第26回全日本学生ボディビル選手権
11月10日/四条畷市民ホール
月刊ボディビルディング1992年1月号
掲載日:2020.01.23
池田、逆転V!関東大会の雪辱を果たす
萩原(左)と山岸。山岸のバルクは学生大会ではピカイチだ
左から菅野、池田、横井。腹の部分賞の比較
胸の部分賞の比較。左より池田、吉田、萩原、池田のポーズはいかにも力が入りすぎている
東北・関東・中部・関西・九州と各地区コンテストを勝ちぬいた若武者57名が、この全日本大会に臨んできた。
ここ2、3年の傾向を見ると圧倒的に関東の選手が強く、上位陣を占めている。今年もラインナップを見た段階で関東勢による優勝争いになろう事は予想がついた。
まず、リラックスで目についたのが、関東大会を制している早稲田の萩原である。“山椒は小粒でも何とやら”ではないが、身長は低いがバランス・プロポーションと良い。
その萩原よりも目立っていたのが同じ早稲田の先輩でもある池田だ。関東大会では色の白さも手伝って、やや仕上がりが甘い印象を受けたが、今回は焼き込みも十分、おそらく体重1~2㎏さらに絞り込んでの出場だと思う。身長が高く、肩幅も広いためか、非常に見栄えのする選手だ。
青山学院の山岸もリラックスポーズでは悪くない。全身にバルキーな感じをうけ、ウエストから脇の下に広がるラインが学生にしては珍らしく完成している。ただ今回は調整が今一つ不十分で、皆バリバリに絞り込んでいる学生大会ではやや不利になると思えた。
リラックスポーズではさほどそうは思わなかったが、規定ポーズに移ると冴えてくる選手が出てきた。その一人は、関東大会で2位となっている東大の梅津だ。サイドチェストで見せる肩や胸のストリエーション、そしてアブドミナル&サイで見せる腹筋や大腿部のカット、全身に厳しさを漂わせている。
東大の野間もポーズをとると目立ってきた。特に大腿部に見せるカットは圧倒的である。前面の大腿四頭筋はもとより、大腿二頭筋から大臀筋に至るまで鋭くカットを走らせている。しかし、下半身が充実しているのに対し上半身に弱さが見られる。特にサイドから見る上体のうすさ、大胸筋の厚みのなさは顕著であった。
ここ2、3年の傾向を見ると圧倒的に関東の選手が強く、上位陣を占めている。今年もラインナップを見た段階で関東勢による優勝争いになろう事は予想がついた。
まず、リラックスで目についたのが、関東大会を制している早稲田の萩原である。“山椒は小粒でも何とやら”ではないが、身長は低いがバランス・プロポーションと良い。
その萩原よりも目立っていたのが同じ早稲田の先輩でもある池田だ。関東大会では色の白さも手伝って、やや仕上がりが甘い印象を受けたが、今回は焼き込みも十分、おそらく体重1~2㎏さらに絞り込んでの出場だと思う。身長が高く、肩幅も広いためか、非常に見栄えのする選手だ。
青山学院の山岸もリラックスポーズでは悪くない。全身にバルキーな感じをうけ、ウエストから脇の下に広がるラインが学生にしては珍らしく完成している。ただ今回は調整が今一つ不十分で、皆バリバリに絞り込んでいる学生大会ではやや不利になると思えた。
リラックスポーズではさほどそうは思わなかったが、規定ポーズに移ると冴えてくる選手が出てきた。その一人は、関東大会で2位となっている東大の梅津だ。サイドチェストで見せる肩や胸のストリエーション、そしてアブドミナル&サイで見せる腹筋や大腿部のカット、全身に厳しさを漂わせている。
東大の野間もポーズをとると目立ってきた。特に大腿部に見せるカットは圧倒的である。前面の大腿四頭筋はもとより、大腿二頭筋から大臀筋に至るまで鋭くカットを走らせている。しかし、下半身が充実しているのに対し上半身に弱さが見られる。特にサイドから見る上体のうすさ、大胸筋の厚みのなさは顕著であった。
優勝●池田健(早稲田)一年間にかなりのバルクアップに成功し、今回は仕上がりも抜群。接戦ながらも後輩萩原を見事下した
関西大会を制しての出場の松浦は非常に筋量に豊んだ選手だ。まだ大学1年であるというのにこれだけのバルクを身につけているという事は、才能に恵まれているといえよう。ただし、基本ポーズができていないので、非常にギコチなさを感じ損をしている。これから経験をつみ、勉強していく上で自然と見せる術も取得していくことだろう。
リラックス、規定ポーズを通して見ても萩原、池田、山岸の3人は安定している。
特に池田は、関東大会で仕上がりにやや甘さを残していただけに、今回のパーフェクトな調整には強いインパクトを受ける。バルクの方も去年と比べると数段アップし、その中でも胸と背中は大きく発達を遂げている。ただ損をしていることは、ポージングが決して上手ではないという事だ。ダブルバイセプスにしろサイドチェストにしろ、どのポーズを見ても力みが感じとられる。
その点萩原は、非常に整ったポージングをする。学生には珍らしく力みが見られなく淡淡とポーズをとる。が、却ってこの事がインパクトをうすくしている原因かもしれない。
山岸もポージングセンスはいい。ダブルバイセプスでは、腰から上体にやや角度をつけ背中のVシェイプを強調している。腕と脚が太いのでこのポーズが非常に映える。絞り込みが足りない事が本当に悔やまれる。
リラックス、規定ポーズを通して見ても萩原、池田、山岸の3人は安定している。
特に池田は、関東大会で仕上がりにやや甘さを残していただけに、今回のパーフェクトな調整には強いインパクトを受ける。バルクの方も去年と比べると数段アップし、その中でも胸と背中は大きく発達を遂げている。ただ損をしていることは、ポージングが決して上手ではないという事だ。ダブルバイセプスにしろサイドチェストにしろ、どのポーズを見ても力みが感じとられる。
その点萩原は、非常に整ったポージングをする。学生には珍らしく力みが見られなく淡淡とポーズをとる。が、却ってこの事がインパクトをうすくしている原因かもしれない。
山岸もポージングセンスはいい。ダブルバイセプスでは、腰から上体にやや角度をつけ背中のVシェイプを強調している。腕と脚が太いのでこのポーズが非常に映える。絞り込みが足りない事が本当に悔やまれる。
2位●萩原雄樹(早稲田)
3位●梅津真人(東大)
優勝争いは、おそらく萩原・池田の早稲田同士の対決に絞られたと思う。ポージングのうまさとバランスの良さで萩原、バルクとスケールの大きさでは池田といったところだろう。
この2人の順位は甲乙つけ難く、関東大会で勝っている萩原がやや有利かと思えたが、この1年で大きく成長した池田が先輩の意地を見せて逆転を飾った。惜しくも敗れた萩原は決して優勝してもおかしくはない出来だった。しかし、やはり強いインパクトといった面で一歩引けをとったのだろう。萩原には残念であったが、悲願は来年こそ達成してほしいと思う。
3位には鋭いカットで目を引いた東大の梅津が入った。全体にバルク不足だった点と強いインパクトが与えられなかったのが敗因か。
4位にも東大の野間が入った。彼も又、上体のバルク不足、バランスの悪さが目立った。しかし、脚のカットを評価され、脚の部分賞をものにしている。
バルクでは充分の山岸は5位という厳しい評価がなされた。やはり学生の大会でカット不足というのは、致命傷となってしまうのか。
6位にやっと関西勢の吉田が入った。小柄でありなから、バランス良く発達した筋肉が印象的であった。
7位の松浦は今後、非常に期待のもてる選手である。まだ一年生なだけに、チャンピオンになれる要素は多分に持っている。低迷している関西を自分が引っぱっていくぐらいの意気込みで今後頑張ってほしい。
以下8位大森(京都大)、9位小川(京都大)、10位五十嵐(東京大)の順位となっている。
最後に、関東と関西のレベルの違いの原因は、①規定ポーズが巧拙、②地方大会から全日本大会までの数週間の微調整が関東勢の方がうまい、この2点が上げられると後藤審査員が評されていた。今後の関西の頑張りに期待したい。
この2人の順位は甲乙つけ難く、関東大会で勝っている萩原がやや有利かと思えたが、この1年で大きく成長した池田が先輩の意地を見せて逆転を飾った。惜しくも敗れた萩原は決して優勝してもおかしくはない出来だった。しかし、やはり強いインパクトといった面で一歩引けをとったのだろう。萩原には残念であったが、悲願は来年こそ達成してほしいと思う。
3位には鋭いカットで目を引いた東大の梅津が入った。全体にバルク不足だった点と強いインパクトが与えられなかったのが敗因か。
4位にも東大の野間が入った。彼も又、上体のバルク不足、バランスの悪さが目立った。しかし、脚のカットを評価され、脚の部分賞をものにしている。
バルクでは充分の山岸は5位という厳しい評価がなされた。やはり学生の大会でカット不足というのは、致命傷となってしまうのか。
6位にやっと関西勢の吉田が入った。小柄でありなから、バランス良く発達した筋肉が印象的であった。
7位の松浦は今後、非常に期待のもてる選手である。まだ一年生なだけに、チャンピオンになれる要素は多分に持っている。低迷している関西を自分が引っぱっていくぐらいの意気込みで今後頑張ってほしい。
以下8位大森(京都大)、9位小川(京都大)、10位五十嵐(東京大)の順位となっている。
最後に、関東と関西のレベルの違いの原因は、①規定ポーズが巧拙、②地方大会から全日本大会までの数週間の微調整が関東勢の方がうまい、この2点が上げられると後藤審査員が評されていた。今後の関西の頑張りに期待したい。
4位●野間元太(東大)
5位●山岸達夫(青学)
6位●吉田幸司(関西大)
7位●松浦弘至(関外大)
8位●大森隆弘(京大)
9位●小川 岳(京大)
10位●五十嵐光二(東大)
結果一覧
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