なんでもQ&Aお答えします 1982年3月号
月刊ボディビルディング1982年3月号
掲載日:2020.08.28
一生懸命トレーニングしたのに,全く効果が得られないのはどうしてか?
Q ボディビルを始めたのは8ヵ月ほど前です。以来,少しくらい体調が悪くても,怠ることなくきちんとトレーニングを続けてきました。しかし,一生懸命やった割には効果がまったく得られませんでした。それどころか,最近では,むしろ体位も体力も落ちた感じさえします。
5ヵ月ほど前から下記のスケジュールでトレーニングしていますが,効果が得られないのはトレーニングのやり方に問題があるからでしょうか。アドバイスをお願いします。
<トレーニング・スケジュール≫
(木曜・金曜を除く週5日)
①ハ-フ・スクワット 35kg 8~10回×4セット
②フル・スクワット 35kg 8~10回×4セッI・
③スタンディング・プレス 25kg 6~8回×4セット
④スタンディング・ロー 25kg 6~8回×4セット
⑤ベンチ・プレス 35kg 6~8回×5セット
⑥ダンベル・ベンチ・プレス 12.5kg 6~8回×4セット
⑦ベンド・オーバー・ローイング 30kg 6~8回×4セット
⑧ストラドル。バーベル・ローイング 25kg 6~8回×4セット
⑨ツー・ノヽンズ・カール 17.5kg 6~8回×4セット
⑩トライセプス・プレス・ライイング 15kg 6~8回×4セット
⑩シット・アップ 10~12回×4セット
aレッグ・レイズ 6~8回×4セッ。卜
〔註〕トレーニング後の疲労感は強。とくに週未が近づくにっれて疲れがひどくなる。
≪体位の経過≫
開始時 5ヵ月前 現在
身 長 161cm 16lcm 161cm
体 重 52kg 53.5kg 51.5kg
胸 囲 87cm 9Ocm 87cm
上腕囲 28cm 29.5cm 27.5cm
腹 囲 68cm 69cm 67cm
大腿囲 47cm 49cm 47cm
(群馬県 大迫秀男 学生 20歳)
5ヵ月ほど前から下記のスケジュールでトレーニングしていますが,効果が得られないのはトレーニングのやり方に問題があるからでしょうか。アドバイスをお願いします。
<トレーニング・スケジュール≫
(木曜・金曜を除く週5日)
①ハ-フ・スクワット 35kg 8~10回×4セット
②フル・スクワット 35kg 8~10回×4セッI・
③スタンディング・プレス 25kg 6~8回×4セット
④スタンディング・ロー 25kg 6~8回×4セット
⑤ベンチ・プレス 35kg 6~8回×5セット
⑥ダンベル・ベンチ・プレス 12.5kg 6~8回×4セット
⑦ベンド・オーバー・ローイング 30kg 6~8回×4セット
⑧ストラドル。バーベル・ローイング 25kg 6~8回×4セット
⑨ツー・ノヽンズ・カール 17.5kg 6~8回×4セット
⑩トライセプス・プレス・ライイング 15kg 6~8回×4セット
⑩シット・アップ 10~12回×4セット
aレッグ・レイズ 6~8回×4セッ。卜
〔註〕トレーニング後の疲労感は強。とくに週未が近づくにっれて疲れがひどくなる。
≪体位の経過≫
開始時 5ヵ月前 現在
身 長 161cm 16lcm 161cm
体 重 52kg 53.5kg 51.5kg
胸 囲 87cm 9Ocm 87cm
上腕囲 28cm 29.5cm 27.5cm
腹 囲 68cm 69cm 67cm
大腿囲 47cm 49cm 47cm
(群馬県 大迫秀男 学生 20歳)
A 身体に病気がないかぎり,効果が減退したのは,やはり、トレーニングのやり方に問題があったからだと考えられます。したがって,体力を回復し,少しでも効果が得られるようにするためには,速やに問題点を究明し,それを正すことが必要です。ではまず,問題点を列挙してみましょう。
①トレーニング量が多すぎる
(イ)採用種目が多すぎる
(ロ)向セット数が多すぎる
②運動種目によっては使用重量に無理がある。
③休養が足りない。
以上の3点が問題点として考えられます。①から順に,もう少し詳しく述べることにします。
①トレーニング量が多すぎる
あなたは現在,1つの部位について2種目ずつ述動を行なっておられます。しかし,これは,現段階のあなたには多すぎるといえます。
体位および筋力の面から考えるとあなたはまだまだ初歩の段階にあるといえるので,採用種目がv少なすぎるということはありませんか。
したがってこの際,採用種目の数を半分に減らすのがよいでしょう。また,1種目当りのセット数も,今のところ3セットも行えば十分と考えられるので,これも減らすのがよいでしょう。
詳しい説明は省略しますが,ボディビルというものは,運動をたくさん行えばよいといったものではありません。とくに初心者の段階では,自分だけの判断でトレーニングを行うようなことは慎み,基本を忠実に行うようにしてください。
②使用重量に無理がある
無理な重量を用いて運動を行うとフォームがくずれ,肝心な部分に刺激が的確に与えられなくなるので,疲れる割には効果が得られなくなります。したがって,運動で使用する重量に,動作が正しいフォームで行えるか否を考慮して定めるようにしなければなりません。あなたもこの点をよく自覚し,まず,各種日の運動フォームについて検討を加え,その上で適切な使用重量を定めるようにされるのがよいと思います。
③休養が足りない
あなたは現在,週に5日トレーニングを行なっておられますが,これは明らかに多すぎるといえます。
筋肉というものは,運動によって刺激を与えさえすれば,それだけで大きくなるといったものではありません。運動によっていくら刺激を与えても,休養が不十分では大きくなりません。普通,筋肉が発達して大きくなっていくには,トレーニング日とトレーニング日の間に少なくとも1日の休養が必要だと考えられています。したがって,あなたも,この点を考慮し,隔日的,週3日の頻度でトレーニングを行うように改められるのがよいでしょう。
では最後に,一応,参考としてトレーニング・スケジュール例を記述しておくことにします。
≪トレーニング・スケジュール例≫
(隔日的,週3日。残りの1日は休養に当てる)
①シット・アップ 3セット
②スクワット(フル・スクワット) 3セット
③ベンチ・プレス 3セット
④ベンド・オーバー・ローイング 3セット
⑤スタンディング・プレチ 3セット
⑥ツー・ハンズ,カール 3セット
〔註〕あなたの場合すでに,からだに疲労が十分たまっているものと考えらるで,その疲労が完全に抜けるまでしばらくの間トレーニングを休むのがよいと思います。そして,しかる後に,新たな気持でトレーニングを再開されるのかよいでしょう。疲労がたまった状態でトレーニングを継続しても効果が得られないので,ぜひともそのようにしてください。
また体調が悪いときは,トレーニングを休むといった心のゆとりを持つことも必要でしょう。
①トレーニング量が多すぎる
(イ)採用種目が多すぎる
(ロ)向セット数が多すぎる
②運動種目によっては使用重量に無理がある。
③休養が足りない。
以上の3点が問題点として考えられます。①から順に,もう少し詳しく述べることにします。
①トレーニング量が多すぎる
あなたは現在,1つの部位について2種目ずつ述動を行なっておられます。しかし,これは,現段階のあなたには多すぎるといえます。
体位および筋力の面から考えるとあなたはまだまだ初歩の段階にあるといえるので,採用種目がv少なすぎるということはありませんか。
したがってこの際,採用種目の数を半分に減らすのがよいでしょう。また,1種目当りのセット数も,今のところ3セットも行えば十分と考えられるので,これも減らすのがよいでしょう。
詳しい説明は省略しますが,ボディビルというものは,運動をたくさん行えばよいといったものではありません。とくに初心者の段階では,自分だけの判断でトレーニングを行うようなことは慎み,基本を忠実に行うようにしてください。
②使用重量に無理がある
無理な重量を用いて運動を行うとフォームがくずれ,肝心な部分に刺激が的確に与えられなくなるので,疲れる割には効果が得られなくなります。したがって,運動で使用する重量に,動作が正しいフォームで行えるか否を考慮して定めるようにしなければなりません。あなたもこの点をよく自覚し,まず,各種日の運動フォームについて検討を加え,その上で適切な使用重量を定めるようにされるのがよいと思います。
③休養が足りない
あなたは現在,週に5日トレーニングを行なっておられますが,これは明らかに多すぎるといえます。
筋肉というものは,運動によって刺激を与えさえすれば,それだけで大きくなるといったものではありません。運動によっていくら刺激を与えても,休養が不十分では大きくなりません。普通,筋肉が発達して大きくなっていくには,トレーニング日とトレーニング日の間に少なくとも1日の休養が必要だと考えられています。したがって,あなたも,この点を考慮し,隔日的,週3日の頻度でトレーニングを行うように改められるのがよいでしょう。
では最後に,一応,参考としてトレーニング・スケジュール例を記述しておくことにします。
≪トレーニング・スケジュール例≫
(隔日的,週3日。残りの1日は休養に当てる)
①シット・アップ 3セット
②スクワット(フル・スクワット) 3セット
③ベンチ・プレス 3セット
④ベンド・オーバー・ローイング 3セット
⑤スタンディング・プレチ 3セット
⑥ツー・ハンズ,カール 3セット
〔註〕あなたの場合すでに,からだに疲労が十分たまっているものと考えらるで,その疲労が完全に抜けるまでしばらくの間トレーニングを休むのがよいと思います。そして,しかる後に,新たな気持でトレーニングを再開されるのかよいでしょう。疲労がたまった状態でトレーニングを継続しても効果が得られないので,ぜひともそのようにしてください。
また体調が悪いときは,トレーニングを休むといった心のゆとりを持つことも必要でしょう。
中・高年令者のボディビルディング
Q 私は今年45歳になったサラリ-マンです。仕事は主としてデスクワークでナ。ボディビルは,どちらかといえば若い人向きな運動だと思いますが,40代の私がやっても期待できるものでしょうか。次のことがらについてご意見をお聞かせください。なお現在の体位は,身長168cm,体重66kg,胸囲93cm,腹囲9lcmです。
①年令的にいって,ボディビルが健康法として適するか。
②全身にぜい肉がかなり付いていますが,運動によって体形をある程度整えることができるか。
③日常生活,および野球などのスポーツにおけるパワーを増すことかできるか。
④初めはどのようなスケジュールでトレーニングすればよいか。
(岩手県 斎藤伸一 会社員 45歳)
①年令的にいって,ボディビルが健康法として適するか。
②全身にぜい肉がかなり付いていますが,運動によって体形をある程度整えることができるか。
③日常生活,および野球などのスポーツにおけるパワーを増すことかできるか。
④初めはどのようなスケジュールでトレーニングすればよいか。
(岩手県 斎藤伸一 会社員 45歳)
A いわゆる中,高年令者といわれる人たちが,健康管理とか運動不足解消という意味でボディビルを行なう場合,まず第一に注意しなければならないことは,決して効果をあせらないことです。では,①の質問から順にお答えします。
①ボディビルと年令ボディビルに限らず,どんな運動でも,健康法として行う場合には,無理をしないで,ほどほどに行うことが大切です。したがって,ボディビルが健康法として中年の人たちに適するかどうかも,そのやり方いかんにあると思います。
ボディビルの運動は,主としてウエイトを用いて行う運動なので,その点に関して,筋力の衰えた中年の人は不安を感じるかも知れません。しかし,運動で使用する重量さえ欲ばらなければ心配することはないと思います。ただし,腰や関節などに失患がある場合はそのかぎりではありません。
ボディビルのような運動の場合,その運動としての適・不適は,ウェイトを使うという点にあるのではなく,使用する重量の重さいかんによります。したがって,そのことを十分に自覚して運動を行うようにすれば,中年だからといって,ことさらウェイトを恐れることはないと思います。
②ボディビルでぜい肉をとり,体形を整えられるか
ボディビルは,姿勢をよくするとか,または,筋肉の発達によってからだの張りを良くするという面ではかなり効果を期待できまナ。しかしからだのぜい肉を落すということになると,はっきり効果があるとはいいきれません。ことに中年以上の人の場合には,体力的にいって,トレーニングの量そのものが,若い人たちのそれよりもかなり少なくなると考えられるので,なおさらそのようなことがいえると思います。
したがって,からだのぜい肉を落として体形をスッキリさせたいという場合には,ボディビルと並行してジョギングを行うとか,または,食事の面で摂取カロリーに多少制限を与えるといったことも場合によっては必要になるかと思います。
③ボディビルは他のスポーツのパワーを増すことができるか
45歳という年令ならば,これからボディビルを始めても,筋力的な向上をまだまだ期待できます。したがって,筋力の向上に付随して,当然他のいろいろなスポーツにおけるパワーの増加も期待できます。
④開始当初のトレーニング・スケジュール
軽い負荷を用いて,ごく初歩的なスケジュールでトレーニングを始めるのがよいでしょう。
≪トレーニング・スケジュール例≫
1~2日おき週3日,もしくは,2~3日おき週2日行う。
①シットアップ 任意の回数×1セット
②スクワット 10回×1セット
③ペンチ・プレス 10回×1セット
④スタンディング・プレス 8回×1セット
⑤ベンド・オーバー・ローイング 10回×1セット
〔註〕いずれの種目も力を出しきることのない範囲で運動を終了させるようにするのがよい。そのような意味でそれぞれの種目の使用重量は,所定の回数を正しいフォームで2~3回くらいの余力を残して行うことができるものを用いるようにするのがよい。ただし,初期において,ボディビルにからだが馴れてくるまでは,さらにその上に余力をもたせて運動を行うようにするのが安全であるといえる。
なお,上記のスケジュールで体力的な負担を感じなくなったら,体力的に無理のない範囲で,1種目ずつ漸増的にセット数を増やしていくようにし,最終的に各種目とも2セットずつ行うようにするとよい。
①ボディビルと年令ボディビルに限らず,どんな運動でも,健康法として行う場合には,無理をしないで,ほどほどに行うことが大切です。したがって,ボディビルが健康法として中年の人たちに適するかどうかも,そのやり方いかんにあると思います。
ボディビルの運動は,主としてウエイトを用いて行う運動なので,その点に関して,筋力の衰えた中年の人は不安を感じるかも知れません。しかし,運動で使用する重量さえ欲ばらなければ心配することはないと思います。ただし,腰や関節などに失患がある場合はそのかぎりではありません。
ボディビルのような運動の場合,その運動としての適・不適は,ウェイトを使うという点にあるのではなく,使用する重量の重さいかんによります。したがって,そのことを十分に自覚して運動を行うようにすれば,中年だからといって,ことさらウェイトを恐れることはないと思います。
②ボディビルでぜい肉をとり,体形を整えられるか
ボディビルは,姿勢をよくするとか,または,筋肉の発達によってからだの張りを良くするという面ではかなり効果を期待できまナ。しかしからだのぜい肉を落すということになると,はっきり効果があるとはいいきれません。ことに中年以上の人の場合には,体力的にいって,トレーニングの量そのものが,若い人たちのそれよりもかなり少なくなると考えられるので,なおさらそのようなことがいえると思います。
したがって,からだのぜい肉を落として体形をスッキリさせたいという場合には,ボディビルと並行してジョギングを行うとか,または,食事の面で摂取カロリーに多少制限を与えるといったことも場合によっては必要になるかと思います。
③ボディビルは他のスポーツのパワーを増すことができるか
45歳という年令ならば,これからボディビルを始めても,筋力的な向上をまだまだ期待できます。したがって,筋力の向上に付随して,当然他のいろいろなスポーツにおけるパワーの増加も期待できます。
④開始当初のトレーニング・スケジュール
軽い負荷を用いて,ごく初歩的なスケジュールでトレーニングを始めるのがよいでしょう。
≪トレーニング・スケジュール例≫
1~2日おき週3日,もしくは,2~3日おき週2日行う。
①シットアップ 任意の回数×1セット
②スクワット 10回×1セット
③ペンチ・プレス 10回×1セット
④スタンディング・プレス 8回×1セット
⑤ベンド・オーバー・ローイング 10回×1セット
〔註〕いずれの種目も力を出しきることのない範囲で運動を終了させるようにするのがよい。そのような意味でそれぞれの種目の使用重量は,所定の回数を正しいフォームで2~3回くらいの余力を残して行うことができるものを用いるようにするのがよい。ただし,初期において,ボディビルにからだが馴れてくるまでは,さらにその上に余力をもたせて運動を行うようにするのが安全であるといえる。
なお,上記のスケジュールで体力的な負担を感じなくなったら,体力的に無理のない範囲で,1種目ずつ漸増的にセット数を増やしていくようにし,最終的に各種目とも2セットずつ行うようにするとよい。
広背筋を発達させるための運動種目とトレーニング・スケジュール
Q ボディビル歴は3年,26歳のサラリーマンです。現在,勤め先の体育館でトレーニングしています。質問の前に,現在実施しているトレーニング・スケジュールと体位を記しておきます。
≪トレーニング・スケジュール≫
隔日的,週3回実施。トレーニング後の疲労感はかなり強。
①シット・アップ(約30度の傾斜) 15~12回×4セット
②レッグ・レイズ(約45度の傾斜) 12~10回×3セット
③スクワット 12~10回×4セット
④ベンチ・プレス 8~6回×5セット
⑤インクライン・プレス 8~6回×3セット
⑥ディップ 8~6回×3セット
⑦フロント・プレス 8~6回×3セット
⑧プレス・ピハインド・ザ・ネック 8~6回×3セット
⑨ベンド・オーバー・ローイング 10~8回×3セット
⑩チンニング・ビハインド・ネック 10~7回×3セット
⑪トライセプス・プレス 10~8回×3セット
⑫クロスオーバー・トライセプス・イクステンション 10~8回×3セット
⑬ツー・ノヽンズ・カール 10~8回×3セット
⑭ダンベル・コンセントレーション・カール 10~8回×3セット
⑮ダンベル・リスト・カール 10~8回×3セット
≪体位≫
身長 173cm
体重 70kg
胸囲(拡張時) 107cm
上腕囲(緊張時) 38cm
前腕 30cm
腹囲(収縮時) 71cm
腰囲 93cm
太腿囲 58cm
下腿囲 37cm
ところで私の上半身は,胸・肩・腕等の発達はまあまあよいのですが,背がよくありません。そのようなわけで私はこれから当分の間,広背筋を特別に鍛練していこうかと考えています。
そこでお伺いします。
広背筋のために,4~5種類の運動を行いたいと考えているのですが,どのような運動を採用したらよいでしょうか。運動のやり方も含めてご指導ください。
なお,現在のスケジュールでも体力的にかなり負担でなので,今後は分割法を採用してトレーニングしたいと考えていまず。おそれいりますが,参考までに分割法によるトレーニング・スケジュール例を作っていただきたいと思います。
(宮城県 高橋敬二 会社員 26歳)
≪トレーニング・スケジュール≫
隔日的,週3回実施。トレーニング後の疲労感はかなり強。
①シット・アップ(約30度の傾斜) 15~12回×4セット
②レッグ・レイズ(約45度の傾斜) 12~10回×3セット
③スクワット 12~10回×4セット
④ベンチ・プレス 8~6回×5セット
⑤インクライン・プレス 8~6回×3セット
⑥ディップ 8~6回×3セット
⑦フロント・プレス 8~6回×3セット
⑧プレス・ピハインド・ザ・ネック 8~6回×3セット
⑨ベンド・オーバー・ローイング 10~8回×3セット
⑩チンニング・ビハインド・ネック 10~7回×3セット
⑪トライセプス・プレス 10~8回×3セット
⑫クロスオーバー・トライセプス・イクステンション 10~8回×3セット
⑬ツー・ノヽンズ・カール 10~8回×3セット
⑭ダンベル・コンセントレーション・カール 10~8回×3セット
⑮ダンベル・リスト・カール 10~8回×3セット
≪体位≫
身長 173cm
体重 70kg
胸囲(拡張時) 107cm
上腕囲(緊張時) 38cm
前腕 30cm
腹囲(収縮時) 71cm
腰囲 93cm
太腿囲 58cm
下腿囲 37cm
ところで私の上半身は,胸・肩・腕等の発達はまあまあよいのですが,背がよくありません。そのようなわけで私はこれから当分の間,広背筋を特別に鍛練していこうかと考えています。
そこでお伺いします。
広背筋のために,4~5種類の運動を行いたいと考えているのですが,どのような運動を採用したらよいでしょうか。運動のやり方も含めてご指導ください。
なお,現在のスケジュールでも体力的にかなり負担でなので,今後は分割法を採用してトレーニングしたいと考えていまず。おそれいりますが,参考までに分割法によるトレーニング・スケジュール例を作っていただきたいと思います。
(宮城県 高橋敬二 会社員 26歳)
A 広背筋の発達状態が写真ででも拝見できれば,多少あなた自身に合わせたアドバイスもできるかと思いますが,それもできませんので,ここでは,上級者の広背筋のトレーニングにおける基礎的な考え方にそって質問にお答えすることにします。
通常,上級者の段階になる頃までには,広背筋の発達もだいぶ進み,また筋そのものもかなり鍛えこまれているといえます。したがって,それ以葫のありきたりのトレーニング法ではなかなか効果が得られなくなります。
そのようなわけで,上級者の場合,広背筋をさらに発達させ,完成度を高めていくには,広背筋そのものを細分して鍛えることも必要になります。
◇広背筋の細分と運動種目
広背筋を細分する場合,下記のように分けるのがよいと思います。そして,その上で,それぞれの部分の発達を促すための運動を選択していきます。
①広背筋の上部
②広背筋の下郎
③広背筋の広がり(大円筋)
では,以上の3つの部分に有効と考えられる運動を,部分別に2~3種目ずつ紹介することにします。
①広背筋の上部の発達に有効な種目
○チンニング
<かまえ>左右の手の間隔を1~2こぶしぐらいにして,オーバー・グリップでバーにぶらさがる。
<動作>両腕を完全に伸ばした状態から,腕を屈して,バーが顏または頸のあたりにくるまでからだを引き上げたら,最後まで力を抜かないように留意しながら腕を伸ばしてからだを元の状態に下げる。
<要点>広背筋の上部に十分な刺激を与えるには,両腕を完全に伸ばし,広背筋を十分に伸長させた状態からていねいに動作で,チーティングしないようにして運動を行う。また,からだを下げるときには,広背筋が完全に伸びきった状態になるまで,力を抜かずに慎重な動作で腕を伸ばすようにするのがよい。
○ラット・マシーン・プルダウン〔写真参照〕
通常,上級者の段階になる頃までには,広背筋の発達もだいぶ進み,また筋そのものもかなり鍛えこまれているといえます。したがって,それ以葫のありきたりのトレーニング法ではなかなか効果が得られなくなります。
そのようなわけで,上級者の場合,広背筋をさらに発達させ,完成度を高めていくには,広背筋そのものを細分して鍛えることも必要になります。
◇広背筋の細分と運動種目
広背筋を細分する場合,下記のように分けるのがよいと思います。そして,その上で,それぞれの部分の発達を促すための運動を選択していきます。
①広背筋の上部
②広背筋の下郎
③広背筋の広がり(大円筋)
では,以上の3つの部分に有効と考えられる運動を,部分別に2~3種目ずつ紹介することにします。
①広背筋の上部の発達に有効な種目
○チンニング
<かまえ>左右の手の間隔を1~2こぶしぐらいにして,オーバー・グリップでバーにぶらさがる。
<動作>両腕を完全に伸ばした状態から,腕を屈して,バーが顏または頸のあたりにくるまでからだを引き上げたら,最後まで力を抜かないように留意しながら腕を伸ばしてからだを元の状態に下げる。
<要点>広背筋の上部に十分な刺激を与えるには,両腕を完全に伸ばし,広背筋を十分に伸長させた状態からていねいに動作で,チーティングしないようにして運動を行う。また,からだを下げるときには,広背筋が完全に伸びきった状態になるまで,力を抜かずに慎重な動作で腕を伸ばすようにするのがよい。
○ラット・マシーン・プルダウン〔写真参照〕
〔ラット・マシーン・プルダウン〕
<かまえ>左右の手の間隔を1~2こぶしくらいにとり,オーバー・グリップでラット・マシーンのバーを握る。なお,この場合,ラット・マシーンのバーを垂直,または,垂直に近い状態で引きおろすことのできる位置にからだを置くようにする。
<動作>広背筋を十分に伸長させた体勢から腕を屈して,ラット・マシーンのバーを垂直または垂直に近い状態で上方から引きおろす。引きおろしたならば,広背筋が完全に伸びきった状態になるまで力を抜かないようにして,慎重な動作で腕を伸ばし元の体勢に戻す。
<要点>チンニングの場合と同様,動作の初めと終わりをとくにていねいに行うよう留意する。
②広背筋の発達に下部に有効な種目
○レパレッジバー・ローイング〔写真参照〕
<動作>広背筋を十分に伸長させた体勢から腕を屈して,ラット・マシーンのバーを垂直または垂直に近い状態で上方から引きおろす。引きおろしたならば,広背筋が完全に伸びきった状態になるまで力を抜かないようにして,慎重な動作で腕を伸ばし元の体勢に戻す。
<要点>チンニングの場合と同様,動作の初めと終わりをとくにていねいに行うよう留意する。
②広背筋の発達に下部に有効な種目
○レパレッジバー・ローイング〔写真参照〕
〔レパレッジバー・ローイング〕
<かまえ>レバレッジバーをまたぎ,腰をまげて上体を前倒させ,左右の手指を組み合わせた状態でバーの上端を下から握る。
<動作>上体の体勢を水平な状態よりもいくぶん起した状態に固定し,その体勢を保つたまま,腕だけを屈して下からバーを持ちあげ,バーをからだに引き付けるようにする。バーを十分に引きあげたなら,体勢をくずさないように留意して元の位置へ戻す。
<要点>バーを引きあげたときに,グリップがどちらかといえば,下腹部のあたりにくるようにするのがよい。そのためには,かまえの姿勢で,あらかじめ足の位置を配慮して定めておく必要がある。
なお,広背筋の下部に十分な刺激を与えるには,両肩を首の方へすくめないように留意して,広背筋がより短い状態になるまでバーをからだに引きつけるように動作をするのがよい。
○クロス・グリップ・チンニング〔写真参照〕
<動作>上体の体勢を水平な状態よりもいくぶん起した状態に固定し,その体勢を保つたまま,腕だけを屈して下からバーを持ちあげ,バーをからだに引き付けるようにする。バーを十分に引きあげたなら,体勢をくずさないように留意して元の位置へ戻す。
<要点>バーを引きあげたときに,グリップがどちらかといえば,下腹部のあたりにくるようにするのがよい。そのためには,かまえの姿勢で,あらかじめ足の位置を配慮して定めておく必要がある。
なお,広背筋の下部に十分な刺激を与えるには,両肩を首の方へすくめないように留意して,広背筋がより短い状態になるまでバーをからだに引きつけるように動作をするのがよい。
○クロス・グリップ・チンニング〔写真参照〕
〔クロス・グリップ・チンニング〕
<かまえ>チンニング・バーの真下に横向きに立ち,両手の指を組み合わせたかたちでバーにぶらさがる。
<動作>腰から下の力を抜き,腕を屈して上体をできるだけのけぞらせるようにしてグリップがミゾオチのあたりにくるように体を引きあげる。
<要点>この運動で十分な刺激を広背筋の下部に与えるには,からだを引きあげたとき,バーを握ったグリップができるだけ上体の下部の方にくるように動作を行うのがよい。
なお,トライアングルがあれば,それを使って同様な要領で運動を行うようにしてもよい。
○ラット・マシーン・プルダウン・ウイズ・アンダー・グリップ
<かまえ>左右のグリップの間隔を1~2こぶしくらいにして,アンダーグリップでラット・マシーンのバーを握る。なお,この場合,滑車の位置がからだの真上ではなく,斜め前方になるような位置に体をかまえるのがよい。
<動作>多少反動を使うようにしてバーを引きさげ,意識的に背を湾曲させるようにしてバーを下腹部の方へ引きっける。
<要点>広背筋の下部により十分な刺激を与えるには,広背筋をできるだけ短い状態になるまで縮収させる必要がある。そのためには,動作の中途から意識的に背をまるめ,肘をできるだけ下方へさげるようにしてバーを腹部の方へ引き付けるようにする。なお,この運解は,ストリクトの方法で運動を行うよりは,多少反動を使って動作を行うほうが,かえってバーの引き付けがよくなるので効果的ともいえる。ただし,反動は最少限に使用するようにし,バーを引きつけたときに一瞬力を溜めるようにするのがよい。
倡上背部の拡がりを増すための大円筋
の発達に有効と考えられる種目
○ワイド・グリップ・チンニング[写真参照]
<動作>腰から下の力を抜き,腕を屈して上体をできるだけのけぞらせるようにしてグリップがミゾオチのあたりにくるように体を引きあげる。
<要点>この運動で十分な刺激を広背筋の下部に与えるには,からだを引きあげたとき,バーを握ったグリップができるだけ上体の下部の方にくるように動作を行うのがよい。
なお,トライアングルがあれば,それを使って同様な要領で運動を行うようにしてもよい。
○ラット・マシーン・プルダウン・ウイズ・アンダー・グリップ
<かまえ>左右のグリップの間隔を1~2こぶしくらいにして,アンダーグリップでラット・マシーンのバーを握る。なお,この場合,滑車の位置がからだの真上ではなく,斜め前方になるような位置に体をかまえるのがよい。
<動作>多少反動を使うようにしてバーを引きさげ,意識的に背を湾曲させるようにしてバーを下腹部の方へ引きっける。
<要点>広背筋の下部により十分な刺激を与えるには,広背筋をできるだけ短い状態になるまで縮収させる必要がある。そのためには,動作の中途から意識的に背をまるめ,肘をできるだけ下方へさげるようにしてバーを腹部の方へ引き付けるようにする。なお,この運解は,ストリクトの方法で運動を行うよりは,多少反動を使って動作を行うほうが,かえってバーの引き付けがよくなるので効果的ともいえる。ただし,反動は最少限に使用するようにし,バーを引きつけたときに一瞬力を溜めるようにするのがよい。
倡上背部の拡がりを増すための大円筋
の発達に有効と考えられる種目
○ワイド・グリップ・チンニング[写真参照]
〔ワイド・グリップ・チンニング〕
<かまえ>左右のグリップの間隔を肩幅より2~3こぶしくらい広めにして,オーバー・グリップでチンニング・バーにぶらさがる。
<動作>からだを垂直に保った状態で肘を直横から体側に引き付ける感じで腕を屈曲し,からだを引きあげる。なお,からだを引きあげたときのバーの位置は首の前にくるようにしても,または,後ろにくるようにしてもどちらでもよい。
<要点>チンニングで大円筋により十分な刺激を与えるには,上体を垂直に保ち,肘を左右真横から体側に引き付けるように腕を屈してからだをあげるのがよい。
○ワイド・グリップ・ラット・マシーン・プルダウン
<かまえ>左右のグリップの間隔を肩幅より2~3こぶしくらい広めにして,オーバー・グリップでラット・マシーンのバーを握る。なお,この場合,からだは滑車の真下に位置させるようにする。
<動作>肘を前後にではなく真横から体側に引き付ける感じで腕を屈し,バーを垂直に引きおろす。引きおろしたときに,バーが首の前にくるようにしても,また,後ろにいくようにしてもどちらでもかまわない。しかし強いていえば,首の後ろへいくように引くほうがよいようである。
<要点>チンニングの場合と同様,肘を真横から体側に引き付けるように腕を屈曲させるのが,要点である。
以上,広背筋の運動を効果の面から分類して紹介しました。ところで,採用種目を選ぶについては,この際,他人にまかせるよりは,あなた自身の判断で,あなたに必要な運動種目を選ぶようにされるのかよいかと思います。
それでは,分割法によるスケージュール例を記述することにします。
≪分割法によるトレーニング・スケジュール例≫
①Aコース一月・木
①シット・アップ
②レッグ・レイズ
③ベンチ・プレス
④インクライン・プレス
⑤ディップ
⑥フロント・プレス
⑦プレス・ビハインド・ザ・ネック
⑧トライセプス・プレス
⑨クロスオーバー・トライセプス・イクステンシコン
②Bコースー火・金
①シット・アップ
②レッグ・レイズ
③スクワット
④カープ・レイズ
⑤ベンド・オーバー・ローニング
⑥レバレッジバー・ローイング
⑦チンニング
⑧チンニング・ビZヽインド・ネック
⑨クロス・グリップ・チンニング
⑩ツー・ハンズ・カール
⑪ダンベル・コンセントレーション・カール
⑫ダンベル・リスト・カール
<動作>からだを垂直に保った状態で肘を直横から体側に引き付ける感じで腕を屈曲し,からだを引きあげる。なお,からだを引きあげたときのバーの位置は首の前にくるようにしても,または,後ろにくるようにしてもどちらでもよい。
<要点>チンニングで大円筋により十分な刺激を与えるには,上体を垂直に保ち,肘を左右真横から体側に引き付けるように腕を屈してからだをあげるのがよい。
○ワイド・グリップ・ラット・マシーン・プルダウン
<かまえ>左右のグリップの間隔を肩幅より2~3こぶしくらい広めにして,オーバー・グリップでラット・マシーンのバーを握る。なお,この場合,からだは滑車の真下に位置させるようにする。
<動作>肘を前後にではなく真横から体側に引き付ける感じで腕を屈し,バーを垂直に引きおろす。引きおろしたときに,バーが首の前にくるようにしても,また,後ろにいくようにしてもどちらでもかまわない。しかし強いていえば,首の後ろへいくように引くほうがよいようである。
<要点>チンニングの場合と同様,肘を真横から体側に引き付けるように腕を屈曲させるのが,要点である。
以上,広背筋の運動を効果の面から分類して紹介しました。ところで,採用種目を選ぶについては,この際,他人にまかせるよりは,あなた自身の判断で,あなたに必要な運動種目を選ぶようにされるのかよいかと思います。
それでは,分割法によるスケージュール例を記述することにします。
≪分割法によるトレーニング・スケジュール例≫
①Aコース一月・木
①シット・アップ
②レッグ・レイズ
③ベンチ・プレス
④インクライン・プレス
⑤ディップ
⑥フロント・プレス
⑦プレス・ビハインド・ザ・ネック
⑧トライセプス・プレス
⑨クロスオーバー・トライセプス・イクステンシコン
②Bコースー火・金
①シット・アップ
②レッグ・レイズ
③スクワット
④カープ・レイズ
⑤ベンド・オーバー・ローニング
⑥レバレッジバー・ローイング
⑦チンニング
⑧チンニング・ビZヽインド・ネック
⑨クロス・グリップ・チンニング
⑩ツー・ハンズ・カール
⑪ダンベル・コンセントレーション・カール
⑫ダンベル・リスト・カール
回答は1959年度ミスター日本,NE協会指導部長・竹内 威先生
演技指導は平井トレーニング・センター会長・熊岡健夫先生
演技指導は平井トレーニング・センター会長・熊岡健夫先生
月刊ボディビルディング1982年3月号
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