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月刊ボディビルディング1985年7月号
掲載日:2021.06.16

胸を鍛えようと思っても、腕が先に疲れてしまうが、その対策は?


 ボディビル歴は1年3カ月。私は現在、胸の運動としてベンチ・プレスとダンベル・フライを行なっています。ところが上腕三頭筋や三角筋ばかりに効いてしまいます。そのため、大胸筋を十分にパンプ・アップさせようと思っても、その前に腕などが疲れて運動をつづけることができません。実際に胸はほとんど発達しないで、腕ばかり発達してしまうような気がします。

 現在のトレーニング・スケジュールと体位は下記のとおりですが、大胸筋に十分に効かすためにはどうしたらよいか教えてください。

《トレーニング・スケジュール》
 (2日おき週3日実施)
①シット・アップ 50回×1セット
②ベンチ・プレス 80㎏6回×6セット
③ダンベル・フライ 18㎏8回×3セット
④バック・プレス 25㎏10回×4セット
⑤ベント・オーバー・ローイング 25㎏10回×4セット
⑥ダンベル・カール 15㎏10回×4セット

《体 位》
 身 長 166cm   上腕囲  37cm
 体 重  66kg   前腕囲  31cm
 胸 囲 104cm   大腿囲  52cm
 腹 囲  78cm   下腿囲  35cm

   (高知市 A・Y 17歳 学生)

 ボディビル開始前の体位がわかりませんが、経験1年3カ月、17歳の年齢の割には、ある程度の効果はあったといえると思います。ただ、お手紙を拝見して、いくつか疑問点がありますので、先ずそれを列挙してみます。

①ベンチ・プレスの重量が重すぎないか?

②フォームに問題はないか?(特にベンチ・プレス)

③レップスに問題はないか?

④全体のバランスから言って、大胸筋よりも上腕三頭筋の方が発達していないか?

 ざっと以上の事が考えられますが、①から順に説明して行きます。

①ベンチ・プレスの重量が重すぎないか?

 バック・プレスやベント・オーバー・ローイングの重量に比べて、ベンチ・プレスの使用重量が重いようです。このことが原因で、次の②③の問題が生じてくることがあります。

②フォームに問題はないか?

 ベンチ・プレスの使用重量が重いために、正確なフォームで行なわれず、他の筋肉も必要以上に動員されていることが考えられます。ベンチ・プレスの場合、補助筋としては主に上腕三頭筋が働きます。これをふせぐには重すぎる重量は避け、バーベルをスタンダード・グリップで握り、肘が体側に近づかないように十分に張りながら、プレス動作を行うことです。そのためにはあまりブリッジをせず、バーをおろす位置も胸の中央部におろすようにします。こうすれば大胸筋が十分に拡張するので効果的です。

③レップスに問題はないか?

 これに関しては次の2点が考えられます。

 a.①と関連して、重量が重すぎるため、パンプ・アップが得られるような回数をできない。(ただし、あなたの場合は、80kg×6回×6セットとなっていますので、この点に関しては問題がないと思われますが)一般的に高重量でも5回はくり返せるくらいの重量にした方が、パンプ・アップはしやすいのです。

 b.最後の2~3セットは完全に疲労するまで、回数にこだわらず行なう。ベンチ・プレスの場合、補助者をつけて挙がらなくなったら2~3回、フォースト・レップスを行うとさらに効果的です。

④全体のバランスから言って、大胸筋よりも上腕三頭筋の方が発達していないか?

 自分の体を自分で客観的に判断するのは難しいですが、もしこのような場合は事前疲労(プレ・イグゾースチョン)の原則を用いるとよいでしょう。

 大胸筋の場合には、補助筋である上腕三頭筋を使わず、主動筋だけに効くような種目、例えば、ダンベル・フライやチェスト(バタフライ)・マシン等を先に行ない、その後にベンチ・プレスを行なうのです。これはセット法で行なってもよいでしょう。ただし、この方法では、ベンチ・プレスの使用重量が通常のトレーニングでのものよりも落ちますが、大胸筋にはより強い刺激が加わりますので、重量にとらわれずにトレーニングをして下さい。あなたの場合、通常のトレーニングでは上腕三頭筋に先に効いてしまっているようですから、この方法を一度試してみて下さい。

 では以上の事を考慮して、あなたのトレーニング・スケジュール例を作成してみます。
記事画像1
 ベンチプレスはピラミッド法を採用しました。(セットごとに重量を増し、レップスは減る)

 なお、あなたのスケジュールには、下半身のトレーニング種目がありませんでしたので、スクワットを加えました。腰痛など、特別な事情がない限り行なった方がよいでしょう。

過度の日光浴は体の害にならないか?


 長年トレーニングに親しみ、コンテストでは裏方で協力している者です。コンテストを目指す人々にとって、日焼けした肌は一段とたくましさを引き立て、ステージでも効果を上げるために、少しでも赤銅色になるようにと、寸暇を惜しんで日光浴をしております。

 白人に較べて、私たち黄色人種は紫外線の害についてあまり神経質になることはないといわれていますが、これはごく一般の人の場合と思われます。

 いわゆるコンテスト・ビルダーは、一般人の何倍も日光浴をし、不充分と思えばさらに日焼けランプで焼く等、大変な量の紫外線を浴びていますが、のちのちに障害を招くようなおそれはないでしょうか。

 以前、過度に直射日光を受けると、肌の水分が失なわれて、皮膚の老化現象を起こすと聞いたことがあります。漁師などの赤銅色の肌は、いかにも健康的であるが、よく見るとシワがたくさんあります。これも肌が老化している証拠だとも聞きました。

 生まれつき色白の人もいれば、色黒の人もいますし、仕事の関係でなかなか肌を焼くことの出来ない人もいると思います。日焼けによる弊害を未然に防ぎ、かつ選手達が同じ条件で審査を受けることが出来るよう、着色料等を考えてはいかがでしょうか。

   (松山市 高村 修)

 ちょうど時期に適したよい質問です。私自身ビルダーの一人として梅雨の晴れ間などに太陽が輝やいていると、「せっかくの日光が惜しい、仕事を休んで肌を焼こう」と何度も何度も考えつづけ、また寸暇を惜しんで体を焼いたものです。

 肌を焼くことにプラスとマイナスがあります。プラス面が強調され、マイナス面に警告を発する例が少なかったことが問題です。

<日光浴のプラス面>

①新陳代謝を促進する。食欲を高め、余分な脂肪を分解する。

②血行の改善。

③免疫能力の向上。

④ビタミンDを生成し、骨や歯を強くする。

⑤カビ・水虫・タムシなどに対して殺菌作用を持つ。

⑥健康的なイメージを与える。

--したがって病人などの療養にも日光浴は欠かせないわけです。

<日光浴のマイナス面>

①過激になるとヤケドと同じで、細胞を破壊する。

②紫外線は細胞の性質を変え、ガン発生の一因になる。

③シミ、ソバカスを増加させたり、濃くする。

④皮ふの角化現象をおこし、皮ふの老化を早める。

⑤ホクロができやすく、将来ガンに変ることがある。

 以上から食事中の栄養素などと同じように、紫外線の一定量は役に立ち、必要と考えられるが、オーバーになると有害であることが分かります。

 ビルダーの場合、色の黒い方が逞しく見えることから、日光浴で肌を焼いたり、サンランプを照射したり、紫外線を一般人の数倍も受けています。20代のうちは皮ふ細胞の新陳代謝が活発なので、ひどく焼けすぎた場合でも元に回復しやすいのです。ところが30代に入ると、皮ふの回復力が衰えてマイナス面が強くなります。とくに皮ふが一部むけている状態で再び日光浴を行うとマダラになり、しみ、そばかす、ほくろになりやすいわけです。

 本当の怖さは50代・60代になって、蓄積されたガン細胞のエネルギーが一気に吹き出す心配があることです。食品添加物やステロイドなどの不安と一致します。

 以上の理由から、単に日光浴とはいえ、上手な方法と、まずい方法があることになります。

<望ましい日光浴の方法>

①急に長時間にわたり、強い日光や紫外線ランプにあたらない。徐々に長さをのばす。

②オイルなしで強い日光に当らない。「焼けないオイル」「焼きやすいオイル」と種類が多いので、よく考えて選択する。

③肌が赤くはれて、ヒリヒリ痛むならすぐ日光浴をやめる。タオルやシャツを着る。

④焼きすぎと感じたら冷たいシャワーや水、風呂で肌を冷やすこと。

⑤皮が一部むけたら、やたらに次の日光浴をしないこと。あせらず時間をかけてゆっくり焼く。急に焼くとさめるのも早いが、じっくり焼くとあとまで続きやすい。

⑥肌が黒くなりやすい体質と、なりにくい体質がある。メラニン色素量は男性ホルモン量にも大きく左右される。個人差が大きいので、決してムリしない。

⑦日光浴の前・後にビタミンCをとっておくことは肌に対して有効であることが医学的に認められている。シミ、ソバカスができてしまったあとでもあきらめずにとっておこう。ビタミンC剤でもいいし、食品なら、レモン・柿・パセリ・ピーマンなどをつとめて食べるようにする。

 最後にコンテスト審査では「肌の黒さ」は補助的な観点にすぎません。あくまでも筋肉の発達度がメインであり、色の白い人でも損にならないように徐々に変ってゆく傾向にあります。「着色料を認めては?」という提案ですがこれは不自然で賛成できません。高価なメイキャップ料に費用をかけ合うことは馬鹿らしいことです。着色の良否で順位が狂うのはナンセンスと思われます。

まず徒手による運動からトレーニングを開始したいが、どうしたらいいか


 私は27歳でバスの運転手をしています。仕事柄どうしても運動不足になり、そのためか内臓も弱くなっていくようです。ちょっとした力仕事をしたり、坂道をのぼったりすると息切れや動悸がします。最近、とくにこんな状態がひどくなってきたように思えます。そこで質問があります。27歳という年齢でボディビルを始める場合、まずどのような要領でやったらよいでしょうか。
 以前、ある中学生からのQ&Aで、「重量物を使用したトレーニング法よりも、最初は自分の体重を利用したトレーニング方法を行いなさい」という回答がありましたが、私も先ずこのような、自分の体重を利用した運動から入りたいと考えていますが、どのような種目を、どのような方法で(反復回数・セット数・週間頻度)で行なったらよいか、具体的にお教えください。

   (愛知県 田中章吾 27歳 運転手)

 まず最初に申し上げておきますが、27歳という年齢はボディビルディングを始めるのに決して高い年齢ではありません。ボディビルディングの長所の1つとして、各人の年齢・体力・性別・体形・その他に応じてトレーニングができるという点があります。

 ただし、中・高年者や、あなたのように動悸がしたりするような人は、トレーニングを開始する前に必ず医師による健康診断を受けて下さい。

 健康診断の結果、問題がなければ、実際にトレーニングに入ります。まず軽いウェイトから開始するのであれば、最初から重量物、つまり、バーベルやダンベルを用いて構いません。ただし、あなたのご質問の主旨が「自分の体重を利用した運動」ですから、ここでは主として徒手によるトレーニング・スケジュール例を紹介します。そして運動に慣れたら、ウェイトを用いたトレーニングに移って下さい。

《トレーニング・スケジュール例》
 (隔日的、週3回実施)

①ウォーム・アップ

 その場ジャンプ、上体の前後屈・側屈、腰の回転、肩・手首・足首・ひざなどの関節をよく動かす運動などで10分程度、体を温める準備体操をする。

②プッシュ・アップ

 いわゆる腕立て伏せのこと。両手の間隔は肩幅より広めにし、大胸筋に効くようにする。ゆっくりと30回くり返すことを目標として、30回以上楽にできるようになったら、両足を箱などの上にのせて行うようにするとよい。

③チンニング

 懸垂運動。手幅は肩幅より広くとり、広背筋に効かせる。反動をつけずにゆっくりと両ひじを曲げ、アゴを鉄棒の上にもち上げたら、ゆっくりもどす。この動作を12回くり返せるように努力して3セット。12回が楽にできるようになったら、首の後ろに鉄棒がくるように体を挙げるとよい(チン・ビハインド・ネック〔写真参照〕)。なお、4回以上できない場合は、低鉄棒を利用し、足の補助を使って行ない、筋力がついたら高鉄棒に移るようにする。
〔チン・ビハインド・ネック〕

〔チン・ビハインド・ネック〕

④アイソメトリック・カール

 右ひじを直角に曲げ、その手首の上を左手の手のひらでおさえる。(右手は手のひらが上を向くように構える)左手で動かないように上からおさえたまま、右ひじを全力で曲げようと6~12秒間がんばる(この間は呼吸を止めない)、右腕は上腕二頭筋、左腕は上腕三頭筋が鍛えられる。左右腕をかえて同じように行ない、各3セットずつ。〔写真参照〕
〔アイソメトリック・カール〕

〔アイソメトリック・カール〕

⑤シシー・スクワット

 両手を後頭部におき、両足を肩幅くらいにして立ち、腰を前に突き出すようにしながら両ひざを前下にできるだけ深く曲げたら、元の姿勢にもどる。これを15回くり返せるようにする(かかとを持ち上げながらひざを曲げると動作がしやすい)、3セット。大腿四頭筋に有効。〔写真参照〕
〔シシー・スクワット〕

〔シシー・スクワット〕

⑥シット・アップ

 いわゆる腹筋運動のこと。両足首を浮かないようにタンスのひき出しなどを利用して固定し、ひざを少し曲げた状態で行う。30回くり返し、3セット行うようにする。

⑦クール・ダウン

 ウォーム・アップで行なった運動をゆっくり行い、最後に深呼吸をする。

 以上の②~⑥の種目をインターバル(セット間の休息)を1分間位とって行なって下さい。なお、各種目3セットずつと示しましたが、最初は1セットから始め、体力に応じて3セットまで、徐々に増やしていって下さい。

腹部、とくに下腹部の脂肪をとりたいが


 ボディビルを本格的に始めたのは1年前です。それまで数年間、軽いダンベルによるトレーニングを続けていました。ボディビルというのは素晴らしいもので、暇をみつけての軽いトレーニングだけでも、継続しさえすれば確実に効果が得られることがわかりました。

 去年の秋にベンチとバーベルを購入し、本格的にトレーニングを始めてからは、身体の発達はいっそうめざましく、改めてボディビルディングの脅威に心惹かれる思いです。

 さて質問ですが、腹部の脂肪を除くのに有効なトレーニング法をお教えいただけないでしょうか。現在実施している腹部のトレーニングは以下の通りです。この3種目を実施した結果、腹の上部にはいくらか効果がありましたが、下部には全くといっていいほど効果が見られませんでした。

 なお、腹筋のトレーニング中に、時々、腰に軽い痛みを感じることがありますが、このまま継続してもさしつかえないでしょうか。アドバイスをお願いします。

《腹筋のトレーニング種目》
①ツイスティング・シット・アップ
50回×1セット 30回×1セット
②シット・アップ2.5㎏ 20回×1セット
③レッグ・レイズ 50回×1セット

《現在の体位》
 身 長   164cm
 体 重    62kg
 胸囲(拡張) 95cm
 腹 囲    75cm

   (京都市 丸住善弘 23歳 学生)

 現在の種目を拝見すると、レッグ・レイズ以外は、主として腹筋の上部に有効なものばかりです。それぞれの種目には、傾斜の度合が書かれていませんが、多分、全てフラットの状態で行なわれているものと思われます。この場合、特に腹筋下部には効果的ではありません。シット・アップなどのように上体を動かして行なう腹筋運動の場合には、水平よりも足を高い位置に固定して、つまりデクラインで行なった方が腹筋下部に効きやすくなります。逆にレッグ・レイズ等の脚を上下させて行なう腹筋運動では、頭部を高い位置にして、つまりインクラインで行なった方がより腹筋下部に効果的です。

 腹筋のトレーニング中に軽い腰痛を感じるとのことですが、以前から腰部に問題があるのでなければ、多分腹筋のトレーニングのやり方に問題があると思われます。シット・アップ、レッグ・レイズ共、動作中は必ず膝を少し曲げた状態で行なうようにして下さい。また、シット・アップの場合には、上半身を起こす際に背中を丸めるようにして挙げて下さい。

 では、以上の事を考慮して、腹部のトレーニング・スケジュール例を示します。

①インクライン・レッグ・レイズ
最高回数×2セット
②デクライン・シット・アップ(ツイスティングで)最高回数×2セット
③サイド・ベンド

 20回前後反復できる重量で2セット〔注〕腹側部の脂肪も考慮して、サイド・ベントを加えました。やり方は後述します。

 腹部だけに限らず、脂肪を除くには食事法も大切です。せっかく脂肪を除去するようなトレーニングを行なっても、トレーニングやその他で消費するカロリー以上のものを、食事から摂っていたのでは意味がありません。たんぱく質、ビタミン、ミネラル等はしっかり摂り、余分なカロリー源となる糖質、そして特に脂肪分の摂取には注意が必要です。

 就寝前の過食も脂肪になりやすいので注意が必要です。朝・昼はある程度しっかりと摂り、夕食のカロリーは低めにします。プロティンを使うのもよいでしょう。

◎サイド・ベンド

 片手にダンベルをさげ、両足を少し開いて立ち、上体を前後に傾けないように留意しながら左右、横へ屈伸する運動。右手にダンベルを持てば左側、左手にダンベルを持てば右側の外腹斜筋を鍛練することになる。〔写真参照〕
〔サイド・ベンド〕

〔サイド・ベンド〕

15歳なのに、腹部の皮下脂肪がとれない


 ボディビル歴9カ月、少林寺拳法をやっていますが、その補強も兼ねて、最近ボディビルをはじめました。しかしほとんど効果がありません。現在15歳ですが、とくに腹のまわりに脂肪があります。やっぱりトレーニングの組み方や、運動のやり方、あるいは食事のとり方に問題があるのでしょうか。

 現在実施しているトレーニング・スケジュール、体位、自宅にある器具は下記のとおりですが、不備な点があったら教えてください。

《トレーニング・スケジュール》
記事画像6
《現在の普通時の体位》
 身 長 171cm   腹 囲  82cm
 体 重  78kg   上腕囲  37cm
 胸 囲 103cm   大腿囲 61.5cm

《自宅にあるトレーニング器具》
バーベル 50kgセット
ダンベル 7.5kg、5kg
フラット・ベンチ
アイアン・シューズ 5kg
プッシュ・アップ専用バー
チンニング専用バー
エキスパンダー(6連)

   (福岡市 石野 宏 15歳)

 あなたの体位を拝見すると、確かに腹囲の過剰が目立ちます。ただしあなたの場合、まだ15歳と、成長期にありますので、極端な減食は避けなければいけません。具体的な食事法としては、

①たんぱく質はしっかりと摂る

 その際、低カロリーで高たんぱくのプロティン、鳥ささみ、大豆製品などを利用するとよい。

②脂肪・糖質の摂取に注意する

 特に脂肪は、糖質やたんぱく質が1g4calなのに対して、同量で9calもあるので要注意。調理法を工夫して油料理を控える。油いためは避け、煮物などにする。テフロン加工のフライパンを使うのもよい。また、清涼飲料水などの糖質は摂らないように。

③ビタミン、ミネラルは十分に摂る

 野菜、果実類はしっかりと摂り、たんぱく質補給のためにプロティンを摂る場合は、ビタミン、ミネラル入りのものを使う。

④夕食を少なめにし、朝食はしっかりと摂る

 特にトレーニングが夜に行なわれる場合、その後の食事を食べすぎないように注意。必要以上のカロリーは皮下脂肪になるので注意。逆に朝食は、1日の活動源となるので、ある程度しっかり食べる。

 以上のような点が挙げられますが、同じカロリーの物を食べるのにも一度に食べるより、何回かに分けて食べた方が太りにくいことが知られています。また、食事はよくかんで、ゆっくりと食べましょう。

 次にトレーニングに関しては、(減量という目的だけでなく、全般的に)9カ月というトレーニング歴から言っても、現在の種目数は多すぎます。また、できれば、バーベルのプレートを増し、もう少し高重量でトレーニングできるようにすると、なおよいでしょう。

 では具体的にトレーニング・スケジュール例を作成してみます。
記事画像7
 腹筋のトレーニングは毎日実施しても構いません。また、水曜・土曜にはランニングをするのもよいでしょう。

 体位に皮下脂肪厚が記入されていませんでしたが、減量のめやすとして皮下脂肪を計測することをおすすめします。へその横をつまんでみて1cm以上あるようでしたら、1cmを目標に減量するとよいでしょう。
〔回答はトレーニングプラザ代々木・野沢秀雄先生、工藤悦弘先生
 演技指導は赤羽トレーニングルーム 重村尚先生〕
月刊ボディビルディング1985年7月号

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