なんでもQ&Aお答えします 1983年1月号
月刊ボディビルディング1983年1月号
掲載日:2020.10.02
毎週5日連続トレーニングしているが、オーバー・ワークにならないか?
Q ボディビルを始めてから5ヶ月になります。勤務先の同好会で、現在は下記のスケジュールでトレーニングしています。
<トレーニング・スケジュール>
<トレーニング・スケジュール>
ところで質問があります。私は上記のように5日連続でトレーニングを行っておりますが、オーバー・ワークになるのではないかと心配です。別に疲れが残っていく感じもしないのですが、このまま続けてもさしつかえないでしょうか。
なお、このままトレーニングを続けていくとして、定期的にレイ・オフする必要があるとすれば、何ヶ月にどのくらいの期間すればよいでしょうか。以上よろしくお願いします。
<現在の体位>
なお、このままトレーニングを続けていくとして、定期的にレイ・オフする必要があるとすれば、何ヶ月にどのくらいの期間すればよいでしょうか。以上よろしくお願いします。
<現在の体位>
(神戸市 柴田亮二 会社員 20歳)
A あなたがウェイト・トレーニングを、ボディビルとしてではなく、健康法といった意味合いで行っているのでしたら、疲れが後に残らない限りは、今のスケジュールで運動を続けても別に問題はないと思います。
しかし、たんなる健康法としてではなく、ボディビルとして、つまり筋の肥大と筋力の強化を目的としてウェイト・トレーニングを行っているのでしたら、今のスケジュールをそのまま続けて行うことには少なからず問題があると思います。
筋の肥大、および筋力の強化といった意味でのトレーニングの効果は、トレーニング事後の休養中に回復、そして超回復という経過をたどって得られます。つまり、トレーニングで消耗した身体組織が、トレーニング後の休養によって元の状態に回復し、さらに休養を続けることによって、トレーニング前の状態よりも多少なりとも身体組織が発達もしくは強くなる現象、つまり超回復するわけです。そしてこのことが効果といえるのです。
したがって、筋の肥大、および筋力の強化といった意味でのトレーニングの効果を得るには、消耗した筋の組織が、ただ元の状態に回復するだけでは不十分であるといえます。さらに回復が進んで超回復の状態にならなければ効果が得られたことにはなりません。
あなたの場合は、消耗した筋の回復をということに関しては問題ないと思いますが、はたして超回復が十分に得られているかどうかといった点に不安があります。
あなたの手紙には効果に関する記述がないので、現状実施しているスケジュールが、あなたにとって真に妥当なものであるかどうか、その辺のところが判りません。
しかし、ボディビルの常識からすれば、同一内容のトレーニングを5日連続して行うということは、十分な超回復を期待するには適切な方法であるとはいえません。やはり、超回復を十分に得るには、1~2日置きの間隔でトレーニングを行うのが妥当であるといえます。
よしんば、あなたが一般の人よりも回復力が強く、現在のスケジュールで効果が得られているとしても、いま行なっている方法が最善の方法であるとは限りません。あるいは、1日置きに行うようにすれば、いま以上に効果が得られるようになるかも知れません。
あなたが真にボディビルの素質に恵まれ、一般の人よりも回復力が優れているのであれば問題はありませんが、自分の素質と回復力を過大に評価しているとすれば問題があります。
いまのままでトレーニングを続けることが絶対にいけないとはいいませんが、ここらで謙虚な気持ちになって、現在のスケジュールを検討しなおしてみることも必要ではないかと思います。そして、その上で、いまのままのスケジュールを続けるか、あるいは隔日的スケジュールに改めるかを決められるのがよいと思います。
ところで、あなたのトレーニング法ですが、日取りの問題の他にも検討を加えるべき点があると思います。とくに運動種目の順序に少々不自然な点が感じられます。
運動種目の順序というものは、自分の好みでどのように並べたとしても、それによってことさら危険性が増大しないかぎりは問題ありません。しかし、どのように並べても間違いではないというものの、運動の順序がトレーニングの効果になんらかの影響を及ぼすことも事実なので、運動種目の順序を決めるに当ってそれなりの配慮も必要かと思います。
つまり、トレーニングの効果を少しでも多く得られるためには、多少なりとも効率がよいと考えられる順序で運動を行うようにする必要があるでしょう。
では、参考までに、あなたが現在行っておられるトレーニング・コースを基にして、運動の順序を並べ替えてみることにしましょう。
しかし、あらかじめお断りしておきますが、これから記述する運動種目の順序がトレーニング・コースとしての最善のものということではないので、その点を誤解のないようにお願いします。なお、そような誤解を招かないために、参考例を2例記述しておきます。
◆トレーニング・コース例1
<胸の運動>
①ベンチ・プレス
②ベント・アーム・プルオーバー
<肩の運動>
①スタンディング・プレス
<背の運動>
①ベント・オーバー・ローイング
<腕の運動>
①ツー・ハンズ・カール
②インクライン・コンセントレーション・カール
<大腿の運動>
①スクワット
<下肢の運動>
①カーフ・レイズ
<腹の運動>
①シットアップ
[要点]
①同一部位の運動種目を切り離さずに、まとめるほうがよい。
②上半身と下半身の運動がまざらないようにするほうがよい。
③腹部の運動は、通常、トレーニングの最初か最後に行うようにすることが多い。
④このトレーニング・コースでは、ベント・アーム・プルオーバーを胸の運動としているが、広背筋の運動として行う場合にはベント・オーバー・ローイングの前から後に行うようにすればよい。
◆トレーニング・コース例2
<腹の運動>
①シット・アップ
<大腿の運動>
①スクワット
<下肢の運動>
①カーフ・レイズ
<胸の運動>
①ベンチ・プレス
②ベント・アーム・プルオーバー
<背の運動>
①ベント・オーバー・ローイング
<肩の運動>
①スタンディング・プレス
<腕の運動>
①ツー・ハンズ・カール
②インクライン・コンセントレーション・カール
[要点]
①ウォーム・アップの充足を兼ねてシット・アップをトレーニングの最初に行うのも1つの考え方である。
②スクワットは最も消耗度の強い運動といえるので、体力が消耗していないうちに済ませるようにするのがよい。
③腕の運動は、他の腕を使う運動を終えてから行うようにするのが通例といえる。
以上、トレーニング・コースを2例示しましたが、要点として記したことがらは、運動種目の順番を定める際の1つの考え方であって、絶対的なものではありません。したがって、各人のトレーニング上の目的により、またはトレーニングに対する実施者個人の異なった見解によって、運動の順序を決定するという場合も当然あるといえます。
それでは最後に、レイ・オフに関する質問にお答えすることにします。
あなたの場合、いまのところ、全身的に疲れがたまってくるということも別にないようなので、差しせまってレイ・オフの期間を定期的に、設けなければならないという必要性もないと思います。
したがって、今後、定期的にレイ・オフの期間を設けたいというのであれば、あなた自身の判断によって、その間隔と日数を決められるのがよいと思います。疲れがたまる気配もないのにレイ・オフするということは、一見、無意味なことのようにも考えられますが、それはそれでトレーニングのマンネリ化を防ぎ、また、気持ちを新たにするという点でプラスになるところがあります。
しかし、たんなる健康法としてではなく、ボディビルとして、つまり筋の肥大と筋力の強化を目的としてウェイト・トレーニングを行っているのでしたら、今のスケジュールをそのまま続けて行うことには少なからず問題があると思います。
筋の肥大、および筋力の強化といった意味でのトレーニングの効果は、トレーニング事後の休養中に回復、そして超回復という経過をたどって得られます。つまり、トレーニングで消耗した身体組織が、トレーニング後の休養によって元の状態に回復し、さらに休養を続けることによって、トレーニング前の状態よりも多少なりとも身体組織が発達もしくは強くなる現象、つまり超回復するわけです。そしてこのことが効果といえるのです。
したがって、筋の肥大、および筋力の強化といった意味でのトレーニングの効果を得るには、消耗した筋の組織が、ただ元の状態に回復するだけでは不十分であるといえます。さらに回復が進んで超回復の状態にならなければ効果が得られたことにはなりません。
あなたの場合は、消耗した筋の回復をということに関しては問題ないと思いますが、はたして超回復が十分に得られているかどうかといった点に不安があります。
あなたの手紙には効果に関する記述がないので、現状実施しているスケジュールが、あなたにとって真に妥当なものであるかどうか、その辺のところが判りません。
しかし、ボディビルの常識からすれば、同一内容のトレーニングを5日連続して行うということは、十分な超回復を期待するには適切な方法であるとはいえません。やはり、超回復を十分に得るには、1~2日置きの間隔でトレーニングを行うのが妥当であるといえます。
よしんば、あなたが一般の人よりも回復力が強く、現在のスケジュールで効果が得られているとしても、いま行なっている方法が最善の方法であるとは限りません。あるいは、1日置きに行うようにすれば、いま以上に効果が得られるようになるかも知れません。
あなたが真にボディビルの素質に恵まれ、一般の人よりも回復力が優れているのであれば問題はありませんが、自分の素質と回復力を過大に評価しているとすれば問題があります。
いまのままでトレーニングを続けることが絶対にいけないとはいいませんが、ここらで謙虚な気持ちになって、現在のスケジュールを検討しなおしてみることも必要ではないかと思います。そして、その上で、いまのままのスケジュールを続けるか、あるいは隔日的スケジュールに改めるかを決められるのがよいと思います。
ところで、あなたのトレーニング法ですが、日取りの問題の他にも検討を加えるべき点があると思います。とくに運動種目の順序に少々不自然な点が感じられます。
運動種目の順序というものは、自分の好みでどのように並べたとしても、それによってことさら危険性が増大しないかぎりは問題ありません。しかし、どのように並べても間違いではないというものの、運動の順序がトレーニングの効果になんらかの影響を及ぼすことも事実なので、運動種目の順序を決めるに当ってそれなりの配慮も必要かと思います。
つまり、トレーニングの効果を少しでも多く得られるためには、多少なりとも効率がよいと考えられる順序で運動を行うようにする必要があるでしょう。
では、参考までに、あなたが現在行っておられるトレーニング・コースを基にして、運動の順序を並べ替えてみることにしましょう。
しかし、あらかじめお断りしておきますが、これから記述する運動種目の順序がトレーニング・コースとしての最善のものということではないので、その点を誤解のないようにお願いします。なお、そような誤解を招かないために、参考例を2例記述しておきます。
◆トレーニング・コース例1
<胸の運動>
①ベンチ・プレス
②ベント・アーム・プルオーバー
<肩の運動>
①スタンディング・プレス
<背の運動>
①ベント・オーバー・ローイング
<腕の運動>
①ツー・ハンズ・カール
②インクライン・コンセントレーション・カール
<大腿の運動>
①スクワット
<下肢の運動>
①カーフ・レイズ
<腹の運動>
①シットアップ
[要点]
①同一部位の運動種目を切り離さずに、まとめるほうがよい。
②上半身と下半身の運動がまざらないようにするほうがよい。
③腹部の運動は、通常、トレーニングの最初か最後に行うようにすることが多い。
④このトレーニング・コースでは、ベント・アーム・プルオーバーを胸の運動としているが、広背筋の運動として行う場合にはベント・オーバー・ローイングの前から後に行うようにすればよい。
◆トレーニング・コース例2
<腹の運動>
①シット・アップ
<大腿の運動>
①スクワット
<下肢の運動>
①カーフ・レイズ
<胸の運動>
①ベンチ・プレス
②ベント・アーム・プルオーバー
<背の運動>
①ベント・オーバー・ローイング
<肩の運動>
①スタンディング・プレス
<腕の運動>
①ツー・ハンズ・カール
②インクライン・コンセントレーション・カール
[要点]
①ウォーム・アップの充足を兼ねてシット・アップをトレーニングの最初に行うのも1つの考え方である。
②スクワットは最も消耗度の強い運動といえるので、体力が消耗していないうちに済ませるようにするのがよい。
③腕の運動は、他の腕を使う運動を終えてから行うようにするのが通例といえる。
以上、トレーニング・コースを2例示しましたが、要点として記したことがらは、運動種目の順番を定める際の1つの考え方であって、絶対的なものではありません。したがって、各人のトレーニング上の目的により、またはトレーニングに対する実施者個人の異なった見解によって、運動の順序を決定するという場合も当然あるといえます。
それでは最後に、レイ・オフに関する質問にお答えすることにします。
あなたの場合、いまのところ、全身的に疲れがたまってくるということも別にないようなので、差しせまってレイ・オフの期間を定期的に、設けなければならないという必要性もないと思います。
したがって、今後、定期的にレイ・オフの期間を設けたいというのであれば、あなた自身の判断によって、その間隔と日数を決められるのがよいと思います。疲れがたまる気配もないのにレイ・オフするということは、一見、無意味なことのようにも考えられますが、それはそれでトレーニングのマンネリ化を防ぎ、また、気持ちを新たにするという点でプラスになるところがあります。
ベント・アーム・プルオーバー、フレンチ・プレス・スタンディングのやり方と、分割法によるスケジュールのつくり方
Q ボディビル歴は1年8ヵ月、自宅でトレーニングをしています。からだのほうはまだまだといったところです。現在の体位とトレーニング・スケジュールは下記のとおりです。
<現在の体位>
<トレーニング・スケジュール>
ところで私は、上記の10種目に、サイド・レイズ、プリーチャーズ・カール、ナロウ・グリップ・ベンチ・プレスの3種目を新たに加えて、分割法でトレーニングしたいと考えています。しかし、自分ではどのように2つのコースに配分したらよいか判りません。そのようなわけで、まことにお手数と思いますが、分割法によるトレーニング・スケジュールの作成をお願いします。
なお、私はベント・アーム・プルオーバーとフレンチ・プレス・スタンディングの2種類の運動がどうも上手にできません。双方ともバーベルを頭の後ろへおろしたときに、上腕と胴体がどうしてもまっすぐになりません。このようなやり方でも効果がきちんと得られるかどうか心配です。このことについてもよろしくお答えください。
(名古屋市 金田哲男 24歳 商業)
なお、私はベント・アーム・プルオーバーとフレンチ・プレス・スタンディングの2種類の運動がどうも上手にできません。双方ともバーベルを頭の後ろへおろしたときに、上腕と胴体がどうしてもまっすぐになりません。このようなやり方でも効果がきちんと得られるかどうか心配です。このことについてもよろしくお答えください。
(名古屋市 金田哲男 24歳 商業)
A ベント・アーム・プルオーバーと、フレンチ・プレス・スタンディングの動作がどうしてもうまくできないとのことですが、まずこの質問からお答えします。
上腕と胴体がまっすぐにならないということは、強いていえば、ベント・アーム・プルオーバーの場合には、広背筋と大胸筋の付着部寄りの部分(腕の付けねに近い部分)の発達がいくぶんさまたげられるといえます。そしてフレンチ・プレス・スタンディングの場合には、上腕が垂直にならないために、動作上、ややもすれば外側頭の方にばかり負荷が強くかかりぎみになるので、長頭に与える効果が半減することがあると考えられます。[写真参照]
上腕と胴体がまっすぐにならないということは、強いていえば、ベント・アーム・プルオーバーの場合には、広背筋と大胸筋の付着部寄りの部分(腕の付けねに近い部分)の発達がいくぶんさまたげられるといえます。そしてフレンチ・プレス・スタンディングの場合には、上腕が垂直にならないために、動作上、ややもすれば外側頭の方にばかり負荷が強くかかりぎみになるので、長頭に与える効果が半減することがあると考えられます。[写真参照]
[ベント・アーム・プルオーバー]
[フレンチ・プレス・スタンディング]
とはいえ、ベント・アーム・プルオーバーの場合は、実際には効果の面でそれほど心配することもないと思います。問題はフレンチ・プレス・スタンディングの場合ですが、どうしても長頭に負荷が上手にかからないようであれば、ライイング(ベンチに仰臥した姿勢)による方法に改めるのがよいと思います。しかし、この運動を外側頭の運動として行う場合には、そのかぎりではありません。
◆分割法によるトレーニング・スケジュール例
◎Aコース―ー月曜・木曜
①ベンチ・プレス
②ベント・アーム・プルオーバー
③フロント・プレス/バック・プレス・コンビネーション
④サイド・レイズ
⑤フレンチ・プレス・スタンディング
⑥ナロウ・グリップ・ベンチ・プレス
⑦シット・アップ
[註]ナロウ・グリップ・ベンチ・プレスは、上腕三頭筋のうちでも、ごちらかといえば外側頭のための運動といえるので、フレンチ・プレスは長頭に効かすために、前述したような理由によってライイングの方法に改められるのがよいと思う。
◎Bコース――火曜・金曜
①ベント・オーバー・ローイング
②ワン・アーム・ローイング
③ツー・ハンズ・カール
④プリーチャーズ・カール
⑤スクワット
⑥カーフ・レイズ
⑦シット・アップ
◆分割法によるトレーニング・スケジュール例
◎Aコース―ー月曜・木曜
①ベンチ・プレス
②ベント・アーム・プルオーバー
③フロント・プレス/バック・プレス・コンビネーション
④サイド・レイズ
⑤フレンチ・プレス・スタンディング
⑥ナロウ・グリップ・ベンチ・プレス
⑦シット・アップ
[註]ナロウ・グリップ・ベンチ・プレスは、上腕三頭筋のうちでも、ごちらかといえば外側頭のための運動といえるので、フレンチ・プレスは長頭に効かすために、前述したような理由によってライイングの方法に改められるのがよいと思う。
◎Bコース――火曜・金曜
①ベント・オーバー・ローイング
②ワン・アーム・ローイング
③ツー・ハンズ・カール
④プリーチャーズ・カール
⑤スクワット
⑥カーフ・レイズ
⑦シット・アップ
年齢15歳、トレーニングを開始して10ヶ月経過したが、あまり効果ないが
Q ぼくは、現在までボディビルを1年ほど続けています。しかし、最近、腕と胸の筋肉が思うように大きくならないように感じています。
ボディビルを始める前、1年間ほどブルワーカーでトレーニングをしていましたが、その間、腕が27cmから30.5cmまで大きくなりました。しかしその後ボディビルを始めてからは、10ヶ月ほどたつというのに、腕も胸もそれほど大きくなっているとは思えません。このことについてご意見をお聞かせください。
なお、ぼくは15歳ですが、プロティンを飲むのはどう思いますか。飲んでもさしつかえないでしょうか。また、ぼくのからだは15歳という年齢にしてはどうでしょうか。以上のこと、よろしくお願いいたします。
<体位の経過>
ボディビルを始める前、1年間ほどブルワーカーでトレーニングをしていましたが、その間、腕が27cmから30.5cmまで大きくなりました。しかしその後ボディビルを始めてからは、10ヶ月ほどたつというのに、腕も胸もそれほど大きくなっているとは思えません。このことについてご意見をお聞かせください。
なお、ぼくは15歳ですが、プロティンを飲むのはどう思いますか。飲んでもさしつかえないでしょうか。また、ぼくのからだは15歳という年齢にしてはどうでしょうか。以上のこと、よろしくお願いいたします。
<体位の経過>
[註]22ヶ月から10ヶ月までの1年間はブルワーカーでトレーニングをした期間で、10ヶ月前から現在までがボディビルの期間。
<トレーニング・スケジュール>
<トレーニング・スケジュール>
A 身長の伸びの経過が体位表に記されていないので、はっきりとはいえませんが、22ヶ月前から10ヶ月前までの1年間に体位が大幅に伸びたというのは、ブルワーカーの効果によるだけでなく、身体そのものが成長期にあり、たまたま大きく発達する時期と重なり合ったからではないかと思われます。
したがって、ブルワーカーの期間とその後のボディビルの期間との成果を単純に比較するわけにはいかないと思います。つまり、別個にそれぞれの成果を評価し、検討するのが正しいかと思います。また、ブルワーカーのトレーニングも広い意味ではボディビルといえます。
ところで、あなたは、ボディビルを始めてからの10ヶ月の成果をそれ以前の1年間のせいかと比べて非常に不満に思っておられるようですが、あまり深刻に考えないほうがよいと思います。トレーニングのやり方にも疑問がないとはいえないので、あるいは、やり方によってはもっと発達したかも知れません。しかし、そう不満とするほどの結果ではないと思います。
現在の段階で、10ヶ月の上腕囲の増加が1cmというのは確かに少ない感じがしますが、胸囲の5cm増はむしろ上出来といえます。ともあれ、あなたはまだ15歳であり年齢の割にはなかなか立派な体格をしておられるようなので、あせらずに、じっくりとトレーニングを続けてください。
なお、プロティンは、文字どおり蛋白質を主成分とした食品ですから、トレーニングと併行してこれを用いることはいいことです。
筋の発達を促すには、なんといっても蛋白質を十分に摂取することが必要です。あなたの場合ですと、筋の発達を積極的に促していくためには、1日に蛋白質を95g以上は摂るようにされるのがよいと考えられています。しかし、普通の食品によって1日に95g以上もの蛋白質を摂取するには、食生活の面でときには負担がともなうとも考えられるので、そのような負担を軽減するあめにプロティンを用いるのはたいへん結構なことだと思います。
それではトレーニング・スケジュールの問題に移ることにします。
まず初めに、現在のトレーニング・スケジュールにおける問題点について考え、その後でトレーニング・スケジュール例を記述することにします。
<問題点1>身体部位によっては、運動の頻度が多すぎる。
<問題点2>運動種目によってはトレーニングの量が多すぎる
<問題点3>運動種目の順序に疑問がある。
以上の3つの問題点があると考えられます。では、これらの問題点について、順に検討を加えていくことにしましょう。
<問題点1>身体部位と運動の頻度
正直いって、胸の運動、および上腕三頭筋を強度に使う運動の頻度が多すぎると思われます。そのことを理解していただくために、まずこの2つの部位の運動を列挙してみることにします。
したがって、ブルワーカーの期間とその後のボディビルの期間との成果を単純に比較するわけにはいかないと思います。つまり、別個にそれぞれの成果を評価し、検討するのが正しいかと思います。また、ブルワーカーのトレーニングも広い意味ではボディビルといえます。
ところで、あなたは、ボディビルを始めてからの10ヶ月の成果をそれ以前の1年間のせいかと比べて非常に不満に思っておられるようですが、あまり深刻に考えないほうがよいと思います。トレーニングのやり方にも疑問がないとはいえないので、あるいは、やり方によってはもっと発達したかも知れません。しかし、そう不満とするほどの結果ではないと思います。
現在の段階で、10ヶ月の上腕囲の増加が1cmというのは確かに少ない感じがしますが、胸囲の5cm増はむしろ上出来といえます。ともあれ、あなたはまだ15歳であり年齢の割にはなかなか立派な体格をしておられるようなので、あせらずに、じっくりとトレーニングを続けてください。
なお、プロティンは、文字どおり蛋白質を主成分とした食品ですから、トレーニングと併行してこれを用いることはいいことです。
筋の発達を促すには、なんといっても蛋白質を十分に摂取することが必要です。あなたの場合ですと、筋の発達を積極的に促していくためには、1日に蛋白質を95g以上は摂るようにされるのがよいと考えられています。しかし、普通の食品によって1日に95g以上もの蛋白質を摂取するには、食生活の面でときには負担がともなうとも考えられるので、そのような負担を軽減するあめにプロティンを用いるのはたいへん結構なことだと思います。
それではトレーニング・スケジュールの問題に移ることにします。
まず初めに、現在のトレーニング・スケジュールにおける問題点について考え、その後でトレーニング・スケジュール例を記述することにします。
<問題点1>身体部位によっては、運動の頻度が多すぎる。
<問題点2>運動種目によってはトレーニングの量が多すぎる
<問題点3>運動種目の順序に疑問がある。
以上の3つの問題点があると考えられます。では、これらの問題点について、順に検討を加えていくことにしましょう。
<問題点1>身体部位と運動の頻度
正直いって、胸の運動、および上腕三頭筋を強度に使う運動の頻度が多すぎると思われます。そのことを理解していただくために、まずこの2つの部位の運動を列挙してみることにします。
上記のように、あなたの胸の運動と上腕三頭筋を強度に使う運動とを第1日目と第2日目の双方で行っておられます。そして、あなたも、もうお気づきのことと思いますが、それらの部分と、ここ10ヶ月の成果の面で、あなたが不満としておられる部分とが、はからずも一致しています。これはあながち偶然とはいえないようです。やはり、そこにはなんらかの因果関係があると考えるのが妥当かと思います。
あなたは、プッシュ・アップという運動による消耗をどのように考えておられるのでしょうか。いかなるプッシュ・アップでも、200回もの回数を行えば、当然、大胸筋と上腕三頭筋が強度に消耗すると考えてしかるべきでしょう。
したがって、第2日目に行うトレーニングの内容を考えれば第1日目のプッシュ・アップ運動は、むしろ、スケジュールから除外するのがよいといえます。
筋の肥大、および筋の強化を促すには、筋を十分休ませることもまた大切なことです。
<問題点2>運動種目とトレーニング量
あなたは現在、ベンチ・プレスを5セット、ベント・オーバー・ローイングを4セット、ダンベル・カールを5セット行っておられますが現在のあなたの段階ではセット数が多すぎるように思われます。
ボディビルというものはもともと適度に行うべきものであって、根性にまかせてトレーニングをたくさん行えばよいといったものではありません。そして適度に行うとは、それぞれがビルダーとしての段階を踏まえ、また、個別的な体力に応じて、生理的に無理がないと思われる範囲でトレーニングを行うことであるといえます。
しかし、とはいうものの、実際は、トレーニングの経験が浅い初心者の段階では、はたしてどのくらいが適度であるのか、なかなか把みづらいところがあると思います。したがって、そのような場合には、自分だけの判断でむやみにトレーニングの量を増やしたりしないで、きちんとしたコーチに相談するなり、または専門書などを参考にして無理のないトレーニングを行うように心がけるのがよいでしょう。
トレーニングの量をやたらと多くすることは、いたずらに筋に強度な消耗を招くので、回復および超回復をさまたげることにもなります。したがって、今後はそのへんのところをよく自覚してトレーニングの量が多くなりすぎないように注意してください。
<問題点3>運動種目の順序について
この問題については、本号の柴田亮二さんへの回答の中に同様の趣旨が書いてありますので、それを参考にしてください。
<トレーニング・スケジュール例1>
3日周期で行う場合
あなたは、プッシュ・アップという運動による消耗をどのように考えておられるのでしょうか。いかなるプッシュ・アップでも、200回もの回数を行えば、当然、大胸筋と上腕三頭筋が強度に消耗すると考えてしかるべきでしょう。
したがって、第2日目に行うトレーニングの内容を考えれば第1日目のプッシュ・アップ運動は、むしろ、スケジュールから除外するのがよいといえます。
筋の肥大、および筋の強化を促すには、筋を十分休ませることもまた大切なことです。
<問題点2>運動種目とトレーニング量
あなたは現在、ベンチ・プレスを5セット、ベント・オーバー・ローイングを4セット、ダンベル・カールを5セット行っておられますが現在のあなたの段階ではセット数が多すぎるように思われます。
ボディビルというものはもともと適度に行うべきものであって、根性にまかせてトレーニングをたくさん行えばよいといったものではありません。そして適度に行うとは、それぞれがビルダーとしての段階を踏まえ、また、個別的な体力に応じて、生理的に無理がないと思われる範囲でトレーニングを行うことであるといえます。
しかし、とはいうものの、実際は、トレーニングの経験が浅い初心者の段階では、はたしてどのくらいが適度であるのか、なかなか把みづらいところがあると思います。したがって、そのような場合には、自分だけの判断でむやみにトレーニングの量を増やしたりしないで、きちんとしたコーチに相談するなり、または専門書などを参考にして無理のないトレーニングを行うように心がけるのがよいでしょう。
トレーニングの量をやたらと多くすることは、いたずらに筋に強度な消耗を招くので、回復および超回復をさまたげることにもなります。したがって、今後はそのへんのところをよく自覚してトレーニングの量が多くなりすぎないように注意してください。
<問題点3>運動種目の順序について
この問題については、本号の柴田亮二さんへの回答の中に同様の趣旨が書いてありますので、それを参考にしてください。
<トレーニング・スケジュール例1>
3日周期で行う場合
<トレーニング・スケジュール例2>
隔目的、週3日行う場合
隔目的、週3日行う場合
回答は1959年度ミスター日本、NE協会指導部長・竹内威先生。演技指導は平井トレーニング・センター会長・熊岡健夫先生
月刊ボディビルディング1983年1月号
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