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なんでもQ&Aお答えします 1984年2月号

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月刊ボディビルディング1984年2月号
掲載日:2021.01.21

ボディビル歴4ヵ月、疲労感が強いのですが、レイ・オフをとった方がいいか?

 Q ボディビル歴は4ヵ月です。
 現在は後述のスケジュールで週4回トレーニングしています。トレーニング後の疲労感はかなり強く、トレーニングしない日もなんとなくからだがだるく感じます。
 ボディビルの本によると、疲れがたまったときにはレイ・オフするのがよいと書いてあるので、10日間ほどトレーニングを休もうかと考えています。
 しかし、その間に、せっかく発達しかけた筋肉が細くなり、筋肉が細くなり、筋力も低下してしまうということはないでしょうか。そのことが気になってなかなかレイ・オフをする決心がつきません。どうしたらよいか、ぜひよいアドバイスをお願いします。
《トレーニング・スケジュール》
記事画像1
《現在の体位》
(青森市 阿部康広 学生 20歳)

(青森市 阿部康広 学生 20歳)

 A あなたが現在実施しておられるトレーニング・スケジュールには、問題とすべき点がいろいろとあるようです。そのことにはあとでふれるとして、まずは質問のレイ・オフについてお答えします。
 レイ・オフによって筋が細くなり、筋力が低下してしまうことがないかという質問には、なんともはっきりお答えすることはできません。
 というのは、レイ・オフが筋と筋力に関してどのような影響をもたらすのかは、レイ・オフに入るときのからだの状態と、レイ・オフの日数によって変わってきます。つまり、レイ・オフに入るときのからだが、長期間の休養をどの程度に必要としているかどうかで変わってくるからです。
 からだが別に疲れておらず、長期間の休養をとくに必要としない状態でレイ・オフすれば、多くの場合、筋は細くなり、筋力は低下します。
 しかし、からだに疲労がたまっている状態でレイ・オフするぶんには、必要以上に休みすぎることがないかぎり筋が細くなり、筋力が目に見えて低下してしまうということは、まずないといえます。それどころか、強度な蓄積疲労を除くためにレイ・オフするときには、レイ・オフ前よりも筋が太くなり、筋力が強くなることがあります。
 あなたは、トレーニングをしない日もからだがだるいということですが、これは身体に疾患がない限り、蓄積疲労によるものと考えられます。そのような状態では、レイ・オフによって筋が細くなったり、筋力が低下してしまうことはないと思います。場合によっては、レイ・オフすることによって、かえって筋の肥大と筋力の向上がもたらされることがないとはいえません。
 あなたの場合、レイ・オフするとすれば、その目的はあくまでも、からだにたまった疲れを除くことにあるのですから、レイ・オフの期間(日数)は疲れが取れて元気が回復するのに十分なものでなければなりません。
 あらかじめ1週間とか10日間とかの期間を定めてレイ・オフに入ったとしても、場合によっては、からだの回復ぐあいに合わせて、期間をさらに延長する必要も生じてきます。
 さて、レイ・オフのことはこれくらいにして、最初に述べたトレーニング上の問題点にふれることにします。これから述べることがらは、あなたの体調がよくないことに大いに関係があると思われます。いってみれば、以下に述べるいくつかの点が、不調の原因になっているものと考えられます。
 あなたのトレーニング法は、一言でいえば、その量と強度において無理があると言えます。そのことを具体的に記せば次のようになります。

 ①採用種目が多い。
 ②使用重量に無理がある。使用重量に無理があると、運動の動作がどうしても不正確になる。
 ③トレーニングの頻度が多い。

 以上の3点ですが、あなたばかりでなく、一般的にいって、初心者が犯しやすいトレーニング上の誤りは、トレーニングの量と強度を欲張りすぎることです。少しでも早くよくなりたい、また、強くなりたいという気持ちから、ついそのようなことになるのも理解できないわけではありません。
 しかし、からだの発達や筋力の向上というものは、トレーニングの量と強度を増やしさえすれば、それに比例して得られるといったものではありません。それどころか、量的に、あるいは質的に過度になると、かえって効果が得られなくなります。そして、はなはだしい場合には、逆に筋が細くなり、筋力が低下することがあります。まさに「過ぎたるは及ばざるが如し」といったところで、やり過ぎるよりはむしろ不足ぎみのほうが、多少なりとも効果が、期待できるだけましといったところでしょう。
 あなたも、今後は、このことを自覚して、無理のないトレーニングを行うよう心がけてください。

◆採用種目について

 体位から推測されるあなたの体力は、ボディビルを行う者としては、まだまだ初歩の階段にあると判断されます。したがって採用種目が10種目というのはいかにも多すぎるといえます。現段階では、せいぜい大目に見ても5~6種目、もっとはっきりいわせてもらえば4種目でも十分だといえます。
 つまり、最も基礎的な種目と目されるシット・アップ、スクワット、ベンチ・プレスの3種目と、それに基礎的な運動(たとればフロント・プレス)をもう1種目加えた計4種目でも十分であると思われます。
 そして、スクワットとベンチ・プレスが、体重の80%以上の重量を用いて正確な動作でそれぞれ10回ずつできるようになったならば、ベント・オーバー・ローイングとカールを採用して、計6種目の運動を行うようにするとよいでしょう。ごく初歩の段階では、腕などは特別な運動を行わなくても、他の運動種目によって、けっこうその発達が促されるものです。

◆使用重量について

 各種目において、あなたが用いている使用重量を、あなたの体位との比較において検討すると、全体に重すぎる気がします。ことにスタンディング・ロー、ベント・オーバー・ローイング、カール、それにスクワットの4種目は程度を越えていると思われます。
 このように、あなたが一様に重すぎる重量を用いておられるのも、それらの運動を正確に行っていないからでしょう。
 ボディビルの運動というものは、下にあるばーねるをただ上にあげればよいというものではありません。下から上へあげるとき、また、上から下へおろすときの中間動作が大切です。つまり、正しいフォームで、1回、1回、念入りに動作を反復するようにしなければなりません。そして、とくに初心者の場合は、反動を使わないようにしなければなりません。

◆トレーニングの週間頻度について

 同じ内容のトレーニングを週に4日も行うというのは、頻度の面からいって多すぎるといえます。分割法という方法で行なうというのであれば、週に4日行ったからといって別にやりすぎということはありません。しかし、単一のコースを週に4日も行うのは、よほど体力のある人でない限り無理が生じます。そして、そのような無理を押してトレーニングを続ければ、いつしか疲労がたまり、かえって効果が得られなくなります。
 ボディビルで効果を得るには、適切な休養をからだに与える必要があります。そのためには、2日続けてトレーニングを行わないようにするのがよいといえます。いい方を変えれば、1~2日おきの間隔で週3日(または2~3日おき、週2日)のペースでとれを行うのがよいといえます。
 また、2週間を1つの単位として1日おきに7日行うという方法もありますが、やはり1週間に3日までとするのが無難でしょう。
 1週間に3日行うというのは、たとえば月・水・金をトレーニング日とし、火・木・土・日を休養日とするように、1日おきに3日トレーニングして2日続けて休むようにするサイクルです。そして、この2日続けて休むということが、疲労の回復を高め、体調を維持し、トレーニング効果を得るのにプラスになるといえます。

固有背筋の発達が左右アンバランスですが、その原因と矯正法は?

 Q ボディビル歴は2年、勤め先の同好会でトレーニングしています。開始時に比べると、からだつきもかなりよくなりましたが筋肉の発達にアンバランスな部分があります。つまり、固有背筋の発達が左右均等ではないのです。
 具体的には、背柱の右側はけっこう発達しているのですが、左側が右側に比べてあまり発達していません。自分では左右同じようにトレーニングしているつもりですが、どうしてこのようになるのでしょうか。その原因と、もしいい矯正法があったら教えてください。なお、現在のトレーニング・スケジュールと体位の変化は次ぎのとおりです。
記事画像3
《現在の体位》
(川崎市 大川浩司 会社員 25歳)

(川崎市 大川浩司 会社員 25歳)

A これまでのことは分りませんが、現在あなたが行なっておられる運動種目は、正しい動作で行うかぎり、固有背筋の発達をそれほど不均等にするものとは考えられません。しかし、ボディビルを始める以前から不均等であったものならともかく、あくまでもボディビルを始めてから不均等になったというのであればやはり、運動のやり方に原因があったと考えざるを得ません。
 あなた自身は、運動を正しい動作で行なっておられるようなことを主張されていますが、はたしてそのことに間違いないでしょうか。一応、現在行なっている運動の動作に誤りがないかどうかチェックしてみる必要があると思います。
 といっても、あなたがなにも不正確な動作で運動を行なっていると決めつけているわけではありません。その点を誤解しないでください。
 ただ一応、現在行なっている運動の動作をふりかえって、誤りがないかどうかを、念のためもう一度チェックしてみる必要があるということです。
 そのようなわけで、参考までに、あなたが現在採用しておられる運動種目の中で、固有背筋の左右不均等な発達の原因になるかもしれないと思われる動作上の問題について考えてみることにしましょう。

◎スクワットについて

 スクワットは大腿部だけではなく、固有背筋の強化にも効果のある運動種目です。それだけにこの運動は、動作が左右の均衡を欠く場合には、固有背筋の左右不均等な発達の原因になることも考えられます。

<留意する点>
①上体が左右どちらかへ(あなたの場合は、左側が前へ、右側が後ろへ)ねじれた状態で運動を行なっているのではないか。上体のねじれが強度な場合は、固有背筋の片側(あなたの場合は右側)により強く負荷がかかるようになる。
 そして、このような上体のねじれによって生じる固有背筋に対する左の右不均衡な負荷のかかる傾向は、しゃがんだとき、及び立ちあがるときの中間動作で腰背部が湾曲すればするほど一層強くなる。したがって、スクワットにおいては、上体が左右へねじれないように注意するとともに、動作中に腰背部が湾曲しないように留意することが大切である。

②しゃがんだ状態から立ちあがるまでの中間動作で、腰を右、または左へきょくたんにくねらせないように注意する。一般的にいって、立ちあがるときに、右へくねらせれば右側、左へくねらせれば、左側の固有背筋に負荷がより強くかかるようになるということがいえる。

◎スタンディグ・プレスについて

スタンディング・プレスも固有背筋にかなり強く負荷がかかる運動種目です。したがって、バランスのくずれた無理なフォームで運動を行なっていると、固有背筋が左右不均等になるおそれがあります。

<留意する点>
①両足を結ぶ線、及び骨盤、両肩を結ぶ線、それと、バーベルが運動中に常に正しく正面に向いているかどうか注意する。

②挙上動作の際に、バーベルが左右どちらかへ傾いたりはしないか。またシャフトの中心がからだの正中線に沿って上下しているかどうか。それらの点について留意する。できることならスタンディング・プレスは鏡を見ながら行うのがよい。

◎ツー・ハンズ・カールについて

 ツー・ハンズ・カールは固有背筋の発達にそれほど強い影響を与える運動ではありません。しかし、やり方によっては誤った悪い影響を与えることがないとはいえません。

<留意する点>
①バーベルをカールするときに、背中が左右どちらかへゆがんだり、ねじれたりしていないか注意する。背中が片側へゆがんでいたり、ねじれたりしていると、固有背筋に左右不均衡な負荷がかかるので、ときには背筋に不当な影響を与えることもありうる。このような傾向は、重すぎる重量を用い、反動を使って行うときに一層強くなるといえる。したがって、そのような誤りを犯さないためには、余裕をもって行うことのできる重量を用い、背すじを正し、左右対称をなす姿勢で運動を行うことが大切である。

 以上、固有背筋の左右不均等な発達の原因になるかもしれないと考えられる運動の動作上の留意点について述べました。
 あなたの場合、固有背筋が左右不均等になったのが、間違いなくボディビルを始めてからというのであれば、一応、運動のやり方を再検討してみる必要があるのではないかと思います。
 自分でも気がつかないままに、不正確な動作で運動を行なっているかもわかりません。ことに、スクワットとツー・ハンズ・カールは、あなたの体格から判断して、使用重量が重すぎるとも思われますので、十分検討してみてください。
 そして、検討の結果、もしも誤りがあったなら、使用重量を余裕の感じられる重さに減らし、しばらくの間は、筋を発達させるためというよりは、正確な動作を身につけることを目的として運動を行うようにしてください。できれば他の人にフォームを点検してもらうのがよいでしょう。

3分割法によるスプリット・ルーティンを採用したいが

Q ボディビル歴は9ヵ月、自宅で1人でトレーニングしています。ところで今度、わたしは家業(コンビニエンス・ストア)を手伝うことになりましたので、今までのように一度に長時間のトレーニングができなくなります。
 そのようなわけで、この際、いっそのこと下記の3種目を加えて、3分割法によるスプリット・ルーティーンを採用しようかと考えています。そこでどのように分割したらよいか、トレーニング・スケジュールを作成していただきたいと思います。

《新たに加えたい種目》
①ダンベル・カール
②トライセプス・プレス
③パイパー・バック・イクステンション

《現在のスケジュール》
記事画像5
《現在の体位》
(宮崎市 川上敏夫 会社員 24歳)

(宮崎市 川上敏夫 会社員 24歳)

A あなたの場合、まず、全採用種目を次の3つに分類し、その種目を次の3つに分類し、その後で3分割によるトレーニング・スケジュールを作製するとよいでしょう。すなわち、

A.上腕三頭筋を強度に使う運動種目。
B.上腕二頭筋を強度に使う運動種目、および、上腕三頭筋と上腕二頭筋の別なく、腕をあまり強度に使わない種目。
C.腕を使わない種目。

 ところで、上記の分類によって、あなたの採用種目を仕分けしてみると次のようになります。
①スクワット=C
②カーフ・レイズ=C
③ベンチ・プレス=A
④ダンベル・ベンチ・プレス=A
⑤プレス・ビハインド・ネック=A
⑥オールターニット・プレス=A
⑦ベント・オーバー・ローイング=B
⑧ワン・アーム・ローイング=B
⑨ツー・ハンズ・カール=B
⑩ベント・ニー・シット・アップ=C
⑪ダンベル・カール=B
⑫トライセプス・プレス=A
⑬ハイパー・バック・イクステンション=C

 以上のようになりますが、あとはこれに基づいて3分割によるトレーニング・スケジュールを作ればよいわけです。それでは、参考までに3分割によるスプリット・ルーティーンのスケジュール例を作成してみましょう。

《トレーニング・スケジュール例》
◆Aコース一月曜・木曜
①ベンチ・プレス
②ダンベル・ベンチ・プレス
③プレス・ビハインド・ネック
④オールターニット・プレス
⑤トライセプス・プレス

◆Bコース一火曜・金曜
①ベント・オーバー・ローイング
②ワン・アーム・ローイング
③ツー・ハンズ・カール
④ダンベル・カール

◆Cコース一水曜・土曜
①スクワット
②カーフ・レイズ
③ハイパー・バック・イクステンション
④ベント・ニー・シット・アップ

低回数(反復回数5~6回)、多セット制を採用したいが

 Q ボディビルを始めて2ヵ月になります。自宅で1人でトレーニングしています。不安な点があるので次の質問お答えください。
 初心者の場合、普通は1セットの反復回数を10回くらいにして、1種目当たり2~3セット行うのがよいと聞いていますが、私は普通以上に体力があると思うので、できれば低回数制を採用してトレーニングを行いたいと考えています。
 つまり、1セットの反復回数を5~6回にして、1種目当たり7~10セットくらい行うようにしたいと考えていますが、いかがなものでしょうか。
 現在のスケジュールと体位は下記の通りですが、上述した方法でトレーニングをしてもさしつかえないかどうか、その点が不安です。
[註]トレーニング後の疲労感は、週末になるにつれていくらか強くなり、翌日に多少残るようになる。

[註]トレーニング後の疲労感は、週末になるにつれていくらか強くなり、翌日に多少残るようになる。

《現在の体位》
(東京都 M・Y 自由業 28歳)

(東京都 M・Y 自由業 28歳)

A 低回数制そのものは、実施者が、たとえあなたのような初心者であっても、無理をしない限りは行なってもさしつかえありません。しかし、同一種目を7~10セットも実施するというのはいささか問題があります。
 実施者が長期の修練期間を有していて、体力的にもかなり強化されている人であれば、特定の運動種目を7~10セット行なったからといっても、必ずしもトレーニングが過度になるとはいえません。しかし、あなたのように修練経験が浅く、また、ビルダーとしての体力も未だ十分とはいえない段階では、同一種目を7~10セットも行うというのは、トレーニングが過度になるおそれが多分にあるといえます。
 ボディビルというものは、私が何回もいうように、トレーニングの量を多くすれば、それだけ効果が得られるといったものではありません。量的に運動が過度になると、かえって効果が得られなくなります。
 したがって、あなたがどうしても低回数制を採用したいというのであれば運動が過度にならないように、セット数について十分配慮する必要があると思います。

◆注意事項
〈1〉低回数制を採用する場合は、いきなり重い重量を用いて運動を行うのをさけ、事前に必ず軽い重量でウォーム・アップを行うようにする。ただし、ウォーム・アップとしてのセットは、所定のセット数には含めないで、感覚的にいって40~50%程度の筋力発揮にとどめて行うようにする。つまり、ウォーム・アップの段階では、使用筋や体力を消耗させてしまわないように留意する。

〈2〉ベンチ・プレスとスクワットはともかく、他の運動種目は、初期においては極端に低回数制にしないほうがよい。とくに初心者の場合は、できるだけていねいな動作で使用筋を十分に伸縮させるように留意して運動を行うことが大切なので、そのことから考えても、極端な低回数しか反復できないような重量の使用は慎むのがよいといえる。

〈3〉新たな種目を採用する場合は、しばらくの間は軽い重量を用いて普通の反復回数(8~10回くらい)で運動を行い、正しい動作が身についてきたら、はじめてそこで低回数で行うようにするのがよい。

「回答は1959年度ミスター日本、NE協会指導部長・竹内威先生。演技指導は平井ボディビル・センター会長・熊岡健夫先生」
月刊ボディビルディング1984年2月号

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