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☆第30回ミスター日本、第2回ミス日本ボディビルコンテスト回想録☆
匡宣の"ヤブニラミ総括"
〈その2〉選手寸評

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月刊ボディビルディング1985年1月号
掲載日:2020.10.15
日本ボディビル連盟副会長指導員審查委員会委員長 佐野匡宣

☆ミスター日本の部

1位・小山裕史〈鳥取〉

 1978年にミスター大阪4位となり、その年の第24回ミスター日本に初登場した。そして翌年第25回大会でクラスⅡ5位と初入賞。この大会でライバル石井が初登場、クラスⅡ2位、総合5位となったが、これが両者の初顔合せであった。その時の回顧録で私が、筋肉面では小山、バランス、姿勢、ポーズの面では石井と選手寸評で述べたのがつい昨日のように思い出される。
 その後、26回大会で石井2位、小山7位、27回大会では石井優勝、小山6位と石井に水をあけられていたが、1982年の選抜大会で遂に石井を抜き、その成長ぶりが注目された。しかし、その年のアジア大会では再び石井に逆転された。
 アジア大会のすぐ後の第28回大会で再び両者の対決が見られると思ったが、石井が不出場で、小山が初優勝をなし遂げた。
 昨年の第29回大会では小山がゲストポーザーに回って対決なく、石井が2回目の優勝。そして今年、石井不参加で小山が2回目の優勝。お互いに1年交代で全日本を制覇するという結果になっている。
 以上に記したように、ここ数年の小山の成長は著しく、予選、決勝を通じて全く危なげのない独走であった。年令的にもまだまだ成長が望めるので、より一段と大きくなってユニバース優勝を狙ってもらいたい。
 また来年の第31回大会では、石井、小山ともに絶好調で出場し、史上初の3回目の優勝をかけて名勝負を見せてもらいたいものである。好敵手あるところにお互いの進歩がある。アジアNo.1ではなく、2人とも世界の槍舞台を目指してほしい。
[小山裕史選手]

[小山裕史選手]

2位・小沼敏雄〈東京〉

 昨年はダークホースぶりを発揮し、石井には及ばなかったが、同じく2度目の優勝を狙う第26代チャンピオン朝生を押さえての2位進出は見事であった。それから1年、周囲の期待も大きかったが、成長やいかにと注目した第一番の選手である。
 昨年も指摘したが、スケールの大きい上体に比べて下半身が見劣りする。まだ若いのだから、ジックリと、もう一回りの全体的なバルク・アップと、下半身のより一段の鍛え込みを望みたい。それが達成できれば、筋量的にもバランス的にも石井、小山を凌ぐ大型選手になるだろう。初心に戻り、あせらずに頑張ってほしい。
[小沼敏雄選手]

[小沼敏雄選手]

3位・松原 博〈大阪〉

 一昨年の第28回大会で6位入賞、昨年は西日本、アポロを制覇して着実にその成長ぶりを示し、粟井、宮畑に対比しても身体的には勝るとも決して見劣りしない成果を上げながら、ポージングでの表現不足で連続6位にとどまったが、雌伏1年、表彰台の一角を占めた事は見事である。
 思えば、1974年、大阪4位で第20回大会に初参加。その後、1979年の第25回大会にはミスター大阪を制しての参加も、大阪2位の小山に抜かれ、つねに粟井、小山の陰にかくれた地味な存在であったが、10年目にして花が咲いたのは嬉しい。「兎と亀」の物語のように、亀であっても最後の勝利を得るように、初心に戻り、より一層の研究心をもって、たゆまない努力を続けてほしい。部分的には脚と胸をもっと鍛え込むことが課題であろう。
[松原 博選手]

[松原 博選手]

4位・野沢正臣〈大阪〉

 小山、粟井の転出した大阪においてニューパワー待望の願いが強いが、時を合わせたように一昨年、ミスター大阪を制して第28回大会に出場したが、この時はさして話題にならなかった。
 昨年、持味のバルクと迫力でようやく下馬評をにぎわかしたが、少しキレ味不足、物足りなさを感じさせたため7位にとどまった。
 7月のクラス別選抜大会では、ミスター日本に照準を当てた調整課程のためか、脂の乗りが目立ち期待外れで、良い素質を持ちながら誠に惜しいと思った。自信過剰に陥らず、精神面での涵養にも心をくだき、来季は旋風を巻き起こして欲しい。
[野沢正臣選手]

[野沢正臣選手]

5位・宮畑 豊〈東京〉

 連続出場記録を毎年塗り替え、ここ数年連続の上位入賞はまことに立派。昨年より今年の方が良かったが、上位4名と比べると少し見劣りがした。彼については、いままで種々記しているので、いまさら批評することもない。今後ますます精進し、さらに記録を更新してもらいたい気持で一杯である。
[宮畑 豊選手]

[宮畑 豊選手]

6位・粟井直樹〈岡山〉

 1976年第21回大会に初出場以来の常連選手。1978年、ミスター大阪優勝の勢いに乗って7位に初入賞。以来、79年クラスⅡ4位、80年総合5位、81年総合4位、82年、小山に抜かれたが総合3位と着実に成長をつづけ「今度は粟井の番」という人気も出たが、昨年は不調で5位にとどまった。今年こそ巻き返しの年と思っていたが、昨年よりかえって悪いくらいで、裏審査を見た段階では上位入賞を危ぶんでいた。
 7月のジャパン・ペア・コンテストでは優勝したが、身体的には岡本に完全に負けていたし、ミスター・アポロのゲスト・ポーザーでも良くなっているとは思わなかった。ペアも結構だが、彼自身の勝負にもっと全力投球して欲しい。
 今大会では、正面ポーズ以外はキレ味不足で、バランスは良いが全体的に迫力が感じられなかった。少しきつい言い方かも知れないが、入賞者のレベルが充実している中で、よくぞ6位にという感じであった。先行している人気に負けないよう頑張ってほしい。
[粟井直樹選手]

[粟井直樹選手]

7位・塚本猛義〈大阪〉

 1973年、ミスター大阪2位になり、その年の第19回大会に出場して7位に初入賞を果して以来、出場すれば必ず入賞するという常連選手で、1979年第25回大会4位が彼の最高成績である。翌第26回大会で6位に入ったが、それ以来はすべて7位で、どうしても今一歩のところで壁にブチ当っている。上体は良いが下半身が不充分。会う度に指摘しているが、その成果がいっこうに表われない。
 調整は短期決戦型で、1つの大会から次の大会への調整がいつも乱れて不発に終っている。ミスター関西、実業団青年の部の優勝は果したが、何故かアポロでは今一歩のところで優勝を逸している等、自分の過去の成績や状態をよく検討して巻き返して欲しい。
 キャリアの割には若くてまだ34歳。心機一転、下半身の鍛練に励めば、全身的な凄味が表現され、表彰台の一角を占めるのも夢ではない。
[塚本猛義選手]

[塚本猛義選手]

8位・押方兼二〈兵庫〉

 1979年第20回大会に、ミスター兵庫優勝で挑戦したのが初参加ではなかっただろうか。1981年、ミスター関西優勝の勢いでの挑戦も部分賞戦で活躍はしたが、今一歩のところで入賞を逸したのが印象に残っている。次いで第28回、29回大会では連続7位に入ったが、部分的に見た時にはバルクもカットもあり良いところを持っているが、表現力が上半身に片寄り、全体的のマキシマム表現が弱く、損をしている。
 今回も上体には凄味を感じさせるものを持ちながら、表現バランスが悪く特にフリー・ポーズで下半身を弱くしか表現できなかったのが惜しまれる。思いきって今一段の絞り込みに徹してイメージ・チェンジが出来たら、全身的に迫力が倍加されよう。バルク面では文句ないのだから、この点に注意、研究して欲しい。
[押方兼二選手]

[押方兼二選手]

9位・井口吉美智〈東京〉

 今年のクラス別選抜大会で宮畑の調整不充分の隙をついて2位。またミスター東京優勝の勢いに乗り、端正なプロポーションとカットの良さを以っての登場であったが、端正さが少し細身に見え、特に上半身とバックに弱さを感じさせた。脚のカットは充分表現していた。
 第21代チャンピオン榎本のアポロ制覇時を回想させてくれたが、彼ほどの迫力はなかった。いま一回りのバルク・アップと、全体を通じてのマキシマム表現が出来れば上位入賞も可能であろう。今後の健闘、研鑽を望む。
[井口吉美智選手]

[井口吉美智選手]

10位・菊池正幸〈宮城〉

 1974年第20回大会にミスター宮城で参加していたのを思い出す。当時、弱冠20歳の若武者。将来、東北地区を代表するビルダーに育ってくれることを願っていた。
 その後、当協会外での活躍に移ったが、昨年、選抜大会、ミスター日本に出場。バランスのとれたバルクと、セパレートにはいい物を持っているが、クラス別ではともかく、オーバーオールではいまひとつ力不足を感じた。
 今大会は一段とキレ味を見せての登場、念願の入賞を果した。さらに細部のディフィニションが出れば上位入賞も狙えるだろう。今後、鍛錬の目標設定には良い刺激となった入賞であると同時に、クラス別とは違った壁の厚さを感じたことであろう。
[菊池正幸選手]

[菊池正幸選手]

11位・川上昭雄〈東京〉

 1981年第27回大会に初出場。クラスⅠで惜しくも1票差で入賞を逸したが小型、軽量ながら、非常にバランスが良く、癖のない素直なポーズを見せてくれたのが印象に残っている。翌第28回大会はミスター東京という堂々たる出場で見事7位入賞を果した。
 昨年の第29回大会では、ミスター東日本優勝、そして大会1週間前のアジア選手権でバンダム級優勝を獲得しての出場であったが、旅疲れのためか、意識過剰のためか全体的に精彩がなくまたキレ味が表現出来ず7位にとどまった。
 昨年の回顧録で、オーバーオールではやはりもう一回りの成長が必要と評したが、まだその途上のようで目立った進歩は見られなかったが、本大会ではよく健闘、厚い壁を突破して入賞を果した。気分的にあせることなく今一段のバルク・アップに努められたい。本年の選抜大会で闘った金城のバルクとキレを思い出して頑張ってほしい。バランス、ポーズの素直さにおいては彼を凌いでいるのだから、それが上位進出の鍵である。

12位・臼井オサム〈東京〉

 これまでクラス別ヘビー級という我が国では無風地帯で一人相撲をとっていたが、今年の選抜大会では思いきって絞り込み、1クラス下げての意欲的な出場であった。小山に破れたとはいえ、バランスの良さ、キレの良さでは小山を上回っていると感じた。
 小山より5cmほど高い178cmという身長のため、バルク的に細く感じられるのは致し方ないが、要は身長に比してバルクが足りないということである。脂のない本当のバルク・アップに成功すれば、さらに逞しさが加わり、文句なしに旋風を巻き起こすであろう。
 しかし今回は、選抜大会ほどの良さがなく、絞り疲れとでもいうのか、絞っている割にキレ味不足で、ポーズも素直で美しいが迫力不足であった。それが、入賞はしたが12位評価となった原因であろう。恵まれた素質を生かして飛躍して欲しい。

 以上が入賞した選手に対する寸評であるが、惜しくも入賞は逸したが、その他にも入賞者と優劣をつけがたい選手が何人か目についたので簡単にふれておきたい。

岡本正信〈神奈川〉

 1976年第22回大会に、ミスター神奈川優勝の波に乗って初出場のベテラン選手である。地味ではあるが、コツコツと努力を積み重ね、本年は彼最高の仕上りであった。ポージングでもう少し脚への気くばりがあれば決勝進出を果していたと思う。
 全体的なバルク、セパレーション、カットといった諸条件を粟井と対比しても、勝るとも劣らない仕上りを持っていた。押方、粟井、塚本等のファイトむき出しの気迫が、彼の地味な雰囲気よりも評価されたのだろうか。
 地味ではあっても「いぶし銀には、いぶし銀の味がある」ものだ。いまひとまわりの鍛え込み、特に脚のキレ味を出すようにして捲士重来を期して頑張って欲しい。

比嘉盛達〈沖縄〉

 第28、29大会では共に7位入賞を果しているが、全体的にもう一回りバルク・アップして鍛え込めば、さらに上位に食い込めると感じていた。しかし今回の状態は昨年とほぼ同じで、ほとんど進歩のあとは見られず、入賞ギリギリのBチェックを私はつけたが、今ひとつ物足りなく思った。一段の逞しさをつけるよう努力を望みたい。

白坂義夫〈神奈川〉

 1977年第23回大会に弱冠21歳、ミスター神奈川3位で初登場。見事なプロポーションで将来楽しみなホープと期待したが、進歩の歩調が遅く、何となく歯がゆく感じていたが、ようやく本年のアポロでは塚本、押方、菊池を押えて優勝。(私の評価では塚本1位、以下、押方、菊池、白坂の順位)これに気をよくしてミスター日本ではさらに調子を上げてくるのではないかと期待していた。
 私は裏審査を見て入賞ギリギリのⒷチェックをしたが、比嘉と同様、少し弱いのではないかとの感が当り、入賞出来なかったが、良い素質を持っており、まだ27歳と若いのだから、心機一転大いに頑張ってほしい。

 その他まだ高西、北村、新井門脇、森本、阿部、大竹、山崎等の選手についても記したいが、誌面の都合上、ミスターの部はこれで筆を置く。

☆ミス日本の部

 昨年の第1回ミス日本では、審査基準をめぐって物議をかもしたが、選抜大会と同様に今大会も「昨年と比べてガラリとイメージ・チェンジ」したものとなった。裏審査を見て感じたことは、基本のポーズの比較審査では、同一ポーズの徹底を期して欲しかった。これを徹底すれば、より審査が楽になり見ていても整然として美くなる筈だ。

1位・北沢磨佐美〈大阪〉

 昨年は抜群の素質を持ちながら、少し脂の乗った感じで7位にとどまったが、今回はかなり絞り込み、第1ラウンドの基本ポーズで1つ1つをていねいに演じ、少しも違和感のないマッスル表現と不自然さのないリラックスした姿勢、動作がよかった。
 ポージングは、昨年の大会や今年の選抜大会の方が、派手さはないが女性らしい美しいプロポーションを残しながら上手に表現していてよかった。今回は少し変な強調がいくつか目についた。それさえなかったら、私は文句なしにベスト・ポーザー賞を贈りたい。
[北沢磨佐美選手]

[北沢磨佐美選手]

2位・大垣純子〈栃木〉

 昨年の大会で、もし私が審査員であったなら、筋肉面を主体とした場合、文句なしに1位票を投じたであろう。
 今年の選抜大会も今大会も、共に昨年のような変なアクションやリキみがなく、引き締った無駄のない鍛え込みを充分に見せてくれた。
 北沢と対比して、筋肉の量をとるかキレ味をとるかによって評価が分かれるが、鍛え込みという点で私は大垣をとる。基本ポーズの比較審査で少し堅さを感じたが、それが影響したのかもしれない。
[大垣純子選手]

[大垣純子選手]

3位・中尾和子〈京都〉

 昨年より今年の方が僅かだが筋量がアップしていて、身体的条件は良かったと思う。昨年は無理に筋肉を誇示しようと片肘はり、骨ばった感じがして、優勝と発表されたとき、私の聞き違いではないかと一瞬、疑ったのを覚えている。つまり昨年は、鍛え込みの良さではなく、鍛え込みのマイナス面が出たように感じた。
 今大会では、姿勢における変なクセも昨年ほど目立たず、ポーズも落ち着いていて良くなっていた。選抜大会で会った時、調整不足だと本人が言っていたが、私はそうは思わなかった。いくら絞り込んでもマイナス面を出すようでは失敗である。飯島と対比して、どちらが上位になっても、なるほどと納得できるのではないだろうか。
[中尾和子選手]

[中尾和子選手]

4位・飯島ゆりえ〈東京〉

 昨年の大会では彼女に対する評価が低すぎたのではないかと物議をかもした焦点の一人であったが、審査基準もはっきり徹底していなかったし、またその時の出来、不出来によっても評価が微妙に異なってくることもある。あれほどハードにトレーニングしたのにどうしてこういう評価を下されたのかと惜しがることよりも、何故負けたのか、どこが不充分だったのか等の反省が肝要で、それにより進歩や飛躍が生まれてくる。
 昨年は意識過剰で固くなっていたのではないかと思う。それがため、自然体姿勢でも変に身体がゆがんで見え、ポージングも今ひとつ冴えず、良さを充分に発揮していなかった。それに比べて今回は伸び伸びとポージングをしており、姿勢もよかった。今ひとつキレ味があれば北沢、大垣と三つ巴の好勝負であっただろう。私は3位確実と見たが・・・・・。
[飯島ゆりえ選手]

[飯島ゆりえ選手]

5位・須藤ゆき〈東京〉

 以前からミス健康美より、ミス・ボディビルに切り替えた方がよいのではないかと思っていた。昨年はポーズ運びはうまかったが、マッスル表現が不充分であった。
 今年も健康美とボディ・コンテストの両方を狙ったためか、少し中途半端であった。幸い今年のミス実業団健康美で優勝したので、今後は目標をマッスルに絞って鍛え込んで欲しい。姿勢や体のバランス、ポージングでは中尾を上まわるが、マッスル面では劣る。私は中尾と4~5位を争うと見ていたのだが。
[須藤ゆき選手]

[須藤ゆき選手]

6位・島田成子〈東京〉

 今の状態にさらに磨きをかけて健康美を狙うか、今一回りのバルク・アップをはかってミス日本を狙うかがこれからの課題であろう。少し細身に見えるがバランスの良い体型をしている。ポージングで少し腰をつき出し、反り身がちになるのはいただけない。もう少し表現力をつけて欲しい。どのように成長するか楽しみである。

7位・中村美也〈京都〉

 基本ポーズの比較審査での第1、第2ポーズはよくマッスルを表現していたのが印象に残る。フリー・ポーズは昨年より見やすかったが、少し気取り気味なのが気になった。神田と比較して脚の表現ではよかったが、上体の表現では少し弱かった。私は6位・島田、7位・神田、8位・中村という順位を予想していた。

8位・粟井幸子〈岡山〉

 脚の仕上りはよかったが、その他は不充分。ペアで売り込んだ知名度で得をしている感じ。それに舞台度胸満点の演技が受けたのかも知れない。

9位・神田美栄子〈福岡〉

 基本のポーズの比較審査では、側面ポーズはクセがなく、非常によくマッスル表現していた。しかし、正面、背面になると少し体をひねりすぎて損。素直にポーズをしていたらもっと迫力が出たのではないか。よい脚を持ちながら表現不足、上体に必要以上のリキみが出てかえってマイナス結果をまねいていた。派手さはないが、よくまとまっており、もう少し上位に入るのではないかと思っていた。

 その他、10位・長森、11位・植村、12位・片桐と、中田、岡本、遠藤、斎藤らを対比してみたいと思ったが誌面の関係で割愛する。とくに岡本は、派手さはないが全身的によく仕上っており、私は決勝に残ると思っていたが、残念であった。
(文中、敬称を略させていただきました。ご了承ください。)
月刊ボディビルディング1985年1月号

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