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1984年度第30回ミスター日本★第2回ミス日本ボディビル・コンテスト

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月刊ボディビルディング1984年12月号
掲載日:2021.04.19
★ミスターの部
小山裕史選手、圧勝で2回目の優勝
★ミスの部北沢磨佐美選手、念願の初優勝
1984年度ミスター及びミスの日本ナンバーワン・ビルダーを決める我が国ボディビル界のメイン・エベント、第30回ミスター日本、第2回ミス日本ボディビル・コンテストが、10月14日、大阪南御堂会館大ホールで開催された。

北は北海道から南は沖縄まで、全国各地区の代表、ミスター61選手、ミス33選手によって栄冠が競われたが、ミスターの部では小山裕史選手が圧勝して2回目の優勝。ミスの部では北沢磨佐美選手がこれまた圧勝して初優勝を飾った。

上位入賞者の順位と得点明細は別表を見ていただくとして、そのうち1位~6位までの選手について、JFBB重村尚専務理事の寸評は次のとおりである。

ミスター日本の部

★優勝・小山裕史選手

今大会の本命。筋肉の充実度、バスキュラリティーは他の選手をよせつけない。特に大胸、大腿のボリュウムは、国際大会の舞台でもひときわ目立つ。ウィーク・ポイントといえば、広背の広がりとカーフ、それに上腕三頭筋。この点が克服されれば世界大会での優勝も夢ではないと思う。研究家、努力家の彼のことだから、近い将来、きっとそれが達成されるに違いない。

★2位・小沼敏雄選手

彼の特長は全体のプロポーションとバランスの良さ、それに独特の雰囲気にある。去年に比べ少し伸びなやみ気味。特に脚部(大腿、ふくらはぎ)に張りがない感じを受けたが、キビキビしたポージングでその欠点をカバーしていた。来年は一層の努力で優勝を狙ってみて欲しい。

★3位・松原 博選手

上体のバルクとディフニッションが素晴らしい。腕、肩、胸のどこをとっても、その充実度は申し分ない。ただ、上体に比べて脚の部分のバルク不足が目についた。努力のあとがうかがえるだけに、さらに精進してこの部分も完成してもらいたい。

★4位・野沢正臣選手

体の迫力という点では、小山選手に一番迫ったのが野沢選手ではなかったろうか。第1、第2ラウンドのポージングの失点が結果的にひびいたものと思う。全体的にバルクもディフニッションもあるが、表現の段階でそれを生かしきっていない感じがする。今後、さらに深いカットをつけると、一気に優勝できる選手である。

★5位・宮畑豊選手

日本のボディビル界のレベルが年々向上しているにもかかわらず、必ず上位をキープ。いかに努力しているかを物語るものである。上体も下体も素晴らしい。強いて欠点をあげるとすれば、広背の広がり。そして、さらに脚のカットに磨きをかけたら面白いのではないかと思う。

★6位・粟井直樹選手

上腕と腹筋の迫力に比べて、下体に弱さを持っている。もちろん、鍛え込んでいるのは分る。この事は上位の人、すべてに云える事であるが、その上体に比してという意味。世界大会でもやはり全体のバランスがものを云う。

今大会で彼は、進行(音楽担当)のミスで、1分30秒ぐらいで音楽がきれてしまい、中途半端な感じでポージングが終ったが、主催者側としても本当に申しわけなく思っています。

1984年度第30回ミスター日本コンテスト採点表

記事画像1
〔表の見方〕第1ラウンド(規定ポーズ)、第2ラウンド(リラックス・ポーズ)までが予選審査で、7人の審査員が各ラウンドごとに全選手の中から1位と思う選手に1点、2位と思う選手に2点というように採点して15位(15点)までを選ぶ(15位までに入らなかった選手は使宜上16点とする)。そして、その選手に与えられた点数の最高点と最低点をカットし、残る5人の審査員の採点を合計して、得点の少ない選手から順に12名の決勝進出者を選出する。第3ラウンド(フリー・ポーズ)では12名の決勝進出者を同様の方法で採点して、まず7位~12位を選び、
上位6名はさらに第4グラウンド(ポーズ。ダウン)に進み、第1~第4ラウンドの合計点で1~6位を決定する。

ミス日本の部

★優勝・北沢磨佐美選手

全体のバルクは他の選手を圧倒する。今後はさらにシェイプ・アップし、キレのいい体をつくれば世界の舞台で大きく飛躍できる素質を持っていると思う。課題はディフニッションのみ!来季が楽しみである。

★2位・大垣純子選手

一番カットがあり、とぎすまされた感じの体である。ポージングもうまい。強いて注文をつけるなら、もう少し筋量(バルク)を全体につけるといい。プロポーションがいいだけに度合がむつかしいが……。もしくはポージングでもっと柔らかさ(女らしさ)を加えてみても……。

★3位・中尾和子選手

バルク、ディフニッションから云って、一般の女性からは最も好まれる体ではないかと思う。ボディビル・コンテストという面で云うと、もう少しカットを出してもいいのでは……。見方によっては、上位3名の順位が入れかわっても不思議ではない。

★4位・飯島ゆりえ選手

小柄な体に無駄な肉がひとつも無い感じ。そうした迫力のある面と、女らしいポージングが非常にマッチ。オーバーオールの大会だけに、プロポーションの点で少し差がついたのではないかと思う。

★5位・須藤ゆき選手

ベスト・ポーザーをとった須藤選手だけに、ポージングに入ると自体よりも生きてくる。バランス、動きを考えたポージングは、いかにも洗練された感じを受ける。今後の課題は全体にもう少しバルク・アップしてもいいのでは……。

★6位・島田成子選手

島田選手もポージングをすると生きてくる体である。独特の零囲気をもっている。体で云うなら、やはりもう少し筋肉に鋭さを加えてもらいたい。特に背筋のカットをつけてもいいのではないかと思う。

1984年度第2回ミス日本ボディビル・コンテスト採点表

記事画像2
 〔表の見方〕第1ラウンド(規定ポーズ)、第2ラウンド(リラックス・ポーズ)までが予選審査で、7人の審査員が各ラウンドごとに全選手の中から1位と思う選手に1点、2位と思う選手に2点というように採点して15位(15点)までを選ぶ(15位までに入らなかった選手は使宜上16点とする)。そして、その選手に与えられた点数の最高点と最低点をカットし、残る5人の審査員の採点を合計して、得点の少ない選手から順に12名の決勝進出者を選出する。第3ラウンド(フリー・ポーズ)では12名の決勝進出者を同様の方法で採点して、まず7位~12位を選び、上位6名はさらに第4グラウンド(ポーズ。ダウン)に進み、第1~第4ラウンドの合計点で1~6位を決定する。

ミスター日本の部

優勝●小山裕史<鳥取>

優勝●小山裕史<鳥取>

2位●小沼敏雄<東京>

2位●小沼敏雄<東京>

3位●松原博<大阪>

3位●松原博<大阪>

4位●野沢正臣<大阪>

4位●野沢正臣<大阪>

5位●宮畑豊<東京>

5位●宮畑豊<東京>

6位●粟井直樹<岡山>

6位●粟井直樹<岡山>

7位●塚本猛義<大阪>

7位●塚本猛義<大阪>

8位●押方兼二<兵庫>

8位●押方兼二<兵庫>

9位●井口吉美智<東京>

9位●井口吉美智<東京>

10位●菊池正幸<宮城>

10位●菊池正幸<宮城>

11位●川上昭雄<東京>

11位●川上昭雄<東京>

12位●臼井オサム<東京>

12位●臼井オサム<東京>

白坂義夫<神奈川>

白坂義夫<神奈川>

岡本正信<神奈川>

岡本正信<神奈川>

ミス日本の部

優勝●北沢磨佐美<大阪>

優勝●北沢磨佐美<大阪>

2位●大垣純子<栃木>

2位●大垣純子<栃木>

3位●中尾和子<京都>

3位●中尾和子<京都>

4位●飯島ゆりえ<東京>

4位●飯島ゆりえ<東京>

5位●須藤ゆき<東京>

5位●須藤ゆき<東京>

6位●島田成子<東京>

6位●島田成子<東京>

7位●中村美也<京都>

7位●中村美也<京都>

8位●粟井幸子<岡山>

8位●粟井幸子<岡山>

9位●神田美栄子<福岡>

9位●神田美栄子<福岡>

10位●長森富子<京都>

10位●長森富子<京都>

11位●植村純子<京都>

11位●植村純子<京都>

12位●片桐ひろ子<京都>

12位●片桐ひろ子<京都>

遠藤文恵<宮崎>

遠藤文恵<宮崎>

大上直美<東京>

大上直美<東京>

月刊ボディビルディング1984年12月号

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