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ニュース 1982年11月号

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月刊ボディビルディング1982年11月号
掲載日:2020.09.16

■1982年度第12回世界パワーリフティング選手権大会日本代表決まる

 来る11月4日~7日、西ドイツのミュンヘンで開催される世界パワーリフティング選手権大会に出場する日本チームのメンバーが下記のとおり決定した。
団長 
遠藤 光男
(JPA常任理事、錦糸町および千葉遠藤光男トレーニング・センター・オーナー)
選手 
因幡 英昭
(52kg級。現在、世界選手権大会8連覇中、1982年度全日本選手権52kg級でトータル550kgで優勝。日立武蔵)
伊差川 浩之
(56kg級。1981年度世界選手権大会56kg級優勝。1982年度全日本選手権56kg級でトータル560kgで優勝。アメリカ在住)
中尾 達文
(82.5kg級。過去4回世界選手権大会出場、5位2回、6位2回。1982年度全日本選手権82.5kg級でトータル747.5kgで優勝。高松トレーニングクラブ・オーナー)

■JPA国際部ニュース

国際部長・吉田 進

①1982年ワールド・ストロンゲスマン・コンテスト―カズマイヤーが3回目の優勝

 今年のコンテストは、6月下旬の週末、ロサンゼルス近郊のマジック・マウンテン・アミューズメント・パークで10人の怪力者を集めて開催された。まずこの10人を紹介しよう。
 2年連続優勝のビル・カズマイヤー(パワーリフティング・スーパーヘビー級、ベンチプレス300kg、デッドリフト402kg、トータル1100kgの世界記録保持者)、今年の全米125kgチャンピオン、ジョン・ギャンブル(トータル995kg)、ビル・ダン、元スーパーヘビー級スクワット442.5kgの世界記録保持者であるデイブ・ワディングトン(ただし現在は125kgに落している)、125kg級トータル1005kgの世界記録保持者アーニー・ハケット、昨年のこのコンテストで2位の砲丸投選手ジェフ・ケイブ、カナダの125kg級チャンピオン、トム・マギー、そしてプロフットボール代表のブルーナー、マーシュ、ヒューの3選手である。
 競技種目は今まで毎年変わっていたのだが、今年はほぼ昨年と同じで、このコンテストの内容もようやく固定されてきたようだ。試合は、次の順序で3日間にわたって行なわれた。
 ①丸太上げ ②重量垂直投げ ③トラック引き競争 ④鉄筋曲げ ⑤スコットランド風丸太投げ ⑥ビヤ樽積み込み競争 ⑦バッテリー水平持ちくらべ ⑧スクワット ⑨銀貨持ち上げ(デッドリフト、別名:お金持競争) ⑩相撲
 第1日目は、カズマイヤーが3種目に優勝、パーフェクトの30点でトップに立ち、2位はケイブで24.5点、続いてハケット、マギー、ワディングトンの順。
 第2日目に入り、カズマイヤーは昨年大胸筋を切った鉄筋曲げを慎重に終え4位。この種目の優勝はケイブ。そのあと、スコットランド風丸太投げ、ビヤ樽積み込み競争でもカズマイヤーは奮わず、3位、5位で終り、これら2種目の優勝者、ワディングトン、マギーらにトータルで詰められ、2日間のトータルで、2位・ケイブに4点差、3位・マギーに7点差となってしまった。
 3日目に入り、バッテリー水平持ちくらべでギャンブルが1位、カズマイヤー5位、スクワットではハケット、マギー、ワディングトンが同記録で1位、ギャンブルとカズマイヤーが同記録で4位、お金持競争ではハケットとカズマイヤーが同記録で1位というように、カズマイヤーに昨年のような圧倒的強さが見られなかった。最終競技である相撲は得点が倍になるので、6点差で2位のマギーや、11点差で3位のケイブにもカズマイヤーを倒して逆転優勝できる可能性が出てきた。しかし蓋を開けてみると、カズマイヤーはやはり相撲でも強く、3回目のワールド・ストロンゲストマン(世界最強の男)のタイトルをものにした。
 しかし、彼はこの相撲で足を痛めてしまい、今年も全米パワーリフティング選手権を棒にふり、3年続けて世界選手権に出られない事になってしまった。来年はまた世界の檜舞台でカズマイヤーの姿を見たいものである。

②全英パワーリフティング選手権(1位のみ) 6月27日 於・バーミンガム

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月刊ボディビルディング1982年11月号

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