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なんでもQ&Aお答えします 1982年4月号

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月刊ボディビルディング1982年4月号
掲載日:2020.08.31

空手とボディビルを両立させたいが


 ボディビル歴は5カ月、現在、下記のようなスケジュールでトレーニングしています。ぼくは3年ほど前から空手を行なっており、なんとかボディビルと両立させたいと考えています。

《トレーニング・スケジュール》
 火・木・土の週3日実施。ただし、腹筋運動だけは毎日行う。
記事画像1
 ところで、3カ月前から上記のスケジュールでトレーニングをやりだして以来、なぜか体の発達が止まってしいました。それまでは、たとえ僅がでも順調に発達が見られたのですが、どうしてでしょうか。

 そればかりではありません。最近では、トレーニングを一生懸命にやればやるほど体調が悪くなるような感じさえします。あわてて5日間のレイ・オフをもうけてみたのですが、トレーニングに対する意欲もいまひとつ湧いてきません。

 空手の稽古は週5日行なっていますが、その方の動きもにぶくなっています。前述したように、ボディビルと空手を両立させたいのですが、よきアドバイスをお願いします。

《現在の体位》
身長164cm 上腕囲29cm
体重51kg 前腕囲25.5cm
胸囲82cm 大腿囲48cm
腹囲67cm

(大分県 水野浩司 家事手伝 20歳)

 からだの発達が見られなくなったのは、オーバー・ワークによるものと考えてまず間違いないでしょう。ボディビルというものは、元来、実施者の体力に応じて適度に行うことが大切です。つまり量および強度の面で、体力的に多少余裕が感じられる程度のトレーニングを行うのがよいということです。

 したがって、そのようなことからすれば、ボディビルの場合、むやみにトレーニングの量と強度を増していくというのは考えものであるといえます。空手などの武道の場合は、精神面での充実度を高める意味で「稽古」の中において忍耐力とか根性といったことを強調する傾向が多分にあります。しかし、ボディビルの場合は、過度な重量や回数を、根性でもって克服しようとするようなかたちのトレーニングを常時行うのは感心しません。

 これはあくまでも推測ではありますが、あなたは空手とボディビルを運動という名の下に同一視しているのではないでしょうか。もしも、空手の稽古を行うのと同じ考えで、根性にまかせてボディビルのトレーニングを行なっているのでしたら、そのような考え方は直ちに改める必要があります。

 あなたは現在、13種目で計39セットもの運動を行なっておられますが、これはどう大目に見ても多すぎるといわざるを得ません。ボディビルダーとしてのあなたのいま現在の身体的な発達段階から考えると、半分くらいのトレーニング量でも十分ではないかと思われます。

 しかし、これには、週に5日の空手の稽古が勘定に入っていません。空手の稽古を行えば、当然、稽古による疲労が身体にもたらされるので、実際にはその疲労のことも考慮してボディビルのトレーニング量を定めるようにしなければなりません。したがって、場合によっては、ボディビルのトレーニングは今の半分の量でも多すぎるということも考えられます。

 なお、トレーニングの頻度も、週に5日行う空手の稽古のことを考慮すれば、週3度行うよりも2度にするほうがかえってよい結果が得られるということも考えられます。

 では、上述したことがらを要約し、その後でスケジュール例を記述することにします。

①ボディビルと空手の、運動としての性質の違いをよく認識する。

②根性にまかせてトレーニングを行うことは慎み、体力的に余裕の感じられる範囲で運動を行うようにする。

③ボディビルダーとしての身体的な発達の段階を踏え、それに適した内容のトレーニングを行うようにする。

④空手の稽古による疲労を考慮して、トレーニングの量と頻度を定める。

《トレーニング・スケジュール例》
 1~2日置き週3日、または2~3日おき週2日行う。

 なお、あなたの身体はかなりの蓄積疲労があると考えられるので、新たなトレーニング・スケジュールに取り組む前にレイ・オフによって完全に疲労を除くようにする。必要に応じて1週間でも10日間でもレイ・オフの期間をおく。

 また、あなたは現在、脚の運動を行なっていないが、特別な事情がないのならば脚の運動を採用されるのがよい。
記事画像2
【注】当分の間は以上の6種目で十分と思われるが、もう1種目加えるとすれば、ベント・アーム・プルオーバーがよいと考えられる。

 なお、各種目のセット数は、体力的な面を考慮して定める。しかし、いったんセット数を定めたら、たまたま調子のいい日があっても、決められた以上に行わないようにする。調子がよいからといって余分に行うと、後日、反動的に疲れが出て、体調をくずす場合があるので注意。

僧帽筋をとくに発達させるためのハイ・プルアップのやり方


 ボディビル歴は2年、自宅で1人でトレーニングしています。以前はかなりやせ型でしたが、トレーニングのおかげで徐々に効果があらわれてきました。

 私の肩は、幅はけっこう広いのですが、僧帽筋のあたりが貧弱です。

 現在、僧帽筋の運動としてハイ・プルアップを行なっています。しかし、やり始めてから3カ月くらい経つのですが、ほとんど効果が見られません。15kgで10回ずつ3セット行なっています。

 運動のやり方は、胸を張り、背すじを伸ばし、できるだけ反動を使わないようにして、シャフトが鼻の辺にくるまでバーベルを引き上げるようにしています。このやり方に誤りはないでしょうか。もし、誤りがあれば、その点についてアドバイスをしていただきたいと思います。

《現在の体位》
身長171cm 上腕囲 34cm
体重 63kg 前腕囲 28cm
胸囲102cm 大腿囲 51cm
腹囲 77cm 下腿囲 36cm

(島根県 佐々木公人 会社員 24歳)

 ハイ・パルアップにおける運動時の姿勢、および15kgという使用重量から判断すると、あなたはずいぶんていねいな動作で運動を行なっておられるようですね。

 発達を意図する部位に刺激を的確に与えるためには、ていねいな動作で運動を行うことも確かに必要であるといえます。しかし、いかに動作がていねいであっても、運動のフォームに不適な点があるようでは、運動としてのポイントがズレてしまいます。

 したがって、運動で、発達を意図する部分に的確に刺激を与えるためには、フォームと動作の双方が的を射たものでなければなりません。

 あなたの場合、推測ではありますがフォームに問題があるのではないかと思われます。というのは、あなたの説明にあるように、ハイ・プルアップを胸を張り、背スジを伸ばしたフォームで行うと、僧帽筋にはあまり効かずに三角筋のほうに強く効くようになってしまうと考えられるからです。

 したがって、そのような場合は、いかに動作がていねいであっても、僧帽筋の運動としては不適であるといえす。(注:現在のようなフォームでスタンディング・ローを行う場合には、三角筋の運動としては非常に有効になります)

 それでは、僧帽筋に効かすためのハイ・プルアップのフォームと動作についての要点を述べることにします。
〔ハイ・プルアップ〕

〔ハイ・プルアップ〕

<1>かまえの姿勢における要点

 背を猫背のようにまるめ、肩を前肩ぎみにして下へ落す。この場合、肩と胸に押されて大胸筋が内側へ寄せられた形になる。

<2>動作上の要点

 背を伸ばしながらバーベルを引き上げ、最終的には額のあたりまで引き上げる。この場合動作上の要点は、バーベルの引き上げ動作に合わせて、両肩を上方へできるだけすくいあげるようにすることである。両肩の上下動を大きくするほど僧帽筋によく効くようになる。バーベルを下へおろすときは、引き上げ動作を逆に行う。

 なお呼吸法は、バーベルを引き上げながら息を吸い、おろしながら吐くようにするのがよい。これを逆ににすると、ごくまれではあるが、胸鎖乳突筋の起始に近い部分を痛めることがあるので注意。

チェスト・ウェイト(またはエキスパンダー)を用いての胸の鍛練法


 ボディビルに興味を持ち、初歩的な練習を開始して2年になります。私は、過去に大きな交通事故で重傷を負い、右腕複雑骨折の手術のため、僧帽筋に太い筋肉注射を8回にわたって打ち込まれ、そのために片方の筋肉がかなりそげ落ちてしまいました。しかし、リハビリテーションと鍛練のために、エキスパンダーとチェスト・ウェイト(家庭用)等の軽量器具を使用してボディビルを開始したところ、自分でも驚くほどの効果が得られました。

 そこで次の3点についてお尋ねします。

①チェスト・ウェイトで大胸筋の発達を促すには、どのような運動を行うのがよいでしょうか。

②チェストウェイト、またはエキスパンダーで行うフロント・チェスト・プルと、ダンベルを用いて行うべント・アーム・ラタラル・レイズ・ライイングとでは、発達する筋肉が結果的には同じなのでしょうか。

③チェスト・ウェイトの有効な使用方法を教えてください。

 以上の3点についてよろしくお願いします。なお、私の現在の健康状態はきわめて良好です。しかし、バーベルやダンベル等の重量物によるトレーニングは一切行なっておりません。

 (大阪市 上杉太郎 学生 23歳)

 あなたの場合は、腕の複雑骨折の後遺症という特殊な事情がありますが、現在はきわめて健康状態は良好ということなので、一般の人にも適応できる問題として回答を進めていきます。

<1>チェスト・ウェイトで大胸筋の発達を促すには

 ストレート・アーム、またはベント・アームによるクロス・オーバーが有効と考えられます。この運動のやり方については、後述の<3>の項で詳しく説明することにします。

<2>フロント・チェスト・プルとダンベルを用いて行うベント・アーム・ラタラル・レイズ・ライイングの効果について

 質問にお答えする前に、まず、フロント・チェスト・プルという運動について少々考えてみたいと思います。

 フロント・チェスト・プルという運動は、チェスト・ウェイトを使って行なっても、また、エキスパンダーを用いて行なっても、運動の動作そのものにはあまり大きな差異が生じないので大ざっぱにいえば、双方同じような効果が期待できるといえます。

 しかし、厳密にいえば、運動として多少趣きを異にします。このことは、やはり、チェスト・ウェイトとエキスパンダーとの運動器具としての特性が違うということによります。つまり、チェスト・ウェイトを使った場合と、エキスパンダーを用いた場合とでは、運動時にからだにかかる負荷の向きが多少異なってくるので、その分、効果のほうも多少違ってくるというわけです。

 したがって、両者を互いに代替し得る運動として同一視して考えられるのもそれなりに結構なことですが、その反面、厳密な意味で両者を比べたときに、両者の間に効果の面で多少差異があることも理解しておく必要があるかと思います。

 フロント・チェスト・プルにおける主な使用筋は、三角筋、僧帽筋、小円骨、棘下筋、菱形筋、上腕三頭筋等です。チェスト・ウェイトを使用した場合には、背の筋肉では肩甲骨から上腕骨につながる小円筋と棘下筋に強く効く傾向があります。

 これに対して、エキスパンダーを使った場合には、どちらかというと肩甲骨の内側にある菱形筋に強く効くといえます。このように、運動の効果に差異が生じるというのは、使用する器具の違いによるだけでなく、運動時における肩甲骨の位置と動きによるもので、その点に注意する必要もあります。

 フロント・チェスト・プルという運動は、運動中に左右の肩甲骨を終始、正常な位置に保つようにし、内側へできるだけ寄せないようにして動作を行うと、傾向としては三角筋、小円筋、棘下筋等に強く効くようになります。

 逆に、肩甲骨の動きを抑制せずに、あるいは意図的に内側へ寄せるようにして動作を行うと、菱形筋と僧帽筋により強く効くようになります。

 チェスト・ウェイトによる場合と、エキスパンダーによる場合とを比べると、どちらかといえば後者の方が、前者よりは肩甲骨の動きが大きくなるので、それだけ僧帽筋と菱形筋にかかる負荷が強くなるといえます。したがって、もしも両方のやり方を行う場合には、それぞれの利点をよく把えて動作を行うようにするほうが、ただ漫然と行うよりはるかに効果的である。

 なお、エキスパンダーによるフロント・チェスト・プルは次の2通りの方法があります。しかし、上述したことがらは全てストレート・アームによる場合についてですから、その点を間違えないでください。

◎フロント・チェスト・プル・ウィズ・ケーブル

 通常、両腕をまげた状態から胸の上でエキスパンダー(ケーブル)を引き伸ばす運動のことをいう。

◎ストレート・アーム・フロント・チェスト・プル・ウィズ・ケーブル

 両腕を伸ばした状態でエキスパンダー(ケーブル)を引き伸ばす運動。〔写真参照〕
(ストレート・アーム・フロント・チェスト・プル・ウィズ・ケーブル)

(ストレート・アーム・フロント・チェスト・プル・ウィズ・ケーブル)

 ずいぶん前書きめいた説明が長くなりましたが、それでは次に、質問の趣旨にお答えすることにします。

 フロント・チェスト・プルの効果についてはすでに述べましたので、ベント・アーム・ラタラル・レイズ・ライイングの効果について述べることにします。そうすれば、双方の効果の違いがおのずから理解できると思います。

 ベント・アーム・ラタラル・レイズ・ライイング〔写真参照〕は、フロント・チェスト・プルの場合と違って、運動の負荷がからだの前面に重点的に与えられる運動であるといえます。
(ベント・アーム・ラタラル・レイズ・ライイング)

(ベント・アーム・ラタラル・レイズ・ライイング)

 この運動で使用される主な筋は、大胸筋、上腕二頭筋、三角筋です。したがって、ベント・アーム・ラタラル・レイズ・ライイングと、フロント・チェスト・プルとは、それぞれ全く異なった効果を促す運動種目であるということがいえると思います。

 双方の運動に共通する筋は三角筋ですが、これとて、厳密にいえば効く部分が異なります。ベント・アーム・ラタラル・レイズ・ライイングでは三角筋の前の部分に重点的に効き、フロント・チェスト・プルでは横の部分および後ろの部分に強く効くといえます。

<3>チェスト・ウェイトの有効な使用方法

 身体を部分的に大別すると首、肩、胸、背、腕、腹、腰、脚の8つの部分に分けることができます。しかし、このうち、首、腹、腰、脚の部位についてはチェスト・ウェイトの運動から除外できると思いますので、それ以外の4つの部分について、それぞれ2種目ずつ運動を紹介していきます。

◇胸の運動――――――――――

◎ワン・ハンド・ペク・プレス・ウィズ・プーリー

<かまえ>片手だけにチェスト・ウェイトの把手1つを握り、チェスト・ウェイトに対して体を横向きに位置させ、腕をまげ、肘を横に張るようにしてグリップを肩の少し下のあたりにかまえる。

<動作>肩の少し下あたりにかまえたグリップを、胸にそって水平に移動させるようにして、〔図-1〕のように、他方の肩あたりまでロープを引き伸ばす。運動中に上体の向きが変らないように留意する。
〔図-1〕

〔図-1〕

<呼吸>ロープを引き伸ばしながら息を吐き、元へ戻しながら吸う。

◎ワン・ハンド・クロスオーバー・ウイズ・プーリー

<かまえ>片手のみにチェスト・ウェイトの把手1つを握り、体をチェスト・ウェイトに対して横向きに位置し、腕を横に伸ばした状態で、グリップを肩の高さよりも少し低くしてかまえる。

<動作>腕を伸ばしたままの状態、または、少しまげた状態で、〔図-2〕のように、肩を中心にして、グリップを他方の肩の前方まで円を描くように水平に移動してチェスト・ウェイトのロープを引っぱる。1セットずつ左右交互に行う。ワン・ハンド・ペク・プレスの場合と同様、運動中に上体の向きが変わらないように注意する。
〔図-2〕

〔図-2〕

<呼吸>ロープを引っぱりながら息を吐き、元へ戻しながら息を吸う。

◇肩の運動――――――――――

◎フロント・チェスト・プル・ウィズ・プーリー

 この運動については、すでにやり方を存じておられると思いますので省略します。

◎ワン・ハンド・フロント・チェスト・プル・ウィズ・プーリー

<かまえ>片手のみチェスト・ウェイトの把手を1つ握り、チェスト・ウェイトに対して体を横向きに位置させ、把手を握ったりグリップを反対側の肩の前方にかまえる。

<動作>腕を伸ばしたままの状態、または、少しまげた状態で、肩を軸にして、〔図-3〕のようにバック・ハンドでチェスト・ウェイトのロープを引っぱる。1セットずつ左右交互に行う。
〔図-3〕

〔図-3〕

<呼吸>ロープを引っぱりながら息を吐き、元へ戻しながら息を吸う。

◇背の運動――――――――――

◎ワン・ハンド・ホリゾンタル・プル・ウィズ・プーリー

<かまえ>片手のみにチェスト・ウェイトの把手を握り、チェスト・ウェイトに面して立ち、腕を前方に伸ばしてかよえる。両脚を前後に開き、腰を少し落としてかまえると、体勢が安定する。

<動作>上体をこころもち前傾させた体勢で〔図-4〕のようにロープを手前に引く。1セットずつ左右交互に行う。引っぱるときに上体の捻りを使わないように注意する。なお、広背筋のためには、肩を落とし、肘が低い位置にくるようにロープを引っぱるのがよい。
〔図-4〕

〔図-4〕

<呼吸>ロープを引っぱりながら息を吸い、元へ戻しながら吐く。

◎ワン・ハンド・プーリー・プルダウン

<かまえ>ワン・ハンド・ホリゾンタル・プルの場合と同じ。ただし、この場合は、上体をもう少し(45度くらいに)前傾させるほうがよいようである。

<動作>腕を伸ばした状態で、引き下げるようにして、手前へロープを引っぱる。つまり、大きく水をかくような感じで引っぱる。ただし、からだの後方まで必要以上に引くことはない。広背筋の緊張度をたしかめながら運動の範囲を決めるとよい。1セットずつ左右交互に行う。

<呼吸>引っぱりながら息を吸い、元へ戻しながら息を吐く。

◇腕の運動――――――――――

◎ワン・ハンド・プーリー・カール

<かまえ>ワン・ハンド・ホリゾンタ・プルのかまえと同じような姿勢をとる。ただし、この運動の場合は上体を少し反りぎみにして、グリップは手の甲が下に向くようにしてかまえる。

<動作>上腕をできるだけ動かさないように留意して、前腕のみを上向きに屈曲させる。1セットずつ交互に行う。

<呼吸>自由に行う。

◎トライセプス・プッシュ・アウェイ・ウィズ・プーリー

<かまえ>片手のみにチェスト・ウェイトの把手を握り、チェスト・ウェイトに面して立ち、上体を前傾させ腕をまげ、肘をワキ腹の横あたりに固定させるようにして、グリップを肩の下方にかまえる。

<動作>上腕を動かさないように留意し、前腕だけを下方向から後方へ伸展させるようにして腕を伸ばす。この運動は上腕三頭筋の運動なので、上体の前傾度は上腕三頭筋に十分な運動負荷がかかるか否かを配慮して定めるようにする。一般的な傾向として、チェスト・ウェイトの位置が低くなるほど上体の前傾度が増す。1セットずつ左右交互に行う。

<呼吸>自由に行う。

 以上、フロント・チェスト・プルを除いて7種目の運動を紹介しました。これらの運動は、すべてを左右片方ずつ行う運動ですが、ボディビルのトレーニングの場合には、運動の負荷が使用筋に十分にかかるように配慮して、片方ずつ行うのがよいのではないかと思います。しかし、これも絶対にそうでなければならないということではないのであなた自身の好み次第で左右一緒に、あるいはオールターニット(両手を交互に動かす運動法)で行うようにしてもかまいません。

〔回答は1959年度ミスター日本、NE協会指導部長・竹内 威先生
 演技指導は平井トレーニング・センター会長・熊岡健夫先生〕
月刊ボディビルディング1982年4月号

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