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なんでもQ&A お答えします 1983年6月号

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月刊ボディビルディング1983年6月号
掲載日:2020.10.26

2分割と3分割によるスプリット・ルーティーンのスケジュール例


 ボディビル歴は1年3カ月です。先月までは会社勤めをしていましたが、現在は家業の洋品店を手伝っています。

 勤めていた頃は、毎日、帰宅する時間が遅かったので、週2日のトレーニングをするのがやっとでした。しかし店の手伝いをするようになってからは時間的にも体力的にもかなり条件がよくなったので、十二分にトレーニングを行うことが可能になりました。

 そのようなわけで、これからは本格的にボディビルのトレーニングに励みたいと思っています。

 そこでお願いがあります。下記の種目を採用して、2分割と3分割によるスプリット・ルーティーンによるスケジュール例をつくっていただきたいと思います。

《採用種目》
1.ベンチ・プレス
2.ストレート・アーム・ラタラル・レイズ・ライイング
3.ディップ
4.ベント・オーバー・ローイング
5.ストラッドル・バーベル・ローイング
6.ワン・アーム・ローイング
7.フロント・プレス
8.バック・プレス
9.スタンディング・フライ
10.カール
11.ウォール・カール
12.サム・アップ・カール
13.トライセプス・プレス・ライイング
14.ツーハンディッド・ダンベル・トライセプス・プレス
15.ナロウ・グリップ・プッシュ・アップ
16.スクワット・ウィズ・Wヒールズ
17.スクワット・ウィズ・フィート・パラレル
18.スティッフ・レッグド・ジャンプ
19.ワン・ハンド・デッド・リフト
20.ストレート・アーム・リスト・カール
21.リバース・リストカール
22.ブリッジ
23.フロント・ブリッジ
24.シット・アップ
25.レッグ・レイズ

《現在の体位》
身 長  165cm   上腕囲 34㎝
体 重   62kg   前腕囲 29cm
胸 囲  103cm   大腿囲 52㎝
腹 囲   72㎝   下腿囲 37cm
腰 囲   91cm

 (千葉県 橋本勝男 商業 22歳)

 あなたの体格からすれば、スプリット・ルーティーンの採用は当然の成り行きともいえるでしょう。時間的にも体力的にもトレーニングに打ち込むための条件も整ったことなので大いに頑張ってください。ただ、張り切りすぎてオーバー.ワークにならないよう、くれぐれも注意してください。

 では次に、2分割法と、3分割法によるスケジュールを記述することにします。


《2分割法によるスケジュール例》

◆Aコース
①シット・アップ
②レッグ・レイズ
③ベンチ・プレス
④ディップ
⑤ストレート・アーム・ラタラル・レイズ・ライイング
⑥フロント・プレス
⑦バック・プレス
⑧スタンディング・フライ
⑨トライセプス・プレス・ライイング
⑩ツーハンディッド・ダンベル・トライセプス・プレス
⑪ナロウ・グリップ・プッシュ・アップ
⑫ブリッジ
⑬フロント・ブリッジ

◆Bコース
①シット・アップ
②スクワット・ウィズ・Wヒールズ
③スクワット・ウィズ・フィート・パラレル
④ベント・オーバー・ローイング
⑤ストラッドル・バーベル・ローイン
⑥ワン・アーム・ローイング
⑦ワン・ハンド・デッド・リフト
⑧カール
⑨ウォール・カール
⑩サム・アップ・カール
⑪ストレート・アーム・リスト・カール
⑫リバース・リスト・カール
⑬スティッフ・レッグド・ジャンプ


《3分割法によるスケジュール例》

◆Aコース
①ベンチ・プレス
②ディップ
③ストレート・アーム・ラタラル・レイズ・ライイング
④フロント・プレス
⑤バック・プレス
⑥スタンディング・フライ
⑦トライセプス・プレス・ライイング
⑧ツーハンディッド・ダンベル・トライセプス・プレス
⑨ナロウ・グリップ・プッシュ・アップ

◆Bコース
①シット・アップ
②ベント・オーバー・ローイング
③ストラッドル・バーベル・ローイング
④ワン・アーム・ローイング
⑤カール
⑥ウォール・カール
⑦サム・アップ・カール
⑧ストレート・アーム・リスト・カール
⑨リバース・リスト・カール

◆Cコース
①スクワット・ウィズ・Wヒールズ
②スクワット・ウィズ・フィート・パラレル
③ワン・ハンド・デッド・リフト
④シット・アップ
⑤レッグ・レイズ
⑥ブリッジ
⑦フロント・ブリッジ
⑧スティッフ・レッグド・ジャンプ

大胸筋の下部のカットをよくし、上腕囲を太くしたいのですが


 ボディビル歴1年2カ月の学生です。おかげでからだも以前よりはずっとたくましくなってきました。つきましては、大胸筋と上腕三頭筋についての質問があります。

 胸の運動として現在、ベンチ・プレスとディップスを行なっています。ぽくは、筋肉そのものは薄くても、ブルース・リーのように下部のカットがくっきりした大胸筋にしたいのです。でも、ぼくの大胸筋は、上の方は分厚くて幅が広いのですが、下部の方は、下に行くほどしぼんでおり、輪郭もはっきりしません。

 そこでお伺いしますが、大胸筋の下部の輪郭をはっきりさせるのにディップスは有効でしょうか。もし有効であるならば、最も効果的な運動の仕方を教えていただきたいと思います。

 次に腕についてですが、サイズが1年で1cmしか伸びませんでした。運動は正確に行なっているつもりですが、なにか注意すべき点があればお教えください。

 なお、現在行なっている胸と上腕三頭筋の運動は次のとおりです。また、胸囲は101.5cm、上腕囲は32㎝です。

◆胸の運動
①ベンチ・プレス 48kg 8回×4セット
②ディップス      6回×3セット

◆上腕三頭筋の運動
①フレンチ・プレス・ライイング 20.5kg 8回×3セット

(兵庫県 K・H 高校生 18歳)

 大胸筋に関する質問からお答えします。大胸筋というものは、胸部および大胸筋そのものの先天的な形状の違いによって、発達の仕方が異なってきます。したがって、人によって、比較的に下部が発達しやすい場合もあれば、逆に発達しにくい場合もあります。

 そのようなわけで、あなたの場合も大胸筋の下部の発達が弱いのは、多分に先天的なものが原因になっていると思われるので、正直いって、下部の発達を促し、その輪郭をよくするということに関してはかなり困難がともなうものと考えられます。

 通常、大胸筋の下部の発達を促すためには、ディップスとデクライン・プレスが有効であるといわれています。しかし実際には、それらの運動を行なっても、なかなか大胸筋の発達が得られない場合が多いようです。

 したがって、そのような場合には、ありきたりの方法で行うのではなく、やはり下部の発達を促すためのポイントをとらえた動作で運動を行うことが必要になります。

 では次に、ディップス(パラレルバー・ディップス)における要点と、もう1種目、大胸筋の下部のための運動として、シーテッド・ディップスを紹介しておきます。

◆ディップス(パラレルバー・ディップス)における要点

①2本のバーの間隔は、あまり広くないほうがよい。肩幅か、肩幅より左右ひとこぶし広めの間隔がよいと思われる。
②下部の発達に関しては、運動で体を深く沈めることよりも、体を浮上させたときに、できるだけ高くあげることに留意して動作を行うようにするのがよい。〔写真参照〕
〔パラレルバー・ディップス〕

〔パラレルバー・ディップス〕

◆シーテッド・ディップス

<かまえ>両脚を前方へ伸ばして床に坐り、両腕を下方へ伸ばして両手を床につき、両腕で体重を支えるようにして臀部を心もち床より浮かす。このとき、背を猫背ぎみにして少し弯曲させるようにする。また、腰が前腕よりも前に来ないように留意する。〔写真参照〕
〔シーテッド・ディップス〕

〔シーテッド・ディップス〕

<動作>上記の体勢で両胸を屈伸し、狭い範囲でのディップ運動を行う。なお、体をあげるときは、できるだけ高く引きあげるようにし、大胸筋の下部を十分に収縮させるようにする。なお、反復運動の途中で床に坐ってしまわないように注意する。

 腕の短い人の場合は、電話帳など適当な厚さの台の上に両手をついて可動範囲が大きくなるようにして運動を行う。

 体重だけでは負荷が足りない場合は、大腿部の上にプレートをのせて運動を行うとよい。

 次に腕に関する質問にお答えすることにします。と申しましても、あなたの資料には腕の運動としてフレンチ・プレス・ライイングだけしか書かれていないので、なんとも質問にはお答えしかねます。

 ここ1年間で上腕囲が1cmしか増えなかったとのことですが、上腕囲のサイズの伸びというものは、通常、上腕二頭筋、上腕三頭筋、上腕筋のトータルとして得られるものです。したがって、あなたのように、上腕三頭筋の運動を1種目だけ書かれても、上腕囲が1cmしか増えなかった原因がどこにあるのか、いっこうに判断がつきかねます。

 そのようなわけで、今回は質問にお答えするかわりに、中級程度の腕のトレーニングについて記述することにします。

 上腕部には、前にも触れたように、上腕二頭筋、上腕三頭筋、上腕筋等の筋があります。もとより、あなたも上腕三頭筋の運動のほかに、上腕二頭筋の運動も行なっておられるものと思われます。

 しかし、上腕筋の運動に関しては、あなたのボディビルのキャリアからして、まだあまりなじみがないのではないかと思います。そこで、上腕筋二頭筋の運動(ツー・ハンズ・カール)と上腕三頭筋の運動(フレンチ・プレス・ライイング)の基本的な要点を述べた後で、上腕筋の運動を紹介することにします。

◆ツー・ハンズ・カールにおける要点

<かまえの姿勢における要点>
①左右のグリップの間隔は、肩幅くらいか、あるいは、肩幅よりもいくぶん狭いくらいがよい。
②バーベルを大腿部の前にかまえたとき、左右の掌側肘部(肘窩部--肘のくぼんでいる部分)を正しく前方に向ける。
③かまえの姿勢では、背をあまりそらさない方がよい。上腕二頭筋のトレーニングにおける基礎的な段階では、上背部をいくぶん猫背ぎみにしてかまえるのがよいようである。

<動作上の要点>
①バーベルをカールするときに、左右の肘を体側の中心線よりも後ろへやらないようにする。肘を体側の中心線よりも後ろへやると、動作が引きあげる感じになるので、上腕二頭筋にかかる負荷が軽減される。バーベルをおろす動作のときにもこの点に留意する。
②バーベルをカールするときに、両肘を左右横へ開かないようにする。肘を横へ開くと、これもまた、前項の場合と同様、動作が引きあげる感じになるので、負荷が上腕二頭筋に正確にかからなくなる。
③バーベルをカールするときに、肩をすくいあげるようにしないこと。肩をすくめる力を利用して運動を行うのは、悪い意味でのチーティングの動作になるので、カールしてと正しいやり方とはいえない。
④バーベルをカールするとき、上体の前後のあおり(反動)をできるだけ少なくして、膝の屈伸による上下の反動を利用して運動を行うようにするのがよい。
⑤バーベルをカールするときに、手首のスナップによる反動を使わないように注意する。スナップを利用してバーベルを巻きあげると、上腕二頭筋に負荷が的確にかからなくなるのでくれぐれも留意する。
⑥バーベルをおろすときには、カールしたときの体勢をくずさないようにして、腕を伸ばしていく。
⑦きちんとした動作で運動を行うには、使用重量の面で無理をしないことが大切である。

◆フレンチ・プレス・ライイングにおける要点

①左右のグリップの間隔は、広すぎる肩幅と運動がやりづらくなるので、より狭くするほうがよい。
②腕を屈曲して、バーベルを前額部または頭頂部のあたりにおろすとき、両肘を左右横へ開かないように留意する。両肘を左右横へ開くようにすると、上腕三頭筋の長頭に負荷が的確にかかりにくくなる。(注:ただし、フレンチ・プレス・ライイングを上腕三頭筋の運動として行うのであれば、その限りではない)
③前腕を伸展させて、バーベルをあげるときも、おろすときと同様に、両肘を左右横へぶれないように留意する。バーベルをあげるときに両肘が横ヘぶれると、動作が差しあげる感じになるので、長頭に負荷が的確にかからなくなる。〔写真参照〕
〔フレンチ・プレス・ライイング〕

〔フレンチ・プレス・ライイング〕

 それでは最後に、上腕筋の運動としてブレキアリス・カールを紹介することにします。

◆ブレキアリス・カール

<かまえ>バーベルをオーバー・グリップで持ち、立った姿勢で大腿部の前にかまえる。左右のグリップの間隔は腰の幅くらいでよい。

<動作>両肘を左右横へ開きながらバーベルをカールする。両肘を開かないようにして行うリバース・カールと違う点に注意。なおこの運動では、運動中にバーベルがほぼ垂直に近い状態で上下するようになる。また、そのような感じでバーベルを上下させるのが、運動としても効果的であるといえる。〔写真参照〕
〔ブレキアリス・カール〕

〔ブレキアリス・カール〕

トレーニング内容がからだに慣れて、効果が得られなくなったが


 ボディビル歴は9カ月です。初めのうちは目に見えてトレーニングの効果もあがっていましたが、ここ4カ月ほどは、あまり変りばえがしなくなりました。

 ボディビルを開始以来、トレーニングの基本を忠実に守って基礎的な運動種目のみを行なってきたのですが、近頃になって目立つような効果が得られなくなったのはなぜでしょうか。自分では、トレーニング内容がからだに慣れてしまったためではないかと考えていますが、アドバイスをお願いいたします。ちなみに、開始時と現在の体位とトレーニング・スケジュールは次のとおりです。

《体位の経過》
     開始時   現在
身 長  172.5cm  172.5cm
体 重    56kg    60kg
胸 囲    85.5cm    92cm
腹 囲    68cm   71.5cm
上腕囲    27cm    32cm
前腕囲   26.5cm    28cm
大腿囲    48cm    52cm
下腿囲    35cm    36cm
記事画像5
 トレーニングに要する時間は、準備運動と整理運動を含めて約50分です。また、トレーニング後の疲労感は快いものです。

(秋田県 Y・T 公務員 23歳)

 同じ内容のスケジュールを長期間続けていると、筋肉に対する刺激が次第に恒常化し、効果があまり得られなくなることは確かにあります。そして、そのように、筋肉に対する刺激が恒常化することによってもたらされる効果の面での不本意な現象は、傾向として、筋力と体位の向上が個別的な限界に近くなるほど厚いカベとなって現われるようになります。

 したがって、このような傾向があることを重視すれば、長年月の修練を積み、ビルダーとして成長した人ほど、トレーニングの効果を停滞させないために、有効な刺激をからだに与えるよう、トレーニングの内容を常に吟味し変化させるなどの配慮が必要になります。しかし、あなたの場合は、トレーニングのキャリアが9カ月程度で、しかも、ビルダーとしての身体的な発達もまだまだ未熟な段階にあるので、トレーニングのマンネリ化ということについてはそれほどこだわる必要もないと思います。

 正直にいって、現在のあなたは、筋力的にも体格的にも基礎的な段階を完全に脱したとはいえないので、まだまだ当分の間は基礎的な運動種目によって、じっくり鍛えていく必要があるのではないかと思います。したがって、今ここで、むやみに高度な運動種目やトレーニング法を採用するのはさしひかえるほうがよいと思います。無理に採用してもオーバー・ワークにでもなれば、効果の面でかえって意に反する結果を招くことにもなります。

 そのようなわけで、今はただ黙々と基礎的なトレーニングを続けることが大切であろうかと思います。とはいうものの、どうしてもトレーニングに多少の変化を持たせたいというのでしたら、次に述べることがらを参考にして行うようにしてください。

<1>まず、体力的に許容できる範囲の変化を与えるように配慮する。それには、種目の数とセット数をむやみに多くしないように注意する。

<2>新しい種目を採用する場合は、高度な種目をさけ、基礎的な種目か、あるいはそれに準ずる種目の中から選ぶようにする。そして、新しく選び出した種目を、今まで行なっていた種目に全てプラスして行うというようには考えないで、場合によっては、代替して行うことを優先的に考えるようにする。

<3>体力的な余裕があり、種目を増したいときは、全体を通じて1~3種目程度の増加にとどめる。その場合、新たに加える種目のセット数は、初めのうちは少なめにして、体力的な負担をきたさないように配慮する。

<4>トレーニングに変化を与えるには種目を変える(または増やす)方法の他に、反復回数を変える方法もあります。つまり、今まで1セット10回の反復回数で行なっていたとしたら、それを7~8回の少ない反復回数で行うようにしたり、または、逆に12回とか15回の多回数で行うようにしたりする方法である。

 その場合、当然のことながら、使用重量は、新たに採用する反復回数に合わせて無理のない範囲に増減、かつ調整しなければならない。ただし、初級者の段階では、極端な低回数(1セット当り1~5回くらいの反復回数)を採用することは危険性が高まるといえるので、直接、トレーナーについて指導を受けるのでないかぎり慎むほうがよい。

 なお、多回数を採用する場合は、消耗しすぎることのないようにと、ときには、セット数を少なくするといった配慮も必要になるので、その点に留意する。

<5>初級者の段階では、過度な消耗のともないやすいトレーニング法の採用は慎む。つまり、トライ・セット法とかフラッシング・システムといった方法の採用は慎むようにするのが賢明である。

 以上、5項目にわたって注意すべきことがらを述べましたが、要は体力的に負担にならない範囲でトレーニングに変化を与え、内容的にも現在の段階にふさわしいトレーニングを行うようにすることが大切であるといえます。

 では、参考までにトレーニング・スケジュール例をいくつか記述しておくことにします。
記事画像6
〔回答は1959年度ミスター日本、NE協会指導部長・竹内威先生
演技指導は平井ボディビル・センター会長・熊岡健夫先生〕
月刊ボディビルディング1983年6月号

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