ニュース 1984年11月号
月刊ボディビルディング1984年11月号
掲載日:2021.04.06
■第4回ミスター秋田ボディビル選手権大会
優勝・永田慶伸、2位・保坂明
第4回ミスター秋田は、地元インターハイ開催期間中の8月19日、秋田市文化会館で開かれた。インターハイの他に高校野球のまっ最中でもあり、県代表の金足農高の快進撃で市民はテレビの前に釘づけ。市内の通りには人影もまばら。観客の出足も悪く、野球に合わせて、時間を少しくり上げての大会でした。〔写真下〕
コンテストの結果は、前回4位の永田がバランスの良い体とキレのよいディフィニションで、バルクの保坂を押えて初優勝。経験1年に満たない奥村が来年の驚異を感じさせての3位入賞でした。その他の成績は次のとおり。
コンテストの結果は、前回4位の永田がバランスの良い体とキレのよいディフィニションで、バルクの保坂を押えて初優勝。経験1年に満たない奥村が来年の驚異を感じさせての3位入賞でした。その他の成績は次のとおり。
(レポート・嵯峨次夫、写真・伊藤由紀子)
〔ミスター秋田。左から小貫山、佐藤(4位)、奥村、永田、保坂、佐藤(5位)。右は比較審査〕
■JPA国際ニュース・・・・・・国際部長・吉田進
◎1984年全米パワーリフティング選手権大会
7月7日、8日 デイトン・オハイオ州
今年の全米選手権大会は3つの特筆すべき出来事があった。その1、多くの新人たちの台頭。その2、標準記録を破って女性リフターが出場した事。その3、公式試合で初めてスクワット1,000ポンド(453kg)の壁が破られた事。
では各クラスごとに、その内容をながめていこう。
◆52kgクラス
では各クラスごとに、その内容をながめていこう。
◆52kgクラス
チャック・ダンバーがカムバックした。しかも565kgの好記録で。今年の世界選手権大会では、今までになく激しい因幡選手とのチャンピオン争いが見られそうだ。3位に入ったのは正真正銘の女性リフター、ダイアナ・ローレルである。特にデッドリフトはこのクラスで最高というのだから恐れいる。
◆56kgクラス
◆56kgクラス
ラマー・ガントが今年も勝って、世界選手権10連勝へ王手をかけた。しかし、ここ2~3年、記録は全く伸びておらず、日本の伊差川選手にとって、2度目の世界チャンピオンのチャンスになりそうである。5位のビッキー・ステインロッドも女性で、ベンチプレスは試合後のドラッグテストにパスしており、世界新記録である。
◆60kgクラス
◆60kgクラス
このクラスは出場選手も少なく、記録も平凡である。60kgクラス以下はアメリカの選手も大したことはなく、日本人のいちばん活躍できるクラスである。
◆67.5kgクラス
◆67.5kgクラス
このクラスからいよいよアメリカの強さが発揮される。昨年のチャンピオン、ボブ・ウォールが1クラス上がったため、新人ダン・オースティンが優勝。2位以下も今まで聞いたことのない選手が目白押しである。5位のボブ・ブリジスは、あのマイク・ブリジスの弟である。
◆75kgクラス
◆75kgクラス
このクラスも新人のジーン・ベルが優勝。2位以下もほとんど無名である。昨年の67.5kgクラス世界チャンピオンのボブ・ウォールはスクワットで失格。75kgクラス世界チャンピオン、リッキー・クレインもデッドリフトで、第1試技から335kgの世界新記録に挑んだが、一度も引けずに失格という事での番狂わせとなった。
◆82.5kgクラス
◆82.5kgクラス
マイク・ブリジスとエド・コーンの一騎打ちと見られたが、ブリジスはボツリヌス菌にやられて入院という事になり、エド・コーンの楽勝となった。コーンは、まだ20才前半で、3種目ともバランス良く、来年以降もブリジスのよきライバルとして伸びていくと思われる。
◆90kgクラス
◆90kgクラス
このクラスはスーパースターがいないため、記録を見てのとおりの大激戦となった。結果はベテラン、デニス・ライトのカムバック、そして初優勝という事になった。4位のアーニー・フランツは50才、奥さんのダイアナ・フランツは46才で今年の60kg級女子世界チャンピオンである。
◆100kgクラス
◆100kgクラス
3人の元世界チャンピオンが顔を合せた最も“おもしろい”クラス。結果は、デッドリフトで世界最高を出したジム・キャッシュが2年ぶりのチャンピオンとなった。2位のラリー・パシフィコは2年前の心臓手術から完全に立ち直り、多くの者に感銘を与えた。3位のハットフィールドは、4月のハワイ国際大会では125kg級で416kgのスクワットに軽く成功していたのだが、減量で体調をくずしたのか、平凡な記録に終り、2年連続の世界チャンピオンへの道は少々遠かったようだ。
昨年の世界選手権でフレッド・ハットフィールドと1位を争ったジョー・ラドナーが優勝候補と見られたが、ふたを開けてみると、だれも予想しなかった新人、デイブ・ジャコビーが2.5kg差で優勝をさらってしまった。
◆125kgクラス
◆125kgクラス
“黒い鉄人”ジョン・ギャンブルが1トンオーバーのトータルで楽勝。ただし、彼は昨年の世界選手権のドラッグ・テストにひっかかっており、1年半はIPF主催の大会に出場禁止のため、世界選手権のアメリカ代表には、2位のマーク・チャイレットが出場する。
◆スーパーヘビー・クラス
◆スーパーヘビー・クラス
今年は“世界最強の男”ビル・カズマイヤーが出場しておらず、チャンピオンの座にだれがすわってもおかしくない戦いであった。
スクワットの元世界記録保持者、デイブ・ワディングトンはスクワットで3回ともしゃがみが浅く失格。優勝杯はリー・モランの手に渡った。
モランはスクワットの第1試技で432.5kgに挑んだが、貧血をおこして倒れて失敗。このとき口の中を切ってしまった。2回の432.5kgは鼻血と口の血で、まさに血だらけのスクワットになったが、こんどは軽く成功。
3回目は1003ポンド(455kg)を選んだ。1003ポンドを肩にかついで試技が始まったが、モランの体のふるえが激しく、しゃがむ前にシャフトからカラーがふっ飛び、プレートがステージ中に飛びちるという事故がおこってしまった。幸いケガ人もなく、再度試技が始まり、今度は完全なしゃがみで成功したのであった。こうして史上で初めての1000ポンドの壁は劇的に破られたのであった。
スクワットの元世界記録保持者、デイブ・ワディングトンはスクワットで3回ともしゃがみが浅く失格。優勝杯はリー・モランの手に渡った。
モランはスクワットの第1試技で432.5kgに挑んだが、貧血をおこして倒れて失敗。このとき口の中を切ってしまった。2回の432.5kgは鼻血と口の血で、まさに血だらけのスクワットになったが、こんどは軽く成功。
3回目は1003ポンド(455kg)を選んだ。1003ポンドを肩にかついで試技が始まったが、モランの体のふるえが激しく、しゃがむ前にシャフトからカラーがふっ飛び、プレートがステージ中に飛びちるという事故がおこってしまった。幸いケガ人もなく、再度試技が始まり、今度は完全なしゃがみで成功したのであった。こうして史上で初めての1000ポンドの壁は劇的に破られたのであった。
■門脇政明選手5連覇達成!!2位に小笹秀明選手
――第13回ミスター北海道選手権大会――
第13回ミスター北海道選手権大会は、過去最高の22名の参加選手によって、9月2日、札幌市教育文化会館で開催された。
今大会の見どころは、過去4連勝の門脇選手の5連勝がなるかどうかが注目されたが、やはり、バルク、カットとも他の選手よりレベルが上で、文句なしの5連勝を為し遂げた。尚、ゲスト・ポーザーの小山裕史選手がすばらしいポージングを見せてくれ、大会は一層盛りあがった。
大会の結果は次のとおり。
今大会の見どころは、過去4連勝の門脇選手の5連勝がなるかどうかが注目されたが、やはり、バルク、カットとも他の選手よりレベルが上で、文句なしの5連勝を為し遂げた。尚、ゲスト・ポーザーの小山裕史選手がすばらしいポージングを見せてくれ、大会は一層盛りあがった。
大会の結果は次のとおり。
(写真・レポート=山田清治)
〔ミスター北海道選手権大会表彰式〕
■第1回埼玉県腕相撲選手権、星野和夫選手優勝
去る9月16日、市民まつりでにぎわう埼玉県草加市のお祭り広場において、第1回埼玉県腕相撲選手権大会が開催された。
小学生の部、女性の部につづいて行われた一般の部では朝日新聞紙上からの呼びかけに応じて出場した62選手によるトーナメントを勝ち上がってきた4選手が決勝リーグ選を行い、テレビ東京の勝抜き腕相撲で28人抜きを達成した星野和夫選手が3戦全勝で優勝。以下、2位・桜井孝光選手(日本腕相撲協会所属三段)、3位・清水潔選手(ボディビル歴17年)、4位・本間信一選手と決定した。
決勝戦終了後、エキジビジョンが行われ、今大会のレフェリーとして参加した全日本腕相撲チャンピオン、南波勝夫氏に、初代埼玉チャンピオンの星野選手を初め、田村啓明(勝き抜腕相撲66人抜き)、森本文博(同18人抜き)といった強豪6名が次々と挑戦したが、これらの強豪を全く寄せつけず、改めて日本腕相撲界第一人者の貫禄をまざまざと示した。
小学生の部、女性の部につづいて行われた一般の部では朝日新聞紙上からの呼びかけに応じて出場した62選手によるトーナメントを勝ち上がってきた4選手が決勝リーグ選を行い、テレビ東京の勝抜き腕相撲で28人抜きを達成した星野和夫選手が3戦全勝で優勝。以下、2位・桜井孝光選手(日本腕相撲協会所属三段)、3位・清水潔選手(ボディビル歴17年)、4位・本間信一選手と決定した。
決勝戦終了後、エキジビジョンが行われ、今大会のレフェリーとして参加した全日本腕相撲チャンピオン、南波勝夫氏に、初代埼玉チャンピオンの星野選手を初め、田村啓明(勝き抜腕相撲66人抜き)、森本文博(同18人抜き)といった強豪6名が次々と挑戦したが、これらの強豪を全く寄せつけず、改めて日本腕相撲界第一人者の貫禄をまざまざと示した。
(写真・レポート=小山勝)
〔優勝・星野選手(右)と南波氏のエキジビジョン〕
■安部保選手念願の初優勝――第12回ミスター大分ボディビル・コンテスト
1984年度第12回ミスター大分ボディビル・コンテストはゲストに粟井直樹、幸子夫妻を迎えて、8月5日、大分県市町村会館で開催された。コンテストはまれにみる大接戦の末、ディフィニションを誇る安部選手が念願の初優勝を為し遂げた。入賞者は次のとおり。(写真下)
(写真・レポート=高城トレーニングセンター)
■大江久教選手、3回目の優勝――第16回ミスター富山コンテスト
第16回ミスター富山コンテストは、8月26日午後1時から富山県教育文化会館大ホールに出場選手15名、ゲストポーザー、小沼敏夫選手を迎えて盛大に開催された。
15才から45才までの選手が白熱したポージング合戦を展開した結果、過去2回優勝の実績をもつ大江久教選手が傑出したバルクとカットで3回目の栄冠を獲得した。
大会の成績は次のとおり。〔写真下〕
15才から45才までの選手が白熱したポージング合戦を展開した結果、過去2回優勝の実績をもつ大江久教選手が傑出したバルクとカットで3回目の栄冠を獲得した。
大会の成績は次のとおり。〔写真下〕
(写真・レポート=村上満)
月刊ボディビルディング1984年11月号
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