部上面が床面より低くなったところで立ち上がる。
<注意点>ナロー・スタンスは、膝関節を伸展させる大腿四頭筋を中心としたトレーニングである。大腿四頭筋に強い刺激を与えるためには、膝関節を前方に突き出し、背筋を真っすぐに伸ばし、股関節の屈曲角度を浅くすることである。足関節の硬い人は、このフォームがとれないので、その場合はウェッジ(踵の下に敷く踏み板)を使うとよい。
<作用筋>主働筋……大腿四頭筋、大殿筋、補助筋……固有背筋。
[図2]ナロー・スタンス・フルスクワット
<かまえ>バーベルを肩より下げてかつぎ、足幅を腰幅より広くしてかまえる。
<動作>膝を支点として、腰を後方に突き出すように股関節から曲げ出し、上体の前傾を強めつつ腰を下ろす。
<注意点>ワイド・スタンスは一般的には競技的に行うスクワットスタイルで、腰を下ろした時、相撲の四股のような感じになる。このスタイルのポイントは殿部にあるので、股関節を十分に曲げるために、膝を前方に出さないように注意し、殿部を後ろ上方に突き出し、腹を両膝の間に入れる感じで行う。力の配分が背部、殿部、脚部とバランスよくかかるようにすることが肝要である。
<作用筋>主働筋……大殿筋、大腿四頭筋、補助筋……固有背筋、内転筋群。
[図3]ワイド・スタンス・スクワット
<かまえ>バーベルを肩にかつぎ、足幅を腰幅の広さに開き、真っすぐに立ってかまえる。
<動作>大腿四頭筋にポイントをおく場合は、膝を前方に突き出す感じで膝から曲げる。
殿筋群にポイントをおく場合は、殿部を後方に引く感じで腰を下ろす。なお、腰を下ろす位置はいずれもスティッキング・ポイントの直前である。
また、通常は普通のアイソトニック(動的反復)でよいが、馴れるにしたがい、下の位置でアイソメトリック動作にする。
<注意点>ハーフ・スクワットの利用方法は、初心者のためのスクワットの導入と、パワーリフターの筋力向上に利点がある。
初心者は、腰を下ろせば下ろすほど背が曲がる傾向にあるので、最初はこの方法でもよい。パワーリフターはヘビー・ウェイトに馴れるためには自己最高能力の120%くらいの重量で行なってみるとよい。
<作用筋>主働筋……大殿筋、大腿四頭筋、補助筋……固有背筋。
[図4]ハーフ・スクワット
<かまえ>バーベルを三角筋前部にのせ、両肘を上げ、前腕を交差させ、手でバーを押さえて保持し、背筋を伸ばしてかまえる。
<動作>バーベルが落ちないように上体を真っすぐに立てたまま、膝を外側に開きながら腰を深く下ろす。立ち上がるときは膝を内側にしぼり込み(内転)、スティッキング・ポイントを通過する時は膝を外側に開いて立つ。
<注意点>フロント・スクワットでは上体を曲げるとバーベルが落ちるので、このフォームで行うことにより上体の姿勢が矯正される利点と、大腿四頭筋に対する負荷が大きい利点がある。また、膝の内側へのしぼり込みと立ち上がるときの外側への開きは他のスクワットと共通であるが、このフロント・スクワットでは動作がいっそう大きく出来る。
<作用筋>主働筋……大腿四頭筋、大殿筋、補助筋……固有背筋、内転筋群
[図5]フロント・スクワット
フラットフット・ミディアム・スタンス・バーベル・スクワット・トゥ・ベンチ(通称:ベンチ・スクワット・中級者)[図6]
<かまえ>通常のスクワットを行う時と同様にかまえ、腰の下に高さ40cm程度のベンチを置いておく。
<動作>通常のスクワットを行うように腰を下ろし、殿部がベンチに触れたら立ち上がる。
<注意点>この運動の目的は、脚のスティッキング・ポイントの強化にある。そのため、完全にベンチに腰かけてしまわないで立ち上がるようにする。また、ヘビー・ウェイトで行うスクワットで、安全ラックがない場合、危険防止の役目も果たしている。
この運動で最も注意することは、上体の前屈である。上体が前かがみになると、つぶれた場合、腰がベンチにのって止まるので、上体がベンチとバーベルにはさまれてサンドイッチになる危険がある。
<作用筋>主働筋……大腿四頭筋、大殿筋、補助筋……固有背筋。
[図6]ベンチ・スクワット
<かまえ>通常のスクワットと同じにかまえる。
<動作>かまえの姿勢から片足を大きく前に踏み出し、重心を真下にさげ、踏み出した脚でけり返えすようにして元の姿勢に戻る。左右交互に行う。
<注意点>この運動のポイントは大腿四頭筋にあるが、重心が前後に移動するため、大きな負荷はかけられない。よって、やや女性的トレーニングとなるので、シェイプ・アップ用のサーキット種目として採用するとよい。
なお、筋力の弱い女性の場合、負荷をかけないで、手を頭の後ろに組んで行なってもよい。
<作用筋>主働筋……大腿四頭筋、補助筋……大殿筋、固有背筋。
[図7]フロント・ステップ・スクワット
<かまえ>床に置いたバーベルをまたぎ、腰を下ろして体の前後でバーベルを持ってかまえる。握りはリバース・グリップで握る。
<動作>上体を真っすぐに保ったまま、膝を伸ばすように立ち上がる。
<注意点>脚の運動で、重量を手に持つということは、手の方が筋力が弱いので、脚に充分負荷がかからない場合がある。そのため、この種目や次項の種目ではリスト・ストラップを有効に利用する。なお、運動のポイントは大腿四頭筋にあるので、膝を充分に前に出し、背筋を伸ばして行う。
<作用筋>主働筋……大腿四頭筋、大殿筋、補助筋……僧帽筋、前腕屈筋。
[図8]ストライド・バーベル・スクワット
<かまえ>バーベルに対して後ろ向きに腰を下ろし、大腿部の下でバーベルを握る。背筋は出来るだけ伸ばして胸を張り出す。握り方はリバース・グリップで握る。
<動作>背筋を曲げないように留意しながら、殿部の後ろまで脚の伸展力で引き上げる。
<注意点>この運動は専用マシンがあれば無理にバーベルを用いる必要はない。バーベルは大腿四頭筋の膝部を強化する時にのみ採用するとよい。初心者から中級者はダンベルで行なった方が姿勢が保てるので、ダンベル・ハック・スクワットを行うようにする。なお、足首の硬い人はウェッジを使うとよい。
<作用筋>主働筋……大腿四頭筋、大殿筋、補助筋……固有背筋、僧帽筋、前腕屈筋群。
[図9]バーベル・ハック・スクワット
<かまえ>バーベルを殿部の後ろ側で持ち、上体を真っすぐにしてかまえる。
<動作>股関節を曲げないように注意しながら、膝だけを前に折り曲げる。
<注意点>大腿四頭筋のみにポイントを置いた運動であるため、殿部の筋に負荷がかからないよう、膝から肩まで一直線になるようにする。そして、膝を前につき出すときバーベルは真下に下ろすようにする。
中級者は、前項と同じようにダンベルを利用してのシッシー・スクワットを行い、初心者は器具なしのシッシー・スクワットを行う。なおバランスがとりにくい場合は、手近なものにつかまって行なってもよい。
<作用筋>主働筋……大腿四頭筋。
[図10]バーベル・シッシー・スクワット
<かまえ>両手にダンベルを持ち、背を真っすぐに伸ばしてかまえる。
<動作>バーベル・スクワットと同様、背筋を伸ばしながら、腰と膝を曲げ、しゃがみ込んで立ち上がる。
<注意点>スクワットのトレーニングが、ヒンズー・スクワットからこのダンベル・スクワットに移行すると、初心者や女性は比較的フォームを覚えやすい傾向にあるので、バーベルにこだわらずにダンベル・スクワットを積極的に採用するとよい。特にダンベルの場合は、重量が腰下にあるため、事故を起さないという利点がある。
<作用筋>主働筋……大殿筋、大腿四頭筋、補助筋……固有背筋、僧帽筋、前腕屈筋群。
[図11ダンベル・スクワット
<かまえ>前項同様。
<動作>腰を曲げずに、膝だけを前に突き出して伸ばす。
<注意点>大腿四頭筋と膝の強化を目的とするこのシッシー・スクワットは、初心者にとっては、バーベルよりダンベルの方がバランスがとりやすい。バランスがとりやすいということは、強化部分に意識集中しやすいので、当然、効果を上げやすいことになる。なお、膝の前方への突き出しが弱い場合や、足首の硬い人はウェッジを使うとよい。
<作用筋>主働筋……大腿四頭筋。
[図12]ダンベル・シッシー・スクワット
<かまえ>軽いバーベルを肩にかつぎ、足幅を広くして、腰を相撲の四股のように下ろしてかまえる。
<動作>相撲の四股の形から、片脚に体重をのせ、膝を曲げる。そして、そのまま反対側の脚の力で平行移動をする。
<注意点>負荷が片脚にかかるので、重いバーベルは使用しないこと。伸ばした脚の緊張をゆるめずに交互リズムを入れて行うようにする。この動作は、大腿四頭筋の中央部と筋の持久力、及び下肢の柔軟性をも含んでトレーニングすることができる。
<作用筋>主働筋……大腿四頭筋、大殿筋、補助筋……固有背筋。
[図13]サイド・スクワット
<かまえ>アイソメトリック・ラックにセットしたバーベルをかついでかまえる。
<動作>運動のやり方には次の4つがある。
①スクワット……通常のスクワットとして行う。
②ハーフ・スクワット……重い重量を用いて、スティッキング・ポイントの手前まで腰を下ろしたら、そこで立ち上がる。
③アイソメトリック・スクワット……目的とする高さで静止して立ち上がる。静止は6秒以上。
④ポーズ・スクワット……目的とする高さで約3秒間、静止して立ち上がる。この場合は、反復トレーニングをすること。
<注意点>アイソメトリック・ラックには2種類の型がぁり、バーベルがラックの間で自由に動作できるものと、バーベルが前後にゆれないように固定枠の中にあって、上下の動作しかできないものとがあるが、両者が一体化されたラックが理想的である。
上級者はラックの間でバーベル・コントロールをするが、初心者はバーベル・コントロールが悪いので、固定枠のラックの方がよい。
アイソメトリック・ラックは安全性が高く、動作のバリエーションが多いので、初心者から上級者のヘビー・ウェイト・トレーニングまで、幅広く利用することが出来る。
<作用筋>殿筋群、大腿四頭筋。
[図14]アイソメトリック・スクワット
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