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ホルモン料理

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月刊ボディビルディング1983年3月号
掲載日:2020.10.09

<ウハウハくるよ>

 牛・豚・とり・うさぎ・羊・馬などの内蔵(モツ)を料理したのがホルモン料理。
 誰がつけたか知らないが、実にいいネーミングだ。名前をきいただけでスタミナがモリモリ、精力が倍増するような印象をうける。そのためか、ここぞというときに、お銚子をつけて、ホルモン料理で「イッパヤッカ」という愛用者が多い。
 ”自分はこんなにスタミナをつけたからナ”という暗示が頭の中にできるので、本番は安心してハッスル。そして「やっぱり効果があるわい、ウッシッシ」というわけ。
 しかし、本当にホルモン料理が効いたかどうかは、まったく別。いろんな内蔵のなかには、ひょっとしたら例の成分が入っていることもあるが、残念なことに、ホルモンは調理中に分解してしまう。あるいは、そのまま口に入ったとしても、胃や腸でバラバラに分解されてしまうので、ストレートにその役目を果たすわけではない。

<スタミナの秘密>

 それではなぜこんな人気があるのか、レバー(肝臓)に例にとって調べてみよう。まずタンパク質が多い。牛のモモ肉に匹敵するくらいある。だから食べただけで体がホカホカ暖かくなる。これは特異動的作用といって、タンパク質が分解されるときに、持っているカロリーの30%に相当するエネルギーが使われるためだ。
 また、ビタミンやミネラルが多い。ビタミンA・B12・B1・B2・D・ナイアシン・鉄・カルシウム……。そのほか野菜や果物にしかないはずのビタミンCまであるのだから驚きだ。悪性の貧血にはレバーがいいのは、その中にふくまれている鉄分のためだ。ビタミンB12とB2は成長促進ビタミンといって、体を大きくするのには役立つビタミンだ。
 にわとりやねずみを使って実験してみると、レバーを与えないものは成長が遅く、骨格も貧弱なのに対し、レバーをすりおろしてえさの中に混ぜて与えたものは立派な体格に育っていく。

<ホルモン料理の歴史>

 動物の肉を愛用したヨーロッパの人たちも、内蔵だけは気味わるがって食べるのを嫌っていた。くさりやすくて中毒にかかった人が大勢いたせいもある。
 いまもチェコのある地方を除いてはあまり愛用されていない。けれども、肝臓・腎臓(マメ)・膵臓・脳など合計すると、動物の全体重の20~30%にもなるので、捨ててしまうわけにもいかない。そこで、これらの臓器はもっぱらハム会社に払い下げられ、ソーセージの原料となる。また、腸はハムやソーセージをつつむ膜(ケーミング)に使われる。
 内蔵をもっとも有効に使っているのは中国人。とくに広東料理にはタップリと使われている。横浜の中華街を歩いた人ならば、店頭にぶら下った内蔵をみてゲンナリした経験を一度はお持ちだろう。
 外観はともかく、なれてしまえば味のほうはなかなかいけるものだ。いやな臭いをとるために、いろいろな工夫もされている。日本でも価格が安いために、庶民の食べ物として、ヤキトリやレバーいために多く使われている。
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<うまい料理法>

 内臓には血液が多く、酵素が作用しやすい状態になっている。だから腐るのがはやいもで、手早く料理しなければならない。よく塩もみし、しょうがをおろした酒で洗うと臭いがよくとれる。油やバターで炒めるときは、サッと短時間で処理するのがコツ。ゆっくり炒めるとコリコリとした歯ごたえがなくなりまずくなる。タマネギ・ニンジン・しいたけ・ピーマンを合わせて炒めるとレバーの「五目炒め」ができる。炒める順序は、にんじんをトップに、しいたけ、タマネギ・ピーマン、レバーの順で炒めるとよい。
 焼き鳥をつくるには、ネギやタマネギを交互に串にさして風味のバランスをとることがポイント。串刺しができたら、調味液に軽くつける。調味液はしょうゆとみりんを1:1で混ぜ、その中に、しょうがとニンニクをすりおろしたものをつかうとよい。串を炭火であぶってできあがり。リースとときがらしを適当に混ぜたタレを上からかけるとさらにうまい。

<食事のヒント>

 どう組み合わせると、栄養のバランスがとれるか考えてみよう。
記事画像2
 なお、レバー・ペーストの缶詰が市販されているので、パンなどにぬって食べるのもよい。100g入りで240カロリー、タンパク質16.3g(野沢秀雄)
月刊ボディビルディング1983年3月号

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