1985年度第31回ミスター日本ボディビルコンテスト、第3回ミス日本ボディビルコンテスト
大器、小沼敏雄選手が念願の初優勝
ベストポーザー★宮畑豊、須藤ゆき モスト・マスキュラーマン★松原博
ミスターの部は本命と見られた小山が欠場したため、いつにない大接戦で全く予断を許さない混戦模様となった。その中から抜け出したのが小沼と松原。昨年の大会で2、3位を分けあった2人は正面から激突! 小沼の武器はプロポーションの良さと上半身のスケールの大きさ、特に自慢の背中はひときわ光っていた。対する松原は、モスト・マスキュラーマンを獲得したことでも判るとおり、その迫力ある筋肉と、きめ細かいデフィニッションが武器。結局、小沼が僅差で松原を押さえて初の栄冠を手中にした。
2回目の優勝の声が高かった朝生は、アジア選手権の疲れが出たのか全体的に精彩を欠き3位にとどまった。1980年のミスター日本、1982年のミスター・アジアを制したときの朝生の雄姿は今も記憶に新しい。来年のミスター日本での返り咲きを期待したい。
4位はベテラン宮畑。過去最高とも思われる素晴らしい仕上りで、ベスト・ポーザー賞も獲得し、表彰台への期待も高かったが、朝生にいま一歩及ばなかった。
つづく5、6位にはミスター・アポロの井口、実業団壮年の部を制した押方が入り、進境著しい新井がよく健闘して7位に躍進した。
9月のスリランカでのアジア選手権で、共にクラス優勝を収めた川上と北村は予想外の7位。小柄な川上は、オーバーオールのミスター日本ではいつも損をしている。また北村は、日本人ばなれのバルクでスケールは大きいが、細かいデフィニッションに欠ける。この克服が今後の課題といえよう。
学連推薦の岩間は、初出場ながら上位12名に名を連らねる大健闘。プロポーションも良く、バルク、カットもあり、将来が大いに楽しみな大型新人の出現である。
ミスの部の優勝争いは、完全に安藤と飯島の両選手にしぼられた。この2人の本場アメリカ仕込みの筋肉は、多くのボディビル・ファンを唸らせた。特に両選手に共通の背筋の発達と、安藤の大腿筋と三角筋、飯島の大胸筋は素晴らしいの一言。結局、採点表でも判るように2点という僅差で安藤に軍配が上がり、飯島は残念ながら2位に終った。
優勝候補No.1と見られていた大垣は、今回は安藤、飯島に圧倒されて3位にとどまったが、この2選手と対等に勝負できる素質と実績を十分に持っているだけに、これからの奮起が期待される。
4位は着々と実力をつけている須藤。均整のとれた美しいプロポーションと、定評のあるポージングはさすがだが、筋肉の発達という面で上位3選手に比べて少し見劣りした。
期待の新人、長谷川は調整の失敗か、今ひとつの冴えが見られず7位に終ったが、素質的には抜群のものを持っているだけに来年はあなどれない存在になってくるだろう。また第1回チャンピオンの中尾は、全体的にふっくらして、かつてのイメージはなく期待はずれの7位にとどまった。
今年で3回目を迎えたミスの部のレベル・アップは、まさに目を見張るばかり。それにしても、今回優勝した安藤は、アメリカで本格的にトレーニングし、ミス日本に出場するため一時帰国した選手。2位の飯島は、今年1月から約9ヵ月のアメリカ修業で見違えるほどの進歩をとげている。このことから“ボディビル先進国アメリカ”の存在をあらためて認識させられた大会であった。





優勝・小沼敏雄選手

2位・松原 博選手(モストマスキュラーマン)

3位・朝生照雄選手

4位・宮畑 豊選手(ベストポーザー)

5位・井口吉美智選手

6位・押方兼二選手

7位・新井弘道選手

7位・川上昭雄選手

7位・白坂義夫選手

7位・北村克己選手

7位・岩間 勧選手

7位・菊池正幸選手

優勝・安藤寬子選手

2位・飯島ゆりえ選手

3位・大垣純子選手

4位・須藤ゆき選手(ベストポーザー)

5位・遠藤文恵選手

6位・神田美栄子選手

7位・長谷川尚子選手

7位・中尾和子選手

7位・大島ひろみ選手

7位・斉藤玉恵選手

7位・谷本相子選手

7位・岡本久子選手
ミスターの部比較審査・ボーズダウン

左から小沼、松原

左から松原、宮畑、朝生、小沼、押方、井口

左から松原、宮畑、朝生、小沼、押方、井口

左から井口、押方、宮畑

左から松原、宮畑、朝生

左から松原、朝生、小沼

左から松原、小沼

左から白坂、岩間、北村、井口
ミスの部比較審査・ボーズダウン

左から安藤、飯島

左から大垣、飯島、安藤、須藤、神田、遠藤

左から大垣、飯島、安藤、須藤、神田、遠藤

左から大垣、須藤、遠藤

左から大垣、遠藤、飯島

左から大垣、飯島、安藤、須藤、神田、遠藤

左から大垣、飯島、安藤、須藤

左から長谷川、神田、飯島
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