ニュース 1985年5月号
月刊ボディビルディング1985年5月号
掲載日:2021.05.27
■JPA国際部ニュース……国際部長・吉田 進
◇1985年全米女子パワーリフティング選手権大会
年々参加者が増しているこの大会、今年は1月26日、27日の両日、マサチューセッツ州ボストンに79名の女性リフターを集めて、雪の降る中にもかかわらず熱い戦いがくりひろげられた。ではさっそく各クラスの上位4位までの入賞者とその内容を見ていこう。(表中の☆印は全米女子記録、(代)は1985年世界女子選手権への代表を示す)
◆44kgクラス
過去2回の世界選手権に優勝しているジョーンズが、新人のベルビューに逆転で優勝をさらわれるという結果になった44kgの体重で160kgのデッドリフトというのは体重の3.6倍であり、いかにこの逆転のデッドリフトのレベルが高いかがわかる。スクワット、ベンチプレスに関しては、日本人でも可能な記録と思われる。
◆48kgクラス
昨年につづいてジョーンズが380kgという高いトータルでブッチギリの勝利。3種目にバランスのとれた強さを示している。他の選手は彼女を敬遠してか、44kgクラス、52kgクラスにくらべて良い選手がいない。
◆52kgクラス
昨年のチャンピオン、ローレルが56kgクラスに上がったため、このクラスのレベルは下がると見られていたが、どっこい、無名の新人、ライヤンが102.5kgのベンチの全米新記録(ドラッグテストが行われなかったため、世界記録としては未公認)とトータル425kgという高記録で堂々のデビューをかざった。特にこのベンチの記録は「男もまっ青」の記録である。
◆56kgクラス
52kgクラスから上がってきたローレルの楽勝とみられていたが、いざ、フタを開けてみると、昨年まではあまり注目されていなかったジョンソンが、ローレルに20kgの大差をつけての初勝利をかざった。ローレルはベンチプレスの弱さをデッドリフトで逆転しようとしたが、とどかなかった。考えてみると彼女の82.5kgのベンチプレスも非常に強いのだ。ジョンソンが強すぎるという事なのだろう。
◆60kgクラス
56kgクラスから上がってきた優勝候補のステインロッドが、期待どおりに、いや期待以上の500kgオーバーのトータルで今年も優勝した。もともとベンチプレスは強かったが、最近は3種目ともにバランスがとれた強さを示している。
◆67.5kgクラス
パワーリフティングの女王、シェーファーの4回連続の優勝である。しかし、いつもの彼女にくらべて記録はイマイチである。理由は、あまりのヘビー・トレーニングで両膝の関節をひどく痛めているためという。強気の彼女に似あわず、このままケガが長びくようならば、引退も考えている、と友人に語ったそうである。
◆75kgクラス
世界最強の女性リフターと言えば、過去5回の世界選手権で一度も敗けた事のないベブ・フランシス(オーストラリア)であった。あったと過去形を使ったのは、この大会でそのフランシスを上まわるとてつもない選手が現われたからである。その名をテリー・口ホールといい、もと砲丸投げで全米のトップクラスであったが、大学卒業後パワーリフティングに転向した選手である。3種目とも強いが、特にその脚の強さはケタ違いで、スクワット242.5kg、デッドリフト250kgは、アメリカ以外ならどこの国へ行っても男子として立派に通用するほどである。トータルもついに600kgの壁をあっさりと越えてしまった。女性の強さはどこまでいくのであろうか?
◆82.5kgクラス
前出のフランシスは、75kgクラスと82.5kgクラスの2つのクラスに、その時の体調に合わせて出てくるが、今年の世界選手権には82.5kgクラスに出てくるのはまず間違いないだろう。このクラスで優勝したトゥルジローも500kgオーバーのトータルを記録して強いが、この程度ではまだまだフランシスの敵ではない。パワーリフティング・ファンとしては、フランシスとロホールの同じクラスでの勝負を一度は見たいものである。
◆90kgクラス
このクラスも新人のコスタンゾが540kgの好記録で優勝した。スクワットとデッドリフトにいいものをもっており、これからを感じさせる選手である。アメリカでも90kgクラスの女性は少ないとみえて、このクラスの参加者はたったの2名であった。
◆90kg超クラス
昨年の優勝者で体重120kgのマクエロニーと、90kgクラスから上がってきたスターンバークの一騎打ちと見られたが、3種目共に実力を伸ばしたスターンバークが35kgの差をつけて優勝した。スターンバークの体重は93.7kgで、スーパーヘビーでこれから体重を増やしながらやっていくとすれば、記録はまだまだ伸び、2人目の600kg台も可能かと思われる。
〔注〕世界選手権代表(6月1日、2日に変更)には、各個人の都合もあり、記録表の(代)のついた10名が選ばれた。
過去2回の世界選手権に優勝しているジョーンズが、新人のベルビューに逆転で優勝をさらわれるという結果になった44kgの体重で160kgのデッドリフトというのは体重の3.6倍であり、いかにこの逆転のデッドリフトのレベルが高いかがわかる。スクワット、ベンチプレスに関しては、日本人でも可能な記録と思われる。
◆48kgクラス
昨年につづいてジョーンズが380kgという高いトータルでブッチギリの勝利。3種目にバランスのとれた強さを示している。他の選手は彼女を敬遠してか、44kgクラス、52kgクラスにくらべて良い選手がいない。
◆52kgクラス
昨年のチャンピオン、ローレルが56kgクラスに上がったため、このクラスのレベルは下がると見られていたが、どっこい、無名の新人、ライヤンが102.5kgのベンチの全米新記録(ドラッグテストが行われなかったため、世界記録としては未公認)とトータル425kgという高記録で堂々のデビューをかざった。特にこのベンチの記録は「男もまっ青」の記録である。
◆56kgクラス
52kgクラスから上がってきたローレルの楽勝とみられていたが、いざ、フタを開けてみると、昨年まではあまり注目されていなかったジョンソンが、ローレルに20kgの大差をつけての初勝利をかざった。ローレルはベンチプレスの弱さをデッドリフトで逆転しようとしたが、とどかなかった。考えてみると彼女の82.5kgのベンチプレスも非常に強いのだ。ジョンソンが強すぎるという事なのだろう。
◆60kgクラス
56kgクラスから上がってきた優勝候補のステインロッドが、期待どおりに、いや期待以上の500kgオーバーのトータルで今年も優勝した。もともとベンチプレスは強かったが、最近は3種目ともにバランスがとれた強さを示している。
◆67.5kgクラス
パワーリフティングの女王、シェーファーの4回連続の優勝である。しかし、いつもの彼女にくらべて記録はイマイチである。理由は、あまりのヘビー・トレーニングで両膝の関節をひどく痛めているためという。強気の彼女に似あわず、このままケガが長びくようならば、引退も考えている、と友人に語ったそうである。
◆75kgクラス
世界最強の女性リフターと言えば、過去5回の世界選手権で一度も敗けた事のないベブ・フランシス(オーストラリア)であった。あったと過去形を使ったのは、この大会でそのフランシスを上まわるとてつもない選手が現われたからである。その名をテリー・口ホールといい、もと砲丸投げで全米のトップクラスであったが、大学卒業後パワーリフティングに転向した選手である。3種目とも強いが、特にその脚の強さはケタ違いで、スクワット242.5kg、デッドリフト250kgは、アメリカ以外ならどこの国へ行っても男子として立派に通用するほどである。トータルもついに600kgの壁をあっさりと越えてしまった。女性の強さはどこまでいくのであろうか?
◆82.5kgクラス
前出のフランシスは、75kgクラスと82.5kgクラスの2つのクラスに、その時の体調に合わせて出てくるが、今年の世界選手権には82.5kgクラスに出てくるのはまず間違いないだろう。このクラスで優勝したトゥルジローも500kgオーバーのトータルを記録して強いが、この程度ではまだまだフランシスの敵ではない。パワーリフティング・ファンとしては、フランシスとロホールの同じクラスでの勝負を一度は見たいものである。
◆90kgクラス
このクラスも新人のコスタンゾが540kgの好記録で優勝した。スクワットとデッドリフトにいいものをもっており、これからを感じさせる選手である。アメリカでも90kgクラスの女性は少ないとみえて、このクラスの参加者はたったの2名であった。
◆90kg超クラス
昨年の優勝者で体重120kgのマクエロニーと、90kgクラスから上がってきたスターンバークの一騎打ちと見られたが、3種目共に実力を伸ばしたスターンバークが35kgの差をつけて優勝した。スターンバークの体重は93.7kgで、スーパーヘビーでこれから体重を増やしながらやっていくとすれば、記録はまだまだ伸び、2人目の600kg台も可能かと思われる。
〔注〕世界選手権代表(6月1日、2日に変更)には、各個人の都合もあり、記録表の(代)のついた10名が選ばれた。
■第16回関西学生新人パワーリフティング選手権大会成績
■新潟県糸魚川市に“ゴールドヘルスジム新潟”オープン!!
昨年度のミスター新潟1位の猪又純雄氏が、さきごろ新潟県糸魚川に“ゴールドヘルスジム新潟”をオープンした。
〔写真下〕東京・目黒のゴールドヘルスジム(増淵聖司会長)と提携、一般の健康管理から、体力増強、女性のシェイプアップ等、それぞれの目的に応じた指導をしている。なお会員は東京・新潟のどちらのジムでもトレーニングできる。
所在地 新潟県糸魚川市
名 称 ゴールドヘルスジム新潟
代表者 猪又純雄
〔写真下〕東京・目黒のゴールドヘルスジム(増淵聖司会長)と提携、一般の健康管理から、体力増強、女性のシェイプアップ等、それぞれの目的に応じた指導をしている。なお会員は東京・新潟のどちらのジムでもトレーニングできる。
所在地 新潟県糸魚川市
名 称 ゴールドヘルスジム新潟
代表者 猪又純雄
■昭和59年度日本学生パワーリフティング5傑表および日本学生記録
〔注〕学連主催の大会で出された記録のみを対象とした。従ってスーパースーツを着用した記録は含まれない。なお日本記録については、従来のベンチプレスとスクワットの2種目制時代に出された記録で、3種目制になってからの記録よりよい記録が出されたものについては参考として記した(※印)。
(全日本学生パワーリフティング連盟会長=松尾昌文)
■日米親善1985年度ミスター&ミス・グランプリイ・ボディビルコンテスト、優勝はミスターの部・フランク、ミスの部・キム
コンテストは去る1月27日、米軍岩国基地・サクラ劇場で行われ、ミスターの部はフランク・アレキサンダー、ミスの部はキム・フレックが優勝した。その他の上位入賞者は次のとおり。
左〔フランク・アレキサンダー〕右〔キム・フレック〕
月刊ボディビルディング1985年5月号
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