ニュース 1982年5月号
月刊ボディビルディング1982年5月号
掲載日:2020.09.02
■昭和56年度全日本学生パワーリフティング五傑ならびに日本学生記録
◇60kg級 大学名 T B・P S 大会名
①服部 和弘(名城大) 340.0 (125.0 215.0)全日本学生
②金久 保宣(筑波大) 297.5 (107.5 190.0)関東学生
③北田 直人(埼玉大) 290.0 (110.0 180.0)関東学生
④江藤 八郎(埼玉大) 280.0 (105.0 175.0)関東学生
⑤加井 栄一(埼玉大) 277.5 (105.0 172.5) 関東学生
<60kg級日本学生記録>
ベンチプレス 山本正(埼玉大)130.0 ’76関東学生
〃 服部 (名城大) 130.0 ’81中部日本
スクワット 服部 (名城大) 215.0 ’81全日本学生
トータル 服部 (名城大) 340.0 ’81全日本学生
◇65kg級
①小暮 優治(埼玉大) 305.0 (130.0 175.0)関東学生
②藤瀬 憲二(福工大) 297.5 (107.5 190.0)全日本学生
③河合 俊之(名院大) 292.5 (102.5 190.0)全日本学生
④谷若 弘一(東京大) 292.5 (120.0 172.5)全日本学生
⑤原 隆士(埼玉大) 287.5 (120.0 167.5)関東学生
<65kg級日本学生記録>
ベンチプレス 渡辺千(明治大) 132.5 ’76関東学生
スクワット 垣花 (埼玉大) 230.0 ’79関東学生
トータル 篠原 (埼玉大) 335.0 ’80関東学生
◇70kg級
①伊藤 守夫(埼玉大) 330.0 (140.0 190.0)関東学生
②今鶴 治信(明治大) 325.0 (120.0 205.0)全日本学生
③松原 幸一(東京大) 317.5 (135.0 182.5)関東学生
④坂本 充弘(埼玉大) 307.5 (120.0 187.5)関東学生
⑤萬崎 智(青学大) 305.5 (127.5 177.5)関東学生
<70kg級日本学生記録>
ベンチプレス 渡辺千(明治大) 147.5 ’77関東学生
スクワット 鴨下 (埼玉大) 240.0 ’73関東学生
〃 垣花 (埼玉大) 240.0 ’78関東学生
トータル 渡辺千(明治大) 367.5 ’77関東学生
◇75kg級
①永井 光(明治大) 342.5 (142.5 200.0)関東学生
②村里 光博(長崎大) 335.0 (130.0 205.0)全日本学生
③市川 政博(埼玉大) 332.5 (132.5 200.0)関東学生
④長谷川 誠(埼玉大) 330.0 (125.0 205.0)全日本学生
⑤杉村 邦彦(東京大) 320.0 (130.0 190.0)関東学生
<75 kg級日本学生記録>
ベンチプレス 永井 (明治大) 142.5 ’81関東学生
スクワット 篠原 (埼玉大) 225.0 ’80関東学生
トータル 片岡 (九産大) 345.0 ’78全日本学生
◇75kg以上級
①谷本 勝彦(長崎大) 352.5 (152.5 200.0)全日本学生
②前角 宣紀(立正大) 345.0 (135.0 210.0)関東学生
③保川 清(東京大) 340.0 (137.5 202.5)関東学生
④加藤 隆二(東農大)340.0(110.0 230.0)関東学生
⑤古沢 昌彦(早 大) 332.5 (122.5 210.0)関東学生
<75kg以上級日本学生記録>
ベンチプレス 田部井(明治大)180.0 ’70関東学生
スクワット 大森 (東海大)240.0 ’78関東学生
〃 清水 (立正大) 240.0 ’78関東学生
トータル 石井 (東京大)390.0 ’76関東学生
(記録=松尾昌文)・
①服部 和弘(名城大) 340.0 (125.0 215.0)全日本学生
②金久 保宣(筑波大) 297.5 (107.5 190.0)関東学生
③北田 直人(埼玉大) 290.0 (110.0 180.0)関東学生
④江藤 八郎(埼玉大) 280.0 (105.0 175.0)関東学生
⑤加井 栄一(埼玉大) 277.5 (105.0 172.5) 関東学生
<60kg級日本学生記録>
ベンチプレス 山本正(埼玉大)130.0 ’76関東学生
〃 服部 (名城大) 130.0 ’81中部日本
スクワット 服部 (名城大) 215.0 ’81全日本学生
トータル 服部 (名城大) 340.0 ’81全日本学生
◇65kg級
①小暮 優治(埼玉大) 305.0 (130.0 175.0)関東学生
②藤瀬 憲二(福工大) 297.5 (107.5 190.0)全日本学生
③河合 俊之(名院大) 292.5 (102.5 190.0)全日本学生
④谷若 弘一(東京大) 292.5 (120.0 172.5)全日本学生
⑤原 隆士(埼玉大) 287.5 (120.0 167.5)関東学生
<65kg級日本学生記録>
ベンチプレス 渡辺千(明治大) 132.5 ’76関東学生
スクワット 垣花 (埼玉大) 230.0 ’79関東学生
トータル 篠原 (埼玉大) 335.0 ’80関東学生
◇70kg級
①伊藤 守夫(埼玉大) 330.0 (140.0 190.0)関東学生
②今鶴 治信(明治大) 325.0 (120.0 205.0)全日本学生
③松原 幸一(東京大) 317.5 (135.0 182.5)関東学生
④坂本 充弘(埼玉大) 307.5 (120.0 187.5)関東学生
⑤萬崎 智(青学大) 305.5 (127.5 177.5)関東学生
<70kg級日本学生記録>
ベンチプレス 渡辺千(明治大) 147.5 ’77関東学生
スクワット 鴨下 (埼玉大) 240.0 ’73関東学生
〃 垣花 (埼玉大) 240.0 ’78関東学生
トータル 渡辺千(明治大) 367.5 ’77関東学生
◇75kg級
①永井 光(明治大) 342.5 (142.5 200.0)関東学生
②村里 光博(長崎大) 335.0 (130.0 205.0)全日本学生
③市川 政博(埼玉大) 332.5 (132.5 200.0)関東学生
④長谷川 誠(埼玉大) 330.0 (125.0 205.0)全日本学生
⑤杉村 邦彦(東京大) 320.0 (130.0 190.0)関東学生
<75 kg級日本学生記録>
ベンチプレス 永井 (明治大) 142.5 ’81関東学生
スクワット 篠原 (埼玉大) 225.0 ’80関東学生
トータル 片岡 (九産大) 345.0 ’78全日本学生
◇75kg以上級
①谷本 勝彦(長崎大) 352.5 (152.5 200.0)全日本学生
②前角 宣紀(立正大) 345.0 (135.0 210.0)関東学生
③保川 清(東京大) 340.0 (137.5 202.5)関東学生
④加藤 隆二(東農大)340.0(110.0 230.0)関東学生
⑤古沢 昌彦(早 大) 332.5 (122.5 210.0)関東学生
<75kg以上級日本学生記録>
ベンチプレス 田部井(明治大)180.0 ’70関東学生
スクワット 大森 (東海大)240.0 ’78関東学生
〃 清水 (立正大) 240.0 ’78関東学生
トータル 石井 (東京大)390.0 ’76関東学生
(記録=松尾昌文)・
■JPA国際部ニュース………国際部長・吉田 進
1⃣ 第5回ハワイ国際招待大会
毎年2月に恒例になっているハワイの巨人,ガス・レズウィッシュの主催するハワイ国際招待大会も,今年で第5回目を迎えた。しかし,スポンサーがなかなかつかないなどの問題により,招待される選手は年と共に少なくなり,今年は完全に米国内だけの選手による大会となってしまった。ハワイではガス・レズウィッシュの努力により,パワーリフティングの人気は上々で,今年は会場であるシェラトン・ホテルのボールルームが3000人の観客で埋めつくされたそうである。この大会で,ハイライトが2つあった。
では次に,その2つのハイライトを紹介しよう。
<その1>100kg級フレッド・ハットフィールドがスクワットで400kg成功
ドクター・スクワットと言われるF・ハットフィールドは,たとえばマッスル・ディベロップメント誌2月号にスクワットのテクニックに関する記事を書くほどの「スクワット通」で,彼自身ここ数年,90kg~100kg級でスクワットの世界記録,もしくはそれに近い記録を作り続けてきたベテランである。その彼が100kg級で1年前,同じこの大会で作った382.5kgの世界新を大幅に上まわる400kgを成功させた。
100kg級で110kg級の世界記録392.5kgを上まわるだけでも驚さなのだが,彼はさらに第4回目の特別試技で410kgに挑戦した。これは失敗に終ったが,彼のスクワットにおける実力からみて,近い内にこれもものにするのではないかと思われる。ベンチ・プレスでは肩を痛めていたため,195kgと低い記録に終ったが,デッド・リフテで352.5kgを引き,トータル940kgの世界記録を樹立した。彼のこの大会の成績を見るにつけても,パワーリフティングでは「スクワットを制する者はそのクラスを制する」と言えそうである。
<その2>スーパー・ヘビー級の新人,ドウェイン・フェリー,スクワットで445kgに成功
この大会の目玉は,当然,スーパー・ヘビー級のカズマイヤーのはずであった。彼は胸のケガがまだなおらず,デッド・リフトとスクワットでのみ世界記録を狙う予定であった。しかし,彼とても人の子,デッド・リフトの練習中に背筋を痛めてしまい,今回,世界記録を狙えるのはスクワットだけとなってしまった。
そのスクワットの第1試技で412.5kgに成功したもの,のいつもの軽さが感じられない彼は,第2,第3試技で445kgの世界記録に挑戦したが,やはり背筋のケガが影響して立ち上がることができなかった。
ここで観客はスクワットの試技がすべて終ったものと思っていると,さきほど第2試技で410kgを成功させていた地元ノヽワイの新人ドウェイン・フェリーが第3試技で445kgに挑戦するというので大さわぎになった。体重150kgのフェリーは,全米ではほとんど無名に近い選手で,ふだんは自宅でトレーニングを続けており,彼の練習の補助につくのは何と彼の母親と妹だという。
さて彼は,445kgをかつぐとフル・スクワットに近いほどしゃがみ込み,いともかんたんに立ち上がってしまったのである。こうして,ハワイから始めての世界記録保持者が出たのである。パワーリプディングUSA誌によれば,彼はデッド・リフトでは340kg以上は無理だろうが,スクワットでは将来500kgも可能であろうという。すごい新人が現われたものである。
◇第5回ハワイ国際招待大会成績(2位まで)
クラス 氏 名 S B・P D・L T
75kg級 ①L・キー 272.5 167.5 265.0 705.0
②B・チョング 247.5 137.5 275.0 660.0
82.5kg級 ①K・マクラベティ 287.5 177.5 307.5 772.5
②J・ワルデン 282.5 190.0 277.5 750.0
90kg級 ①F・ジルバ 297.5 227.5 247.5 772.5
②E・マーティン 300.0 167.5 277.5 745.0
100kg級 ①ハットフィールド*400.0 195.0 345.0 *940.0
110kg級 ①C・スニッキン 380.0 230.0 372.5 982.5
②B・ディビス 377 5 225.0 345.0 947.5
125kg級 ①T・マコーミック 370.0 232.5 *385.0 987.5
②D・ショウ 370.0 232.5 365.0 967.5
125kg超級 ①B・カズマイヤー 412.5 235.0 355.0 1002.5
②D・フェリー *445.0 257.5 272.5 975.0
〔註〕*印は世界新記録を示す。
2⃣ 全米女子パワーリフティング選手権大会
「昨日のチャンピオンは今日のチャンピオンではない」という言葉がよくあてはまるのが,今のアメリカ女子パワーリフティング界である。
先ごろアラバマ州アーバンで行なわれた全米女子選手権でも,昨年の優勝者で今年も優勝したのは,48kg級のディラードと75kg級のプトメイの2人だけであった。 44kg級はまったくの新人ロードが300kgで優勝。しかし驚くべきはこのクラス3位のホイットが出したベンチ・プレス75kgである。48kg級は世界チャンピオン,ディラードが352.5kgで今年も優勝。5月の世界選手権でも,よほどの事がないかぎり,いや,よほどの事があっても優勝であろう。56kg級は,男子90kg級の世界チャンピオン,トーマスの奥さんが405kgという驚異の記録で優勝。この記事が出るころには夫婦で世界チャンピオンになっているはずだ。
重量級はジャン・トッドがIPF女子委員長の仕事が多忙で一時身を引けば,82.5kg級のガンヤは結婚して引退という事で,75kg級のプトメイ,ウェイランド以外はすべて新人という事になってしまった。82.5kg級にはオーストラリアのベブ・フランシスというベンチ・プレス150kgの超人がいるので,今年の5月,イギリスで行なわれる第3回女子世界選手権はアメリカの楽勝とはいかず,興味深いものになりそうである。
◇全米女子パワーリフティング選手権大会成績(3位迄)
クラス 氏 名 S B・P D・L T
44kg級 ①G・ロード 117.5 50.0 132.5 300.0
②D・ローウェル 102.5 47.5 137.5 287.5
③T・ホイット 97.5 *75.0 102.5 275.0
48kg級 ①T・ディラード *142.5 57.5 152.5 352.5
②M・エブリス 120.0 77.5 132.5 330.0
③フルース 115.0 65.0 145.0 325.0
〔註〕T・ディラードはデッド・リフトの4回日の特別試技で157.5kgの世界新を樹立。
52kg級 ①ステーンロッド 115.0 75,0 165.0 355.0
②C・パターソン 127.5 67.5 157.5 352.5
③S・エルウィニ 117.5 75.0 137.5 330.0
56kg級 ①T・トーマス 142.5 92.5 170.0 405.0
②M・ゲツ 127.5 77.5 157.5 362.5
③D・ウィリアムズ 130.0 80.0 150.0 360.0
60kg級 ①R・シェーファー*172.5 82.5 *190.0 *445.0
②D・フランツ 162.5 80.0 *190.0 432.5
③E・タダロ 135.0 *95.0 182.5 412.5
67.5kg級①A・ロス *172.5 77.5 172.5 422.5
②K・リンド 150.0 72.5 170.0 392.5
③C・スペルマン 152.5 75.0 160.0 387.5
75kg級 ①T・プトメイ 200.0 82.5 *207.5 490.0
②J・ウェイランド 182.5 117.5 190.0 490.0
③J・ジョンソン 162.5 87.5 197.5 447.5
82.5kg級①M・バレイラ 165.0 85.0 180.0 430.0
②P・デント 170.0 92.5 167.5 430.5
③L・ロドリキズ 150.0 80.0 182.5 412.5
90kg級 ①L・グリフィン 172.5 92.5 205.0 470.0
②M・ジョンソン 167.5 85.0 152.5 405.0
③G・デロン 172.5 60.0 155.0 387.5
90kg超級①A・マクエルロイ 215.0 87.5 215.0 517.5
②W・サンダー 165.0 107.5 200.0 472.5
③V・ペリー 147.5 97.5 207.5 452.5
〔註〕*印は世界新記録を示す。
3⃣ 1982年度全英女子パワーリフティング選手権大会優勝者 2月7日,ハッチフォード
クラス 優勝者 S B・P D・L T
44kg級 A・ブラウン 85.0 40.0 125.0 250.0
48kg級 ブラックフォード 70.0 40.0 87.5 197.5
52kg級 S・スミス 100.0 65.0 115.0 280.0
56kg級 G・ラッセル 85.0 52.5 125.0 262.5
60kg級 R・バス 140.0 72.5 162.5 375.0
67.5kg級 D・ウェブ 150.0 67.5 172.5 390.5
82.5kg級 J・オークス 180.0 95.0 185.0 460.0
90kg級 J・ケア 150.0 90.0 177.5 417.5
ゲスト・リフター
48kg級 B・ルーテン 102.5 57.5 112.5 272.5
56kg級 A・イリウオア 120.0 65.0 140.0 325.0
毎年2月に恒例になっているハワイの巨人,ガス・レズウィッシュの主催するハワイ国際招待大会も,今年で第5回目を迎えた。しかし,スポンサーがなかなかつかないなどの問題により,招待される選手は年と共に少なくなり,今年は完全に米国内だけの選手による大会となってしまった。ハワイではガス・レズウィッシュの努力により,パワーリフティングの人気は上々で,今年は会場であるシェラトン・ホテルのボールルームが3000人の観客で埋めつくされたそうである。この大会で,ハイライトが2つあった。
では次に,その2つのハイライトを紹介しよう。
<その1>100kg級フレッド・ハットフィールドがスクワットで400kg成功
ドクター・スクワットと言われるF・ハットフィールドは,たとえばマッスル・ディベロップメント誌2月号にスクワットのテクニックに関する記事を書くほどの「スクワット通」で,彼自身ここ数年,90kg~100kg級でスクワットの世界記録,もしくはそれに近い記録を作り続けてきたベテランである。その彼が100kg級で1年前,同じこの大会で作った382.5kgの世界新を大幅に上まわる400kgを成功させた。
100kg級で110kg級の世界記録392.5kgを上まわるだけでも驚さなのだが,彼はさらに第4回目の特別試技で410kgに挑戦した。これは失敗に終ったが,彼のスクワットにおける実力からみて,近い内にこれもものにするのではないかと思われる。ベンチ・プレスでは肩を痛めていたため,195kgと低い記録に終ったが,デッド・リフテで352.5kgを引き,トータル940kgの世界記録を樹立した。彼のこの大会の成績を見るにつけても,パワーリフティングでは「スクワットを制する者はそのクラスを制する」と言えそうである。
<その2>スーパー・ヘビー級の新人,ドウェイン・フェリー,スクワットで445kgに成功
この大会の目玉は,当然,スーパー・ヘビー級のカズマイヤーのはずであった。彼は胸のケガがまだなおらず,デッド・リフトとスクワットでのみ世界記録を狙う予定であった。しかし,彼とても人の子,デッド・リフトの練習中に背筋を痛めてしまい,今回,世界記録を狙えるのはスクワットだけとなってしまった。
そのスクワットの第1試技で412.5kgに成功したもの,のいつもの軽さが感じられない彼は,第2,第3試技で445kgの世界記録に挑戦したが,やはり背筋のケガが影響して立ち上がることができなかった。
ここで観客はスクワットの試技がすべて終ったものと思っていると,さきほど第2試技で410kgを成功させていた地元ノヽワイの新人ドウェイン・フェリーが第3試技で445kgに挑戦するというので大さわぎになった。体重150kgのフェリーは,全米ではほとんど無名に近い選手で,ふだんは自宅でトレーニングを続けており,彼の練習の補助につくのは何と彼の母親と妹だという。
さて彼は,445kgをかつぐとフル・スクワットに近いほどしゃがみ込み,いともかんたんに立ち上がってしまったのである。こうして,ハワイから始めての世界記録保持者が出たのである。パワーリプディングUSA誌によれば,彼はデッド・リフトでは340kg以上は無理だろうが,スクワットでは将来500kgも可能であろうという。すごい新人が現われたものである。
◇第5回ハワイ国際招待大会成績(2位まで)
クラス 氏 名 S B・P D・L T
75kg級 ①L・キー 272.5 167.5 265.0 705.0
②B・チョング 247.5 137.5 275.0 660.0
82.5kg級 ①K・マクラベティ 287.5 177.5 307.5 772.5
②J・ワルデン 282.5 190.0 277.5 750.0
90kg級 ①F・ジルバ 297.5 227.5 247.5 772.5
②E・マーティン 300.0 167.5 277.5 745.0
100kg級 ①ハットフィールド*400.0 195.0 345.0 *940.0
110kg級 ①C・スニッキン 380.0 230.0 372.5 982.5
②B・ディビス 377 5 225.0 345.0 947.5
125kg級 ①T・マコーミック 370.0 232.5 *385.0 987.5
②D・ショウ 370.0 232.5 365.0 967.5
125kg超級 ①B・カズマイヤー 412.5 235.0 355.0 1002.5
②D・フェリー *445.0 257.5 272.5 975.0
〔註〕*印は世界新記録を示す。
2⃣ 全米女子パワーリフティング選手権大会
「昨日のチャンピオンは今日のチャンピオンではない」という言葉がよくあてはまるのが,今のアメリカ女子パワーリフティング界である。
先ごろアラバマ州アーバンで行なわれた全米女子選手権でも,昨年の優勝者で今年も優勝したのは,48kg級のディラードと75kg級のプトメイの2人だけであった。 44kg級はまったくの新人ロードが300kgで優勝。しかし驚くべきはこのクラス3位のホイットが出したベンチ・プレス75kgである。48kg級は世界チャンピオン,ディラードが352.5kgで今年も優勝。5月の世界選手権でも,よほどの事がないかぎり,いや,よほどの事があっても優勝であろう。56kg級は,男子90kg級の世界チャンピオン,トーマスの奥さんが405kgという驚異の記録で優勝。この記事が出るころには夫婦で世界チャンピオンになっているはずだ。
重量級はジャン・トッドがIPF女子委員長の仕事が多忙で一時身を引けば,82.5kg級のガンヤは結婚して引退という事で,75kg級のプトメイ,ウェイランド以外はすべて新人という事になってしまった。82.5kg級にはオーストラリアのベブ・フランシスというベンチ・プレス150kgの超人がいるので,今年の5月,イギリスで行なわれる第3回女子世界選手権はアメリカの楽勝とはいかず,興味深いものになりそうである。
◇全米女子パワーリフティング選手権大会成績(3位迄)
クラス 氏 名 S B・P D・L T
44kg級 ①G・ロード 117.5 50.0 132.5 300.0
②D・ローウェル 102.5 47.5 137.5 287.5
③T・ホイット 97.5 *75.0 102.5 275.0
48kg級 ①T・ディラード *142.5 57.5 152.5 352.5
②M・エブリス 120.0 77.5 132.5 330.0
③フルース 115.0 65.0 145.0 325.0
〔註〕T・ディラードはデッド・リフトの4回日の特別試技で157.5kgの世界新を樹立。
52kg級 ①ステーンロッド 115.0 75,0 165.0 355.0
②C・パターソン 127.5 67.5 157.5 352.5
③S・エルウィニ 117.5 75.0 137.5 330.0
56kg級 ①T・トーマス 142.5 92.5 170.0 405.0
②M・ゲツ 127.5 77.5 157.5 362.5
③D・ウィリアムズ 130.0 80.0 150.0 360.0
60kg級 ①R・シェーファー*172.5 82.5 *190.0 *445.0
②D・フランツ 162.5 80.0 *190.0 432.5
③E・タダロ 135.0 *95.0 182.5 412.5
67.5kg級①A・ロス *172.5 77.5 172.5 422.5
②K・リンド 150.0 72.5 170.0 392.5
③C・スペルマン 152.5 75.0 160.0 387.5
75kg級 ①T・プトメイ 200.0 82.5 *207.5 490.0
②J・ウェイランド 182.5 117.5 190.0 490.0
③J・ジョンソン 162.5 87.5 197.5 447.5
82.5kg級①M・バレイラ 165.0 85.0 180.0 430.0
②P・デント 170.0 92.5 167.5 430.5
③L・ロドリキズ 150.0 80.0 182.5 412.5
90kg級 ①L・グリフィン 172.5 92.5 205.0 470.0
②M・ジョンソン 167.5 85.0 152.5 405.0
③G・デロン 172.5 60.0 155.0 387.5
90kg超級①A・マクエルロイ 215.0 87.5 215.0 517.5
②W・サンダー 165.0 107.5 200.0 472.5
③V・ペリー 147.5 97.5 207.5 452.5
〔註〕*印は世界新記録を示す。
3⃣ 1982年度全英女子パワーリフティング選手権大会優勝者 2月7日,ハッチフォード
クラス 優勝者 S B・P D・L T
44kg級 A・ブラウン 85.0 40.0 125.0 250.0
48kg級 ブラックフォード 70.0 40.0 87.5 197.5
52kg級 S・スミス 100.0 65.0 115.0 280.0
56kg級 G・ラッセル 85.0 52.5 125.0 262.5
60kg級 R・バス 140.0 72.5 162.5 375.0
67.5kg級 D・ウェブ 150.0 67.5 172.5 390.5
82.5kg級 J・オークス 180.0 95.0 185.0 460.0
90kg級 J・ケア 150.0 90.0 177.5 417.5
ゲスト・リフター
48kg級 B・ルーテン 102.5 57.5 112.5 272.5
56kg級 A・イリウオア 120.0 65.0 140.0 325.0
■第5回全日本女子パワーリフティング選手権大会
昭和57年3月14日 於・志木体育館
◇48kg級 体 重 S B・P D・L T
①吉田 寿子(46. 3kg) *117.5 50.0 *125.0 *292.5
(ベスト・リフター) ㊕*120.0
②高崎 春代(46.0kg) 80.0 37.5 105.0 222.5
③米田久美子(47.2kg) 75.0 30.0 102.5 207.5
◇52kg級
①今井 一枝(51.1kg) *122.5 50.0 100.0 272.5
②青木こずえ(51.8kg) 77.5 35.0 95.0 207.5
③渡辺 信子(51.8kg) 70.0 35.0 85.0 190.0
◇56kg級
①田鹿香主美(55.7kg) 110.0 *70.0 *145.0 *325.0
②上原 理美(55.5kg) 115.0 57.5 120.0 292.5
③内田 陽子(55.5kg) 105.0 42.5 105.0 252.5
④伊東 美和(53.7kg) 85.0 37.5 100.0 222.5
◇60kg級
①草刈 知子(59.6kg) 92.5 47.5 110.0 250.0
◇67.5kg級
①八島有美子(67.3kg) *115 0 47.5 112.5 275.0
②鈴木よし枝(60.4kg) 80.0 40.0 90.0 210.0
◇75kg級
①小林 裕子(73.Okg) 120.0 65.0 *152.5 337.5
㊕*155.0
②竹沢江里子(74.4kg) *127.5 45.0 125.0 297.5
㊕*132.5
◇82.5kg級
①藤井 美恵(76.0kg) *160.0 52.5 117.5 330.0
◇90kg級
①伊藤 福子(87.0kg) 125.0 75.0 142.5 342.5
㊕77.5
〔註〕*印は日本新記録 (記録=吉田寿子)
①吉田 寿子(46. 3kg) *117.5 50.0 *125.0 *292.5
(ベスト・リフター) ㊕*120.0
②高崎 春代(46.0kg) 80.0 37.5 105.0 222.5
③米田久美子(47.2kg) 75.0 30.0 102.5 207.5
◇52kg級
①今井 一枝(51.1kg) *122.5 50.0 100.0 272.5
②青木こずえ(51.8kg) 77.5 35.0 95.0 207.5
③渡辺 信子(51.8kg) 70.0 35.0 85.0 190.0
◇56kg級
①田鹿香主美(55.7kg) 110.0 *70.0 *145.0 *325.0
②上原 理美(55.5kg) 115.0 57.5 120.0 292.5
③内田 陽子(55.5kg) 105.0 42.5 105.0 252.5
④伊東 美和(53.7kg) 85.0 37.5 100.0 222.5
◇60kg級
①草刈 知子(59.6kg) 92.5 47.5 110.0 250.0
◇67.5kg級
①八島有美子(67.3kg) *115 0 47.5 112.5 275.0
②鈴木よし枝(60.4kg) 80.0 40.0 90.0 210.0
◇75kg級
①小林 裕子(73.Okg) 120.0 65.0 *152.5 337.5
㊕*155.0
②竹沢江里子(74.4kg) *127.5 45.0 125.0 297.5
㊕*132.5
◇82.5kg級
①藤井 美恵(76.0kg) *160.0 52.5 117.5 330.0
◇90kg級
①伊藤 福子(87.0kg) 125.0 75.0 142.5 342.5
㊕77.5
〔註〕*印は日本新記録 (記録=吉田寿子)
■1982年度第3回女子世界パワーリフティング選手権大会日本代表に今井,田鹿選手
来る5月7,8日にイギリスのバーミンガム市で開催される第3回女子世界パワーリフティング選手権大会に参加する日本チームのメンバーが次のように決定した。
団長 関 二三男 コーチ 今井恒彦
選手 今井一枝(52kg級) 田鹿香主美(56kg級)
団長 関 二三男 コーチ 今井恒彦
選手 今井一枝(52kg級) 田鹿香主美(56kg級)
■湘南ジム開設2周年記念ジュニア・パワーリフティング大会
神奈川県藤沢市の湘南ジムでは,開設2周年を迎えたのを記念して,去る2月15日,中・高校生14名を集めて,ジュニア・パワーリフティング大会を実施した。キャリアはそれぞれ3ヵ月~6ヵ月ぐらいだが,そのわりには好記録続出で,今後の精進次第ではさらに高い記録が期待されそうである。当日の主な記録は次のとおり。
ベンチプレス 塩坂源一郎(日大藤沢高3年) 87.5kg
古田 繁人(湘南学園高3年) 82.5kg
スクワット 米山幸秀(県立大清水高2年) 135.0kg
ディップス 塩坂源一郎(日大藤沢高3年) 42回
シットアップ 関 秀明(綾瀬高2年) 1分間で61回
(湘南ジム会長=近藤英博)
ベンチプレス 塩坂源一郎(日大藤沢高3年) 87.5kg
古田 繁人(湘南学園高3年) 82.5kg
スクワット 米山幸秀(県立大清水高2年) 135.0kg
ディップス 塩坂源一郎(日大藤沢高3年) 42回
シットアップ 関 秀明(綾瀬高2年) 1分間で61回
(湘南ジム会長=近藤英博)
〔湘南ジム開般2周年記念パワーに参加したジュニアたち〕
■埼玉県・浦和学院高校パワーリフティング部
浦和学院高校は,浦和市内にある私立高校で生徒数1900名というマンモス高校である。高橋康造校長先生はスポーツにたいへん理解があり,高校では珍らしくパワーリフティング部があって,顧問の石原正規先生の指導の下で毎日トレーニングに励んでいる。
石原先生ご自身も,大学時代にパワーリフティングをやっていたという筋金入りの名コーチであり,現在の部員数17名がすべて1~2年生なので,今後の成長が大へん楽しみである。なかでも五十嵐富夫選手は,昨年11月8日に行われた埼玉県パワーリフティング大会に出場し,56kg級スクワットで102.5kgのジュニア日本記録をマークした。
(埼玉県パワーリフティング協会事務局・溝畑貞雄)
石原先生ご自身も,大学時代にパワーリフティングをやっていたという筋金入りの名コーチであり,現在の部員数17名がすべて1~2年生なので,今後の成長が大へん楽しみである。なかでも五十嵐富夫選手は,昨年11月8日に行われた埼玉県パワーリフティング大会に出場し,56kg級スクワットで102.5kgのジュニア日本記録をマークした。
(埼玉県パワーリフティング協会事務局・溝畑貞雄)
〔浦和学院高校パワーリフティング部員たち〕
月刊ボディビルディング1982年5月号
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