なんでもQ&Aお答えします 1986年6月号
月刊ボディビルディング1986年6月号
掲載日:2021.12.06
自転車の補助トレーニングとしてのウェイト・トレーニング
Q これからウェイト・トレーニングを始めようと思っている高校生です。現在は趣味で自転車に乗っているのですが、速く走るためには上半身と下半身のバランスが必要であることを痛感しています。
そこでウェイトを使って胸、肩、上腕筋、前腕筋の筋力と持久力を向上させるためのトレーニング内容、及び必要とする器具についてアドバイスをお願いします。
<現在の体位>
身長 166.5cm、体重 74.5kg、大腿囲 61.5cm、下腿囲 42.5cm、胸囲 96.5㎝、腹囲 72cm、上腕囲 31.5cm、前腕囲 27㎝
(静岡県 H.I 16歳 高校生)
そこでウェイトを使って胸、肩、上腕筋、前腕筋の筋力と持久力を向上させるためのトレーニング内容、及び必要とする器具についてアドバイスをお願いします。
<現在の体位>
身長 166.5cm、体重 74.5kg、大腿囲 61.5cm、下腿囲 42.5cm、胸囲 96.5㎝、腹囲 72cm、上腕囲 31.5cm、前腕囲 27㎝
(静岡県 H.I 16歳 高校生)
A ウェイト・トレーニングにおいては、一般的に反復回数が5~6回以下の「ロー・レピティション・システム」の場合には筋力が向上し、15回以上くり返す「ハイ・レピティション・システム」の場合は筋持久力の向上に有効です。
従って、筋力と筋持久力を高めるトレーニング法は異なりますが、あなたの場合、これからウェイト・トレーニングを開始するということもありますので、ウェイト・トレーニングを開始するに当っての一般的な反復回数である10回前後の反復で開始して下さい。ただし、前腕と腹筋とカーフは筋肉の性質上、20回前後の反復で行なった方が効果的です。
トレーニングを3カ月経験した時点で、基本的な種目で高重量を扱うものでは、ピラミッド・システムを採用するとよいでしょう。
ピラミッド・システムとは、セットごとに重量を増やし、レップス(反復回数)は逆に減るという方法です。これにより最初に行う軽めのウェイトでの高回数でウォーム・アップが充分にでき、つづいて行う高重量も安心して扱えますので、筋力アップにも効果的です。
あなたの場合には筋持久カを高める目的のために、一番最後の1セットのみ15回位の高回数で行うのもよいでしょう。
では以上の点を考慮して、トレーニング・スケジュール例を作成します。
《トレーニング・スケジュール例》
(隔日的、週3日)
①ウォーム・アップ(ストレッチングetc.)
②ベンチ・プレス 3セット
③ベント・オーバー・ローイング 3セット
④バック・プレス 3セット
⑤バーベル・カール 3セット
⑥フレンチ・プレス・ライイング 3セット
⑦リスト・カール 20回×3セット
⑧シット・アップ(腹筋運動) 2セット
⑨クール・ダウン(ストレッチング、etc.)
上半身を全体的にトレーニングできるように広背筋の種目としてベント・オーバー・ローイングもコースに入れておきました。
以上のコースを10回がやっと(正確に)反復できるウェイトを用いてトレーニングを行なって下さい。そして前述のように3カ月程度経過した時点で②のベンチ・プレスと③のベント・オーバー・ローイングの2種目についてピラミッド・システムを採用します。具体的な方法として、ベンチ・プレスを例にとると次のようになります。
《ベンチ・プレスでのピラミッド・システムの例》
1セット目 15回
2セット目 10回
3セット目 5~6回がやっとの重量
4セット目 10回位がやっとの重量
5セット目 15回位がやっとの重量
では次に各々の種目について説明します。
◎ベンチ・プレス
フラット・ベンチに仰臥し、両腕を左右真横へ伸ばした時の両肘の幅ぐらいのグリップでバーベルを握り肘を深く曲げ、胸の上にバーベルの中央部を触れさせ、ゆっくりとまっすぐ胸上に押し上げて肘を伸ばす運動。呼吸は、おろしながら息を吸い挙げながら吐く。主として大胸筋に有効。
◎ベント・オーバー・ローイング
上体を床面と平行になるくらいに前傾し、その体勢で下にぶら下げたバーベルを、オーバー・グリップで握り、腹部のあたりへ引き上げる運動。左右のグリップの間隔は肩幅よりも少し広くするとよい。主として広背筋に有効。
◎バック・プレス
首の後ろ側からバーベルを举上するプレス運動。左右のグリップの間隔は肩幅の倍くらいが適当。主として三角筋に有効。
◎バーベル・カール
バーベルを肩幅ぐらいの間隔で、アンダー・グリップで握り、腰の前にぶら下げたまま立つ。反動をつけないでゆっくりと肘を曲げ、バーベルを肩の手前まで巻き上げたら、ゆっくりと元に戻す。主として上腕二頭筋に有効。
◎フレンチ・プレス・ライイング
ベンチに仰臥して、バーベルをオーバーグリップで握り、腕を垂直に挙げ、上腕三頭筋が充分に作用するように、肘を支点にして前腕を屈曲、伸展させる。また、その際に肘が開かないように注意する。なお、カーリング・バーの狭い方を握って行うと動作がしやすい。〔写真参照〕
従って、筋力と筋持久力を高めるトレーニング法は異なりますが、あなたの場合、これからウェイト・トレーニングを開始するということもありますので、ウェイト・トレーニングを開始するに当っての一般的な反復回数である10回前後の反復で開始して下さい。ただし、前腕と腹筋とカーフは筋肉の性質上、20回前後の反復で行なった方が効果的です。
トレーニングを3カ月経験した時点で、基本的な種目で高重量を扱うものでは、ピラミッド・システムを採用するとよいでしょう。
ピラミッド・システムとは、セットごとに重量を増やし、レップス(反復回数)は逆に減るという方法です。これにより最初に行う軽めのウェイトでの高回数でウォーム・アップが充分にでき、つづいて行う高重量も安心して扱えますので、筋力アップにも効果的です。
あなたの場合には筋持久カを高める目的のために、一番最後の1セットのみ15回位の高回数で行うのもよいでしょう。
では以上の点を考慮して、トレーニング・スケジュール例を作成します。
《トレーニング・スケジュール例》
(隔日的、週3日)
①ウォーム・アップ(ストレッチングetc.)
②ベンチ・プレス 3セット
③ベント・オーバー・ローイング 3セット
④バック・プレス 3セット
⑤バーベル・カール 3セット
⑥フレンチ・プレス・ライイング 3セット
⑦リスト・カール 20回×3セット
⑧シット・アップ(腹筋運動) 2セット
⑨クール・ダウン(ストレッチング、etc.)
上半身を全体的にトレーニングできるように広背筋の種目としてベント・オーバー・ローイングもコースに入れておきました。
以上のコースを10回がやっと(正確に)反復できるウェイトを用いてトレーニングを行なって下さい。そして前述のように3カ月程度経過した時点で②のベンチ・プレスと③のベント・オーバー・ローイングの2種目についてピラミッド・システムを採用します。具体的な方法として、ベンチ・プレスを例にとると次のようになります。
《ベンチ・プレスでのピラミッド・システムの例》
1セット目 15回
2セット目 10回
3セット目 5~6回がやっとの重量
4セット目 10回位がやっとの重量
5セット目 15回位がやっとの重量
では次に各々の種目について説明します。
◎ベンチ・プレス
フラット・ベンチに仰臥し、両腕を左右真横へ伸ばした時の両肘の幅ぐらいのグリップでバーベルを握り肘を深く曲げ、胸の上にバーベルの中央部を触れさせ、ゆっくりとまっすぐ胸上に押し上げて肘を伸ばす運動。呼吸は、おろしながら息を吸い挙げながら吐く。主として大胸筋に有効。
◎ベント・オーバー・ローイング
上体を床面と平行になるくらいに前傾し、その体勢で下にぶら下げたバーベルを、オーバー・グリップで握り、腹部のあたりへ引き上げる運動。左右のグリップの間隔は肩幅よりも少し広くするとよい。主として広背筋に有効。
◎バック・プレス
首の後ろ側からバーベルを举上するプレス運動。左右のグリップの間隔は肩幅の倍くらいが適当。主として三角筋に有効。
◎バーベル・カール
バーベルを肩幅ぐらいの間隔で、アンダー・グリップで握り、腰の前にぶら下げたまま立つ。反動をつけないでゆっくりと肘を曲げ、バーベルを肩の手前まで巻き上げたら、ゆっくりと元に戻す。主として上腕二頭筋に有効。
◎フレンチ・プレス・ライイング
ベンチに仰臥して、バーベルをオーバーグリップで握り、腕を垂直に挙げ、上腕三頭筋が充分に作用するように、肘を支点にして前腕を屈曲、伸展させる。また、その際に肘が開かないように注意する。なお、カーリング・バーの狭い方を握って行うと動作がしやすい。〔写真参照〕
〔フレンチ・プレス・ライイング〕
◎リスト・カール
バーベルをアンダー・グリップで持ち(掌が上)、ベンチに腰掛けた姿勢で、手首から先を膝からのぞかせるようにして、左右の前腕をそれぞれの側の大腿部の上に固定し、手首だけの屈曲運動を行う。掌側前腕部および手首に有効。
必要とする器具としては、とりあえずはバーベル・セット、ダンベルセット、ベンチ・プレス用のベンチ(ラックがついたもの)などがあれば充分です。バーベル、ダンベルともシャフトの太さが共通のもので、プレートの増減が自由にできるものが便利です。
バーベルをアンダー・グリップで持ち(掌が上)、ベンチに腰掛けた姿勢で、手首から先を膝からのぞかせるようにして、左右の前腕をそれぞれの側の大腿部の上に固定し、手首だけの屈曲運動を行う。掌側前腕部および手首に有効。
必要とする器具としては、とりあえずはバーベル・セット、ダンベルセット、ベンチ・プレス用のベンチ(ラックがついたもの)などがあれば充分です。バーベル、ダンベルともシャフトの太さが共通のもので、プレートの増減が自由にできるものが便利です。
少しでも身長の伸びるトレーニング法はありませんか?
Q トレーニング歴2ヵ月の高校2年生です。ボディビルを始めて多少でも身長が伸びるかもしれないと思っていたのですが一向に伸びる気配はありません。友人はボディビルをやっているから身長が伸びなくなると、言っていました。
無理な質問かもしれませんが、少しずつでも身長が伸びてくるようなトレーニング法はありませんか。現在、週に3~4日ジムに行ってます
《現在のトレーニング内容》
①ベンチ・プレス 10~20回×5セット
②バック・プレス 3セット
③スクワット 3セット
④シット・アップ 50回×2セット
⑤バーベル・カール 4セット
⑥スタンディング・ダンベル・カール 25回×3セット
(神戸市 長谷信之 17歳 高校生)
無理な質問かもしれませんが、少しずつでも身長が伸びてくるようなトレーニング法はありませんか。現在、週に3~4日ジムに行ってます
《現在のトレーニング内容》
①ベンチ・プレス 10~20回×5セット
②バック・プレス 3セット
③スクワット 3セット
④シット・アップ 50回×2セット
⑤バーベル・カール 4セット
⑥スタンディング・ダンベル・カール 25回×3セット
(神戸市 長谷信之 17歳 高校生)
A 普通、男性の揚合、16~17才で成長ホルモンから性ホルモンに、ホルモンの分泌が変り身長の伸びもこの頃ストップします。しかし、個人差も大きく18歳位でも伸びる人もいます。
あなたの場合、高校2年生ということですから、多分ちょうど16~17歳ですね。正しいトレーニングと食事法により、まだ伸びる可能性はあります。
ボディビルによって身長が伸びることこそあれ、縮んだり、伸びが止まったりすることはありません。安心してトレーニングに励んで下さい。
トレーニングでは、スクワット、チンニング、ディップスが身長を伸ばす3大基本種目です。ジャンプや縄飛ぴなども効果的です。また、水泳など、体をのびのびと伸ばして行う運動も効果的です。
では、具体的なトレーニング・スケジュール例を作成します。
《トレーニング・スケジュール例》
(隔日的 週3日)
①ベンチ・プレス 3セット
②ディップス 4セット
③チンニング 4セット
④バック・プレス 3セット
⑤バーベル・カール 3セット
⑥スクワット 4セット
⑦シット・アップ 2セット
使用するウェイトと反復回数については、シット・アップ以外は10回前後のくり返しが、正確に、やっとできるウェイトを用います。また、3ヵ月程経過した時点で、各種目とも1セットずつ増やして行なって下さい。
食事については、たんぱく質が特に重要です。世界各国の8歳の少年の平均身長とたんぱく質摂取量を調査した結果、両者は比例の関係にあることが判明しました。つまり、たんぱく質の摂取量が増えると身長が伸びる、ということです。
ボディビルディングにおいてもたんぱく質は重要ですから、やはり1日に体重1kg当り2gは必要です。例えば体重60kgの人は1日120g必要になるということです。1日3回の食事を充実させるとともに、間食を利用してプロティン・パウダーなどを用いるのもよい方法です。
あなたの場合、高校2年生ということですから、多分ちょうど16~17歳ですね。正しいトレーニングと食事法により、まだ伸びる可能性はあります。
ボディビルによって身長が伸びることこそあれ、縮んだり、伸びが止まったりすることはありません。安心してトレーニングに励んで下さい。
トレーニングでは、スクワット、チンニング、ディップスが身長を伸ばす3大基本種目です。ジャンプや縄飛ぴなども効果的です。また、水泳など、体をのびのびと伸ばして行う運動も効果的です。
では、具体的なトレーニング・スケジュール例を作成します。
《トレーニング・スケジュール例》
(隔日的 週3日)
①ベンチ・プレス 3セット
②ディップス 4セット
③チンニング 4セット
④バック・プレス 3セット
⑤バーベル・カール 3セット
⑥スクワット 4セット
⑦シット・アップ 2セット
使用するウェイトと反復回数については、シット・アップ以外は10回前後のくり返しが、正確に、やっとできるウェイトを用います。また、3ヵ月程経過した時点で、各種目とも1セットずつ増やして行なって下さい。
食事については、たんぱく質が特に重要です。世界各国の8歳の少年の平均身長とたんぱく質摂取量を調査した結果、両者は比例の関係にあることが判明しました。つまり、たんぱく質の摂取量が増えると身長が伸びる、ということです。
ボディビルディングにおいてもたんぱく質は重要ですから、やはり1日に体重1kg当り2gは必要です。例えば体重60kgの人は1日120g必要になるということです。1日3回の食事を充実させるとともに、間食を利用してプロティン・パウダーなどを用いるのもよい方法です。
大胸筋の上部と内側を発達させたい
Q 大胸筋の上部および内側の発達が遅れています。逆に大胸筋の下部、外側はよく発達しているため鏡を見ると胸がたれたように見えます。
大胸筋の上部を発達させるために、インクラインベンチ、内側のためにナローグリップベンチを行なっていますが思うようにいきません。フラットのベンチプレスだと胸に効くのですが、インクラインベンチにしたり、ナローグリップに変えると、胸よりも肩、上腕三頭筋に効いてしまいます。
もうひとつ、広背筋の下部を発達させたいのですが、どんな種目を行なったらよいか悩んでいます。ぼくの場合チンニングを主に行なっているのが発達しない原因でしょうか。
トレーニング歴3年の大学生です。よきアドバイスお願いします。
《体位の変化》
開始 現在
身長 170㎝ → 171㎝
体重 59㎏ → 64㎏
胸囲 90㎝ → 105㎝(拡張)
上腕囲 32㎝ → 35㎝
腹囲 71㎝ → 74㎝
大腿囲 53㎝ → 57㎝
《現在のトレーニングスケジュール》
週4日の2分割法
◆Aコース(胸・背)
①インクライン・ベンチ・プレス 50~70kg 5セット
②ナローグリップ・ベンチ・プレス 30~40kg 4セット
③ダンベル・プルオーバー 10kg 3セット
④チンニング 5セット
⑤ラット・マシン・プルダウン・ビハインド・ネック 25kg 4セット
⑥ワンハンド・ローイング 15kg 3セット
◆Bコース(脚、肩、腕)
①スクワット 50~100kg 5セット
②ワン・レッグ・カーフ・レイズ 10kg 3セット
③バック・プレス 15~20kg 3セット
④サイド・レイズ 7kg 3セット
⑤バーベル・カール 15~20kg 3セット
⑥ラット・マシン・プレス・ダウン 10~15kg 3セット
(東京都 N.O 23歳 学生)
大胸筋の上部を発達させるために、インクラインベンチ、内側のためにナローグリップベンチを行なっていますが思うようにいきません。フラットのベンチプレスだと胸に効くのですが、インクラインベンチにしたり、ナローグリップに変えると、胸よりも肩、上腕三頭筋に効いてしまいます。
もうひとつ、広背筋の下部を発達させたいのですが、どんな種目を行なったらよいか悩んでいます。ぼくの場合チンニングを主に行なっているのが発達しない原因でしょうか。
トレーニング歴3年の大学生です。よきアドバイスお願いします。
《体位の変化》
開始 現在
身長 170㎝ → 171㎝
体重 59㎏ → 64㎏
胸囲 90㎝ → 105㎝(拡張)
上腕囲 32㎝ → 35㎝
腹囲 71㎝ → 74㎝
大腿囲 53㎝ → 57㎝
《現在のトレーニングスケジュール》
週4日の2分割法
◆Aコース(胸・背)
①インクライン・ベンチ・プレス 50~70kg 5セット
②ナローグリップ・ベンチ・プレス 30~40kg 4セット
③ダンベル・プルオーバー 10kg 3セット
④チンニング 5セット
⑤ラット・マシン・プルダウン・ビハインド・ネック 25kg 4セット
⑥ワンハンド・ローイング 15kg 3セット
◆Bコース(脚、肩、腕)
①スクワット 50~100kg 5セット
②ワン・レッグ・カーフ・レイズ 10kg 3セット
③バック・プレス 15~20kg 3セット
④サイド・レイズ 7kg 3セット
⑤バーベル・カール 15~20kg 3セット
⑥ラット・マシン・プレス・ダウン 10~15kg 3セット
(東京都 N.O 23歳 学生)
A まず大胸筋上部を発達させる方法について述べます。この部分のトレーニングには、インクライン系統の種目が有効なのですが、ベンチの角度や肘の角度などでも効果が大きく異なります。インクライン・ベンチ・プレスで大胸筋の上部に効かせるには、次のようなポイントに注意してトレーングすることが大切です。
①ベンチの角度をあまり急な傾斜にしない。
②肘を床面に対して垂直になるように張る。
ベンチの角度は45度ぐらいまでとし胸部が薄い場合には、これよりゆるやかな角度で行なって下さい。傾斜が強くなるに従い、効果が肩へ移行しますので注意が必要です。
肘はベンチに対して直角になるのではなく、床面に対して垂直になるような状態で上下させてください。
また、最初は重量にとらわれず正しいフォームで行うように心掛けるとよいでしょう。
もし、この方法でもうまく効かない場合には、まず次に挙げる種目を行ってから、インクライン・ベンチ・プレスを行うとよいでしょう。
◎ベンチ・プレス(ロウアー・ツー・ジ・アッパー・ペクツ)
バーベルを大胸筋上部(鎖骨のすぐ下あたり)におろして行うベンチ・プレス。グリップはスタンダードか、いくぶん狭くして行う。ブリッジなどをして腰を浮かせないように注意する。また、肘は充分に張ること。この種目は無理をして高重量を扱うと肩を痛めやすいので、いくぶん余裕のある重量で行うとよい。
大胸筋の内侧を発達させるには、大胸筋を内側へ最小限度まで意識的に収縮させることが大切です。チェスト・マシンやナロウ・グリップ・ベンチ・プレスが効果的ですが、ナロウ・グリップ・ベンチ・プレスは上腕三頭筋に効きやすく、これも難しい種目です。コツとしては、常に意識を胸に集中して、腕で挙げるというより、胸の力で挙げる、という感じで行うとよいのです。肘を伸ばした時には両肘を互いに近づけて、大胸筋が充分収縮するようにします。
他に大胸筋の内側に有効な種目としては、次のようなものがあります。
◎プレイツ・ピンチング・エクササイズ(シーテッド)
2枚の同じ大きさのプレートを、平らな面を外側にして合わせ、プレートの縁に指をかけないように両手の掌と指の腹ではさんで持ち、ベンチなどに腰かけた状態で胸の位置から前方へ水平に押し出す運動。
◎プーリー・クロス・オーバー
2基のプーリーの中央に立ち、両腕を左右横へ水平に伸ばした位置から、肘をあまり曲げないようにして双方の前腕が体の前で交差するまでプーリーを引っぱる。
広背筋の下部の発達は、上部に比べて難しいものです。広背筋下部のトレーニングでの一般的な注意点としては背すじを伸ばして胸を張り、肘を胴の方へ充分引きつけることが大切です。
広背筋下部に有効な種目としては、次のようなものがあります。
◎クロス・グリップ・チンニング
チンニング・バーの真下に横向きに立ち、両手の指を組み合わせたかたちでバーにぶら下がって行うチンニング。広背筋下部に効果的に効かせるには、腰から下の力を抜き、上体をできるだけのけぞらせるようにして体を引き上げるとよい。〔写真参照〕
①ベンチの角度をあまり急な傾斜にしない。
②肘を床面に対して垂直になるように張る。
ベンチの角度は45度ぐらいまでとし胸部が薄い場合には、これよりゆるやかな角度で行なって下さい。傾斜が強くなるに従い、効果が肩へ移行しますので注意が必要です。
肘はベンチに対して直角になるのではなく、床面に対して垂直になるような状態で上下させてください。
また、最初は重量にとらわれず正しいフォームで行うように心掛けるとよいでしょう。
もし、この方法でもうまく効かない場合には、まず次に挙げる種目を行ってから、インクライン・ベンチ・プレスを行うとよいでしょう。
◎ベンチ・プレス(ロウアー・ツー・ジ・アッパー・ペクツ)
バーベルを大胸筋上部(鎖骨のすぐ下あたり)におろして行うベンチ・プレス。グリップはスタンダードか、いくぶん狭くして行う。ブリッジなどをして腰を浮かせないように注意する。また、肘は充分に張ること。この種目は無理をして高重量を扱うと肩を痛めやすいので、いくぶん余裕のある重量で行うとよい。
大胸筋の内侧を発達させるには、大胸筋を内側へ最小限度まで意識的に収縮させることが大切です。チェスト・マシンやナロウ・グリップ・ベンチ・プレスが効果的ですが、ナロウ・グリップ・ベンチ・プレスは上腕三頭筋に効きやすく、これも難しい種目です。コツとしては、常に意識を胸に集中して、腕で挙げるというより、胸の力で挙げる、という感じで行うとよいのです。肘を伸ばした時には両肘を互いに近づけて、大胸筋が充分収縮するようにします。
他に大胸筋の内側に有効な種目としては、次のようなものがあります。
◎プレイツ・ピンチング・エクササイズ(シーテッド)
2枚の同じ大きさのプレートを、平らな面を外側にして合わせ、プレートの縁に指をかけないように両手の掌と指の腹ではさんで持ち、ベンチなどに腰かけた状態で胸の位置から前方へ水平に押し出す運動。
◎プーリー・クロス・オーバー
2基のプーリーの中央に立ち、両腕を左右横へ水平に伸ばした位置から、肘をあまり曲げないようにして双方の前腕が体の前で交差するまでプーリーを引っぱる。
広背筋の下部の発達は、上部に比べて難しいものです。広背筋下部のトレーニングでの一般的な注意点としては背すじを伸ばして胸を張り、肘を胴の方へ充分引きつけることが大切です。
広背筋下部に有効な種目としては、次のようなものがあります。
◎クロス・グリップ・チンニング
チンニング・バーの真下に横向きに立ち、両手の指を組み合わせたかたちでバーにぶら下がって行うチンニング。広背筋下部に効果的に効かせるには、腰から下の力を抜き、上体をできるだけのけぞらせるようにして体を引き上げるとよい。〔写真参照〕
〔クロス・グリップ・チンニング〕
◎エンド・オブ・バー・ローイング
レバレッジ・バー(シャフトの片方にプレートをとりつけ、他の端を床に固定したもの)または、バーベルをそのような形状に組んだものを上体を前倒した姿勢でまたぎ、プレートのついている方のバーの端を下から両手で握って腹のあたりへ引きあげる運動。
◎ワン・ハンド・ローイング
片手で行うベント・オーバー・ローイング。片手にダンベルをもち、上体を床面と平行になるぐらいに前倒し、その体勢でダンベルをわき腹のあたりへ引きあげる。ベンチなどに片手をつき、体重を支えて行うと運動がやりやすい。広背筋下部に効果的に効かせるには、単に上に引き上げるというよりも、心もち前の方から後ろに引き上げるような感じで動作を行うとよい。
では、以上の点を考慮してトレーニング・スケジュール例を作成しますが胸と背中に集中できるように、それぞれ別の日に入れて組みかえました。
《トレーニング・スケジュール例》
週4日の2分割法
◆Aコース(胸・肩・上腕伸筋)
①ベンチ・プレス(ロウアー・ツー・ジ・アッパー・ペクツ) 4セット
②インクライン・ベンチ・プレス 4セット
③プレイツ・ピンチング・エクササイズ 3セット
④ナロー・グリップ・ベンチ・プレス 3セット
⑤バック・プレス 3セット
⑥サイド・レイズ 3セット
⑦ラット・マシン・プレス・ダウン 3セット
⑧シット・アップ 2セット
◆Bコース(背・上腕屈筋・脚)
①チンニング 4セット
②エンド・オブ・バー・ローイング 4セット
③ワン・ハンド・ローイング 3セット
④バーベル・カール 4セット
⑤スクワット 5セット
⑥レッグ・カール 3セット
⑦ワン・レッグ・カーフ・レイズ 3セット
⑧レッグ・レイズ 2セット
レバレッジ・バー(シャフトの片方にプレートをとりつけ、他の端を床に固定したもの)または、バーベルをそのような形状に組んだものを上体を前倒した姿勢でまたぎ、プレートのついている方のバーの端を下から両手で握って腹のあたりへ引きあげる運動。
◎ワン・ハンド・ローイング
片手で行うベント・オーバー・ローイング。片手にダンベルをもち、上体を床面と平行になるぐらいに前倒し、その体勢でダンベルをわき腹のあたりへ引きあげる。ベンチなどに片手をつき、体重を支えて行うと運動がやりやすい。広背筋下部に効果的に効かせるには、単に上に引き上げるというよりも、心もち前の方から後ろに引き上げるような感じで動作を行うとよい。
では、以上の点を考慮してトレーニング・スケジュール例を作成しますが胸と背中に集中できるように、それぞれ別の日に入れて組みかえました。
《トレーニング・スケジュール例》
週4日の2分割法
◆Aコース(胸・肩・上腕伸筋)
①ベンチ・プレス(ロウアー・ツー・ジ・アッパー・ペクツ) 4セット
②インクライン・ベンチ・プレス 4セット
③プレイツ・ピンチング・エクササイズ 3セット
④ナロー・グリップ・ベンチ・プレス 3セット
⑤バック・プレス 3セット
⑥サイド・レイズ 3セット
⑦ラット・マシン・プレス・ダウン 3セット
⑧シット・アップ 2セット
◆Bコース(背・上腕屈筋・脚)
①チンニング 4セット
②エンド・オブ・バー・ローイング 4セット
③ワン・ハンド・ローイング 3セット
④バーベル・カール 4セット
⑤スクワット 5セット
⑥レッグ・カール 3セット
⑦ワン・レッグ・カーフ・レイズ 3セット
⑧レッグ・レイズ 2セット
〔回答はトレーニング・プラザ代々木・野沢秀雄先生、工藤悦弘先生、演技指導は平井トレーニング・センター会長・熊岡健夫先生〕
月刊ボディビルディング1986年6月号
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