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なんでもQ&Aお答えします 1986年1月号

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月刊ボディビルディング1986年1月号
掲載日:2021.10.07

胸を強化するためのトレーニング法

Q 私はトレーニングを始めて2ヵ月になる会社員です。他の部位に比べて胸板がうすいので、ここ1ヵ月は自宅で胸に重点をおいたというよりも、胸だけのトレーニングを行なっています。あと1ヵ月ぐらい胸のみのトレーニングを続け、その後、腕や腹の種目を採用していきたいと思っています。
 そこで、胸の強化に有効なトレーニングと腕や腹の種目を採用した場合の1週間のトレーニング・スケジュールをアドバイスしてください。
 それから、体質なのか、いくら食事をとっても体重がふえません。1日の食事のとり方、プロティンの飲み方を教えてください。

《現在の体位》
身長 171cm
胸囲(拡張時) 99cm
体重 60kg
上腕囲 右31cm 左30cm

《現在のトレーニング》(週4日)
〔註〕①と②は一週間交替で実施。また気が向いた時にはクロス・ベンチ・プルオーバーを3~4セット組み入れています。(横浜市 恒松一 23歳 会社員)

〔註〕①と②は一週間交替で実施。また気が向いた時にはクロス・ベンチ・プルオーバーを3~4セット組み入れています。(横浜市 恒松一 23歳 会社員)

A 筋肉を速く発達させたい気持ちは分かりますが、トレーニングにあせりは禁物です。あなたの場合、まだトレーニング歴が2ヵ月と、初心者の段階ですので、特に胸に重点をおいたトレーニングをする必要はありません。もう少しの間、全身をトレーニングして、ある程度筋肉が発達し、体力的にも余裕が出て来てから胸の強化トレーニングを行なうようにしたほうがよいでしょう。
 したがって、あなたの御希望とは逆になりますが、あと1~2ヵ月間は全身の基礎トレーニングを行ない、それから胸の強化トレーニングを加えて下さい。トレーニング・スケジュール例については後述します。
 現在ベンチ・プレスを14セットとかインクライン・ダンベル・プレスを9セットとか行なわれていますが、これではセット数が明らかに多すぎます。セット数を減らし、インターバルを1分くらいとし、1セットごとに集中して行なって下さい。
 重量に関しても、もっと高重量が扱えるようになってから多くの種目を採用すべきです。

 では、具体的なスケジュール例を記します。
◇基礎トレーニングのスケジュール例(隔日的、週3日)
①ベンチ・プレス 5セット
②ベント・オーバー・ローイング 4セット
③バック・プレス 3セット
④バーベル・カール 3セット
⑤スクワット 4セット
⑥シット・アップ 2セット

◆胸の強化種目
ⓐラタラル・レイズ・ライイング
ⓑインクライン・ダンベル・ベンチ・プレス
ⓒディップス

 1~2ヵ月経ったら、ⓐ~ⓒを基礎トレーニングの①の後に加えてください。つまり、ベンチ・プレス終了後、ⓐ~ⓒを順に行ない、各種目とも3セットずつ行なって下さい。
 胸郭の拡張を促したいのでしたら、クロス・ベンチ・プル・オーバーを、スクワットとスーパー・セットで行うと効果的です。
 上記の種目では、上腕三頭筋の専門種目が入っていませんので、この段階でフレンチ・プレス・ライイングを加えてもよいでしょう。
 また、ウェイト・トレーニングを行ない、筋肉を発達させ、体重を増やしたいのなら、1日に体重1kg当り2gのたんぱく質を摂らなくてはいけません。あなたの場合は体重が60kgですので、1日120gのたんぱく質が必要になります。ただし、人間の体は1回に30g前後しかたんぱく質を消化できませんので、何回かに分けて摂らなくてはいけません。
 具体的には、1日3回の食事を充実させ、あとは間食を2~3回加えるとよいのです。肉・魚・乳製品・大豆製品などは高たんぱく食品ですから、毎食バランスよく食べるようにして下さい。プロティンは、食事時に加えると前述のように消化しきれなかったりして無駄になりますので、間食として用いるのが効果的です。
 朝食など、忙しくて満足な食事が摂れないような時には、しかたありませんが、なるべく食事は食事で充実させましょう。プロティンはトレーニング前後と就寝前に飲むと、体重増加に特に効果的です。
 プロティンの量に関しては、あなたの場合は1日に120gのたんぱく質が必要なのですから、食事で摂れるたんぱく質の量を120gから引いた分をプロティンや間食で補うようにします。詳しくは食品成分表などを購入して計算してみるとよいのですが、大体1回に大さじ山盛り2杯前後を2~3回飲めばよいでしょう。
 また、たんぱく質だけでなく、他の栄養素もバランスよく摂取するように心掛けて下さい。たんぱく質ばかりに偏重せず、ビタミンやミネラルを多く含む野菜や果実類、炭水化物も充分に摂りましょう。

Tシャツの袖がはち切れんばかりの腕にしたいが

Q トレーニング歴は1年です。現在、自宅にバーベルセットをを購入してトレーニングしています。トレーニングといっても私が目的としているのは、体全体のバルクアップではなく、腕だけを限りなく太く逞しくする目的でトレーニングを始めたわけです。胸の厚みとか、広い背中とか、逞しい脚などは私にとって何の魅力もありません。私が欲しいのはTシャツの袖がはち切れんばかりの腕なのです。
 ところが、ほとんど毎日腕のトレーニングを続けていたにもかかわらず、1年間で、上腕囲3cm、前腕囲2cmの増加しか見られませんでした。
 トレーニングに関する本を読むと、スクワットは、脚だけでなく上半身にも有効で、スクワットを怠ると上半身も発達しにくいと聞いたことがあります。当然、腕も上半身の一部ですので、私の腕の発達が遅れているのは、スクワットを行わなかったためでしょうか。私自身は腕とスクワットは関係ないと思うのですが・・・・・・。
 この際ですので腕だけを太くするトレーニング・スケジュールの組み方をアドバイスして下さい。

《体位》
身長 170cm
上腕囲 右37cm 左36cm
体重 67kg 
腹囲 70cm
前腕囲 右29cm 左28cm
大腿囲 55cm

《トレーニング・スケジュル》(平均して週5~6回実施)
[註]翌日、あまりにも疲れがひどい場合は休むことにしています。トレーニング時間は1時間弱。(福島県 A、S 25歳 自営業)

[註]翌日、あまりにも疲れがひどい場合は休むことにしています。トレーニング時間は1時間弱。(福島県 A、S 25歳 自営業)

A まず結論から申し上げれば、腕の発達が思わしくなかった原因は、スクワットを行なわなかったためではなく、腕のオーバー・ワークにあると思われます。
 筋肉が発達するのは、トレーニングをしている時ではなく、トレーニング終了後の休養期間のときです。トレーニングを行うと、筋肉組織は一時的に破壊され、疲労物質がたまりますが、栄養を摂り、休養をとることによってそれは回復されます。この後さらに、トレーニング開始時よりも高いレベルまで回復されます。これが超回復で、この時期をうまくとらえ、トレーニングを続けると筋肉が発達します。しかし、休養を充分にとらずに、再びトレーニングを開始してしまうと、超回復が得られず、体力はかえって低下してしまいます。
 このトレーニングのサイクルは、各人の疲労回復能力により異なりますが通常、中1~2日の休養が必要です。したがって、あなたのようにほとんど毎日トレーニングするのは、かえってよくないのです(上腕二頭筋と上腕三頭筋を交互に毎日行うのならよい)。
 ただし、あなたの場合、1年間で上腕囲3cm、前腕囲2cmの増加は、けっして悲観すべきものではありません。初心者の場合、まだ筋肉に的確に刺激を与えられないので、毎日トレーニングしてもオーバー・ワークにならず、発達することがありますが、これからは1回1回のトレーニングを密度の濃いものとし、週2~3回のみ腕のトレーニングを行うようにして下さい。逆に言えば、本当にハード・トレーニングを行なえば、その翌日はその部位のトレーニングは出来ないものです。「Tシャツの袖がはち切れんばかりの腕」は結構なのですが、しかし、ある程度これとバランスのとれた胸や背・肩・脚などがないと、非常にアンバランスでおかしな体型になってしまいます。腕以外の筋肉群については1種目ずつでも構いませんので採用してみて下さい。
 では次に、腕のトレーニング・スケジュール例を記します。

《トレーニング・スケジュール例》(隔日的、週3日実施)
①ナロウ・グリップ・ベンチ・プレス 4セット
②フレンチ・プレス・ライイング 4セット
③トライセップス・プッシュ・アウェイ 3セット
④バーベル・カール 4セット
⑤オルターニット・ダンベル・カール 4セット
⑥リスト・カール 4セット

《種目説明》
◎ナロウ・グリップ・ベンチ・プレス
  手幅を狭くして行なうベンチ・プレス。バーベルを2こぶし以内の間隔で持ち、上腕三頭筋に意識を集中して、プレス動作を行なう。手首を痛めるおそれがあるので、手首が痛まない間隔でシャフトを握ることが大切。

◎オルターニット・ダンベル・カール
  両手にダンベルを持ち、手のひらを内側に向けて、体側にまっすぐぶら下げて立つ。反動をつけないで右肘を曲げ、カールを行なったら、それをもとにもどしながら左手をカールする。ダンベルが上に来た時には、手のひらは上から外に向くように、ひねりながら挙上する。つまり小指側が上に来るようにする。左右1回ずつもち上げて1回と数える。

広背筋のバルク・アップと僧帽筋をより発達させたいが

Q 拝啓、私は41歳の男性。ウェイト・トレーニングを始めたのは大変遅く、36歳の時からです。思えば、35歳を過ぎた頃から何となく体力が落ちて行くような気がして、ジョギングを始め、これは現在も続けていますが、他にも何かスポーツをやろうと思っていた矢先、外国女性ビルダーの物凄い体を見て、女性がトレーニングをしてこんな体になれるのなら「よし、俺も!」と思い立って、早速バーベルを買ってトレーニングを始めた次第です。あと10年も早く始めていれば或いはコンテストにも出ようかと本格的にトレーニングに励んだかも知れません。しかし、今更コンテストに出る元気もありませんし、出られる体でもありません。そのため、健康と体力維持の為、これからも出来るだけトレーニングを続けたいと思っています。
 トレーニングを始めた当初は、軽いウェイトを用いて体全体を使うトレーニングを10~20種目くらい選んで、2年間続けました。その後、下記に示すトレーニング内容で現在に至っています。使用重量は徐々に増えてきましたが、トレーニング内容は殆んど変っていません。
 体重も、始めた頃と比べて、7kgも増加したのですが、腹囲の82cmというのが体のバランスを悪くしているように思われます。あと欲をいえば、僧帽筋の発達と、広背筋のバルクアップを願っています。そこで、下記に示す新種目を加えたいと思っていますので、種目の内容、順序を御指導下さい。また新しい種目を採用した場合、現在の種目について検討の余地があればアドバイスをお願いします。
 食事に関しては、1日1回、プロティンを牛乳に溶かして飲んでいます。
 最後に、腹筋運動を毎日行なった場合は、超回復の原理に反するように思いますが、どう解釈すれば良いのでしょうか。

《現在のトレーニング内容》
〔註〕トレーニングは週に2回ぐらい。現在、胸と腕に重点を置いている。

〔註〕トレーニングは週に2回ぐらい。現在、胸と腕に重点を置いている。

《新しく採用したいコース》
記事画像4
《現在の体位》
身長 172cm
手首囲 17cm
体重 69kg
腹囲 82cm
胸囲 102cm
大腿囲 56cm
上腕囲 39cm
下腿囲 40cm
前腕囲 32cm
足首囲 22cm
(東京都 植田洋志 41才)
A ボディビルは、各人の年齢や体力や性別、その他に合わせて行なえる素晴しいスポーツです。開始年齢が遅くても、努力次第で着実に成果が現れます。あなたのように、思い立ったらその気持ちを保ちながらトレーニングを続けることが一番大切です。
 さて、現在のトレーニング内容に関しては、種目の順序の問題と使用重量に問題があります。
 順序に関しては、例えば、腕を先にトレーニングしてしまうと、後で胸や背に充分刺激を与えることができません。なるべく胸や背中などの大筋群からトレーニングを行なって下さい。
 使用重量に関しては、プレス・ビハインド・ネックが32.5gなのに対し、スロー・カールも32.5kgというのは重すぎます。次にあげる種目でも重量が多いようですので、正しいフォームでやっと10回前後くり返せる重量にしてトレーニングを行なうようにして下さい。
 前記以外で使用重量に問題があると思われる種目はフレンチ・プレス、コンセントレイション・カール、ベント・アーム・ラタラル・レイズです。
 以上のことを考慮して、新しく採用したいコースの種目でスケジュールを作成すると次のようになります。また胸にも重点を置いているのでしたら、ベンチ・プレス等も加えて下さい。

《トレーニング・スケジュール例》
◆Aコース(月・木)
①ベンチ・プレス 3セット
②ベント・アーム・ラタラル・レイズ 3セット
③ディップス 3セット
④プレス・ビハインド・ネック 3セット
⑤サイド・レイズ 3セット
⑥シュラッグ 4セット
⑦フレンチ・プレス 4セット
⑧シット・アップ 3セット

◆Bコース(火・金)
①チン・ビハインド・ネック 3セット
②ベント・オーバー・ローイング 3セット
③ベント・アーム・プルオーバー 3セット
④スロー・カール 4セット
⑤スクワット 4セット
⑥カーフ・レイズ 3セット
⑦レッグ・レイズ 3セット
⑧サイド・ベンド 3セット

 腹囲を細くしたいのであれば、サイド・ベンドは、あなたが示された重量よりもっと軽くして、高回数で行なった方が効果的です。
 腹筋運動に関しては、もしも腹筋をバルク・アップさせたいのなら、やはり1日おきに、しかも1回のトレーニングでは負荷をかけ(プレートを持つなどして)オール・アウトする方法がよいでしょう。
 しかし、あなたの場合は特に、また多くの人も、ウエストを引きしめる目的で行うことが多いので、この場合は毎日トレーニングした方が効果的です(オーバー・ワークになるようなトレーニングを毎回行うのはよくありませんが)。ただし、トレーニングを毎日行なっても、摂取カロリーがそれ以上あれば、結果的に(ウエストの)シェイプ・アップはできません。
 また、一般的に、腹筋・前腕・カーフは、比較的日常でも使用する筋肉ですから、毎日トレーニングしても、オバー・ワークにはなりにくいのです(個人差はあります)。そして、これらの筋肉のトレーニングには、20回以上の高回数制が適しています。
 いずれにせよ、あなたの場合は、御自身でも思われているように、ウエストを細くする必要があるので、腹筋運動は毎回のトレーニングで高回数行うようにして下さい。では最後に新しい種目の説明をします。

◎ディップス
 平行棒。またはディッピング・バーの間で、体重を両腕で支えながら、肘を屈して体を深く上下動させる。大胸筋に効かせるには、胸を張って動作を行うようにする。〔写真参照〕
〔ディップス〕

〔ディップス〕

◎チン・ビハインド・ネック
 高鉄棒に両手の間隔を広くしてぶら下がる。両肘を曲げて体を引き上げ、鉄棒の前に大きく頭を出したら、ゆっくりともとの姿勢にもどる。〔写真参照〕
〔チン・ビハインド・ネック〕

〔チン・ビハインド・ネック〕

◎カーフ・レイズ 
スクワットの時のようにバーベルをかついで立つ。ひざをのばしたまま、ゆっくりとできるだけ高くかかとをもち上げて、つま先立ちになったら、ゆっくりともとの姿勢にもどる。両足の間隔は肩幅ぐらいとし、つま先の方向をセットごとに変えるとよい。◎サイド・ベンド 片手にダンベルをもって体側にぶら下げ、もう一方の手を後頭部にあてて立つ。上体をダンベルをもたない側に深く曲げたら、次はその反対側に深く上体を曲げる。これをゆっくりとくり返し、一定回数くり返したら、今度はダンベルを他方の手にもちかえて同一回数繰り返すこと。
月刊ボディビルディング1986年1月号

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