ポージング・クリニック
1980年度ミスター日本総合5位 粟井直樹
①粟井直樹君(27才) 1980年度ミスター日本コンテスト総合5位。身長170cm,体重76kg。トレーニング歴9年。なかなか筋肉質のよいからだである。全体的にバルクが若干不足している感があるが、デフィニッションはよい。
②このサイド・ポーズでは、とくに腕の太さが目立つ。ウエストが細いのも印象的。ポーズ自体はいいのだが、しかし何だかそのポーズ全体固さが見られるのはなぜだろうか? あるいは顔の位置と目線が悪かったのかも知れない。
③ここに上げた9葉のポーズ写真の中で、私はこれか最右翼にくるものと見ている。全体のポーズもまとまっているし、諸筋の発達もよく見てとれる。この写真で見られるバルクとテフィニッションは申し分ない。だが、強いて難をいえば、顔をもっと正面に、あるいはさらに左の方に向けた方がよかったのではないか?
④前の写真があまりにもよかっただけに、このダフル・バイセップスのポーズは迫力がない。腹直筋と前鋸筋の発達は十分に誇示されているが、大胸筋の厚みが全く感じられないのが残念だ。この筋のトレーニングが急務なのかも知れない。
⑤このような形に両手を置いて上体をリキませたときには、どうしてもかなりのバルクが必要である。身長170cmで体重76kgでは、ちょっと無理なポーズの1つだろう。あと少なくとも5kg以上の体重(それもむろん筋肉で)をつける必要がある。 それにもう1つ、このポーズでは広背筋をもっと横に出す訓練をしておくことだ。そうすれば、もっと上体が逞しく見えるはずだ。
⑥このポーズから見る限り、決して広背筋が不足しているわけではない。多少、そのボリュームが足りないことは認めるが、それをとり立てていうほどのものではない。したがって、前の⑤のポーズで注文をつけた広背筋を誇張することは決して不可能事ではないといえる。それはともかくとして、このポーズはなかなかまとまっている。
⑦上体のV字型の広がり、そして右腕と肩のバルク、それにボース、それらのすべてがうまく調和している。だが、軽量の悲しさ、背面の諸筋に厚みがない。脚ももっとバルクが必要だろう。そのためにも今後はもっと体重を増量することが大切なようだ。
⑧このボースは②のボーズと同じだが、顔の向け方、上体の傾け方が変っている。②よりこちらの方がずっと安定感があるのは、こうした点がちがうからである。いいポーズである。
⑨背中を縦に割った左右の筋肉のコントラストが面白い。マスキュラーなタイプだから、今後、バルク・アップに腐心するならば、近い将来はもっとコンテストで上位に進出が望めそうである。
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