第9回女子アジアボディビル選手権
第6回アジア・ミックスドペア選手権
第3回アジア・プローアマチュア選手権
バンタム級(48kg以下)
今年のミズユニバース・ライト級でも6位に入っているジョジョ・シンクレア。このミズアジアでもその実力のほどをまざまざと見せつけてくれた
2位/荒川純子
3位/ジ・ミンリー
ライト級(52kg以下)
89年に来日した時はまだ細さが目立っていたザン・ピンだが、今回は別人のようにバルクアップしての登場だった
2位/樋爪雅子
3位/松本俊子
ヘビー級(57kg以上)
今年はこのミズアジアに賭けていたという木村孝子は、念願の優勝を手にすることができた。しかし、彼女の実力からすればまだまだこんなものではない
2位/ザン・ハイオン
3位/ジーニー・チーア
ミドル級(57kg以下)
昨年のミズアジアを制している高橋明美。デイフェンディング・チャンピオンとしてのプレッシャーも何のその、余裕で2連勝を飾った
2位/ジョイス・シャーラー
3位/チェン・スー・ツー
アジア・プローアマ選手権
プロポーションが良い上にバルクも付けてきた。さらに今回は仕上がりも十分。アズマン・アブドゥーラがアジアの頂点に立った
バランスも良いし仕上がりもまぁまぁ。しかし、2位のキム・ジュン・ホは今一つ迫力に乏しかったが…
3位/小沼敏雄
4位/プレムチャンド・デグラ
5位/ハン・ドン・キ
6位/イシャク・ラジャ・エタム
●BANTAM WEIGHT
恐いくらいのカットを見せてくれた1位のジョジョ・シンクレア(シンガポール)
左よりジ、ジョジョ、荒川
さて、このバンタム級では、シンガポールのジョジョ・シンクレアがラインナップの段階から頭一つリードした感じがした。全身にバランス良く筋肉が発達している上、仕上がりも完璧。昨年のMSユニバース6位の実力をまざまざと見せつけてくれた。
今年の選抜大会でバリバリのデフィニションで注目を集めた荒川純子も、全身に鋭く研ぎ澄まされたジョジョのカットの前には、たち打ちはできなかったようだ。さらにバルク面でも1回り小さいような気がした。
バルクの充実度では定評のある朝生、大腿部や胸、腕等ではジョジョと互角に戦えるものがあるが、カット、デフィニション面で大きく水をあけられたと言えよう。
昨年のMR日本で行なわれた日中独の親善試合で来日した中国のジ・ミンリーは、その時のコンディションとは違い、かなり洗練されてはいるが、まだバリバリといった感じは受けない。特に腹筋のカットのなさが目立っていた。
もう一人、中国のウェイ・ユアンも完全に仕上げてきたという体ではない。ただ彼女、長身な上に手脚が長く、プロポーションの良さで非常に目を引いた。
フィリピンのドナ・ローリングは90年にこのクラスで優勝しているが、バルク的には今一つといったところ。超奇抜なドレッドヘアーは注目に値するが、調整は甘い。
結局、バルク、カット共に群を抜いていたジョジョが優勝を飾り、やや線は細いが上体の鋭いカットで日本の荒川2位に入った。3位、4位には凝ったフリーポージングを見せてくれた中国のジとウェイがそれぞれ入った。5位には甘さが尾を引いたドナが、6位には朝生が入った。朝生はもっと上にいくと思えたが…。
2位☆荒川純子(日本)
3位☆ジ・ミンリー(中国)
4位☆ウェイ・ユアン(中国)
5位☆ドナ・ローリング(フィリピン)
6位☆朝生記子(日本)
左よりチャン、ウェイ、荒川
●LIGHT WEIGHT
優勝したザン・ピンはバルク、カット、プロポーションの3拍子が揃っていた。これからの中国は手強い存在になりそうだ
2位☆樋爪雅子(日本)
3位☆松本俊子(日本)
4位☆ネル・ブラッドレー(フィリピン)
バルクとバランスの良さでは日本の松本俊子も目を引くのだが、今回は何しろ甘さが目立っていた。
逆に選抜大会で松本に敗れた樋爪雅子の方がコンディションは良さそうだ。元々プロポーションは良いので、さらに絞り込んできた体は松本よりもインパクトはあった。その上彼女は舞台度胸がいいというか、非常に見映えがする。
さて、中国のザンだが、89年の鳥取で行なわれたアジア・ミックスドペアで見た時とはバルクに数段の違いを見せている。特に背中の厚みはユニバースでも十分通用できる程のバルクをつけている。松本や樋爪と比べるとややウエストが太いような気もするが、全体のバランスから言うと決して太くはない。難なく3連勝は達成された。
2位にはやや精彩を欠いていた松本を下し樋爪が入った。バルクでは完全に松本に軍配が上がるのだが、やはり甘さが尾を引いたのだろう。
4位のフィリピンのネル・ブラッドレーはオフの状態と言っていい程の身体だった。ポージングの悪さも手伝って、完全に迫力を欠いていた。上位3名とは大きく差がついていたと思う。
●MIDDLE WEIGHT
余裕でミドル級を制した高橋明美
2位☆ジョイス、シャーラー(シンガポール)
3位☆チェン・スー・ツー(台湾)
4位☆ジャン・ジュン・ジャ(韓国)
左よりジャン、ジョイス、高橋
腕や脚の太さでは高橋に対抗できるもののあるシンガポールのジョイス・シャーラーであったが、カットが全くついていかなかった。もし、彼女が十分に絞り込んでいたなら高橋との優勝争いが演じられたかもしれない。
3位のチェン・スー・ツーは、まだビルダーとしての体型が確立されていない。腕や脚は太いのだが、まだ広がりが全くなく、ボトムヘビーであった。
4位の韓国のジャン・ジュン・ジャは、ウェイトトレーニングをしている体とはとうてい思えなかった。肌の色もほとんど焼いてなく、国際大会にこういった選手が出てくるとは思いもよらなかった。
●HEAVY WEIGHT
ケガに泣きながらも優勝を飾ることができた木村孝子
2位☆ザン・ハイオン(中国)
3位☆ジーニー・チーア(シンガポール)
4位☆リン・クェイ・ユイ(台湾)
5位☆ツ・クェイ・ハ(台湾)
6位☆リー・ユー・スン(韓国)
その中での優勝争いは日本の木村孝子と中国のザン・ハイオンの2人に絞られたと思う。木村は昨年からのケガがひびき今年7月の選抜大会では仕上げられなかったが、このアジアにかけていたらしく、コンディションはこの中では一番良かったようだ。
ザンはとにかくプロポーションの良い選手だ。ポージングも非常にうまく、のびのある筋肉をしている。
結局は仕上がりで勝った木村が、念願のミズ・アジアを制した。しかし、ザンも調整次第では優勝を狙える素質をもっている。今後に期待したい。
3位はシンガポールのジーニー・チーアでバルクたっぷりの選手だ。腕や脚は木村よりも太いと思われる。が、何しろカットに欠けていた。
4位のリン・クェイ・ユイ(台湾)もバルクに富んでいる。特にウエストからのVシェイプがきれいで広がりのある体をしている。但し彼女も又ハードさを欠いていた。
5位のツ・クェイ・ハ(台湾)、6位のリー・ユー・スン(韓国)ともに上位4名と比べると筋肉の完成度でついていけなかったようた
●ASIA PRO-AMA
1位のアズマン・アブドゥーラは、筋肉の密度とバランスの良さで目を引いた
キム・ジュンホ(韓国)はバランスと仕上がりの良さで2位を獲得した
3位☆小沼敏雄
4位☆プレムチャンド・デグラ(インド)
5位☆ハン・ドン・キ(韓国)
6位☆イシャク・R・エタム(マレーシア)
左より小沼、アズマン、キム、ハン
毎年プレムチャンドと優勝争いを演じてきた〝アジアの大木〟ハン・ドン・キも、この大会では『ゲストポーズ用の体』でしかなかった。やはり彼にとっては11月のMRユニバースが本番であり、9月に完璧な体にすることはまずないのだろう。全体にフラット&スムースといった感じだ。それでもフリーポーズでは、得意のブレイクダンスやムーンウォークで観客を大いに沸かしてくれた。順位は去年より大きく後退して5位に終る。
さて、トップ3だが、日本のエース小沼敏雄は7月の選抜大会では2位の高西に苦戦を強いられたものの、今回はほぼ万全の仕上がりで臨んできた。バックポーズでのデフィニションでは、おそらく一番ではなかったろうか。全身に研ぎ澄まされていた。チャンド、ハンを破っての3位入賞は見事であった。
2位には韓国の若きホープ、キム・ジュン・ホが入った。非常にバランスのとれた選手で欠点が見あたらない。欲をいうならば、もう少し胸の厚みと背中の広がりがほしい。今回はバリバリとまではいかないが、コンディション的には良かった。先輩のハンを敗って2位に入った。
これだけの強豪を敵に回して優勝を勝ちとったのはシンガポールのアズマン・アブドゥーラであった。'89年のアジア大会で来日した時よりも2回りくらい大きくなっている。特に絞るポーズで見せる肩、胸のストリエージョンは、他の者たちとは一線を画していたようだ。プロポーションは元々いいだけに、これだけのバルクを付けたとなるとMRユニバースでもかなりの好成績が期待できそうだ。
日本からは小沼の他に朝生照雄、廣田俊彦、高西文利のMR日本上位陣が出場した。朝生は仲々良い仕上がりであったが、8位という順位に終ってしまった。廣田は9位、高西は11位という結果である。
その他にバルクで目を引いたのが6位のイシャク・ラジャ・エタム(マレーシア)、10位のレナト・ディオ(フィリピン)の2人である。腕、肩、胸、脚と重量感溢れるイシャクの筋肉群は、プレムチャンドと比較しても遜色ないほどの代物である。むしろトータルパッケージとしてはプレムの上をいく。もう少しハムストリングの厚みをつければ、完璧といえるだろう。ただ今回は、80%位の仕上がりであったのが、評価が下がった要因だろうか?
フィリピンのレナトは肉団子みたいな体をしている。特に大腿部はフロント、サイド、バックとどこから見ても十分なバルクを誇っている。プロポーション的にはイシャクよりは悪いが、それにも勝る筋量をもっている。ただし、彼も又仕上がりにハードさがなく、水を含んだようにポッチャリとしていた。
逆に鋭いカットで注目をあびたのが7位のリー・ユン・スー(韓国)である。胸、肩、腕にすさまじいストリエージョンを見せていた。バルク面では全体的に厚みに欠けるが、腕は他の韓国選手同様に十分太かった。
左より廣田、イシャク、朝生
左よりプレム、モハッド、レナト
7位☆リー・ユン・スー(韓国)
8位☆朝生照雄(日本)
9位☆廣田俊彦(日本)
10位☆レナト・ディオ(フィリピン)
●MIXED PAIR
他を寄せつけぬバルクと仕上がりのジョジョとアズマンのコンビだが、二人のポージングも息がピッタリで魅せてくれた
2位荒川敏夫・荒川純子(日本)
3位☆ドナ&アレクサンダー(フィリピン)
4位☆中村泰子・中村勝美(日本)
5位☆ネル&レナト(フィリピン)
Recommend
-
-
- ベストボディ・ジャパンオフィシャルマガジン第二弾。2016年度の大会の様子を予選から日本大会まで全て掲載!
- BESTBODY JAPAN
- BESTBODY JAPAN Vol.2
- 金額: 1,527 円(税込)
-