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なんでもお答えしますQ&A 1981年10月号

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月刊ボディビルディング1981年10月号
掲載日:2020.07.01

初心者のトレーニング・スケジュール

Q わたしはこれといった持病はありませんが、体格が非常に貧弱です。ブルワーカーの運動を1年ほど前から行なっていますが、ウェイトを使って行う運動の経験はありません。そのようなわけで、いわゆるボディビルについての知識はありませんが、なんとか体格を人並みにするためにウェイトを使ってのトレーニングを始めようかと考えています。
わたしとしましては、まず最初は4~5種目程度の運動から開始しようかと考えていますが、いかがなものでしょうか。ちなみに現在の私の体格は下記のとおりです。どのような内容でトレーニングを行えばよいかアドバイスしていただきたいと思います。なお、ボディビルの運動は1日おきのペースで行うものと聞いていますが、間の日にブルワーカーの運動を行なっても差しつかえないでしょうか。

≪現在の体位≫
身長 170cm
体重 51kg
胸囲 83cm
腹囲 66cm
上腕囲 26.5cm
前腕囲 25.5cm
大腿囲 44cm
下腿囲 34cm
(山口県 根元 満 会社員 26歳)
A はっきり申しあげて、あなたの体格は水準よりもかなり下にあるといえます。したがって、あなたの場合、ボディビルの開始当初においては、標準的な初心者のトレーニング内容よりもかなり軽度な内容で行うのがよいと考えられます。
あなたも、このことについては自覚しておられるようですが、具体的にどの程度の内容でトレーニングを行えばよいかは、トレーニングの方法例を記述しますのでそれを参考にしていただきたいと思います。

◇トレーニング方法(例)
<第1段階>
隔日的、週3日、または2~3日おき週2日。

①シット・アップ 正確な動作で行える回数 1セット
②スクワット 10回×1セット
③ベンチ・プレス 10回×1セット
④ベント・オーバー・ローイング 10回×1セット

<第2段階>
体力的な余裕が生じてくるにつれて、第1段階における運動を2セットずつ行うようにする。ただし、この場合、全種目を同時に2セットずつ行うようにしないで、1種目ずつ漸次セット数を増やしていく。

<第3段階>
第2段階によるトレーニングにからだが順応したら、筋力的な余裕に応じて、使用重量を無理のない範囲で増やしていく。ただし、使用重量の増加も、セット数の増加と同様、1種目ずつ増やしていくのが無難である。また、増量の幅は2.5kgが適当といえる。

<第4段階>
第3段階の内容に、新たに次の2種目を加えて行う。ただし、体力的な余裕に応じて、1種目ずつ採用していくこと。
①スタンディング・プレス
②カール

<第5段階>
第4段階のトレーニングにおいて体力的な余裕が生じてきたら、全種目を3セットずつ行うようにする。ただし、この場合も、1種目ずつ漸次セット数を増やすようにする。

以上、トレーニング例を段階的に述べましたが、考えようによっては、ずいぶんとまだるっこしく感じるかも知れません。しかし、ボディビルというものは、もともと自分の身体的な能力に応じてトレーニングすべきもので、無理をしないで、じっくりと段階的に行うことが大切であるといえます。

では次に、ブルワーカーに関する質問にお答えします。
ブルワーカーの運動は、アイソメトリックによる運動なので、バーベル、あるいはダンベルを使って行う運動とは趣きが異なります。しかし、ブルワーカーの運動も、バーベルやダンベルなどの運動も抵抗運動であることには違いありません。したがって、バーベルの運動を行う日の間にブルワーカーの運動を行うということは、連日、抵抗運動を行うことになります。
抵抗運動というものは、からだに意図的に負荷を与えることによって、体格、および体力の向上を促す性質の運動ですが、その効果を効率よく得るためには、運動を適度に行うことに加えて、十分に休養をとることです。
そのようなわけで、たとえ運動としての趣きが異なっても、同じ抵抗運動であるブルワーカーの運動と、バーベルまたはダンベルの運動を連日行うのは感心しません。
もしも、ブルワーカーの運動をどうしても行いたいというのであれば、バーベルの運動を1~2段階下げて、双方を同じ日に行うようにするのがよいでしょう。そのようにすれば、間の日に完全に休養がとれるので、連日行うよりはむしろ効果があるといえます。ただし、その場合は、双方の運動をトータルしたトレーニングの量、および強度を、体力的に負担にならないように制限することが大切です。

大腿二頭筋を発達させ、臀部の形をよくするには

Q ボディビル歴は2年3ヶ月です。4ヶ月前から下記のスケジュールで脚部の集中トレーニングを行なっています。

①フル・スクワット 
6~8回×4セット
②ハーフ・スクワット 
8~10回×2セット
③レッグ・プレス・オン・マシーン 
8~10回×3セット
④レッグ・カール・オン・マシーン 
8~10回×3セット
⑤カーフ・レイズ・オン・マシーン 
15~20回×3セット

ところで、上記のトレーニングを始めて以来、大腿四頭筋は多少大きくなりましたが、大腿二頭筋の方はほとんど変化がありません。
レッグ・カールは、軽い重量を用いて、ゆっくりとした動作で、できるだけていねいに行うようにしています。今のところ、これといった効果が得られなくても、このまま続けていけば、いつかは効果が得られるようになるのでしょうか。
また、このところ臀部の下の部分だけが大きくなり、尻が下がった感じに見えます。このことは、現在行っている運動に原因があるのでしょうか。
(東京都江戸川区 西野 博 22歳)
A まず、大腿二頭筋に関する質問からお答えします。運動というものは、同じような方法で行なっても、一様に効果が得られるとは限りません。同じ方法であっても人によっては効果の現われ方が違う場合があり、ときには、なかなか効果が現われてこないという場合もあります。
したがって、そのような場合には、気を長くもって、じっくりとトレーニングを続けていくことも必要です。しかし、そうはいっても、そうそう辛抱できるものではないと思うので、この際、違った方法を試してみるのもよいでしょう。
あなたは現在、レッグ・カールをストリクトによる方法で行なっておられますが、思いきってこれをチーティングによる方法で行うようにされたらいかがでしょう。つまり、重い重量を用い、それを反動を使ってカールし、完全にカールしたら、そこで少しこらえるようにし、それからゆっくりおろしていく、といった方法でレッグ・カールを行なってみてはどうでしょう。
このように、おろすときの動作に重点を置いて行う運動をネガティブ・エクササイズといいます。そして、このような方法による運動は、大腿二頭筋のような屈筋を鍛える場合には、かなり有効であると考えられています。では次に、臀部に関する質問にお答えします。
結論からいえば、臀部の下の部分だけが大きくなってきたということは、あなたの持って生まれた遺伝的な体形によるものか、あるいは、レッグ・プレスのやり方に原因があると考えられます。
レッグ・プレスという運動は、押し上げ板の下へからだを深く入れると、臀筋の下部に強く負荷がかかるようになります。したがって、そのような体勢で運動を行なっていると、ときには臀部の下の部分ばかりが発達して、かっこうの悪い尻になることも考えられます。もしも、あなたが上途したような体勢でレッグ・プレスを行なっておられるのでしたら、今後は、からだを押し上げ板の下へ深く入れないようにして運動を行うようにすればよいと思います。[写真参照]
[レッグ・プレス]

[レッグ・プレス]

腹部の脂肪をとり、デフィニションをつけたいが

Q  ボディビル歴は1年です。昨年の夏は腹にあまり脂肪がなく、デフィニションもまあまあでした。しかし、その後、腹のトレーニングをさぼったため、体重も腹囲も増え、今ではデフィニションもさっぱりです。そこで次の2つについてご指導ください。

①外腹斜筋のところの脂肪をとるにはどうしたらよいでしょうか。
②腹筋台がなく、現在は、両膝をまげ頭に6kgのウェイトをつけてトランク・カールを行なっています。しかし、腹部にかかる負荷が小さすぎるので、数百回も反復できます。腹筋代を使わない運動で、しかも20回以下しか反復できないような負荷の大きい腹の運動を教えてください。

≪現在の体位≫
身長 170cm
体重 68kg
胸囲 102cm
腹囲 75cm
上腕囲 33cm
大腿囲 56cm
下腿囲 41cm
(昨年の腹囲は68cm)
(北九州市 柳原誠司 高校2年)
A あなたの体位から推測すると全体的にかなり体脂肪がついているように考えられます。したがって、腹囲の脂肪を取るにしても、全身的に体脂肪を落とす算段をしなければ、なかなか効果は得られないでしょう。
そのためには、腹部の運動を行うだけでなく、ジョギングのような運動も積極的に行う必要があります。また、場合によっては、炭水化物や油脂類を無理のない範囲でひかえるといった食事の面での節食も必要になります。わけても、側腹部や後腹部は、からだの中でも最も脂肪の落ちにくい部分と考えられるので、それらの脂肪を落すには、まず全身的に体脂肪を落すことから心がけなければなりません。
そして、その上で、次に説明するサイド・ベンドとかサイド・キック、あるいはバック・キックといった、直接的な運動を行うようにすればよいでしょう。

◎サイド・ベンド
<かまえ>片手のみにダンベルをぶらさげ、両足を少し開いて立つ。
<動作>上体を前後に傾けないように留意しながら、左右、横へ屈伸する。右手をダンベルにぶらさげれば左側に、左手にダンベルをぶらさげれば右側の側腹部に効く。

◎サイド・キック(レッグ・サイド・レイズ)
<動作>直立した姿勢で、膝を伸ばしたまま、片足を横へあげる。足を横へあげるときに、上体を反対側へあまり倒さないようにする。

◎バック・キック(レッグ・バック・レイズ)
<動作>立った姿勢で、膝をなるたけまげないように留意して、片脚を斜め後方へあげる。バランスがとりにくければ柱などにつかまって行う。

次に②の質問に対する回答ですが、腹筋の力にも個人差があるので、反復回数が20回以下の運動とひと口に限定されても困ります。しかし、腹筋台を使わなくても、けっこう腹部に強い負荷を与えることのできる運動もあるので、それらを2~3種目紹介することにします。

◎レッグ・レイズ
<かまえ>ベンチに腰から上だけをのせてタテに仰臥し、頭の上方で、ベンチのフチを両手でつかむ。この場合、ベンチの上端の方にあらかじめプレートなどの、おもしになるものを載せておく。[写真参照]
<動作>できるだけ脚をまげないようにして、両足を上へあげる。この運動は、ベンチに臀部をのせて行う方法と、そうでないのとでは、運動としての強度が著しく異なるので、その点に注意。
[レッグ・レイズ]

[レッグ・レイズ]

◎ニー・スラスト
<かまえ>両スネの上にプレートを平らにのせて腰をかけるかベンチに臀部から上をのせてタテに仰臥する。レッグ・レイズの場合と同様、両手でベンチのフチをつかんで、からだを固定する。[写真参照]
<動作>両スネの上に平らにのせたプレートが落ちることのないうように留意し、踵を浮かしたまま、膝を屈して両足を手前へ水平に引きつける。プレートがスネに当たるようなら、坐ぶどんなどの当て物をすればよい。
[ニー・スラスト]

[ニー・スラスト]

◎クロス・ベンチ・シット・アップ
<かまえ>ベンチに横向きに腰をかけあらかじめ据え置いたバーベル・シャフトの下に両足を差し入れて、下半身を固定する。
<動作>上体をうしろへ倒していき、両肩を床に触れるくらいまで倒したら元に戻す。

ラット・マシーン・プルダウンの運動法、その他4つの疑問について

Q ボディビル歴は2年、公立の体育館でトレーニングしています。体育館にはウェイト・トレーニングの器具はひととおり揃っています。しかし、ボディビルに詳しいトレーナーはいません。ボディビルを行なっている仲間も数人いますが、皆たいしてキャリアはありません。中ではわたしが一番キャリアがあるくらいです。貴誌とか専門書を頼りに仲間うちで研究しながらトレーニングしていますが、分からないことがいろいろ出てきます。
そのようなわけで、この度は、仲間を代表してわたしがQ&Aに投書することになりました。よろしく質問にお答えいただきたく思います。

<質問1>ラット・マシーン・プルダウンによって、大円筋の発達を重点的に促すには、どのような方法で運動を行えばよいでしょうか。
<質問2>ベント・アーム・ラタラル・レイズ・ライイングは、主として大胸筋のどのあたりに効くのでしょうか。
<質問3>腰背部から上背中央部にかけての筋肉を逞しくするには、どのような運動を行うのがよいでしょうか。有効な運動を1種目だけご紹介ください。
<質問4>普通のシット・アップとベント・ニー・シット・アップとでは効果の面でどのような違いがあるのでしょうか。
<質問5>パーシャル・レインジ・ムーブメントという運動法があるそうですが、どのような方法なのでしょうか。できるだけ解りやすく説明してください。
(岐阜県 浅野 仁 会社員 25歳)
A 5つの質問について、これからお答えしていきますが、文章でお答えする場合は、誌面の関係もあって、完全に理解していただけたかどうか、私自身、少し心配になることもります。できれば、休日にでも、どこかのジムに行って、専門のコーチに納得のいくまで指導してもらうのがよいと思います。
では、質問の順序に従ってお答えすることにします。

<質問1>ラット・マシーン・プルダウンで大円筋の発達を促すには
広背筋の広がりを増すには、大円筋の発達を促すことも有効な方法でしょう。そして、大円筋は広背筋に協応して働くので、通常は、広背筋(とくに上部)のための運動によって、大円筋の発達を促すことができます。
しかし、特別に大円筋の発達を意図して運動を行いたいというのであれば、次のことがらに留意してラット・マシーン・プルダウンを行なったらよいでしょう。[写真参考]

①バーの握り幅は肩幅の倍以上がよい。ただし、あまり広すぎると運動の動作範囲が小さくなるので、その点に注意。
②滑車が頭上にくるように位置してかまえ、バーを垂直に引きおろすように運動を行う。
③バーを引きおろす位置は、首の前でも後ろでも、どちらでもよいがバーを引き下おろすときに、前後の動きをできるだけ抑制し、両肘を左右、真横から、それぞれ体側に向って引きつけるように行う。
[ラット・マシーン・プルダウン]

[ラット・マシーン・プルダウン]

<質問2>ベント・アーム・ラタラル・レイズ・ライイングの効果
この運動は、主として大胸筋の付着部に近い部位(外側の部分)から中央にかけて効くものと考えられます。したがって、大胸筋の輪郭を拡げるのに効果があるとも考えられます。しかし、大胸筋の内側に関しては、ベント・アーム・ラタラル・レイズ・ライイングはさほど有効な種目とはいえず、同じダンベルを用いて行うにしても、どちらかといえばダンベル・ベンチ・プレスのほうが有効なようです。[写真参照]
[ベント・アーム・ラタラル・レイズ・ライイング]

[ベント・アーム・ラタラル・レイズ・ライイング]

<質問3>腰背部から上背中央部にかけての筋肉を発達させるには
腰背部から上背中央部にかけての逞しさを増すには、スティッフ・レッグによるデッド・リフトか、クリーンが有効と考えられます。ご希望は1種目ということですが、念のため2種目紹介することにします。

◎スティッフ・レッグド・クリーン
<かまえ>床に置いたバーベルを、両脚を伸ばしたまま、上体だけを前方に屈して握る。シャフトの握り幅は肩幅くらいか、あるいはそれより多少広いくらいがよい。
<動作>脚を伸ばしたまま、いきおいをつけてバーベルを肩のあたりまで引きあげ、引きあげたなら腕と手首を返して上胸の前で受けとめる。無理をすると腰を痛めるおそれがあるので注意する。

◎スティッフ・レッグド・デッド・リフト・ウィズ・ダンベル
<かまえ>両手にダンベルを持ち、脚を伸ばしたまま上体を前方へ倒す。この場合、意識的に背をまるくするほうが上背中央部に対して有効となる。
<動作>脚を伸ばしたまま上体を起こし、動作の中途から背を反らすようにして、両手に持ったダンベルを大腿部のあたりまで引きあげる。


<質問4>シット・アップとベント・ニー・シット・アップの違い
シット・アップという運動は、腹筋台の傾斜度や、上体の起こし方によっても、腹筋に与える効果が多少異なってきます。したがって、普通のシット・アップとベント・ニー・シット・アップとの効果の違いを明確に述べることはなかなか難しいことです。しかし、両者の効果の違いを一般的な傾向として述べることは可能です。
普通のシット・アップは、ベント・ニー・シット・アップと比べると傾向として中腹部により強く効くといえます。そして、ベント・ニー・シット・アップは、普通のシット・アップに比べると、下腹部により有効な運動であるといえます。したがって、腹部を細分して鍛える場合には、そのへんのところを考慮して種目を選ぶことも必要でしょう。


<質問5>パーシャル・レインジ・ムーブメントとは
パーシャル・レインジ・ムーブメントとは、運動の動作を可動範囲いっぱいにわたって行わずに、一部分の範囲内で反復する運動のやり方のことをいいます。

たとえば、ベンチ・プレスの場合であれば、胸上から完全に腕を伸ばしきるまでの運動を行うのではなく5㎝、あるいは10㎝といった、ごく狭い範囲でのバーベルの上下運動を行うようにします。そして、この場合、動作を行う位置は、肘を完全に伸ばした状態から行わなければならないといったものではないので、ベンチ・プレスの中間動作の中で任意に位置を定めて行うようにすればよいでしょう。

スクワットにおけるバーベルのかつぎ方と反復回数について

Q ボディビル歴は4か月です。私は全体的に非力ですが、スクワットは自分なりに重い重量を用いて運動を行うようにしています。しかし、バーベルをかつぐと、どうにも首から肩が痛くなるので困っています。これは、私の場合、首から肩にかけての筋肉が薄いので、そのことが原因になっていると思います。
そこでお伺いします。スクワットの運動時に、首から肩にかけての痛みを軽減するのに、なにかよい手だてはないでしょうか。
なお、私は、よんどころない場合には、使用重量を軽くし、高回数(20回くらい)で運動を行なってみようかと考えています。その場合、運動の効果は、普通の回数(10回前後)で行う場合と同様に得られるでしょうか。

《スクワットの内容》
ウォーム・アップ 20㎏×1セット
本運動 25㎏ 8~10回×3セット
(京都市 中西一夫 会社員 31歳)
A スクワットでバーベルをかついだときに首と肩が痛いということですが、一応、かつぎ方に問題がないかどうか調べてみる必要があると思います。
肩の肉が厚い人の場合には、シャフトが頸椎に当たらないようにすれば、あとはとりたてて注意すべきことはないと思います。
しかし、あなたのように肩の肉の薄い人の場合は、左右の肩甲骨を内側へ寄せ、肩の肉を少しでも大きく盛りあがらせるようにしてバーベルをかつぐのがよいと思います。そして、そのような方法でバーベルをかついでみて、それでもなおかつ肩が痛いというのであれば、その場合は、肩に当て物をするなり、シャフトにタオルなどを巻くなどして痛みを和らげるようにしたらよいでしょう。
次に、反復回数についての質問にお答えすることにします。
まず、結論から申しあげれば、高回数(この場合は20回くらい)で行うのと、普通の回数(10回前後)で行うのとでは、運動としての効果はいくぶん異なってきます。というのは、運動の効果というものは、1セット当りの反復回数の多い少ないによって、筋力の強化と筋の持久力の強化に対する有効度が違ってくると考えられているからです。
したがって、当然のことながら、どちらに比重をかけて運動を行うかによって、脚そのものの発達の感じも多少違ってくるといえます。しかし、具体的にどのように違うということは、個人差があるので、いちがいにはいえません。ただ、傾向としていえることは、低回数で行うほうが、高回数で行うよりは、どちらかといえば、その人なりに逞しい感じに発達するということがいえるかと思います。
[回答は1959年度ミスター日本、NE協会指導部長・竹内 威先生]
月刊ボディビルディング1981年10月号

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