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ニュース 1983年8月号
■JPA国際ニュース……国際部長・吉田 進

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月刊ボディビルディング1983年8月号
掲載日:2020.11.09

①ワールド・ストロンゲストマン・コンテスト今年は中止

 昨年まで連続6年間開かれてきたワールド・ストロンゲストマン・コンテストは、どうやら今年は中止と決まったようである。ブルース・ウィルヘルム、ドン・ラインホルト、ビル・カズマイヤーらのスターを生んだこの大会は、我々バーベル愛好家の中でも関心の高いものであっただけに、まことに残念である。
 中止の理由は、数年前のこの大会で足をケガしたコロンボと、テレビ局との話し合いがこじれて裁判に持ち込まれテレビ局側が負けたからだとも言われている。

②カズマイヤーがカムバック

 ここ2~3年、胸を痛めたり足を痛めたりで不運だったビル・カズマイヤーが、今年はワールド・ストロンゲストマン・コンテストがない事もあって、久々に今年7月の全米パワーリフティング選手権に出る事になった。当然、これに優勝すれば4年ぶりの世界選手権出場ということになる。彼ほどの選手でありながら、ケガなどで何年も世界タイトルを取っていない選手というのもめずらしく、一部ではワールド・ストロンゲストマン・コンテストに集中しすぎたためだという声も聞かれるほどである。
 現在の彼は、特にデッド・リフトが好調で、最近ある試合のエキジビジョンで385gを3回引き、その直後に410kgに成功しているという。全米選手権でのカムバックぶりが楽しみである。

③スーパーヘビー級にまた有望新人登場

 昨年のドゥエイン・フェリー(スクワット445gの世界記録保持者)に続いて今年もスーパーヘビー級に有望な新人があらわれた。名前はリー・モランと言い、ここ1年間の全米トップテンのトップに立った男である。カズマイヤーが、ここ1年間、公式試合に出ていないという、彼にとっては有利な条件の元での1位であるが、2年前は名前すら知られていなかった事を考えると、立派なものである。
 彼の記録は、スクワット425kg、ベンチプレス272.5kg、デッドリフト320kg、トータル1、017.5kgで、スクワットが強く、デッドリフトが弱いところはドゥエイン・フェリーと同じタイプである。このモランもフェリーも、全米選手権でスクワット1、000ポンド(453kg)を目標にトレーニングに励んでいるそうである。

④ドイル・ケネディー、デッドリフトで404kgに成功

 アメリカの1980年スーパーヘビー級世界チャンピオンであるドイル・ケネディーが、史上3人目の400g以上のデッドリフトに成功した。ここ1年の間に長いあいだ壁とされていたデッドリフト400kgを3人が続けて破っている。第1号がおなじみのカズマイヤー、2号が125kg級のウォルバー、そして今年の3月にこのドイル・ケネディーというぐあいである。
 記録というものは不思議なもので、どんなに破りがたい壁でも、一度だれかが破ると、せきを切ったように破られるものらしい。次の壁はスクワット1、000ポンド(453kg)「であるが、あんがいこれも今年の全米選手権で複数の人間が破るのかもしれない。

⑤全米学生パワーリフティング選手権大会
3月25日・26日 テキサスUSA

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⑥上界マスターズ選手権大会について

 IPF主催の世界マスターズ(40歳以上)選手権大会が9月3日、4日の両日、カナダで行なわれるが、国際部に入った連絡によると、申込みは6月中旬ですでに9ヵ国、約50名となっているそうである。日本からも昨年の50歳以上56kg級チャンピオン小池選手と、埼玉大学の松尾昌文教授(50歳以上、90kg級)の2名が参加を予定している。
 また日本でも、9月15日に第1回全日本マスターズ・パワーリフティング選手権大会が開かれるので、開催要項をごらんの上、JPAまで申込んでください。そして、これを足場として、来年はさらに多くのリフターに世界選手権に参加してもらいたいと思います。

⑦第1回全米高校パワーリフティング選手権

 今年8月7日に第1回全日本高校パワーリフティング選手権大会が開かれるが、アメリカでも同じく今年4月に第1回の全米高校選手権大会が開かれた。参加人数は男女合わせて106人であった。

◆第1回全米高校パワーリフティング選手権大会優勝者
3月29、30、4月1日 於・オクラホマ

記事画像2

■第10回全日本学生パワーリフティング選手権大
会成績 5月29日 於・名城大学旧体育館

(中部学生パワーリフティング連盟理事長・水野重生)

(中部学生パワーリフティング連盟理事長・水野重生)

■第13回中部学生パワーリフティング選手権大会
5月15日 於・名城大学旧体育館

(中部学生パワーリフティング連盟理事長・水野重生)

(中部学生パワーリフティング連盟理事長・水野重生)

■白熱!帯川VS小沼戦……勝抜き腕相撲情報

 テレビ東京の勝抜き腕相撲で、5月30日、森本文博選手を破って第7代チャンピオンになった佐竹国博選手は、次々と強敵を倒して、6月20日、30人抜きを達成したが、6月23日、増田忍選手に敗れ、35人抜きにとどまった。
 8代目チャンピオンとなった増田選手は、年齢20歳。身長180cm、体重120kg、握力77kg、中学・高校時代と相撲部に籍を置き、高校時代、神奈川県大会(インターハイ)で個人優勝している。その増田選手は17人を抜き、7月5日渡辺隆樹選手に負けた。
 渡辺選手(9代目チャンピオン)は21歳身長182cm、体重95gで、7人抜いたが、7月11日に登場した帯川光男選手に敗れた。
 10代目チャンピオン・帯川選手は37歳。身長167cm、体重96kgというガッチリした体格の持ち主。そして10人目の挑戦者に迎えた小沼敏雄選手(1982年度ミスター東京2位)との試合は、ともにダウンが奪えず、まれにみる白熱の勝負となったが、レフェリー、チャーリー湯谷は、終始攻勢をとったチャンピオン帯川選手の優勢勝ちを宣した。そして15人抜いたところで、7月20日、工藤正行選手に敗れた。
(レポート・写真=小山勝)
[30人抜きを達成した佐竹選手]

[30人抜きを達成した佐竹選手]

[増田選手を破った渡辺選手(左)]

[増田選手を破った渡辺選手(左)]

[帯川選手(右)は小沼選手に辛勝]

[帯川選手(右)は小沼選手に辛勝]

■第24回全九州学生パワーリフティング選手権大
会成績 5月22日 於・福岡工業大学体育館

(全九州学生パワーリフティング連盟理事長・秋山勝則)

(全九州学生パワーリフティング連盟理事長・秋山勝則)

■第14回全道男子第2回全道女子パワーリフティング選手権大会
5月29日・札幌中島体育センター

(北海道パワーリフティング協会理事長・金沢恒寿)

(北海道パワーリフティング協会理事長・金沢恒寿)

月刊ボディビルディング1983年8月号

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