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POSING CLINIC Vol.5

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月刊ボディビルディング1993年5月号
掲載日:2020.02.21
増渕聖司 IFBB国際審査員

92世界・アジア選抜大会ライト級2位
92全日本女子ボディビル選手権12位

昨年の選抜、全日本選手権と進境著しい恵良選手。特に選抜大会での大健闘が印象に残っている。しっかりした大腿部と三角筋のバルク、長い上腕二頭筋が目立つ。
①自然なサイド・チェストだが上体のカット、ディフニションが良く、大胸筋のストリエージョンが素晴らしい。もう少し胸を張り気味にするともっと良くなる。惜しむらくは腰の吊り上げ方が不十分で下腹部がボテッとした印象を与えている。ポーズ全体を通じて腰の位置と足さばきがやや中途半端なためインパクトを弱めているのが残念。この点が恵良選手の課題であろう。髮形も選抜大会の時のようにスポーティな方が顔の表情が生きて来る。

①自然なサイド・チェストだが上体のカット、ディフニションが良く、大胸筋のストリエージョンが素晴らしい。もう少し胸を張り気味にするともっと良くなる。惜しむらくは腰の吊り上げ方が不十分で下腹部がボテッとした印象を与えている。ポーズ全体を通じて腰の位置と足さばきがやや中途半端なためインパクトを弱めているのが残念。この点が恵良選手の課題であろう。髮形も選抜大会の時のようにスポーティな方が顔の表情が生きて来る。

②バランスの良い体を持ちながら、腰が開いているのと右肘が前に出ているために上体の広がりが不足してウエストを太く見せてしまっている。③のように今少し腰の捻り強くして肘の位置を変えるだけで印象はガラリと変わる。

②バランスの良い体を持ちながら、腰が開いているのと右肘が前に出ているために上体の広がりが不足してウエストを太く見せてしまっている。③のように今少し腰の捻り強くして肘の位置を変えるだけで印象はガラリと変わる。

③体に良くマッチしたポーズで表情も良い。フリー・ポーズでは体の仕上がりに見合うポーズを選択することがポイントになる。

③体に良くマッチしたポーズで表情も良い。フリー・ポーズでは体の仕上がりに見合うポーズを選択することがポイントになる。

④三角筋、三頭筋、大胸筋が良く強調されているが、これも腰をもう一捻りすればもっと良くなる。

④三角筋、三頭筋、大胸筋が良く強調されているが、これも腰をもう一捻りすればもっと良くなる。

⑤恵良選手の良い所が生かされたポーズだが、肩がやや前に入り過ぎている。サイド・レイズの要領で、両肩を横に広げるように意識すると三角筋がもっと強調できる。

⑤恵良選手の良い所が生かされたポーズだが、肩がやや前に入り過ぎている。サイド・レイズの要領で、両肩を横に広げるように意識すると三角筋がもっと強調できる。

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昨年の全日本選手権のフリー・ポーズ。恵良選手はバック・ポーズから入り、カットの良い背中をじっくり見せていたが、あいにく写真がなくて紹介できないのが残念である。全体を通じて足の動きが一定で下半身の変化が乏しい。膝の使い方やスタンスの取り方を工夫して上下左右への動きを取り入れると良いだろう。また一つ一つのポーズが単発になりがちなのも気になる。例えば⑬のバックのダブルバイセップから⑭のポーズで終わっているが、このまま右手を伸ばすなどしてポーズわなげる工夫をすれば、ポーズに流れが生まれ見る人の目を引き付けることができる。恵良選手のフリー・ポーズは控えめで淡々としており、ややもすると変化がなくメリハリに欠けるきらいがある。これは先に述べたように腰の位置と足の使い方が十分に生かされていないことも一因ではあるが、それ以上に性格に左右されている部分が多い。あらゆるスポーツに通じるのと同様にポージングにも性格が反映される。良い意味での闘争心を持って自分をアピールさせることを心掛けるべきだろう。恵良選手は女性ビルダーとして大いなる素質と可能性を秘めた逸材である。ポーズのとり方を変えるだけでずっと良くなると思われるだけに辛口評となるが、多くのビルダーのポーズを研究して個性的なポージング・ルーティーンを展開してもらいたい。
月刊ボディビルディング1993年5月号

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