第1回アジア女子ボディビル選手権
フラッシュ・レポート
第1回アジア女子ボディビル選手権。左から飯島ゆりえ(日本、2位)、エリカ・ジェイソン(オーストラリヤ、1位)、サルビア・モリス(シンガポール、3位)。選手の間にいるのはポール・チュア氏(シンガポール連盟会長)と同夫人(女子コミティー委員長)
全座席500は、すでに前売りの段階で全部売れ、プレミアムを出して買った人もいたという。真面目で、且つ熱のこもった声援が場内の気分を盛りあげた。
国名を書いたプラカードを先頭に、各国チームの入場から始まり、主催者のあいさつ、ジャッジの紹介があって、いよいよジャッジングの開始である。今回は選手の数が少ないので、プレ・ジャッジングは行なわず、当日の本ステージで、すべての審査が行なわれた。
審査は完全なIFBB方式で、第1ラウンドの自然体、第2ラウンドのコンパルソリー・ポーズ、第3ラウンドのフリー・ポージング、第4ラウンドのポーズ・ダウンまでが、終始、観衆の注視の中で進行した。
審査員(ジャッジ)紹介。左からマレーシア、シンガポール、台湾、日本、オーストラリヤ
各国選手チーム入場式。左からオーストラリヤ、台湾、日本、韓国、シンガポール
審査第2ラウンド(規定ポーズによる審査)。エリカ・ジェイソン(オーストラリヤ)と田村美和子(日本)の比較審査
台湾のスー・リーダンは、去年、東京で行なわれたアジア選手権の時に来た人で、端正で気品があり、余計な無駄な動きのないポージングはすっきりしていた。もう1人の台湾の選手は新人で、まだトレーニングの日の浅いことがわかった。
さて、日本からの2名は、飯島ゆりえと田村美和子で、この2人はあらゆる面で対照的であった。飯島ゆりえは筋肉の発達を誇り、田村美和子は美しい均整で観衆の心をとらえた。
韓国の選手は、まだボディビルダーとはいいがたい体で、皮下脂肪をたっぷりと貯えていた。
審査第1ラウンド(自然体による審査)。左から台湾、台湾、飯島ゆりえ(日本)、田村美和子(日本)
審査第4ラウンド(ポーズ・ダウン)。エリカ・ジェイソン(オーストラリヤ)とサルビア・モリス(シンガポール)との戦い
審査第4ラウンド(ポーズ・ダウン)。エリカ・ジェイソン(オーストラリヤ)勇猛果敢に他の選手に挑戦
第3ラウンドが終った時点では、オーストラリヤのエリカと日本の飯島、それにシンガポールのサルビアが他を押さえていた。
最も観衆をよろこばせたのが、第4ラウンドのポーズ・ダウンであった。エリカのファイトは凄く、先ず飯島のとなりへいって戦いを挑み、次いでサルビアの横に並んで戦いを挑んだ。応戦者と挑戦者の間に火花が飛び、観衆もまた熱狂した。結果は次のとおりである。
飯島ゆりえ(日本)2位に入賞し、オードリー・チュア夫人(シンガポール女子コミティー委員長)からトロフィーを受ける
シンガポールの新進女子ボディビルダー、ジョセフィーヌ・チュア(16才、ポール・チュア会長の愛嬢)
アジア女子ボディビル選手権と同開催された第2回シンガポール女子ボディビル選手権大会。表彰台上左からテリー・ヌーア(2位)、サルビア・モリス(1位)、マリー・ソマレイ(3位)
2位=飯島ゆりえ(日本)
3位=サルビア・モリス(シンガポール)
★★★★★★
なお、前日、プレ・ジャッジングの終っていた第2回シンガポール女子選手権の決勝も行なわれ、1位がサルビア・モリス、2位がテリー・ヌーア、3位がマリー・ソコレイであった。
このシンガポール女子選手権に、可愛いい美しい花を添えたのが、16才の新進ボディビルダー、ジョセフィーヌ・チュアであった。その名のとおり、彼女は、会長ポール・チュア氏が鐘愛措く能わざる愛娘で、1975年、シンガポールでのアジア選手権のとき見た8才の可愛い女の子が、今回は美事に成長してボディビルダーとして花開いていたのには実に驚いた。大成を祈る。
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