ポージング・クリニック
1980年度ミスター日本2位
クラスII優勝 石井直方
①石井直方君(25歳) 1980年度ミスター・日本コンテストでクラスⅡに優勝し、
②ともかく上体の発達かすばらしい。久し振りの大型選手だ。今後もっともっと発達が期待される。ポージングもよい。カットとバルクがとくに上体を逞ましく見せている。たが、上体に比して脚がいくぶん見劣りする。多分、コンテスト前に腰を痛めていたので、十分な下体のトレーニングができなかったためなのかも知れない。
③よくこれたけ腹の周辺をしほれたものと思う。腹直筋から外腹斜筋、そして前鋸筋にかけてのデフィニッションが、まるで絵に描かれたようにはっきりとしている。それに腕の太さも群を抜いている。
④曽ってのミスター・エブリシングこと、アメリカのジョン・クリメックを彷彿とさせるポーズである。全体のバランスもすばらしい彫像的なポーズだ。アフトミナル・バキュームが圧巻。腹筋がずいぶん強いのだろう。
⑤上体のバルク、デフィニッション、セパレーションのどれをとり上げても高水準だ。下腿部の発達が不足している感が強い。
⑥欧米人にひけをとらぬ上体の充実度だ。末光君の上体をそのまま大型化したような感じがするが、これはただ筆者ばかりの感想ではあるまい。顔の向け方もうまい。これで左側の胸鎖乳突筋が誇示されて、上体の逞ましさを一段と強調している。
⑦サイド・ボーズがこのあともう一葉続くが、いずれも腕を下に下げたもので、まことにユニークだ。石井君はこのコンテストに備えてかなりポージングを研究してきた模様である。こうしたサイド・ポーズで成功するタイフは、ウエストが細く、胸部の厚いビルターに限られる。むろん肝心の肩から腕にかけてのバルクが必要である。
⑧変わったボースだ。それでいてバランスがとれている。上体のカットに対して、脚にそれがないのか淋しい。これで脚にカットがあれば審査員の評価がずいぶん変ったかも知れない。下に伸ばした右腕の太さに注目されたい。これだけ太い腕は日本人ビルターの中で珍らしいのではないか?
⑨よく研究したボースである。全体のバランスがよい。三角筋が目立つ。
⑩上体のV字型の広かりか形よい。しかし固有背筋と下腿三頭筋の発達が望まれる。最近、活躍をしている世界的ビルダーは大体30歳から40歳の人たちだ。いま25歳の石井君の前途は洋々たるものがある。将来、外国のビルターと覇を競わせてみたいビルターの一人である。健斗を祈りたい。
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