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なんでもQ&Aお答えします 1986年4月号

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月刊ボディビルディング1986年4月号
掲載日:2021.11.10

上腕二頭筋の下部と三頭筋の上部を発達させたいが

Q トレーニング歴は2年です。腕のトレーニングについて質問があります。上腕囲はトレーニングを始めた当初より4cmも伸びたので喜んでいるのですが、腕の形があまり良いとはいえません。上腕二頭筋はバイセップスポーズをとった時、肩の方に二頭筋があり、前腕に近い方にはまったくありません。つまり上腕二頭筋が短いと考えています。

上腕三頭筋はトライセップスポーズをとった時、三頭筋の下部は良く発達しているのに比べ、上部の発達が遅れているように思われます。

この形の悪い腕をなんとかなおしたいので、上腕二頭筋の下部、および上腕三頭筋の上部に有効なトレーニング法をアドバイスしてください。

≪体位≫
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≪現在の腕のトレーニング≫
〔註〕トレーニングは週に6日、3分割法で行なっています。背の後に上腕二頭筋、胸の後に上腕三頭筋という組み合せです。

〔註〕トレーニングは週に6日、3分割法で行なっています。背の後に上腕二頭筋、胸の後に上腕三頭筋という組み合せです。

(東京都 M.T 27歳 自営業)
A ボディビルディングでは、腕だけでなく全体的に言えることですが、まず最初は基本的なエクササイズでバルク・アップを計り、ある程度筋肉の発達が見られたらその形を整える種目を採用する方法が一般的です。ですから、あなたの場合は、今までの2年間で結構筋肉の発達が見られたようですので、これから形を整える種目を採用されることはよいことです。頑張って下さい。

まず、上腕二頭筋に関して一般的に言えることは、肘が伸びた状態のときは比較的下部に効きやすく、肘を曲げ上腕二頭筋を収縮させていくにしたがって上部に効きやすくなり、ピークを出すのにも効果的になります。

従って、あなたの場合は、肘を充分に伸ばした状態からカールの動作を始めることが大切です。バーベル・カールを例にとれば、バーベルを握り、大腿部の前で両肘を伸ばして構えてカールを行うわけですが、各レップスごとに完全に肘が伸びるところまで、バーベルを下ろすことが大切です。よく(特に初心者の場合)、肘を充分に伸ばさずにカールの動作を反復している人がいますが、これでは下部は充分に発達しません。

現在のあなたの上腕二頭筋のトレーニング種目のうち、バーベル・カールは前述の方法で行なえばよいのですが下部の発達のためには、オルターニット・ダンベル・カールのかわりに、プリーチャーズ・ベンチ(スコット)・カールを行なって下さい。しかし、この種目もベンチの角度ややり方で効果が異なってきますので、その点に充分注意して行なう必要があります〔写真参照〕。
〔プリーチャーズ・ベンチ・カール〕

〔プリーチャーズ・ベンチ・カール〕

ベンチの角度は、あまり急でないものを用いて下さい(ピークを出す時は、逆に急な角度、つまり垂直に近いくらいのものの方がよい)。また、前述のように、肘が伸びた時点での動作を特にていねいに行うことが肝心です。

上腕三頭筋の上部、つまり肩に近い方に効かせるには、フレンチ・プレス系統の運動では、筋肉の最大収縮時に最大負荷がかかるようにしなければいけません。(ピーク・コントラクション。前述の上腕二頭筋の下部の鍛え方のように、筋肉の伸展時に大きく負荷がかかるものが、この逆のレンクス・コントラクション)

つまり普通のフレンチ・プレス(スタンディングやライイング)では、上腕部が垂直になっているために、腕を完全に伸ばし切ってしまうと、肘がロック・アウトされてしまい、上腕三頭筋には負荷がかからなくなってしまいます。筋肉が最大に収縮した時に、最大の負荷がかかっていないということです。

これを解決するには、フレンチ・プレスをインクラインで行うとよいのです。ただし、せっかくインクライン・ベンチを用いて上体を傾けても、上腕部が床に対して垂直になっていたのでは、何の意味もありません。上体同様、上腕部も多少後方に傾けることが大切です。

インクライン・ベンチの角度は、この場合かなり急なものを用いてください。また、頭上でバーベルを上下できるようなインクライン・ベンチが必要です。普通の胸のトレーニング用のインクライン・ベンチは長いので、頭の後方へバーベルが下がりません。都合のよいインクライン・ベンチがない場合はライイングで肘を少し後方へ(足の方ではなく頭の方へ)倒して行なって下さい。

上腕三頭筋は、長頭・外側頭・内側頭とから成りますが、構造上、外側頭は上部の方が太くなっていますので、この部分の発達を促せば、腕を伸ばした時に上腕三頭筋の上部が逞しくなります。この部分に有効な種目としてはナロウ・グリップ・ベンチ・プレス、リバース・プッシュ・アップ、ナロウ・プッシュ・アップなどがあります。

では、上腕二頭筋、上腕三頭筋のトレーニング例を記します。分割法での組み合わせは、今のまま行なってください。

≪腕のトレーニング例≫
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最後になりましたが、上腕二頭筋、上腕三頭筋とも、正確な動作ができ、目的の部位に的確に効かせられるように、いくぶん余裕のある重量を用いて下さい。

白筋・赤筋の意味とその役割は?

Q 先日、ある本を読んで疑問に思った内容がありました。その本によると、筋肉は大きく分けて白筋と赤筋の2種類に分けることができる。この2つの筋肉の性質は、白筋は持久力に乏しいが瞬発力にすぐれ、練習しだいで大きくなる。赤筋は持久力にすぐれるが、瞬発力に乏しく、練習してもあまり大きくならない。そのうえ、白筋と赤筋の割合は遺伝により決定され、一生変わることがないと書いてありました。

私はトレーニングを始めて6カ月になります。トレーニング量が多い割には発達が遅いので、赤筋の量が多いのではないかと悩んでいます。この2つの筋肉について詳しく教えて下さい。

(群馬県 吉田誠 17歳 学生)
A スウェーデンで開発されたバイオプシー法という、筋肉の微少量を注射針で取って染色し、顕微鏡で調べる方法によると、筋肉には赤く染まる筋肉細胞と、白くなる筋肉細胞とがあることが判明しました。

赤い筋肉(遅筋繊維)は、パワーはあまり出ませんが、持久力にすぐれた筋肉で、長距離走などのように、スタミナが優先される競技の選手に多く見られます。

白い筋肉(速筋繊維)は、逆にパワーは強いのですが、長時間のスタミナはそれほどなく、短距離走や重量挙のように瞬発力が重視される競技の選手に多く見られます。

どちらの数が多いかは、両親からの遺伝によるところが大きく、先天的にほぼ決まっています。そして、例えば筋肉に配分される遅筋繊維と速筋繊維の割合が、75%:25%の人は持久力にすぐれ、長距離選手などに向きます。逆に25%:75%の人は短距離選手や投てき、跳躍などに向きます。

これらの割合は先天的にほぼ決っているとはいえ、トレーニング方法を研究することにより細胞容積は少しづつ変化します。

遅筋繊維を増加させるには、軽いウェイトで15~20回以上の高回数で反復するとよく、サーキット・トレーニングなども有効です。ジャイアント・セット法などを軽目のウェイトで高回数行うのも同様に有効です。

食事ではビタミンをしっかり摂るように心掛けます。

速筋繊維を増加させるには、6~10回しか反復できない高負荷でウェイト・トレーニングを行うとよく、主としてセット法を用いるのが効果的です。

食事では特に高たんぱくを心掛けます。

以上のように、ボディビルディングでは速筋繊維が必要ですが、それなのに低負荷・高回数でトレーニングを続けても、持久力はつきますが、筋肉を大きく発達させることはできません。

例えば、ヒンズー・スクワットを何百回も行なっても、筋持久力はついてきますが、大腿四頭筋はあまり大きくなりません。

あなたの場合も、「トレーニング量が多い割には発達が遅いので...」とありますが、注意しなければいけない点は、自分では筋肥大に有効なハード・トレーニングをやっていると思っても実際はそうでないことがよくあるということです。

前述の大腿四頭筋を例にとれば、ヒンズー・スクワットを何百回もやれば、ある意味では確かにハード・トレーニングでしょう。しかし、これでは、筋肥大のハード・トレーニングになっていないのです。逆にバーベルを用いて、6~10回しか反復できないウェイトでスクワットをセット法で数セット行なった方が、大腿四頭筋は太くなります。

もう一度ご自分のトレーニングを再検討して、速筋繊維を発達させる本当のハード・トレーニングを行なって下さい。それと、もうしばらく細かいことに神経を使わないで、じっくりとトレーニングすることも大切です。

ディップスで胸囲の増加をはかりたい

Q ボディビルを始めて1年3カ月たちます。仕事で残業が多いため、なかなか思うようにトレーニングができず、週2~3回がやっとの状態です。

現在は身長172cmで体重70kg、胸囲が100cmといったところです。しかし身長の割合からいっても胸囲110cmは欲しいところです。自宅でトレーニングしているのですが、ベンチ台は購入していないので、胸のトレーニングはもっぱらディップスを行なっています。

そこで質問があります。

①ディップスを重量なしで15回×4セット実施していますが、これに重量をつけて行なえばもっと効果が上るのでしょうか。

②ディップの動作を行う場合、降ろす時、肘を開いた方がよいのか、それとも閉じた方がよいのでしょうか。

③ディップスとベンチ・プレスとでは効果の面で、どれくらいの差があるでしょうか。

以上の点についてアドバイスお願いします。

(京都府 N.K 26歳 自営業)
A 自宅などでトレーニングを行う時には、器具などのハンデはありますが、工夫次第で効果は出ます。頑張ってトレーニングに励んで下さい。

さて、ディップ(ス)について、ご質問の順にお答え致します。

①一般的に、筋肥大のためには、6~10回しか反復できない重量を用いた方が効果的です。従って、筋力がつき、ディップスが何回も行えるようになったら、腰からヒモなどでダンベルをぶら下げて負荷をかけ、6~10回しかくり返せないようにして行なってみてください。

②大胸筋に効かせるようにディップスを行う場合は、肘をある程度開いた方が効果的です。また、胸に効果的に効かせるには、胸を充分に張らなくてはいけません。そして肘が完全に伸びきる前にまた体をおろします。この時は充分に体をおろします。

ですから、逆に言えば、体を垂直に近く保ったまま、肘を開かず(両方の上腕部が平行になる)に、肘が伸びきるように行うと、胸の運動というよりは上腕三頭筋のトレーニングになってしまいます。

③ベンチ・プレスは、フォームにより効果も異なりますが、ノーマルなフォームのベンチ・プレスでは、大胸筋、上腕三頭筋、三角筋に効果がありますが、やはり大胸筋に一番効きます。

ディップスの場合は、前述の②とも関連しますが、やり方に注意しないと、充分に大胸筋を刺激することはできません。

また、ベンチ・プレスは、バーをおろす位置の大胸筋に主として効果があります(つまり、鎖骨のすぐ下にバーをおろせば上部大胸筋に、乳首のあたりにおろせば下部大胸筋に有効です)が、ディップスの場合は主として大胸筋下部に効果的です。

蛇足ですが、以上のように、ベンチ・プレスを行なわずに大胸筋を充分に発達させようと思うなら、ディップスに加えて、プッシュ・アップ・ウィズ・フィート・エレベイテッド(脚を高い台などに置いて行うプッシュ・アップ〔写真参照〕)など、大胸筋上部に有効な種目を加えるとよいでしょう。
〔プッシュ・アップ・ウィズ・フィート・エレベイテッド〕

〔プッシュ・アップ・ウィズ・フィート・エレベイテッド〕

腰に負担のかからない大腿部のトレーニング法

Q ボディビルを開始して2年になります。3カ月前にスクワットを行なっていて、腰を痛めてしまい、トレーニングを中断していましたが、1カ月ほど前から再び開始しました。

現在でもベント・オーバー・ローイングやスクワットなど、腰に負担のかかるトレーニングは恐くてできない状態です。それでも、広背筋に関してはチンニング、ワン・ハンド・ローなどの種目でカバーすることができますが、大腿部に関しては、自宅でトレーニングしているので、レッグ・プレス・マシンやレッグ・イクステンション・マシンなどの器具もありません。試しに軽い重量でスクワットを行なってみましたが、やはり、多少、痛みを感じます。

トレーニングを中断する前は57cmあった大腿囲も、今では53cmほどに減ってしまいました。

そこで、腰に負担のかからない大腿部のトレーニング種目をいくつか紹介してください。

(長野県 山本和政 28歳 会社員)
A 腰の状態がどの程度なのかわかりませんが、もし、そんなに悪くないのでしたら、まずフロント・スクワットを行なってみて下さい。このフロント・スクワットは普通のスクワットと違い、上半身を垂直に保ったまま運動が行えますので、腰への負担は少なくなります。また、ほとんど大腿四頭筋に直接ウェイトがかかりますので、普通のスクワットよりも使用重量が少なくても充分に効果が上がります。ベルトを使用すれば、さらに安心して行なえるでしょう。

フロント・スクワットでも腰に負担がかかるようでしたら、シングル・レッグ・スクワットやシシー・スクワットを行なって下さい。

また、レッグ・イクステンションやレッグ・カールはマニュアル・レジスタンス(パートナーに力を加えてもらう)で行うとよいですね。

では種目の説明をします。

◎フロント・スクワット

バーベルを肩の前に保持して行うスクワット。普通のスクワットは、バーベルを肩の後ろ側で背負うが、このフロント・スクワットは、バーベルを前肩と鎖骨の上に保持して行う。

◎シングル・レッグ・スクワット

片脚で行うスクワット。一方の脚を前方へ伸ばし、バランスをとりながら行う。ベンチなどの上に乗って行うと運動がやりやすい。

◎シシー・スクワット〔写真参照〕

両足の間隔を肩幅ぐらいにして立ち、腰部を屈折することなく、両膝を前へ押し出すようにして深くまげる運動。膝をまげた状態では、ちょうど体全体で「く」の字を形づくるようにする。運動中は、つねに膝から頭までが一直線を保つように留意する。体重以上の負荷を必要とするときは、両手にダンベルをぶらさげて行うとよい。
〔シシー・スクワット〕

〔シシー・スクワット〕

トレーニングの量を増やしたにもかかわらず効果がないが

Q ボディビルを初めて1年になります。開始当時は基本種目のスクワット、ベンチ・プレスのあとスタンディング・プレス、シット・アップなどを2~3セットずつ隔日的に週3日行なっていました。この時は経過も良好で、身体が逞しくなっていく感じがしました。これに気をよくして3ヵ月前からトレーニング種目を次々と増していき、なるべく重い重量を扱うようにしてトレーニングを行なったのですが、開始当時ほどの変化が見られません。それどころか、最近では発達が完全にストップしてしまったように思えます。

こういう場合は、やはり、現在のトレーニング内容を、開始当時のトレーニング内容に戻した方がよいでしょうか。現在のトレーニング内容は下記の通りですのでよろしくお願いします。

なお、栄養面でもかなり気を配っています。

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(栃木県 N.M 18歳 学生)
A ボディビルディングにおいては、自分にとってどれ位が適度のトレーニング量なのかということが非常に大切で、しかも非常に難しい問題でもあります。初心者のうちはトレーニング効果も速く現れ楽しいものですが、だからといってトレーニング強度を急に増やしてはいけません。例えば、「これだけのトレーニングで、この効果が上がったのだからトレーニングの量を倍にすれば、効果も2倍になるだろう」と思うのは大きなまちがいです。

ボディビルディングで効果を上げるには、適度なハード・トレーニング、正しい食事、充分な休養この3つがそろわなければいけません。ですからトレーニング強度も徐々に高めていくようにしましょう。

さて、あなたの現在のトレーニング・スケジュールを拝見すると、そんなに極端に種目が多いわけでもなく、開始当時のトレーニング水準にまで戻す必要はありませんが、このままで発達が止まっているのでしたら、やはり手直しする必要があります。

ではまず、具体的なトレーニング・スケジュール例を記します。

≪トレーニング・スケジュール例≫
(隔日的・週3日)
〔註〕最初の3ヵ月くらいは※をつけた種目は行なわないでください。

〔註〕最初の3ヵ月くらいは※をつけた種目は行なわないでください。

このスケジュールでは、大筋群から小筋群へ、また上半身から下半身へいくように順序を変えました。また、現在6~8回の反復でトレーニングが行なわれていますが、筋肉への刺激を充分に与える目的で、8~12回くらいの反復がよいでしょう。ただし、正しいフォームで扱える最大の重量を用いて8~12回反復して下さい。

また、ベンチ・プレス、ベント・オーバー・ローイング、スクワットの3種目は、ピラミット方式(セットごとに重量を増やしていき、その分、逆に回数は減る)で行なってみるのもよいでしょう。

自宅で本格的にボディビルを始めるに当っての必要な器具とスケジュール

Q 1年ほど前にエキスパンダーと3kgの鉄アレイを購入し、軽いトレーニングを行なってきました。これくらいのトレーニング内容では体位に変化がみられないのも当然のことかもしれませんが、それでも体調は非常によくなったと思っています。

これから、本格的にボディビルを始めるに当り、どのような器具を購入していったらよいのか。また、現在の私の体位から見てどのようなトレーニング・スケジュールを組んだらよいのか教えてください。私の希望としては腹と胸に重点をおいてトレーニングしたいと思っています。よきアドバイスをお願いします。

≪現在の体位≫
身長165cm、体重59kg、上腕囲27cm、胸囲93cm、腹囲76cm

(埼玉県 岸田努 30歳 会社員)
A ボディビルディングは工夫次第では、バーベルやダンベルなどの器具がなくてもトレーニングできますが、ある程度本格的に取り組もうとする場合にはどうしても器具が必要になってきますし、それほど本格的でなくとも、器具があるに越したことはありません。

とりあえず必要な器具としては、重量調節の可能なバーベル、ダレベルとフラット・ベンチ(ラック付のもの)があればよいでしょう。ベンチ1台でベンチ・ブレスやスクワットなど数種目のトレーニングができる便利な器具も出ています。欲を言えばまだ他の器具も欲しいでしょうが、一応これだけあればOKです。

トレーニングについては、トレーニング・スケジュール例を次に述べますので参考にして下さい。各種目のやり方については後述します。

≪トレーニング・スケジュール例≫
(隔日的、週3日)

記事画像9
腹に重点をおき、しかもウォーム・アップを兼ねた目的で、レッグ・レイズを最初にもって来ました。

また、胸にも重点を、ということですので、3ヵ月程経過して体力的に余裕が出て来たら、ベント・アーム・ラタラル・レイズ・ライイングをベンチ・プレスの次に行なって下さい。

≪種目説明≫

◎レッグ・レイズ

床またはベンチに仰臥して、腰を支点にして両脚をできるだけ伸ばしたまま(膝は軽く曲げておく)、上方へあげ、ゆっくりと戻す。呼吸は脚をあげるときに吐き、おろす時に吸う。腹直筋に有効。

◎ベンチ・プレス

フラット・ベンチに仰臥し、肩幅よりいくぶん広く開いた両手でバーベルを握り、肘を深く曲げ、胸の上にバーベルの中央部を触れさせ、ゆっくりとまっすぐに胸上に押し上げて肘を伸ばす運動。主として大胸筋に有効。

◎ベント・オーバー・ローイング

上体を床面と平行になるくらいに前傾し(この時、腰を伸ばし、膝は少し曲げておく)その体勢で下にぶら下げたバーベルを、オーバー・グリップで握り、腹部のあたりへ引き上げる運動。左右のグリップの間隔は肩幅よりも少し広くするとよい。主として広背筋に有効。

◎バック・プレス

首の後ろ側からバーベルを挙上するプレス運動。左右のグリップの間隔は、肩幅の倍くらいが適当。主として三角筋に有効。

◎バーベル・カール

バーベルを肩幅ぐらいの間隔で、アンダー・グリップで握り、腰の前にぶら下げたまま立つ。反動をつけないでゆっくりと肘を曲げ、バーベルを肩の手前まで巻き上げたら、ゆっくりと元に戻す。主として上腕二頭筋に有効。

◎スクワット

バーベルを肩にかつぎ、両足を肩幅ぐらいに開いて立ち、バランスを保ちながら、ゆっくりとしゃがむ。しゃがんだ時に背と腰を彎曲させないことと、頭を浮かさないことに注意する。また、立ち上がる時に、上体をしゃがんだ時の傾き以上に前傾させないようにする。下半身、特に大腿四頭筋に有効。

◎シット・アップ

床、または腹筋台に仰臥し、上体を起こす腹筋運動。膝を軽く曲げて行なうようにする。

◎ベント・アーム・ラタラル・レイズ・ライイング

両手にそれぞれダンベルを持ってベンチに仰臥し、左右のダンベルを胸の上方に挙上してかまえる。その位置から両腕を少し曲げながら、真横に広げるようにして下ろし、充分に下ろしたなら、つぼめるようにして元の位置へ戻す。このとき、肘の屈折度を増さないように注意する。

なお、トレーニングの前後には、必ずウォーム・アップとクール・ダウンを行なって下さい。

使用重量と回数に関しては、レッグ・レイズとシット・アップ以外は、10回前後が正しいフォームでやっと反復できる重量を用いて下さい。レッグ・レイズ、シット・アップとも重量は必要ありません。
〔回答はトレーニング・プラザ代々木・野沢秀雄先生、工藤悦弘先生
演技指導は平井トレーニング・センター会長・熊岡健夫先生〕
月刊ボディビルディング1986年4月号

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