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ニュース 1985年4月号

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月刊ボディビルディング1985年4月号
掲載日:2021.05.20

■日本パワーリフティング協会公認日本記録表
 1985年1月1日現在 JPA技術委員会

◎男子日本記録………………
記事画像1
◎女子日本記録………………
記事画像2
◎男子ジュニア日本記録………………
記事画像3
◎女子ジュニア日本記録………………
記事画像4

■JAP国際部ニュース………国際部長・吉田進

[1]東ヨーロッパのバワーリフティング

 今月はIPFの機関誌に東ヨーロッパのパワーリフティングについて興味深い報告があったので、写真と共にそれを紹介したいと思います。この報告はチェコスロバキアのジョセフ・スバブ氏が東ヨーロッパ各国を訪ねてまとめたもので、写真も同氏によるものです。
 『東ヨーロッパ諸国のパワーリフティングは、選手数または試合数の増加から見ても明らかなように、急激に発展していることがわかる。まず明らかな事は、スーパースーツとニーバンテージを使っている選手はいあない。ベルトも使われているが、細くて、たよりない物である。この事実はスクワットのフォームに反映している。すなわち、オリンピック・スクワットと一部で言われている脚の力のみで立ち上がる方法である。これは現在のパワーリフティングテクニックから見れば明らかに時代遅れである。我々は雑誌やテレビなどから情報を得るように務めているが、実際に目で見た体験でなければ、なかなかフォームの改造までいたらないようである。
 次にベンチプレスを見てみよう。東ヨーロッパではこの種目は非常によくトレーニングされている種目である。フットボール、陸上競技、アイスホッケー、スキーのジャンプ、レスリング、水泳、バスケットボール、バレーボール等の選手は、上半身の強化にベンチプレスを行なっているし、砲丸投げ、重量挙げの選手も大胸筋の強化策としてベンチプレスを行っている。
 ではこれらの代表的選手のベンチプレスの記録を挙げてみよう。
 チェコスロバキアの砲丸投げのトップクラス選手、マチューラ、ブラべク、キューブ、ジャノーセフ等は、すべて210~230kgのベンチプレスができる。同じくチェコスロバキアの重量挙げのバラ二アックは110kgの体重200kg、スーパーヘビージャン・ナギーは231kgのベンチプレスに成功している。東ドイツの砲丸投げ世界記録保持者ベイヤーは220kgのベンチが出来るし、同じく東ドイツの女子砲丸投げ選手も強く、1983年の砲丸投げチャンピオン、フィビンゲローバは150kgのベンチが可能である。ただし、これらのベンチプレスはIPFルールのゆに胸で一時静止させて行うものではない事を考慮に入れる必要がある。
 しかし私が見たところでは、胸に止めてはいないものの非常にストリクト(正確)に行われていた。チェコスロバキアのパワーリフティング・ヘビー級チャンピオンのスミス・スナジャールは、このスタイルで240kg、そしてIPFルールで225kgの実力がある。(昨年のヨーロッパ選手権では220kg)
 このように東ヨーロッパのベンチプレスは、その歴史が浅いわりにはかなりのハイレベルになると見てよかろう。
 デットリフトはどうだろうか。私の国チェコスロバキアは東ヨーロッパ諸国の間ではデットリフトに関しては一歩進んでいると言われている。私自身の選手、コーチ、レフリーとしての経験から見て、チェコスロバキア人は体型的にも、そして、単純な力くらべを好むという国民性から見てもデットリフト向きである。
 他の東ヨーロッパ諸国では、ごく最近になってデットリフトを始めたばかりである。ソ連では一昨年から試合でデッドリフトを行うようになったばかりだし、東ドイツではいまだに試合にデッドリフトはないままである。ポーランドとハンガリーでも始まったばかりである。
 写真でわかるように、デッドリフトはスモウ・スタイルで行われている。しかし問題は、誰もほんとうのスモウ・スタイルを実際に見たことがないという事である。写真で見たスタイルをまねしているだけである。多くの選手は、足幅を肩幅ほどにひらいたスタイルで行っている』
ソ連のエドワルド。86kgの体重で230kgをスーパースーツも強力なバンデージもなしで行う

ソ連のエドワルド。86kgの体重で230kgをスーパースーツも強力なバンデージもなしで行う

ポーランドのジャン・ルカ。82.5kg級で290kgに成功。この後、足幅の狭いスタイルで312.5kgに成功

ポーランドのジャン・ルカ。82.5kg級で290kgに成功。この後、足幅の狭いスタイルで312.5kgに成功

[2]1984年女子ヨーロッパ選手権大会(2位まで)
1984年12月1日、2日 フランス・メッツ市

記事画像7

■第1回関東高等学校パワーリフティング選手権大会
 1月20日 於・浦和学院高等学校

◎男子の部

記事画像8

◎女子の部

記事画像9

<特別試技>
男子56kg級・佐々木裕次 S☆160.0
男子75kg級・平田 政和 S☆190.0 D☆212.5
女子48kg級・深井美奈子 D☆87.5
女子48kg級・田口 美雪 D☆87.5
女子60kg級・池上恵衣子 D☆123.0

<最優秀選手賞>大石いづみ(神奈川・栗原高校)

[註]☆印は高校日本新記録を示す。(記録・石原正規)
関東高校パワーリフティング選手権大会開会式(参加選手70数名)と各級3位以上入賞者

関東高校パワーリフティング選手権大会開会式(参加選手70数名)と各級3位以上入賞者

月刊ボディビルディング1985年4月号

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