なんでもQ&Aお答えします
月刊ボディビルディング1983年10月号
掲載日:2020.12.17
ブランクのあとの再開トレーニングで注意することは
Q
郷里を離れて東京で下宿生活をしている大学生です。ボディビルを始めて2年3カ月になります。ふだんは数人の仲間と友人の家でトレーニングしていますが、休暇中は郷里へ帰るので、その間はトレーニングを休むことになります。
冬の休暇は比較的期間が短いのでトレーニングを休んでもさほど気になりませんが、学期末と夏休みは期間が長いだけに気になります。とくに、夏には2カ月余りのブランクができるので、筋力と体位がかなり後退してしまいます。
そのようなわけで、去年の夏は2カ月間のロスをあせって取り戻そうとしたため、すっかり体調をくずしてしまいました。長期間のブランクがあった後は、どのようなことに留意してトレーニングをすればよいでしょうか。
ふだん私が実施しているトレーニング・スケジュールは下記の通りです。できるだけ具体的にご指導ください。
《トレーニング・スケジュール》
隔日的に週3回実施。
1回当りの所要時間は80~90分。
①シット・アップ 3セット
②スクワット 10~6回×4セット
③ベンチ・プレス 10~6回×4セット
④ダンベル・ベンチ・プレス 8回×3セット
⑤プレス・ビハインド・ネック 8回×3セット
⑥スタンディング・ロー 8回×3セット
⑦ベント・オーバー・ローイング 8回×3セット
⑧ワン・アーム・ローイング 10回×3セット
⑨チー・ハンズ・カール 8回×3セット
⑩インクライン・ダンベル・カール 10回×3セット
⑪フレンチ・プレス・スタンディング 8回×4セット
(東京都 K・S 学生 20歳)
郷里を離れて東京で下宿生活をしている大学生です。ボディビルを始めて2年3カ月になります。ふだんは数人の仲間と友人の家でトレーニングしていますが、休暇中は郷里へ帰るので、その間はトレーニングを休むことになります。
冬の休暇は比較的期間が短いのでトレーニングを休んでもさほど気になりませんが、学期末と夏休みは期間が長いだけに気になります。とくに、夏には2カ月余りのブランクができるので、筋力と体位がかなり後退してしまいます。
そのようなわけで、去年の夏は2カ月間のロスをあせって取り戻そうとしたため、すっかり体調をくずしてしまいました。長期間のブランクがあった後は、どのようなことに留意してトレーニングをすればよいでしょうか。
ふだん私が実施しているトレーニング・スケジュールは下記の通りです。できるだけ具体的にご指導ください。
《トレーニング・スケジュール》
隔日的に週3回実施。
1回当りの所要時間は80~90分。
①シット・アップ 3セット
②スクワット 10~6回×4セット
③ベンチ・プレス 10~6回×4セット
④ダンベル・ベンチ・プレス 8回×3セット
⑤プレス・ビハインド・ネック 8回×3セット
⑥スタンディング・ロー 8回×3セット
⑦ベント・オーバー・ローイング 8回×3セット
⑧ワン・アーム・ローイング 10回×3セット
⑨チー・ハンズ・カール 8回×3セット
⑩インクライン・ダンベル・カール 10回×3セット
⑪フレンチ・プレス・スタンディング 8回×4セット
(東京都 K・S 学生 20歳)
A
2カ月間もトレーニングを休止すれば、当然のことながら体位と筋力が減退します。そして、一般的な傾向として、修練年月の短い者ほど著しいといえます。しかし、修練によって一度獲得した身体的効果は、長期間のトレーニングの休止によって失われても、再開後は比較的短期間のトレーニングで取り戻すことが可能です。
トレーニングの再開時においては、身体の組織と能力が休止前よりも減退しているのですから、なによりもまずそのことを十分に考慮してトレーニングを行わなければなりません。つまり初めは、休止前よりも使用重量と運動量をかなり割引いてトレーニングを再開し、その後は、日数をかけて、使用重量と運動量を慎重に少しずつ増やしていきながら、休止前の状態に戻すようにしなければなりません。
そのためには、体位と筋力が休止前の状態に戻るまでは、力を出し切るようなトレーニングのやり方はさけ、体力的にいって、使用重量と運動量を常に八分程度の範囲に止めるようにするのがよいといえます。その程度のトレーニングでも、体位と筋力を休止前の状態に回復させることは十分可能ですから、あえて無理なトレーニングを行う必要はありません。
早く回復させようとして、あせって無理なトレーニングを行うことは、筋組織の消耗を強めるので、かえって回復をおくらせることになります。そればかりか無理の度が過ぎると、体調をくずしてしまうことにもなります。
長期間のトレーニング休止による筋量と筋力の減退は、筋組織の細化に由来するわけですから、それを以前の状態に回復させるには、それ相応の時間の経過が必要です。いかにトレーニングを再開したからといっても、細化した筋を数日の間に風船をふくらますように元の状態には戻せません。
したがって、時間の経過の中で、慎重に筋の回復をはかりながら、日をかけて元の状態に戻していくようにすることが大切であるといえます。
では次に、再開トレーニングの具体的な方法について説明します。
イ.再開第1日目のトレーニングは、休止による筋力の低下を調べる意味で、ごく軽い重量を使用して、からだをならす程度に行う。
なお、運動種目は、各部位における主要な種目のみにとどめ、セット数は休止前よりも少なくする。
ロ.第2日目は、第1日目のトレーニングから判断して、さほど無理と思われない重量を使用して行う。つまりその時点の筋力において八分程度の重量を使用して行うようにする。
ハ.第3日目以後は、筋力の回復状態を考慮しながら、日数をかけて、使用重量を少しずつ増やしていくようにする。ただし、無理に増やすのは厳禁。運動における筋力の発揮は、カを出しきることなく、常に八分程度の範囲にとどめるようにする。したがって、運動の反復も、無理をしてまでも所定の回数にこだわることはない。
ニ.各部位における主要な運動種目の筋力が休止前の状態に戻るまでは、補強的な種目をあまり行わないほうがよいといえる。
あなたが現在、採用しておられる運動種目を、主要種目と補強種目的な種目に仕分けすればだいたい次のようになります。
<主要種目>
①シット・アップ
②スクワット
③ベンチ・プレス
④プレス・ビハインド・ネック
⑤ベント・オーバー・ローイング
⑥ツー・ハンズ・カール
⑦フレンチ・プレス・スタンディング
<補強種目的な種目>
①ダンベル・ベンチ・プレス
②スタンディング・ロー
③ワン・アーム・ローイング
④インクライン・ダンベル・カール
ホ.補強種目的な種目は、主要種目の筋力が休止前の状態に戻った部位から順次採用するようにするのがよい。その場合はもちろん余裕の感じられる重量で運動を始める。
2カ月間もトレーニングを休止すれば、当然のことながら体位と筋力が減退します。そして、一般的な傾向として、修練年月の短い者ほど著しいといえます。しかし、修練によって一度獲得した身体的効果は、長期間のトレーニングの休止によって失われても、再開後は比較的短期間のトレーニングで取り戻すことが可能です。
トレーニングの再開時においては、身体の組織と能力が休止前よりも減退しているのですから、なによりもまずそのことを十分に考慮してトレーニングを行わなければなりません。つまり初めは、休止前よりも使用重量と運動量をかなり割引いてトレーニングを再開し、その後は、日数をかけて、使用重量と運動量を慎重に少しずつ増やしていきながら、休止前の状態に戻すようにしなければなりません。
そのためには、体位と筋力が休止前の状態に戻るまでは、力を出し切るようなトレーニングのやり方はさけ、体力的にいって、使用重量と運動量を常に八分程度の範囲に止めるようにするのがよいといえます。その程度のトレーニングでも、体位と筋力を休止前の状態に回復させることは十分可能ですから、あえて無理なトレーニングを行う必要はありません。
早く回復させようとして、あせって無理なトレーニングを行うことは、筋組織の消耗を強めるので、かえって回復をおくらせることになります。そればかりか無理の度が過ぎると、体調をくずしてしまうことにもなります。
長期間のトレーニング休止による筋量と筋力の減退は、筋組織の細化に由来するわけですから、それを以前の状態に回復させるには、それ相応の時間の経過が必要です。いかにトレーニングを再開したからといっても、細化した筋を数日の間に風船をふくらますように元の状態には戻せません。
したがって、時間の経過の中で、慎重に筋の回復をはかりながら、日をかけて元の状態に戻していくようにすることが大切であるといえます。
では次に、再開トレーニングの具体的な方法について説明します。
イ.再開第1日目のトレーニングは、休止による筋力の低下を調べる意味で、ごく軽い重量を使用して、からだをならす程度に行う。
なお、運動種目は、各部位における主要な種目のみにとどめ、セット数は休止前よりも少なくする。
ロ.第2日目は、第1日目のトレーニングから判断して、さほど無理と思われない重量を使用して行う。つまりその時点の筋力において八分程度の重量を使用して行うようにする。
ハ.第3日目以後は、筋力の回復状態を考慮しながら、日数をかけて、使用重量を少しずつ増やしていくようにする。ただし、無理に増やすのは厳禁。運動における筋力の発揮は、カを出しきることなく、常に八分程度の範囲にとどめるようにする。したがって、運動の反復も、無理をしてまでも所定の回数にこだわることはない。
ニ.各部位における主要な運動種目の筋力が休止前の状態に戻るまでは、補強的な種目をあまり行わないほうがよいといえる。
あなたが現在、採用しておられる運動種目を、主要種目と補強種目的な種目に仕分けすればだいたい次のようになります。
<主要種目>
①シット・アップ
②スクワット
③ベンチ・プレス
④プレス・ビハインド・ネック
⑤ベント・オーバー・ローイング
⑥ツー・ハンズ・カール
⑦フレンチ・プレス・スタンディング
<補強種目的な種目>
①ダンベル・ベンチ・プレス
②スタンディング・ロー
③ワン・アーム・ローイング
④インクライン・ダンベル・カール
ホ.補強種目的な種目は、主要種目の筋力が休止前の状態に戻った部位から順次採用するようにするのがよい。その場合はもちろん余裕の感じられる重量で運動を始める。
会社のクラブ活動としてボディビルを行う場合のアドバイス
Q
ボディビル歴は2年4カ月です。現在は自宅で1人でトレーニングしています。しかしちかぢか勤務先の会社にボディビルの同好会ができるので、そのときはそちらでトレーニングをする予定です。
仲間は20人余りですが、ほとんどの者がボディビルの経験はありません。多少なりとも経験のある者は数人しかおらず、結局、私がリーダーに選ばれました。
自分自身はボディビルに関して、まだまだ未熟だと思っているので、リダーになることについて不安がないわけではありません。そのようなわけで次の2つの質問について、アドバイス
をお願いします。
<1>20人余りいる会員のトレーニングに混乱をきたさないために、基本的運動とそれらの効果に関するリストを作って欲しいと思います。
<2>会員の終業時刻がまちまちなのでトレーニングは昼休みと終業後の2組に分かれて行なおうと考えています。ところで、昼休みには食事もしなければならないので、そのことも考慮してトレーニングを行うようにしなければならないと思います。
そこでお伺いします。昼休みにトレーニングする場合、どのようなスケジュールで行えばよいのか、とくに初・中級者のスケジュールについてご指導ください。
なお、仕事は軽作業ですが、昼食はトレーニングの前と後のどちらにするのがよいでしょうか。
(三重県 T・I 会社員 27歳)
ボディビル歴は2年4カ月です。現在は自宅で1人でトレーニングしています。しかしちかぢか勤務先の会社にボディビルの同好会ができるので、そのときはそちらでトレーニングをする予定です。
仲間は20人余りですが、ほとんどの者がボディビルの経験はありません。多少なりとも経験のある者は数人しかおらず、結局、私がリーダーに選ばれました。
自分自身はボディビルに関して、まだまだ未熟だと思っているので、リダーになることについて不安がないわけではありません。そのようなわけで次の2つの質問について、アドバイス
をお願いします。
<1>20人余りいる会員のトレーニングに混乱をきたさないために、基本的運動とそれらの効果に関するリストを作って欲しいと思います。
<2>会員の終業時刻がまちまちなのでトレーニングは昼休みと終業後の2組に分かれて行なおうと考えています。ところで、昼休みには食事もしなければならないので、そのことも考慮してトレーニングを行うようにしなければならないと思います。
そこでお伺いします。昼休みにトレーニングする場合、どのようなスケジュールで行えばよいのか、とくに初・中級者のスケジュールについてご指導ください。
なお、仕事は軽作業ですが、昼食はトレーニングの前と後のどちらにするのがよいでしょうか。
(三重県 T・I 会社員 27歳)
A
まず<1>の初・中級者程度を対象とした運動種目を効果別にまとめて記述することにします。なお、いくつか重複して記載される運動種目がありますが、一目見てそれと判るように、それらの種目名の頭には二重丸を付けておくことにします。
◆胸(主として大胸筋)の運動
<基礎種目>
●ベンチ・プレス
<強化種目>
●ダンベル・ベンチ・プレス
●ベント・アーム・ラタフル・レイズ・ライイング
●ディップ
◎ベントアーム・プルオーバー
◆胸(胸郭)の運動
<基礎種目>
●ストレート・アームラタラル・レイズ・ライイング(スティッフ・アーム・ラタラル・レイズ・ライイング)
●ストレート・アーム・プルオーバー(スティッフ・アーム・プルオーバー)
◆肩(主として三角筋)の運動
<基礎種目>
●フロント・プレス
<強化種目>
●バック・プレス(プレス・ビハインド・ネック)
◎スタンディング・ロー(アップ・ライト・ローイング)
●ダンベル・プレス
◆肩(主として僧帽筋)の運動
<強化種目>
●シュラッグ
◎スタンディング・ロー
●ハイ・プルアップ
◆背(主として広背筋)の運動
<基礎種目>
●ベント・オーバー・ローイング
<強化種目>
●レバレッジバー・ローイング(エンド・オブ・バー・ローイング)
●チンニング
◎ベントアーム・プルオーバー
◆背(主として上部中央の筋・上部仙棘筋)の運動
<強化種目>
●スティッフ・レッグド・デッド・リフト
◎ハイパー・バック・イクステンション
◆上腕(上腕二頭筋)の運動
<基礎種目>
●カール
<強化種目>
●ダンベル・カール
●インクライン・ダンベル・カール
◆上腕(上腕三頭筋)の運動
<強化種目>
●ナロウ・グリップ・ベンチ・プレス
●フレンチ・プレス・ライイング
◎ベント・アーム・プルオーバー
◆前腕(前腕掌側部)の運動
<強化種目>
●リスト・カール
◆前腕(前腕背側部)の運動
<強化種目>
●リバース・リスト・カール
◆腹(主として腹直筋)の運動
<基礎種目>
●シット・アップ
<強化種目>
●レッグ・レイズ
◎ツイスティング・シット・アップ
◆腹(主として外腹斜筋)の運動
<強化種目>
●サイド・ベンド
●トランク・ツイスト
◎ツイスティング・シットアップ
◆大腿(主として大腿四頭筋)の運動
<基礎種目>
●スクワット
<強化種目>
●ハーフ・スクワット
◆大腿(大腿二頭筋)の運動
<強化種目>
●レッグ・カール・ウイズ・パートナーズ・レジスタンス
◆下腿(主として下腿三頭筋)の運動
<強化種目>
●カーフ・レイズ
●スティッフ・レッグド・ジャンプ
◆腰背住として固有背筋)の運動
<強化種目>
●デッド・リフト
●ワン・ハンド・デッド・リフト
◆頸(前、および横の部分)の運動
<強化種目>
●シューパイン・ネック・フレクション
◆頸(うしろの部分)の運動
●プローン・ネック・レイズ
次に2番目の質問のトレーニング・スケジュールについて述べる前に、まず、トレーニングを行う条件と時間について考えてみることにしましょう。
◆トレーニングを行うのは、昼食の前と後のどちらがよいか
運動の能力を十分に発揮するために、また、胃の消化力をさまたげないためには、トレーニングと食事の間に許される範囲で時間的な間隔を置くことが望ましいといえます。
したがって、上述したような生理的な面を重視すれば、トレーニングを食事の前にするにしても、または後でするにしても、当然、トレーニングと食事の間にはある程度、時間的な間隔を置くようにしなければなりません。
しかし、この場合、ひとつの問題があります。というのは、トレーニングと食事の関係において、トレーニングを先にするのと、食事を先にするのとでは、その間に必要とされる生理的な意味での時間的な経過に差異があるということです。
結論をいえば、トレーニングを先にするほうが、食事を先にするよりは休息時間が短くて済みます。したがって、昼休みの限られた時間をより有効に使うには、当然、トレーニングを先に行うほうがよいといえます。
さいわい、あなたがたの場合は、仕事が軽作業ということなので、食事後、すぐに仕事についても、さほどさしつかえはないと思われますので、そのことから考えても、食事の前にトレーニングを行うようにするのがよいと考えられます。
◆トレーニングの時間
トレーニング・スケジュールを作る前に、昼休みという時間内で、いったいどのくらいの時間をトレーニングに振り当てることができるかを考えてみる必要があります。
結論を先にいえば、1時間という昼休みの時間内では、トレーニングに振り当てられる時間は、せいぜい20分といったところが妥当ではなかろうかと考えられます(図参照)。
まず<1>の初・中級者程度を対象とした運動種目を効果別にまとめて記述することにします。なお、いくつか重複して記載される運動種目がありますが、一目見てそれと判るように、それらの種目名の頭には二重丸を付けておくことにします。
◆胸(主として大胸筋)の運動
<基礎種目>
●ベンチ・プレス
<強化種目>
●ダンベル・ベンチ・プレス
●ベント・アーム・ラタフル・レイズ・ライイング
●ディップ
◎ベントアーム・プルオーバー
◆胸(胸郭)の運動
<基礎種目>
●ストレート・アームラタラル・レイズ・ライイング(スティッフ・アーム・ラタラル・レイズ・ライイング)
●ストレート・アーム・プルオーバー(スティッフ・アーム・プルオーバー)
◆肩(主として三角筋)の運動
<基礎種目>
●フロント・プレス
<強化種目>
●バック・プレス(プレス・ビハインド・ネック)
◎スタンディング・ロー(アップ・ライト・ローイング)
●ダンベル・プレス
◆肩(主として僧帽筋)の運動
<強化種目>
●シュラッグ
◎スタンディング・ロー
●ハイ・プルアップ
◆背(主として広背筋)の運動
<基礎種目>
●ベント・オーバー・ローイング
<強化種目>
●レバレッジバー・ローイング(エンド・オブ・バー・ローイング)
●チンニング
◎ベントアーム・プルオーバー
◆背(主として上部中央の筋・上部仙棘筋)の運動
<強化種目>
●スティッフ・レッグド・デッド・リフト
◎ハイパー・バック・イクステンション
◆上腕(上腕二頭筋)の運動
<基礎種目>
●カール
<強化種目>
●ダンベル・カール
●インクライン・ダンベル・カール
◆上腕(上腕三頭筋)の運動
<強化種目>
●ナロウ・グリップ・ベンチ・プレス
●フレンチ・プレス・ライイング
◎ベント・アーム・プルオーバー
◆前腕(前腕掌側部)の運動
<強化種目>
●リスト・カール
◆前腕(前腕背側部)の運動
<強化種目>
●リバース・リスト・カール
◆腹(主として腹直筋)の運動
<基礎種目>
●シット・アップ
<強化種目>
●レッグ・レイズ
◎ツイスティング・シット・アップ
◆腹(主として外腹斜筋)の運動
<強化種目>
●サイド・ベンド
●トランク・ツイスト
◎ツイスティング・シットアップ
◆大腿(主として大腿四頭筋)の運動
<基礎種目>
●スクワット
<強化種目>
●ハーフ・スクワット
◆大腿(大腿二頭筋)の運動
<強化種目>
●レッグ・カール・ウイズ・パートナーズ・レジスタンス
◆下腿(主として下腿三頭筋)の運動
<強化種目>
●カーフ・レイズ
●スティッフ・レッグド・ジャンプ
◆腰背住として固有背筋)の運動
<強化種目>
●デッド・リフト
●ワン・ハンド・デッド・リフト
◆頸(前、および横の部分)の運動
<強化種目>
●シューパイン・ネック・フレクション
◆頸(うしろの部分)の運動
●プローン・ネック・レイズ
次に2番目の質問のトレーニング・スケジュールについて述べる前に、まず、トレーニングを行う条件と時間について考えてみることにしましょう。
◆トレーニングを行うのは、昼食の前と後のどちらがよいか
運動の能力を十分に発揮するために、また、胃の消化力をさまたげないためには、トレーニングと食事の間に許される範囲で時間的な間隔を置くことが望ましいといえます。
したがって、上述したような生理的な面を重視すれば、トレーニングを食事の前にするにしても、または後でするにしても、当然、トレーニングと食事の間にはある程度、時間的な間隔を置くようにしなければなりません。
しかし、この場合、ひとつの問題があります。というのは、トレーニングと食事の関係において、トレーニングを先にするのと、食事を先にするのとでは、その間に必要とされる生理的な意味での時間的な経過に差異があるということです。
結論をいえば、トレーニングを先にするほうが、食事を先にするよりは休息時間が短くて済みます。したがって、昼休みの限られた時間をより有効に使うには、当然、トレーニングを先に行うほうがよいといえます。
さいわい、あなたがたの場合は、仕事が軽作業ということなので、食事後、すぐに仕事についても、さほどさしつかえはないと思われますので、そのことから考えても、食事の前にトレーニングを行うようにするのがよいと考えられます。
◆トレーニングの時間
トレーニング・スケジュールを作る前に、昼休みという時間内で、いったいどのくらいの時間をトレーニングに振り当てることができるかを考えてみる必要があります。
結論を先にいえば、1時間という昼休みの時間内では、トレーニングに振り当てられる時間は、せいぜい20分といったところが妥当ではなかろうかと考えられます(図参照)。
したがって、トレーニングのメニューも、その20分以内におさまるように作らなければならないということになります。
トレーニング時間が20分というのは、実施者の体力がレベル以下の場合には、それほど不足なものとは思われません。しかし、中級者はもとより、初級者でもレベル以上に体力がある人にとっては、20分というトレーニング時間は、全身をいちどきに鍛練するには充分な時間とはいえません。
したがって、そのような時間の不足を解決するためには、分割法を採用してトレーニングを行うようにするのがよいといえます。
なお、前述したように、体力がレベル以下で、トレーニングの所要時間に不足をきたさないと考えられる人の場合でも、昼食までの休息時間が短いことを考慮すれば、やはり分割法を採用するのがよいと思われます。というのは、体力の弱い人は、昼食時の胃の働きをさまたげないために、トレーニングと昼食の間の休息を少しでも長くとるようにするのが望ましいと考えられるからです。
では、具体的にスケジュール例をいくつか記述してみましょう。
トレーニング時間が20分というのは、実施者の体力がレベル以下の場合には、それほど不足なものとは思われません。しかし、中級者はもとより、初級者でもレベル以上に体力がある人にとっては、20分というトレーニング時間は、全身をいちどきに鍛練するには充分な時間とはいえません。
したがって、そのような時間の不足を解決するためには、分割法を採用してトレーニングを行うようにするのがよいといえます。
なお、前述したように、体力がレベル以下で、トレーニングの所要時間に不足をきたさないと考えられる人の場合でも、昼食までの休息時間が短いことを考慮すれば、やはり分割法を採用するのがよいと思われます。というのは、体力の弱い人は、昼食時の胃の働きをさまたげないために、トレーニングと昼食の間の休息を少しでも長くとるようにするのが望ましいと考えられるからです。
では、具体的にスケジュール例をいくつか記述してみましょう。
腹直筋の左右不均衡をなおしたいが
Q
ボディビル歴は3年4カ月。キャリアの割にはからだも発達しているほうだと思っています。それで、2~3年後にはコンテストに出場したいと考えていますが、からだのうちで、ひとつ気になることがあります。それは、腹直筋が左右異なった形をしており、発達状態がちがうことです。
腹直筋が左右異なった形をしているのは、ある程度、先天的なものと聞いていますが、なんとかこれをなおす方法はないものでしょうか。また、左側が右側に比べて発達が弱いのですが、これをなおすにはどのようにしたらよいでしょうか。
(群馬県 T・Y 会社員 22歳)
ボディビル歴は3年4カ月。キャリアの割にはからだも発達しているほうだと思っています。それで、2~3年後にはコンテストに出場したいと考えていますが、からだのうちで、ひとつ気になることがあります。それは、腹直筋が左右異なった形をしており、発達状態がちがうことです。
腹直筋が左右異なった形をしているのは、ある程度、先天的なものと聞いていますが、なんとかこれをなおす方法はないものでしょうか。また、左側が右側に比べて発達が弱いのですが、これをなおすにはどのようにしたらよいでしょうか。
(群馬県 T・Y 会社員 22歳)
A
結論から申しますと、腹直筋の造作そのものが、左右ちがった形をしている場合は、あなたもいわれるように、それは先天的なものなので、これをなおす方法はありません。
しかし、腹直筋の左右の形がちがうことが、たんに発達上の不均衡によるものであれば、それをなおすことが可能であるといえます。
腹直筋は、第5~第7の肋軟骨から恥骨に付着する腹部前面の長い筋で、白線によって左右タテに分かれており、また、通常、3条の横線(腱画)によって筋の隆起が4段に分けられています。そして、このように白線と腱画とによって、タテ、横に区分されている腹直筋の形は、たいていの場合、左右ほぼ同じ形をしています。つまり、左右が対称をなしているものです。
しかし、中には左右が著しくちがった形をしている場合もあります。このことは、腹直筋全体の形が、もともとそのような形になるように、白線と腱画とによって先天的に区分されているからであるといえます。したがって、外科的な手術でもしないかぎりこれを矯正することは不可能であるといえます。
ところで、腹直筋の左右の形の相違が先天的なものに起因するのではなくて、単に筋の発達上の不均衡によるものであるならば、それをなおすことは可能であるといえます。
つまり、白線によって左右に分けられた腹直筋の形の相違が、腱画と個々の筋のゆがみ(または、ズレ)に起因するものではなく、たんなる筋の発達上の強弱、大小のちがいによるものであるならば、それはなおすことができるということです。しかも、方法的にはそれほどむづかしいことではありません。要するに、発達の弱い側の方に発達のよい側よりも強く負荷がかかるようにして腹筋運動を行うようにすればよいわけです。
あなたの場合ですと、左側の方が発達が弱いわけですから、その場合は、上体を右側へ少しねじった姿勢でシット・アップを行うようにすればよいでしょう。
このように、発達の不均衡をなおすための運動は、方法的にはいたって簡単なものといえます。しかし、あなたのように、長期間のトレーニングによってもたらされた発達上の不均衡は、それをなおすためには、それなりの時間がかかるかもしれません。したがって、あまりあせることなく、じっくりとした気持でトレーニングに取り組まれるのがよいでしょう。
(回答は1959年度ミスター日本、NE協会指導部長・竹内 威先生 演技指導は平井トレーニング・センター会長・熊岡健夫先生)
結論から申しますと、腹直筋の造作そのものが、左右ちがった形をしている場合は、あなたもいわれるように、それは先天的なものなので、これをなおす方法はありません。
しかし、腹直筋の左右の形がちがうことが、たんに発達上の不均衡によるものであれば、それをなおすことが可能であるといえます。
腹直筋は、第5~第7の肋軟骨から恥骨に付着する腹部前面の長い筋で、白線によって左右タテに分かれており、また、通常、3条の横線(腱画)によって筋の隆起が4段に分けられています。そして、このように白線と腱画とによって、タテ、横に区分されている腹直筋の形は、たいていの場合、左右ほぼ同じ形をしています。つまり、左右が対称をなしているものです。
しかし、中には左右が著しくちがった形をしている場合もあります。このことは、腹直筋全体の形が、もともとそのような形になるように、白線と腱画とによって先天的に区分されているからであるといえます。したがって、外科的な手術でもしないかぎりこれを矯正することは不可能であるといえます。
ところで、腹直筋の左右の形の相違が先天的なものに起因するのではなくて、単に筋の発達上の不均衡によるものであるならば、それをなおすことは可能であるといえます。
つまり、白線によって左右に分けられた腹直筋の形の相違が、腱画と個々の筋のゆがみ(または、ズレ)に起因するものではなく、たんなる筋の発達上の強弱、大小のちがいによるものであるならば、それはなおすことができるということです。しかも、方法的にはそれほどむづかしいことではありません。要するに、発達の弱い側の方に発達のよい側よりも強く負荷がかかるようにして腹筋運動を行うようにすればよいわけです。
あなたの場合ですと、左側の方が発達が弱いわけですから、その場合は、上体を右側へ少しねじった姿勢でシット・アップを行うようにすればよいでしょう。
このように、発達の不均衡をなおすための運動は、方法的にはいたって簡単なものといえます。しかし、あなたのように、長期間のトレーニングによってもたらされた発達上の不均衡は、それをなおすためには、それなりの時間がかかるかもしれません。したがって、あまりあせることなく、じっくりとした気持でトレーニングに取り組まれるのがよいでしょう。
(回答は1959年度ミスター日本、NE協会指導部長・竹内 威先生 演技指導は平井トレーニング・センター会長・熊岡健夫先生)
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