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ビッグ・アーム・レース

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月刊ボディビルディング1981年4月号
掲載日:2020.05.19
ケイシー・ヴィエタ
訳=松山令子
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<2>ワンアーム・オーバー・ヘッド・トライセップス・イクステンション

 4セット 10~12レップス
 45ポンド(約20kg)からはじめて、75ポンド(約34kg)まで。
 このエクササイズは、間違いなくトライセップスの外側のヘッド(頭)にきく。この外側のヘッドというのは、最も目立つ箇所である。このときもまた、アップライト・バーを握って体のバランスを保つ。そして、最後のセットの終りの3レップスは人の助けを借りる。
≪注意≫トライセップスのトレーニングには、このエクササイズからスタートしてはならない。これを始めると、先ず筋肉が非常に伸ばされねばならないので、これより先に充分にウォーム・アップされていない場合は、スジちがいを起すことが多い。最初に別のトライセップスのエクササイズをする場合は、ウォーミング・アップなしでもよい。
 最後のセットのフォースト・レップスは、自分の空いている手で、運動している腕の前腕を軽く押上げることによって、自分でフォースト・レップスが出来る。
 わたしはまた、空いている腕を体の前からまわして、運動している腕の側のラット(広背筋)をつかんで体のバランスをとることもある。体をしっかりと安定させていればいるほど、エクササイズの動作には無駄がなくなり、直接、的確にトライセップスを攻めることができる。

<3>ベント・オーバー・キック・バック

 4セット 10~12レップス
 45ポンド(約20kg)からスタートして、1セットごとに5ポンド(約2.5kg)ずつ増していき、最終セットは60ポンド(約27kg)である。
 このエクササイズを行うときは、上体を床面と平行にし、トレーニングする腕の上腕を、やはり床面と平行にする。そして前腕を思いきり最大限に後方へ高く伸ばす。あらゆるエクササイズの中で、トライセップスのピークをつくるのには最高のエクササイズである。
 以前のボディビルダーが考えついて用いた“馬の蹄鉄”という言葉で表現されている、あのトライセップスの筋肉を極度に収縮させたときに出来る孤状の曲線をつくるのはこのエクササイズである。
 このエクササイズでは、わたしは人の助けを借りない。各レップスの終りの数レップスは、わたしは前腕を思いきり後方へ伸ばしたままで数秒間動きをとめて、その間、思いきりトライセップスを収縮させる。これがどれほど大きい効果があるか、ぜひ試してほしい。
 わたしは腕のルティンを実行しながら、すばやく動きまわって充分に汗をかく。わたしは各セット間で、1分間たっぷり休むが、わたしのトレーニングは、充分な強度があるので、大量の酸素を使ったしるしとして、心臓の鼓動が高まり呼吸が速くなる。

<4>シーテッド・トライセップス・イクステンション

 4セット 10~12レップス
 135ポンド(約61kg)からはじめて165ポンド(約75kg)で終る。
EZカール・バーの内側の角のところを握る。こうすると、わたしの両手の間隔が非常に小さくなる。わたしは上腕をできるだけ頭の近くに保つ。腕を頭上に伸ばしたところから始め、前腕をバイセップスのところくらいまで下げる。腰かけているので体の安定がよい。最後のセットの終りの3レップスだけはパートナーの助けをかりる。これは、トライセップス全体を発達させ、パルクを増すのによいエクササイズである。
 コンテストとコンテストの間の少し長い中間時期には、トライセップスのトレーニングは、バイセップスと同様に、最後の1セットを減らして3セットとする。しかし重量は減らさずに、週3回、トライセップスのトレーニングをする。

前腕のトレーニング

<1>シーテッド・リスト・カール(手のひら上向き)

 4セット 15~20レップス
 135ポンド(約61)kg、145ポンド(約65.5kg)、155ポンド(約70kg)、225ポンド(約102kg)
 膝がヒップよりも低くなるような高さのベンチに腰をかけ、このポジションで前腕を大腿の上におき、バーベルを持って手首のカール運動をする。こうして手首がウェイトに抵抗することで、その部分に充分な収縮を起こさせる。
 わたしは、手首の運動ではレップス数を数えないが、だいたい各セットにつき15~20レップスくらいだと思う。最後のセットはどうしても人の助けがいる。重いウェイトを用いると、前腕に特別な刺激が加えられて、それで、あの誰もがほしがる瓶のような前腕が出来るのである。

<2>リバース・バーベル・カール(スタンディング)

 4セット 10~12レップス
 100ポンド(約45kg)、115ポンド(約52.1kg)、125ポンド(約56.6kg)、135ポンド(約61kg)
 これは、バイセップスの下端の部分を鍛えて、肘の関節のところで、バイセップスと腕撓骨筋(前腕の肘の内側にある)との力強い連繫をつくるのに役立つ。(バイセップスが、肘の近くで細く弱く消えたようにならずに、太くて強いままで、前腕の肘の内側にある腕撓骨筋のところまでつづき、そこから腕撓骨筋が起こっているという形から、このようなことがいえる)
 以上が、わたしの現在のトレーニング・プログラムである。わたしの腕がトレーニングしても期待どおりの反応を示さず、思ったように発達しないときは、およそ1カ月ごとにルティンを変化させる。わたしが、これまでに公表したわたしのトレーニング・コースの中の、腕のトレーニング・ルティンは、あらゆる発達段階にある人々に適合するように書かれている。
 しかし、いまここで発表したわたしの現在のトレーニング・プログラムは、初心者がそのまま応用するのは無理であるし、効果的でない。つまり、このプログラムは、1980オリンピア・コンテストを目前にした数週間という時期に、極度のハード・トレーニングに明け暮れていたたときのわたしのプログラムであるから。
 しかし、わたし自身の強化トレーニングの努力を通して、どのような腕をつくりあげることが利益であるかという事実を、わたしは発掘した。諸君のお役に立つことを祈ってこれを贈る。
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月刊ボディビルディング1981年4月号

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